(リメイク)これから大学に入学する新入生のために
<はじめに>
この記事は、僕が大学生の頃に書いた記事を加筆修正したものです。内容には7年間の間に僕の中での軽重なり優先順位が変わった部分もありますが、意見が反転した部分はなかったので基本的に当時のニュアンスを残した上で、参考書・例示のアップデートや冗長な部分の削減を中心に更新しました。内容の有効性については、2017年現在においても全く変わることがないと思います。ではどうぞ。
<まえがき>
4月から大学に入学することが決まった皆さん、おめでとうございます。皆さんは今後の4年間を、勉強や研究、部活やサークル、課外活動、アルバイトやインターン、趣味、恋愛その他色々、何にでも使うことができます。また、この4年間をどのように使ったかは、卒業後の長い人生に大きな影響を与えることでしょう。大学新入生の前には、本当に広い可能性が広がっています。
しかし現状を見る限り、多くの大学生が入学早々、自分の可能性を自ら狭めているように僕には思えます。特に目につくのが、以下の二つのパターンです。
・勉強することを放棄してしまう
・一つの部活やバイトに強く拘束され、それを大学生活の大半にしてしまう
残念なことに、大学生活の最初に上級生から入ってくる情報は、右も左もわからない新入生をこの2つへと誘導するタチの悪いものである場合が多いです。これは体育会系の部活を中心とする各種団体の新歓と、「上クラ」「オリター」と呼ばれる2年生が新入生に対して大学生活のガイド行う制度に原因があるのですが、彼らだって悪意を持ってやっているわけではありません(わざわざ下級生のガイドをするからには、何か目的や得になることがあるに違いない、くらいの批判的思考を持つのは良いと思います)。ただ、彼らと異なる意見も聞くことは、自分がどうやって今後4年間の大学生活を送るか決める上で、極めて有用でしょう。
この記事は大学新入生の皆さんに向けて、大学入学からそろそろ10年になる社会人が送るメッセージです。新入生が不十分で偏った情報に基づいて、今後を左右する重要な決定を行っている現状への懸念と老婆心(もったいないぞ?という思い)から書きました。この記事をきっかけに、一人でも多くの人に、「勉強も案外楽しいかも」「外の世界に出てみるの楽しいかも」と思ってもらうきっかけになればと思っています。
もちろん僕の意見も、数ある意見の一つでしかありません。他にも色々な先輩や社会人の方に話を聞いて、十分な情報を持った上で自分の大学生活をデザインしてくれれば、記事を書いた甲斐があるというものです。後で何度も繰り返しますが、この「自分でデザインする」「自分で決める」という意識が、大学在学中も卒業後も続く生活全てのキーになると思ってください。
<本文>
僕の主張は、以下のことをやってほしいというものです。
○高校までの勉強と、大学以降の勉強の違いを認識しよう○「反知性主義」を優しく拒否しよう
○とにかく本を読もう
○どんどん「外」に出よう
○自分の将来について常に思考しよう
○各種補助を有効活用しよう
このアドバイスのもとになっている僕のスタンスを簡単にまとめると、「勉強する。外に出る。自分の幸福は自分で決める」といった感じです。リンク先に目を通したり紹介している本を読むとより多くのものが得られると思いますので、面白そうな本があったらクリックしてamazonで買ってみてください。
○高校までの勉強と、大学以降の勉強の違いを認識しよう
小学校、中学校、高校まで学校で教わる勉強と大学の勉強には、根本的な違いがあります。それは、「大学での勉強は、受験やテストが目的ではない」ということ。大学での勉強には単位認定のための期末試験はあっても、今後の進路を左右する大きな試験はない場合が多いです。結果、今まで受験での成功を目的として勉強してきた学生は、大学入学と同時に大きな思考の転換をする必要に迫られることになります。学生の中には、この変化に気付かず、「大学の勉強は、社会に出て役立たない」といった言葉を吹きこまれて、早々に勉強することを放棄する人が少なくありません。
「勉強が役立つか否か」という問題を考えるときに、それを「将来従事するであろう仕事の内容と直接関係あるか」という問いに置き換えてしまうのは、試験を目的とする勉強を十年近く行って形成されたバランスの悪い勉強観に基づく、有害な間違いではないでしょうか。
例え受験や仕事と直接関係がなくても、勉強をすることにはなお大きなメリットがあります。まず、何かの学問を体系的に学ぶことで身につく、思考の仕方や問題解決力、物事に対する感受性、仕事に限らず日常のあらゆる意思決定や活動を変えます。また、勉強を通じた視野や選択肢の広がりは、「幸せに、生きたいように生きる」という、上位の目的に貢献するでしょう。こうして、日常的に頭を使っている人と、頭を使うことを放棄してしまった人には、大学4年間の間に絶望的な差がつきます。今まで受験のための勉強しかしてこなかった方も、例えば何かの本やこの記事をきっかけにして、受験のためでない勉強を楽しむ気持ちを持ってくれれば嬉しいなぁと思います。<参考>
オススメするゼミ選択の方法
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100128/1264622745
池尾和人先生のコメントに注目。
○「反知性主義」を優しく拒否しよう
前述の内容を深く心に刻んだうえで、
「勉強なんてつまらない」
「勉強するよりバイトしたり部活したほうがいい」
「大学の勉強なんて社会に出て役に立たない」
「大学生活では何かひとつのことにとことん打ち込むべきである」
「知識を身につけるより、他者の顔色を見てうまく合わせるほうが重要」
という先輩の助言を、「なるほど〜」とか言いながらにこやかに聞き流しましょう。周りが勉強してなくても、あなたにとっての勉強の価値は全く落ちません。大学生活について相談するのであれば、部活のパンフを手に勝手に寄ってきて「人生の先輩」面したがる上級生ではなく、あなたがこれから何をしたいのかについて真摯に話を聞いてくれる、しっかりした上級生を探して相談することを、僕としてはおすすめします。あまり露骨にやると友達が減るので注意してください。<参考>
反知性主義には、個人で、日本で十分対抗できる
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100117/1263728321
参考と言うかそのまんま。
なぜ私は親鸞会をやめたのか-about Cult and Mind-Control
http://nazeyame.shinrankai.biz/mindcontrol/
どの大学でも多くの部活、団体が多かれ少なかれ似たようなことをするので、じっくり読んであらかじめ知っておくといいと思います。「カルトなんて引っ掛かる方が悪い。自分は大丈夫」などとゆめゆめ思わないよう…
○とにかく本を読もう
勉強することやことや考えることの意義を説明した所で、次は「何を学ぶべきか、どう学ぶべきか?」という部分について書きたいと思います。もちろん、自らの知的好奇心に従って、自主的に授業を履修したり大学図書館で本を借りて勉強してくれればそれが一番ですが、一応の方向づけと言うか、「学部に関わらず、これを学ぶのは有益だ/有益だった」と僕が思うものをご紹介します。僕も働き始めてからはばらつきがありますが、大学時代は常に本を持ち歩き、年間100冊位読んでいました。
