ジャン マルク ミヨ サヴィニー レ ボーヌ 2008

ブルゴーニュにおいて今後10年間で注目すべき造り手の1つと評価されているドメーヌ。コート・ド・ニュイ南部ニュイ・サン・ジョルジュにドメーヌを構えるジャン・マルク・ミヨは、ピノ・ノワールの代名詞である「アロマと果実味」を強調した純粋で柔らかな味わいの魅惑的なワインを造る生産者です。ピノ・ノワールの真髄である可憐でエレガントなアロマは、まさに「香りの魔術師」と呼ぶに相応しく、ピノ・ノワールのファンに強くお薦めしたいワインです。現在、自社畑の総面積は8ヘクタール程で、ヴォーヌ・ロマネ村とフラジェ・エシェゾー村を中心に複数のグラン・クリュとプルミエ・クリュを所有しています。有機栽培に限りなく近いリュット・レゾネ方式で厳しい収量制限を行うことで凝縮感を出し、濃厚な舌触りと風味を湛えたよく熟した葡萄のみを手摘みで厳選して収穫します。葡萄の成分を抽出し過ぎず、ワイン本来のピュアな味わいを損なわぬよう、糖度や温度を毎日計測しながら醸造工程の全てに細心の注意を払っています。サヴィニー・レ・ボーヌに点在する3つの畑のピノブレンドさせて造る女性的なスタイルのワインです。ブラックチェリーと鉛筆の芯の香りを持つブーケが香ります。味わいは重厚でしっかりとしたストラクチャーがあり、ほのかに塩気の香る後味にいくばくかのタンニンが感じられます。

夕飯は、ローストビーフ、マッシュポテト、焼きそら豆。ちょっと頑張りましたよ。
ワインはあるあるBOXのうちの1本。2008年というだけあって、色合い、香りともに熟成感が感じられる。さすがに美味しかったな。


K+ICO(上田岳弘)★★★☆☆ 5/3読了

ウーバーイーツの配達員をしているK。TikTokerをしている女子大生のICO(イコ)。巨大な「システム」の中に生きる二人の人生が交錯する時、何かが動きはじめる。実力派作家がデビュー10周年に放つ、渾身作。

今どきっぽい話で、軽く読めるのだが、実は割と深くて、面白かった。ラストが印象的。装画もいいね。

モンテリーベロ スプマンテ ロゼ NV

きれいなバラ色(まさにロゼ)のスプマンテは、グラスに注ぐと華やかな雰囲気が広がります。黒ブドウから作られるロゼ・ワインは、白ワインよりもタンニン等のエキス分が多く、それだけ風味が豊かです。パーティーやプレゼントに、もちろん食事にも。前菜やハーブを利かせた料理に。またロゼは中華料理にもよく合うといわれています。

鶏胸肉の揚げ焼きの新玉ねぎダレ、とサーモンのリエット。サーモンのリエットは初めて作ったが美味しかった。簡単といえば簡単なので、また作ろう。
ワインはトスカニーで購入。口当たりがちょっと甘くて、でも甘口というわけではない。安い割に美味しかったので、リピートありかも。

ラ スピネッタ カサノーヴァ ロゼ ディ カサノーヴァ トスカーナ 2022

ほんのりとオレンジのトーンが混じる、はんなりとした薄いロゼカラーで、みずみずしい桃やフランボワーズの香りに清々しいミネラルが重なり合うとてもクリアーな印象。美しいスタイルを支える伸びやかな酸味、黒ブドウ由来のボディの複雑性と仄かな塩味の上品な調和があり、チャーミングで軽やかながらも、綺麗な果実の風味と余韻があり、「流石はスピネッタ」と言わざるを得ないほど充実したドライな仕上がりのロゼです。冷やしてフレッシュな味わいを楽しんで、徐々に温度を上げると黒ブドウの豊かな味わいが楽しめます。生ハムやサーモンマリネ、海老しんじょう等の前菜、お刺身やカルパッチョ、鶏肉のグリルやソテー、その清々しい味わいは和食とも相性の良さを魅せてくれます。イタリア料理は勿論、様々な料理と幅広く楽しめる懐の深さを持つとても優秀なロゼです。

ボトル半分では足りないので、やはりトスカニーで購入したロゼも開けた。バランスの取れた味わいで、これも美味しかった。

ヴェレノージ ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラシコ 2021

葡萄畑は、昔からの古い区画にあります。標高100メートルに位置し、砂利質と粘土質土壌です。葡萄は垣根仕立(コルドン)で栽培されます。収穫は気温の低い早朝、もしくは夕方に行ないます。房が痛まないよう小さなケースを使って手摘みで収穫した葡萄は、セラーに運ばれるまで低温管理されています。やわらかくプレスした果汁をタンクで5度に冷やして清澄後、温度コントロールしながらステンレスタンクで発酵させます。明るい緑を帯びた黄色、青リンゴや蜂蜜、スパイスを思わせるフルーティなアロマ、ほどよいボリュームがあり、バランスがとれています。余韻にかすかな苦味が感じられます。

夕飯は、ロピアさんレシピの新玉ねぎと塩豚バラ肉の煮込み。そこにレンズ豆と舞茸をプラス。
ワインはトスカニーで購入の「ヴェルディッキオ」飲み比べ6本セットのうちの1本。土曜日に妻が半分飲んだものの残り。割と厚みがあって、まずまず美味しかった。

冬に子供が生まれる(佐藤正午)★★★☆☆ 4/28読了

これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞第一作!

とても面白くて夢中になって読んだのだが、話の肝となる部分が今まで散々使い古されている「アレ」だったのがどうしても引っ掛かった。もちろん単純な「アレ」ではなく、アレンジしてあるし、それ以外の要素も色々あるのだが、最後まで気になってしまった。「アレ」を使わずに書いてほしかったが、それだとこの小説は成り立たないんだろうな。

十角館の殺人(綾辻行人)★★★☆☆ 4/28読了

すべてはここから。清冽なる新本格の源流!大学ミステリ研究会の七人が訪れた十角形の奇妙な館の建つ孤島・角島。メンバーが一人、また一人、殺されていく。「十角館」の刊行から二十年。あの衝撃を再び!

映像化されたというニュースを見て、超久しぶりに再読。1987年の刊行当初に読んでいるだろうから、35年振りくらいだろうか。私の持っているのは文庫ではなく、当然ノベルス版である。1行の衝撃のことは覚えていたが、それが具体的に何だったのかとか、その他細かいことは覚えていなかったので、再読でも楽しめた。今読んでも面白いね。ただ、あれをどうやって映像化したのか、それも気になるな。