ユクスキュル『生物から見た世界』

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

環世界は動物そのものと同様に多様であり、じつに豊かでじつに美しい新天地を自然の好きな人々に提供してくれるので、たとえそれがわれわれの肉眼ではなくわれわれの心の目を開いてくれるだけだとしても、その中を散策することは、おおいに報われることなのである。(p.8)

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田沼靖一『ヒトはどうして死ぬのか』

ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書)

ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書)

原核生物は、遺伝子のセット(ゲノム)を一組だけ持つ「一倍体」の生物です。一倍体の生物は、同じ遺伝子をコピーしながら無限に増殖を繰り返し、“親”も“子”もなく絶えず殖えていく生き物です。そこには、急激な環境変化などによる「事故死」が起こる以外、自ら死んでいくという「死」は存在していませんでした。(p.138)

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長谷川英祐『働かないアリに意義がある』

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

第1章 7割のアリは休んでる

◎7割ほどのアリは巣の中で何もしていない
◎生まれてから死ぬまでほとんど働かないアリもいる
◎卵の世話など、巣にはほんの短時間でも途切れてはならない作業がある
◎ハチもアリも、若いうちは内勤で、老いると外回りの仕事に就く傾向がある
◎一つの仕事を続けたアリでも、熟練して効率があがるわけではない
◎大きな組織に所属するアリは身体のつくりが雑
◎道を間違えるアリが交ざっているほうが、エサを効率よく取れる場合がある
◎兵隊アリは喧嘩になると逃げる

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岡倉覚三『茶の本』

茶の本 (岩波文庫)

茶の本 (岩波文庫)

茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。いわゆる人生というこの不可解なもののうちに、何か可能なものを成就しようとするやさしい企てであるから。

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