●オススメの分野1:現代思想
「思想を学ぶ」というと、高校の倫理のようなものを想像するかもしれませんが、そうではありません。ここで目指す内容は、「当たり前とされていることに疑問を持ったり、その背後にある前提や構造を見抜き、世の中を冷静に見る目を身につけること」です。これはどんな分野を学び、どんな道に進むとしても役に立ちます。
今すぐ読める入門としては、このwebサイト(黒とつ)がいいのではないでしょうか。私の友人が一銭の得にもならないのに書き上げた現代思想の良質な入門です。「神話から現実へ!」「勘違いしたブスにむかつかなくなるまで」あたりをじっくり読んでみてください。
その次は、例えばこのような現代思想に関連する新書を読んで、考え方の全体像を少しずつ掴むといいでしょう。
- 作者: 中村雄二郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/09/20
- メディア: 新書
- 購入: 10人 クリック: 209回
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- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/06/20
- メディア: 新書
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やる気のある人は、ニーチェやフーコーの訳書にトライしてみてもいいかもしれません。
ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)
- 作者: フリードリッヒニーチェ,Friedrich Nietzsche,信太正三
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/08/01
- メディア: 文庫
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また現代を理解する上で、西洋近代とはどのような考え方が強い時代であったかを知ることも不可欠です。僕が好きな本はこれ。
- 作者: レジスドゥブレ,三浦信孝,樋口陽一,水林章,R´egis Debray
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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あとは、アンテナを高くして興味のままに本を読んでいけばOKだと思います。また、みなさんがこれから自然科学なり社会科学なりを学ぶにあたって、「そもそも『科学』とは何か?」「科学には何ができて、何ができないのか?」というようなテーマを扱った、科学哲学の入門書を1〜2冊読んでみると有益かもしれません。僕はこの本を読みました。
- 作者: 中山康雄
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 単行本
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●オススメの分野2:経済学
私は商学部の学生でしたが、専門は経済学に近い部分です。経済学の基本的な知識を身につけることは、みなさんが文系か理系かに関わらず、非常に有益で楽しいことであると僕は思っています。経済学ほど学んだことのない人から偏見を持たれている学問もなかなかないと思いますが、経済学を学ぶことで、実際の経済、社会、あるいはより広範な人間活動について考えるための、一つの軸あるいは視点を得ることができます。
経済学とは一言で言うと、「人間の意思決定とその結果を抽象化(モデル化)し、分析することを通じて理解することをめざす学問」です。その分析対象は、企業の営利活動や国家の経済活動に限りません。また経済学は「数学をゴチャゴチャと使う難しい学問」して特に人文系の学生から避けられる傾向がありますが、経済学の基本的なロジックは、四則演算がわかれば結構理解できます。少なくとも研究の道に進むのでなければ、数学ができないからといって経済学を嫌う必要は全くありません。
どういう本をまず読むといいかについては、この記事にまとめてありますので、そちらをどうぞ。どれもハードカバーで高いので基本的には借りて読めばいいと思いますが、マンキュー入門経済学は文理問わず、買って熟読することを強くオススメします。
- 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,柳川隆,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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●オススメの分野3:会計を中心とする経営学
会計を学ぶここでの主な目的は、「企業とは何をやっているのか」を外から理解することです。日本には400万社を超える法人企業があり、東証一部上場企業だけでも2,000社あります。我々が行う活動の多くに様々な企業が関わっており、社会や経済について考察する上で、企業の基本言語である「会計」を抜きにはできません。新書等を取っ掛かりにして会計を少し学んだあとで、ビジネスの他の分野(マーケティング、経営戦略、人事、財務等々)について本を読むと理解がスムーズになるでしょう。
簿記二級(0からでも2〜3ヶ月勉強すれば取れます)レベルの会計を理解すると、自分で企業の財務諸表(企業の業績や経済状態を要約した表のようなもの)を読んで大雑把に分析できるようになります。後で述べるように、この記事を読んでいる大学新入生の大半は学部3年で、あるいは大学院1年あたりで、将来の職業を決める「就職活動(就活)」に早くも参加することになるのですが、就職活動の時に財務諸表が読めないと、「この企業はどのようなビジネスモデルを持っているのか?」「この企業は将来大丈夫だろうか?」などとと考えて意思決定をするにあたり、新聞記事や学生の噂に頼るしかなくなります。日本語しかできないのに海外旅行して現地で結婚相手決める感じ。財務諸表が理解できれば、その企業の置かれている状態について、それらの情報を参考にしつつも自分で判断することが可能になります。また就職活動に関係ない場でも、会計を通してお金に関するセンスを身につけることは、日常生活からサークル活動の予算作りまでなにかと有益でしょう。
会計については、時間と興味があったり外資系企業を目指す場合は簿記2級の勉強をするとよいですが、最近は社会人向けの会計入門書が新書でいくらでも出ています。そうした本を読めば、簿記の資格がなくても簡単な財務諸表分析やビジネス分析ができるので十分だと思います。ただ経済経営系の人が財務諸表読めないと恥ずかしい気がするので、そのあたりの人はちゃんとやりましょう(特に経済学部に多いですが、現実社会のことはわかりませんってカミングアウトしているようなものですよ)。
知識ゼロでも2時間で決算書が読めるようになる!―会計超入門!
