ふたり
物語は事故死した姉の年齢を妹が超えたところで終わる。
年齢を超えるまで姉はいつまでも姉であり、妹の頭の中でアドバイザとして生きていた。
年齢を超えた時点で妹は姉をイメージできなくなり、姉依存症を克服する。
しかしこの後、妹と姉の関係がどうなるのか、ずっと気になっていた。
この後
姉はどこまで思い出として残るのか。
姉の分まで人生を背負って生きるのか。
姉の人生は何だったのか。
人生とは何なのか。
この本は敢えて触れていない。
ずっと気になっている。
雲
陽浴びする
いつもの景色
風が鳴る
暖かい
震える
子守
波に揉まれ沖を漂う
水は冷たく陽を探す
身体浮かべる
日は沈み岸へ向かう
今日は眠れ眠れ今日は
鳥
耐えられない
音もなく
左右に揺られ
冷えた身体
止まらない風
鏡
目を見たい
輪郭をなぞる
瞳の奥を注視する
どうしても見ることができない
細部しか見れない
御庭
今あの頃が懐かしい
少し変わった人生に
どんな時も変わらないで
頑な守ったその手には
今は蜻蛉 箱の中
虫
夏出てくるこの虫は
人に追われ飛び回る
暑いところ
暗いところ
ただそれだけなのに