夢雫

かぞくと過ごす毎日を経て

きっとこういう気持ちを持ちたかったのだと

かみしめて愛でているところ

仕事で一息ついたころから

ほしくて仕方のなかったかけがえのないものを

まいにち両手いっぱい抱きしめている

わたしの人生でいちばんのたからもの

日々大きくなる存在を育んでいることが

いかに人生を豊かにしてくれるか

いかに幸せな気持ちをもたらしてくれるか

ずっと忘れないでいたいと思う

仕事の代わりはいくらでもいるけど

家族にとってのわたしは代わりがきかないただ1人

いい言葉をもらったなぁと今も思う

 

切迫での入院

実家での静養

制限付きでの復帰

長らくの休業

その都度助けられ、補填されて社会は回っていて

今まで肩肘はって

身体を削るようにして仕事していたけど

私ひとりいなくても回る世界だと気がつくと

生活や身内を大切にする時間に

重心を傾けることが、やっと、できるようになった

しごとだけが人生じゃない

なんだかずいぶんと豊かな気持ち

荷物を抱えすぎないこと

大事なものの順序を違えないこと

家族の安全

安心

健康

仕事はその次

お手伝いもいただきながら

ありがたく

そして

あんまり諦めずに

ほどほどに楽しみながら

生きていきたいと思う

担任に戻ってみて

自分の生徒がいる楽しみも

久しぶりに感じながら

今できるいちばんを

爛漫

ふと思い出して記事を読み返したので一稿

まだページが残っていたことに驚きです

生命を宿して

8ヶ月ほどの月日を過ごし

授かることを

二回、経験しました

自分の腕の中で

安心しきって収まる生命が

愛おしくていとおしくて

そっと唇を寄せて

愛でながら

穏やかな毎日を過ごしています

そういえば

ずっとずっと昔から

お母さんというものに

なりたいと思っていました

小さい子が大好きだったので

この子たちが幸福に暮らせる世界を

できるだけステキな形で渡せるよう

自分にできることをしていようと思います

暮れなずむ

これで一区切り
この行事の最後を見届けることになるなんて
思ってもいなかった
どれをやめるかといわれれば
絶対に誰に聞いてもこれだと信じているけれど
巷を騒がせている
件の情勢にも関わりますが
このスタンドは間違いなく使われるでしょうから


どこに向かって走っているのかもわからないけれど
次の候補
という言葉の意味は
あまりまだ考えたくない
学校全体を見渡して
生徒たちとの温度差もないままに
いろいろな人たちの思惑を読みながら
交わしながら
言葉をつむいでいくことの意味を
少しずつ感じているところ
どうにも距離感が難しい
仕事が好きかと問われれば
決してNOとは言わない
好きでないとこの仕事はできないと思うから
可愛い生徒に恵まれてよかったと
心から思ってはいるものの
心を通わせることの難しさを感じつつ
自分の学年以外の生徒との
距離感というか
接し方は難しいとつくづく思う


今のところは少し落ち着いたような
ふと息をついたところ
まだ何も知らない彼女たちに
少しでも世の中のことが伝わりますように
意義や方向性を違えてはならない
自分の使い方を
生徒たちの使い方を
少しずつ覚えていかなくては
私がいなくとも成り立つことが、むしろ理想的なのかも
教え育むことの尊さを繋いでいられますよう

jinsei

ひとつ行事を終えて
ほっとひといき
めぐりゆく季節のなかで
なんとなく区切られて
去年の今頃に思いを馳せたりして
いつかまた振り返りたくなる時が来る

めまぐるしさと喧騒
輪郭が溶けて消えてしまいそう
責任感とか助け合いとか
しごとまわりの関係性とか
何をやっていても
どんなにいいことでも
どんな非効率な作業でも
誰とともに動くかが大切で
労いの言葉に
ちょっとだけじわっとして
生徒のために、共同体の中ではぐくまれるものがある
誠実であること
相手に対して 自分に対して
理性と知性とモラルと節度を忘れずにいられますように


苦しいときに支えてくれるのはやっぱり家族だなと思っています
実家もすてきだったけど
自分でつくる関係性は芯から支えてくれるから嬉しい
感謝の気持ちを伝えていきたいと思います