- 作者: 佐伯良隆
- 出版社/メーカー: 高橋書店
- 発売日: 2011/04/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビジネスについて考える上では、その他にも経営学の基本を学んでみると面白いのですが、経営学は会計以外にもマーケティング、事業戦略、財務、ガバナンス、様々な分野があり、全体を一冊で網羅する本がなかなかありません。とりあえずは、日経新聞の1面、経済面、企業面、投資・財務面あたりから面白そうな記事を、わからない用語をgoogle検索しながら読むことをおすすめします。より体系的に学んでみたい方は、以下のような本を読んでみるといいかもしれません。
- 作者: 沼上幹
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: 単行本
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- 作者: 小松章
- 出版社/メーカー: 新世社
- 発売日: 2006/11/01
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- 作者: 上野泰也
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2010/07/23
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- 作者: リチャード・A・ブリーリー,スチュワート・C・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,國枝繁樹
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/06/20
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以上3つの分野について紹介してきましたが、これ以外にも面白い分野は無限にあります。授業や大学図書館といったインフラを最大限活用して、色々と勉強してみてください。多くの読書によって得られた知識や思考は、「就活に有利になる」といった狭い目的を超えて、きっとみなさんの人生を豊かにするでしょう。<参考>
商学部生への経済学のススメ
http://obata.misc.hit-u.ac.jp/~itoh/ronso0404.html
僕の指導教官が商学部生向けに書いた文章。経済経営系の学生必読。「経済学ってどんな学問?」「経済学と経営学って何が違うの?」という話。
ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。人生を根底から豊かで納得のいくものにしてくれる良書25冊を紹介
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118/
良書の紹介記事。id: fromdusktildawn氏の記事はどれも凄くクオリティが高いので、どんどん読んでみてください。
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
http://dain.cocolog-nifty.com/
「何を読めばいいんだろう…」と迷ったら、まずはここのページ右下「100冊シリーズ」から探すとハズレが無いと思います。
○どんどん「外」に出よう
皆さんはこれからどこかの大学に所属し、クラス、部活やサークル、バイト先といった組織ないし集団に参加することでしょう。それらの大学や組織はそれぞれ素晴らしいものだと予想しますが、僕としては皆さんに、一つの場所に縛られることなく、どんどん『外』に出て、新しい人間関係を模索し続けてほしいです。
全てのコミュニティはどんなものであっても、それぞれ「集団のカラー」のようなものを持っています。これは集団の活動にとどまらず、所属している人の性格やものの考え方など様々な所に現れてきます。そして、集団に所属してその集団の人達と時間を共有するうちに、自分の考え方も自然と影響を受けてくるのですが、集団の内部にいると自分の変化に気付かないものです。多くの人は気が付けば、良くも悪くもその集団/組織の価値観に染まっているわけですね。どんなに多様な人を集めたり、色々な活動をしている組織であっても、組織である以上ある程度視野は狭くならざるをえないと僕は思っています。この限界を個人としてできる限り広げるためには、様々な集団の考え方を経験するしかないのではないでしょうか。
今まで僕が生きてきた中で得た様々なものの見方、考え方、専門的知識の大半は、座学だけではなく、様々なコミュニティの持つ価値観を肌で感じ、比較し、統合し、自分の価値観を作っていくことで獲得され、また、より洗練されてきました。「視野の広さ」と一般に呼ばれるような能力を得る上で、様々なコミュニティを渡り歩いたり、恒常的に様々なタイプの人と会うことは欠かせません。学生として成績優秀であったり、高い専門的能力を持った人が、別の部分(人付き合い、交渉、恋愛、就職活動等々)で損を被る理由の多くは、閉じこもっていることによる世界の狭さ、世慣れ不足に起因します。なるべく広い世界を見て、今の自分と比較することは、それ自体非常に楽しいことですし、将来的にもプラスになります。大学の外、サークルの外、日本の外にどんどん出て、新しいコミュニティを開拓しましょう。よかったら学内や部内に引きこもっている同輩先輩も連れてってあげてください。
ちなみにここでいう「『外』に出る」とは、普段の生活サイクルで接する部分(大学、サークル、バイト等々)以外の人間関係に参加することを指しており、必ずしも物理的な外出である必要はありません。twitterでの議論に参加したり、ネットで知り合った仲間と話すこともこの意味で十分に有意義です。そこからオフ会などのよりリアルな関係につなげていけば、得られるものもより大きくなるでしょう。行動力のある学生や社会人でも、ネットのツールや人間関係を活用できている人は少ないように周りを見て感じられますが、ネットを活用すれば大きな具体的メリットを得られます。<参考>
リアルとネットの不適切な二分法がもたらすチャンスロス
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100201/1264973839
ネットを活用して豊かな人脈を築く方法についての考察。
体育会系苦手だけど、文化系ばっかじゃ組織がまわらん
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20091229/1262015117
どんな組織にあっても抑圧されない健全な欲を持ち続けることが大切。
就活で大事な気が個人的にすること
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100308/1267982229
外に出るのに便利な社交術。就活に限りません。
○自分の将来について常に思考しよう
大学生活4年間を過ごした後、文系では大半の学生が就職することになります。理系でも、大学院でもう2年間を過ごした後で就職する学生がほとんどです。新卒偏重で転職や中途採用の市場がまだまだ小さい日本において、最初にどこの企業に就職するかというのはその後40年近いキャリアに重大な影響を与える問題です。しかし現実には、多くの大学生が何も考えずに2年以上を過ごし、3年の冬頃に慌てて「就活」に参加し始めるというのが現実です。中高6年間しっかり勉強や情報収集を重ねた結果として大学に入学した学生が、社会人生活40年間のための準備をせいぜい数ヶ月しかしないというのは、僕にはどうにも不合理に感じます。
大学一年生から「その後」を意識した活動をすることを、僕は強く推奨します。これは例えば「自己分析」だとか「業界研究」だとか「セミナー出席」というような、狭い意味での就活ではなく、社会や経済、企業に関心を持ち、自分がどのように将来過ごしたいのかについて考察することです。そのためには、まず日経新聞やインターネットを通してニュースをチェックする習慣をつけることや、社会人と意識的に会いに行くことをおすすめします。世の中にはどのような職業があって、彼らがどのような生活を送っているのか、できるだけ実際に話を聞くことで学び、自分の選択肢に関する視野を広げてください。
また、なんとなく資格の勉強(公務員、司法試験、公認会計士)を始めたり、大学院に進学することを決める学生は少なくなりませんが、こういう場合も知らず知らずのうちに、不十分な情報に従って重要な決断をしている場合があるので気をつけてください。資格勉強をするのは勿論よいことだと思いますが、例えば公認会計士の勉強をするのであれば、公認会計士がどのような仕事を日々しているか、給料はどれくらいか、就職先やネクストステップにはどのようなパターンがあるのかを知り、少なくとも2人位の実際に働いている会計士に話を聞いてから勉強を始めるべきだと思います。ネットでもちょっと検索すれば以下のような情報は見つかりますし。
自分のキャリアを選ぶ上で大切なことは、誰も教えてくれません。自分で手と足を動かすエネルギーの有無によって、大学生活やその後の人生は全く異なったものになりますので、頑張りましょう。<参考>
日本の産業を巡る現状と課題-経産省
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100225a06j.pdf
7年前に貼ったリンクなので差し替えようと思って読み返したら、今でも通用する非常に良いまとめだったので残します。ぜひ一読を。
○各種補助を有効活用しよう
大学の授業料は高いです。比較的安い国立大学でも年間50万円強なので、週に1万円以上の授業料を払っている計算になります。それだけのお金を払うに値するだけ、大学を有効活用できている人がどれだけいるのかは、自分を含めてなかなか疑問です。大学の資源(授業、大学図書館、各種施設やサービス等)は最大限利用しましょう。
家庭にあまりお金がないという人は、学生支援機構の奨学金を借りるのはもちろんですが、
●民間の奨学金
●大学の学費免除
この二つを必ずチェックしてみてください。民間の奨学金は大学掲示板に張り出してありますし、学費免除は大学の事務に行けば詳しい書類が貰えます。僕のようにあまりお金の余裕がない家庭の場合、年間数十万円が浮く可能性があります(もちろん、それなりの成績を維持することが求められますが)。ちなみに僕の場合、
学費全額免除+月4.5万貸与の学生支援機構奨学金+月3.5万給付の民間奨学金
で、だいぶ助けられてました。学生支援機構の方は家の生活費になりましたが。
<あとがき>
僕の立場から後輩に言いたいことは大体全て言いつくしたと思います。なにか分からないことや相談があれば、気軽にtwitterやask.fmで相談してください。はてなブックマークやトラックバック、またブログやtwitterで広めてくれるのも(無断で構いません)随時歓迎しています。
大学生になると、高校以前に比べて、自分で考え行動することがぐっと増えると思います。そして、基本的にその責任は自分で取ることになるでしょう。その点で、勉強だけでなく、行動においても考え方の根本的な変更が必要です。記事を読み終わったらぜひ、実際に動き始めてみてください。。みなさんの楽しい人生と世界の未来が、これからの主体的な行動と選択にかかっています。Good Luck!よい大学生活を!