季節が廻ってゆく
受験から6年戻って
なんともまばゆい日々を過ごしています
まだ幼さが強くて
でも十分に大人にもなってきて
ここがたぶん根幹になる部分
大人のずるさを許せないからこそ
ごまかしは逆効果で
真剣に向き合うことを要求されて
世界のほとんどすべてを
学校が占めているからこそ
この年代だからこその凄み
閉鎖空間であればあるほど
その人間形成を間違えてしまいたくない
ここでだいたいのことが決まってしまう
社会への疑念や失望のようなもの
信頼と希望を見せてあげたいのに
私たち大人がしょうもないことをしてはいけないのです
この子たちが社会に出るまで
あと10年あまり
それまでの時間を大事に見ていってあげたい
お手本となれるような
そんな大人を目指していたいと思います
窮屈な意味ではなくて
理想の自分を目指して

翻す

いつからか
目の前を過ぎていく時間が淡くなって
暗闇にたたされるわけでもなく
何度となく寄せては返すさざなみのよう
飛沫に溶けた溜息のように
ふと繰り返しては消えていく物思い


裏切りはどこからどこまでがそうで
どこから先が見えなくなるのだろう
ときどき忘れそうになる
ときどき抱きしめていたくなる
そんな衝動と付き合っていくうちに
少しずつ形を変えて
大事だった日々がある
なつかしい気持ちがある
鮮やかな日々を今になって思い起こす
今にして思えば本当に楽しかった
変なことばかりしては思い出すけど
元気にしているかしら
SNSでの近況はちょっと遠くてなんとも言えず


自分に起こっていたことを
正しく記述することもできないのに
それでも相談された内容にシンクロする部分はあって
登校忌避をする子たちの気持ちが
私にはちょっとわかる
億劫で耐え難いものに感じてしまう気持ち
今思えば、素直にカウンセリングにかかっておけばよかった
自分が病気だと認めることが怖くて
かえって遠回りをしてしまった
スクールカウンセリングや教育心理
いろんな事例を知って
ようやくあのころの正体をつかんだような気持ちでいる
誰かに助けて、という気持ちを吐露できていれば
もっと早く抜け出せていただろうか
怖くて怖くて、恐ろしくて蓋をしてしまった
自分を守るために逃げ出してしまう
向き合いたくなくて見ないふりをしてしまう
わかりやすい逃避の形は
それでもよかったのかもしれない
壊れてしまうよりずっといい
立ち向かい続けると辛くて苦しくて途切れてしまうから
もっと周りを信頼できていたら
もっと周りが味方だと思えていれば
肉親でも友人でも先生でも
誰か一人でも剥き出しの弱音をぜんぶ吐ける相手がいれば
それだけできっとうれしくなれる
結局他人にしか癒されない部分もあって
だからこそ人は恋愛したり友情を求めたりするのだけど
認めてもらえることの幸せを感じる手段として
結婚という形はわかりやすいのかもしれない


自分の気持ちと相手の気持ちを大切にできますように

如月

夢をみているような
現と見做しているような
曖昧で穏やかで緩やかな境界
懺悔をするようでいて
その実 見つめていたいだけなのかもしれない
自分が残してきた軌跡と
何かを少しだけでも焼き付けたい気持ち
いつまでも忙しなく動き続けていても駄目で
かといって留まり続けたいわけでもない
極端な思考が揺れて
幅が広くなっていく
落ち着かない
このもやもやした気持ち


人生で成し遂げたいことを
きっとそれぞれ選び取ってきていて
誰かのために何かを
してあげられる喜びを
与えることの貴さを
求められることへの幸福感を
人を育てるということの尊さを
光が溢れて止まらない
この子たちと過ごせたときを忘れたくない
きっと一番に一生懸命で
きっと一番に鮮やかで
忘れられない輝きになる
これから先もきっと思い出しては磨きたくなる
そんな想いでの日々を
そのときの温度で
そのときの匂いで
ありのままに写し撮っていられますよう
大人になるのが楽しみで仕方ない


貴方たちに逢えて
ほんとうに良かった
幸せな日々をありがとう