アイセックの件
危険すぎた「女子大生ルーマニア一人旅」 アイセックに「説明不十分」と批判噴出J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2012/08/21143520.html
アイセックの知人友人が多いこともあり、過去アイセックの海外インターンを有意義に利用させてもらった外部者として、考えをまとめておきます。僕の参加(2008年)時に受けた印象論や、憶測を含みますが。
まず、アイセックが学生の危機管理について、日本で要求されるレベルで完璧に対策できてるかといえば、できてないと思います。僕の時(トルコ)も深夜着で、来るといった迎えが来なかった...。あのサポート水準は恐らく国際的には普通レベルですが、日本でやるなら(というか日本の学生に対してやるなら)、国際的に普通レベルではダメだった。
アイセックジャパンは、「日本レベルのサービスを求めたら国際活動なんてできませんよ、国際活動に参加するんだったらちゃんと国際レベルの自己防衛を身に着けてくださいね」というのを、小学生に教えるように大学生にべったり徹底指導し、テストなどでチェックしなければいけなかったのだと思います。みっともない話ですが。そして、それをやらなかった(ように少なくとも講習を受けた僕には見えた)のは、アイセックジャパンの落ち度です。
例えば、東欧の治安情報や海外での危険対処はネットや旅行ガイドを見ればいくらでも事前に手に入るわけで、「まともな人」は出発前に読む。で、あのアイセックの仕組みは「まともな人」を前提としてるから、「こういう危険があります。これを読んでください」という講習はきちんとやるけど、「ちゃんと読んでますね?」「テストします」みたいな面倒の見方はしない。そこに、仕組みが前提としない人が来ると、リスクが生まれます。
上のような事情から、僕は事件の発生に関して心情的にはアイセックを責めないけど、擁護もできません。日本からプログラムに参加する学生のレベルに合わせた危機喚起徹底、および危機管理能力が身についているかのチェックを、改善策として早急に進めて頂ければなと思います。
それを前提としたうえで、僕はいまだアイセックの海外インターンを後輩に薦めます。
インターンにたくさん応募することの有益さ
お久しぶりです。
コンサル1年目を無事に生き延び、2年目のkanedoです(´・ω・`)
この1年間で学んだ/わかった色々なことについては近日中にブログでまとめたいと思っているのですが、今日はそこまで書く元気がないので就活関連のネタで、タイトルの内容についてちょっと書きたいと思います。(twitterで思いつくままだらだらと呟いたことのうち、有益そうなことのまとめです)
周りを見ている限りだと、そろそろ2014年卒の夏インターンが締切を迎えており、大忙しという人とまだ何もしていないという人が真っ二つに分かれているようです。この風潮に対し僕個人の意見としては、企業の夏インターンには興味があろうとなかろうと、とりあえず20社くらい目についたものを応募することをオススメします。理由は以下。
1.ESを効率よく作成できると、内定が取れない確率が大幅に下がる
この時期から沢山のインターンに応募することを薦める最大の理由は、ESを8割のクオリティでスピーディに大量生産する技術とフットワークの軽さの重要性です。
自分が就活をした年から数えて3年分、内定が全く獲得できない同輩/後輩を数十人レベルで見てきましたが、大半に共通する特徴としてそもそもエントリー数が少ないです。10社20社落ちたくらいで就活を終えていたり。そのようにエネルギーが続かないのは、そもそもエントリーやES作成に時間と労力を掛けすぎていることが多いのではないでしょうか (もちろん50社100社受けて通っていない人もいて、その場合はエントリーと学歴がかみ合っていなかったり、絶望的に文章が下手だったり別の要因があるのですが)
時間をかけて自己分析をして業界分析をして、やっと絞り込んだ業界で2-3枚程度のES作成に何週間もかかって、全部落ちて心が折れました、では色々とリスキーですね。一方、ESを効率よく作成する能力を身につけておくと、「そろそろ持ち弾が減ってきたな。今日は半日こもって6社追加エントリーしよう」ということができるようになります。これができると心が折れない限り弾切れを起こさなくなりますし、負担が減るぶん心も折れにくくなるので、内定が取れない確率が飛躍的に下がるでしょう。
就活期までの目標は、1社平均1.5時間以内でのES作成が可能になることです。(もちろん過去ESと共通の質問は、随時内容を磨きながらコピペ)
2.自分が当初意識していたのと違う分野に案外面白い会社がある
インターンは応募にかかるリスクや労力が少ないので、「金融に興味がある人はメーカーに、メーカーに興味がある人はサービス業も」という風に他業界を見に行くことが可能です。そうやって他業界を見る中で新しい興味がわくこともありますし、「なぜ●●業界か」を第一志望の業界で語る際にも他と比べた説得力が湧きます。時間があるうちは視野を最大限広く取っておくことをオススメします。
「インターンみんなやってるな…でもよくわからないな…どうしよう」と考えている皆さんは、ぜひこの記事を開いてるブラウザでインターンを探しはじめて見てください。夏休みが少しばかり有意義になるかもしれません。<注意点>
以下の記事などでふれられているように、ベンチャー企業などを中心に、学生をインターンと称して長期間タダ働きさせる悪質なケースも時々あります。長期インターン自体は有意義なこともしばしばありますが、個人的にはそうしたインターンには2年次や4年次で参加して、3年次は就活と結びつきのつよいインターン(2日〜5日間)を複数社受ける方針のほうがいいと思います。
http://www.s-shiori.com/con3/archives/2011/08/post-96.html
<補足:関連する友人のTweet抜粋>
夏インターン最低20は全面賛成だが、いわゆる一流インターン以外も出しておくべき。外銀・外コン・有名ベンチャーのみで固めると、相当高い確率で全落ちする。別に有名でなくてもいいから、なんとかして一つインターンにいってみることをオススメする。
おれが就活してたときのインターン結果は悲惨なもんでした。 外銀:英語ESで挫折 外コン:全落ち(半分ES及び筆記落ち、半分面接orGD落ち) しょうがないからちっちゃなSIerとか無名コンサルとか受けて、3つほどインターンにいった。
無名インターンでも得るものは大きいし、サクッと内定貰えたりもする。いわゆる一流インターンに出しまくって全落ちし、使い回し用のESも出来ずにやる気なくすくらいだったら、無名のインターンにも出してみよう。
学歴も能力もある人は、一流インターン20も出せば2つぐらいいける可能性もまぁまぁあるが、90%以上の人は残念ながら全落ちしちゃう。 昔のぼくみたいなふつーの学生は、一流10個無名20個ぐらいの配分で応募してみるといいかも。そのほうが本選考時期に入ってからもいい結果残せるのでは。
(tasktasktask)
14卒でまだ就活始めてないなら、かなり遅れてると焦るべき。筆記対策は7月で終わらせて8月で残ったインターン出しまくりつつ、有り金でボストンキャリアフォーラム行くか悩む頃合い。
ちなみに3年生の2月から就活して内定取りまくる猛者もたまにいますが、天才だと思わない限りは避けた方が無難です。私の回りでそういう内定ゲッターは最低でも激秀才か天才でした。
なんでこんなに就活さっさとやれコールするかというと、さっと内定とれたほうが遊べる期間が増えるから。ダラダラ数社受けてると「内定あるし金貯めて卒業旅行行こー」なタイミングが消滅するからオレンジデイズも無くなる
(10andju10)
読書録
ここ20日位で呼んだ本のうち、面白かったものをピックアップ(´・ω・)
- 作者: デーヴグロスマン,Dave Grossman,安原和見
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 文庫
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これが最近のトップ。有史以来第二次世界大戦に至るまで、軍隊同士の交戦時においても殺人は彼ら自身によってかなりの程度避けられてきたという事実(第一次世界大戦や第二次世界大戦で相手に向けてまともに発砲している兵士は全体の15〜20%に過ぎなかった)。軍隊や戦争がどのような心理的メカニズムで人を殺人に駆りたててきたか。戦争において殺人が抵抗なくなされる条件は何か。逆にPTSDにつながる条件は何か。ベトナム戦争では発砲率が90〜95%に達したが、この殺傷率の激増という軍事的革命はどのようにもたらされたのか。軍人であり心理学者でもある著者が膨大なインタビューや実証データから分析した名著。戦争について考える人や書く人必読。
- 作者: 木田元
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/05/28
- メディア: 文庫
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「哲学は、西洋という文化圏に生まれた特殊な思考方法である」という前提に立ち、ソクラテス・プラトン以来の西洋哲学史を中世、近代とさらいながら、そうした思考方法の批判として生まれるニーチェ以来の「反哲学」を最後に解説する。扱っているテーマの割に説明の言葉は平易な、入門向けの良書です(高校倫理程度の知識はあると望ましい)。
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/19
- メディア: 新書
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- 作者: 岸宣仁
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/08/20
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「ファインマン物理学」を読む 電磁気学を中心として (KS物理専門書)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/16
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くたばれ!就職氷河期 角川SSC新書 就活格差を乗り越えろ (角川SSC新書)
- 作者: 常見 陽平
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2010/09/10
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僕は基本的に通学/通勤時間でだけ本を読みます。最近インターンやら新学期やらで外出が多かったので結構増えました(´・ω・)
今読みたい本
- 作者: 中村淳彦
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/06
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- 作者: ポール・コリアー,甘糟智子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/01/14
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- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10/30
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人間心理の薄暗い部分、隠される部分に最近興味があります。あとそれと別に、裁判官や外交官として働く人達の生活や人格がわかるような面白い本があったら、読みたいので紹介して下さい。
【告知】イベントに出ます
メンター・ダイヤモンドさんからイベントに誘われたので、参加してきます。
カリスマ大学生ブロガーが語る「ブログで変わる大学生活」
http://mentor-diamond.jp/blog2/seminar/?p=649
「ブログを始めたいけど、何を書いていいかわからない…」
「ブログを始めたけど、なかなか続けられない…」
「自分の意見がなかなか言えない大学生活、何か一歩踏み出したい!」
こんな大学生を対象に、今回、メンター・ダイヤモンドが素敵な企画を用意しました!
今回はなんと、カリスマ大学生ブロガーをお招きし、ブログに対する思いや他の大学生に向けたアツいメッセージを語っていただきます。
Twitter・mixi・Facebook・Ustream…さまざまな発信方法がある中で、なぜ今「ブログ」を使うのか!?そして、「ブログ」の向かう未来とは?
大変内容の濃い2時間となっております。
皆様、是非お誘い合わせの上お越し下さい。
僕自身はカリスマでもなければアツいメッセージもあんまりないので、何か出るのがおこがましい感じではありますが、楽しい+何かしらのきっかけになる話ができるようにちゃんと用意してみます。他の参加者がアメブロ2人、FC2ブログ1人で全員実名の中、僕だけはてブ+匿名となんか違う文化圏から来てる感じですね。そのへんの対比とかスタンスの違いも楽しんでもらえればと(´・ω・)
10月から就活始める人のためのマニュアル
はじめに
この記事では、10月から日系企業内定を目指して就職活動を始める大学生を対象にして、就職活動のノウハウをまとめています。特に、「とりあえず就活というのを始めてみようと思うけど、何やっていいかわからない。他大生とかバリバリ就活してるらしいし焦る」という人には、必要な情報を大体まとめているので一読してもらえればと思います。
就職活動の概要
就職活動のプロセスは、大まかに表すと以下のような感じです。
情報収集(各種企業説明会/OB訪問/書籍/日経テレコン)
↓
エントリー(ES=エントリーシートを書く)
↓
選考(筆記試験/グループ面接/グループディスカッション/個人面接)
↓
内定
外資系企業は選考が早いのですが、日系企業を中心に受ける場合、年明け位までは情報収集と筆記試験の勉強が中心になるでしょう。またこの時期に、業界やビジネス全般についての基礎知識をつけておくと望ましいです。具体的に何をすればいいかは次節以降で説明します。
就職活動が本格化してくる3月や4月には、「今週は○○社の面接と××社の筆記試験を受けて、ESを3つ書いて、△△社のOBの人と会って…あの業界よく知らないから会う前に調べなきゃ」というように、全てのプロセスを同時並行でこなすことになります。情報収集やESの作成は、慣れてくれば質もスピードも向上するので、本格化する前にしっかりと経験を積んで作業効率を高めておけば、忙しい時期にもあまり苦しまないで済むでしょう。
情報収集
情報収集を行う目的は、「世の中にはどんな企業や仕事があって、どんな人達が働いているのか」について、具体的(ここ重要)なイメージを固めていくことです。これを行わずに、「自己分析」と称して、昔の思い出を引っ張り出しながら「よく考えたら僕は人の役に立つ仕事がしたかった!」と言い出すような恥ずかしい行為が世間では就活の始まりとされていますが、時間の無駄だし有害なのでやめましょう。最初から選択肢を狭めることはありません。
では、具体的な情報収集をするためにはどうすればいいでしょうか。セミナーや就活イベントに出向き、本を読み、社会人と話すことを僕はお薦めします。それぞれの方法について、具体的な方法や利点、欠点をまとめました。
<セミナー・説明会・就活イベント>
セミナーや就活イベント(以下イベント)に出席するのは、最も手軽に始められる情報収集です。なぜならイベントに出席すれば、自分が何も知らない状態でも向こうから色々な情報を提供してくれるためです。その反面、イベントに出席してもあまり深い情報や沢山の情報は手に入らないし、他の人に差をつけることもできないということは覚えておいてください。それなりに知っている業界について詳しい事情を知りたい時や、社員さんにじっくり質問したい時には、書籍やOB訪問を利用することをオススメします。「このイベントから何を学ぶのか」という目的意識を持って行かないと、時間と交通費の無駄になりますよー。
具体的な参加方法としては、参考資料の「有名就活関連webサイト」をチェックすればイベントの情報が見つかるので、ネットから参加申込みを行えばOKです。大規模な就活フェア等は申し込み無しで行ける所もあります。大学主催のイベントもおすすめ。
10月から就活を始める人は、六本木アカデミーヒルズや東京ビッグサイトで行われるような大規模就活イベントに一度は行ってみてください。見渡す限りリクルートスーツを着た学生だらけで、「世間ではもう就活が始まってるんだな…」というショックを受けると思います。僕は昨年6月に結構なショックを受けました(余談ですが、慶應とかは6月あたりからキャンパスがスーツを着た3年生だらけになるそうです)。
<書籍・雑誌・インターネット>
セミナーや就活イベントと比べると主体的に情報を集めに行く必要がありますが、書籍や新聞、ビジネス関係の雑誌を読むのは、就活序盤の情報収集で最も有用な方法です。具体的には以下のようなものをチェックするといいでしょう(●印は絶対チェック!)。
●日経業界地図/日本経済新聞社編 1050円
- 作者: 日本経済新聞社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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様々な業界の概要や大手会社情報、注目されているトピックなどが見開き2ページでまとまっています。辞書的に使ったり、セミナーやOB訪問の前に下調べをしたり、ESを出す際の企業リストとして使ったりと非常に便利なので絶対に買いましょう。「業界地図」は他にも色々な出版社から出ていますが、どれかの最新年度版が1冊あればOKです。
・業界研究本/各社 (例:○○業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本)
業界地図の内容が詳しくなった感じの本です。どこか強く興味のわいた業界ができたら買ってみてもいいと思いますが、基本的には立ち読みで十分でしょう。部室にも古いのが何冊かあるけど、業界動向は数年で目まぐるしく変わるので読むなら最新版を。
●日本経済新聞
新聞はこれ一択(図書館にあるし、わざわざ他社から契約し直す必要はないけど)。最新情報が追えます。最初は知らない用語が多くて戸惑うと思いますが、わからない言葉があったらその都度google等でチェックしていくとビジネス全般や業界の有用な勉強になります。
●日経テレコン(利用できる場合)
大学によっては、日経テレコンというPC端末からアクセスできる日経新聞の過去記事データベースを導入している所があります。キーワードや期間を決めて検索ができるので、これから面接を受ける特定企業、特定業界の情報を集める時などに超便利。本来は有料で結構高いサービスなのですが大学図書館なら使い放題なので、大学生のうちにたくさん使っておきましょう。
・ビジネス誌
「日経ビジネス」「週間東洋経済」「週刊ダイヤモンド」など。最初の情報収集の段階では読む必要がないと思いますが、結構面白いです。大学図書館の雑誌棟にあるので読んでみてください。
●各企業webサイト
意外にたくさん大事な情報が載っています。面接や選考の前は当然ですが、セミナーに行ったりOB訪問をする際にも、どの企業の人が来るかわかっている場合には10分位チェックしていくと現地での理解が深まります。
・その他就活サイト
「リクナビ」「マイナビ」はじめ就活サイトはたくさんありますが、知りたい情報がはっきりしている時には業界本や日経テレコン、企業webサイトの方が役に立ちます。有用なノウハウがあったり皆がチェックしているサイトについては、参考資料の「有名就活関連webサイト」にまとめておきますのでチェックしてみてください。
OB訪問は、上手に使えば有用かつ他で手に入らない情報(深く、具体的で、自分がピンポイントで欲しい情報)が手に入る方法です。そのためには、事前に業界や企業について調べ、知りたいことや疑問点を明確にし、意味のある質問を持参して臨む必要があります。業界や企業のことを 何も知らない状態で行くのは、実りがないばかりか時間を割いてくれている相手に失礼です。最低でも5個〜10個くらいは質問をちゃんと考えて行きましょう。
社員さんにアクセスする方法はなんでもよく、極端に言えば終業時間ごろに会社の前で待ち伏せをしたっていいと思いますが、やはり大学キャリア支援室やサークル、ゼミの持っているOB名簿を使うのがスムーズでしょう。電話は最初だけ勇気が要りますが、相手だって用件を話せば就活生のOB訪問であることはわかりますし、遠慮なくかけてよいでしょう。
ビジネス全般の勉強
情報収集をする際に、ビジネスにおいて常識となる知識(例えば会計、統計など)を軽く押さえておくと理解が早まります。10月〜12月の早い段階でぜひ以下で紹介している本のうち数冊を買うか借りるかして読んでください。特に「世界一わかりやすい会計の授業」と「わかりやすいマーケティング戦略」は必読。記事はタイトルをgoogle検索すれば見られます。
自己分析はするな-就活序盤の理想的な過ごし方を提案
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100420/1271765391
エントリー、選考プロセス
まず大事なことを二点覚えておいてください。
一点目。どんなにできる人でも就活の選考って割と落ちるものです。倍率100倍とか1000倍とかざらですし。ですから、一つの選考に落ちたからと落胆する必要はありません。ただし、ESや筆記でいくつも落ちる場合には、何かしらの改善点があると考えましょう。
二点目。面接にしろGD(グループディスカッション)にしろ、本番を受けた場数が成果に大きく影響するので、数を受けるのは重要です。経験を積めば詰むほど緊張や変な力みがなくなり、本来の力を人前で発揮できるようになります。冬のインターンも本選考も、時間の許す限り最大限エントリーしましょう。もちろん、情報収集で足場を固めるのも忘れずに。
ESの具体的な書き方については昔書いた記事があるのでこちらを参考にどうぞ。
気の早い人のための夏インターン対策 ES編 -kanedoのブログ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100411/1270989914
あなたのESが通過しない5つの理由+1 -外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/archives/2181
<筆記>
就活の筆記(webテスト等)は中学受験と似ているので、中学受験を経験した人はあまり対策しなくても大丈夫です。色々なテスト形式を浅く広く扱ったテキストとして、以下の1冊だけチェックすれば十分でしょう。
●筆記試験の完全攻略/日経就職シリーズ
(日経就職シリーズ) すべての問題形式を誌上に再現!!筆記試験の完全攻略2011年度版
- 作者: 内定ロボット,日経就職ナビ編集部
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中学受験を経験していない人は、時間と手間をかけてじっくり対策をする必要があります。面接で「自分は使える奴だ!」とアピールする機会も与えられずに筆記で振り落とされてしまうのは勿体ないので、10月からしっかりと取り組みましょう。有名な問題形式はSPI、GAB、CABなどなど。各形式1冊ずつ参考書を最初から最後まで解けば、筆記で落とされることはなくなると思います。
<グループディスカッション>
経験値がものを言います。「熱くならず一歩引いて議論すること」を意識して下さい。
未経験者のためのGD講座-kanedoのブログ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20090928/1254104523
グループディスカッション初心者のためのtips-外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/archives/1373
<面接>
これはもうどう乗り切るか個人次第だと思うので、一般的にアドバイスできることはありません。ESで書いた志望動機や自分の強み弱み、将来やりたいこと等については高確率で深く聞かれるので、ここまでに書いてきたような各種情報収集を怠らず、ESの段階でしっかりとしたものを書いておけば、面接で戸惑うことはなくなるでしょう。
おわりに
長々と書いてきましたが、つまる所就活の序盤、10月〜12月頃にやるべきことは、以下の3つに集約されます。
・セミナー、書籍新聞、OB訪問によって、広く企業や業界を知る・ビジネスの世界で常識となっている知識(会計やマーケティング)を少しかじる
・冬のインターン募集情報を見つけたら、とりあえずESを書いて応募する
あと推奨することはこれ。
「業界地図」
「世界一わかりやすい会計の授業」
「わかりやすいマーケティング戦略」
を購入して熟読する。全部で4500円くらい。
これらを今からきちんとこなして経験値をためておけば、3月や4月になっても焦る必要はなくなりますし、内定も自然とついてくることでしょう。
大学やサークルも忙しい時期だと思いますが、頑張ってください。
参考資料
<有名就活関連webサイト>
日経就職ナビ
https://job.nikkei.co.jp/
jobweb
http://student.jobweb.jp/
就活関連の情報が充実しています(情報過多で読みにくいですが)。
セミナー情報やインターンを探すのに役立ててください。
<有用な個別サイト>
外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/
外資系への道標
http://gaishi.seesaa.net/
対象読者は外資系企業を受ける学生ですが、日系企業を受ける人にも有用な情報(特に、筆記や面接を切り抜けるためのノウハウ)がたくさんあります。
<個人サイト>
ここでつらつらと書いたのと似たようなことがまとめてあります。趣味です。
kanedoの就活記事まとめ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100617/1276715551
まだなんかあったらきいておくれ(´・ω・)
ネット生配信の環境作り(メモ)
友達用に作ったメールなのですが、広く使えそうなので転載。
1.サイトの登録(無料、すぐ終わる)
配信のサイトで使うのは一般的に、Ustreamかjustinのどっちか。使い方や機能に大差はないので、どっちを登録してもOK。Ustの方が普及してる印象だけど、justinならアーカイブ(生放送の録画)が1週間位自動で残るので、個人的にはjustinがオススメ∠( ゚ω゚)/
Ustream
http://www.ustream.tv/
Justin.tv
http://ja.justin.tv/home/
2.配信する
実はこれらのサイトに登録して、イベントの生配信であればマイクとwebカメラをPCにつないで、サイトに書いてある手順通りに配信画面を開き、スタートするだけで配信はできます。デスクトップ画面を映しながらの配信をするなら、それに加えて後述のSCFHを導入しましょう(その場合webカメラはいらないけど、スカイプマイクなどがあるとよい)。
配信は、以下のようなアドレスから見れるはず。
Ustreamなら
http://www.ustream.tv/channel/(登録時に決めたチャンネル名)
Justinなら
http://ja.justin.tv/(登録時に決めたチャンネル名)
3.便利なツールを導入する
配信者がよく使っているらしいツールを紹介します。僕は以下のツールしか使ってません(´・ω・)
webカメラを使った配信なら、FMEは導入をオススメするけど他はいらないかも。
・Flash Media Encorder(通称FME。画質音質を向上させるソフト)
導入のための解説をしているサイト
Ust→http://d.hatena.ne.jp/snakefinger/20100418/p1
Justin→http://ziraia.blog24.fc2.com/blog-entry-9.html
・Limechat(Ustreamのチャット管理に使えるソフト。必須ではない)
導入のための解説をしているサイト
http://www.manpen.info/mp/archives/ust_limechat.html
http://www36.atwiki.jp/jikkyosha_ust/pages/14.html
・SCFH(デスクトップ画像を配信画面にのせるソフト。ライブの中継とかなら不要)
導入のための解説をしているサイト
http://www18.atwiki.jp/live2ch/pages/132.html
4.人を集めて配信する
twitterか何かで告知してください(´・ω・)