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■審美銃(By YO-KING

自分がなくなるような恐怖と、自分がなくなるまでまでもなく、最初から無かったような恐怖にイシャーが耐え切れなくなって自分の尻尾を噛んでみた。

なんだか口で何か確かなものが存在する事を確認できたことに安心したイシャーは、それからは不安を覚えるたびに、ガリンコガリンコガリリンコ

もう口を閉じる事も忘れて、痛みと苦しさに安心安心。そんな惨めにガリリンコ
そうやってイシャーは消え、残ったのは口の骨。

「そいつが欲望と呼ばれる人間の根源なのだよ」、と逆さまの僧が言った。

私は普段の直立状態と僧の視点のちょうど間をとった90度に首をかしげながら話を聴いていたが、どうにも首の右側の筋肉が痛くて仕方ないので困っていた。

「君、痛いだろう、ならば首を僕か、世界か、どちらかに合わせなさい。」

「いやあ、でも、どっちも私はゴメンなんです。」

僧はやれやれ、といったように私に対して蔑みの目を向けていた。

うーんイタタタ

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■世界は割れ響く耳鳴りのようだ(byイースタン・ユース

考えちゃう事はたくさんあるけど、考えなくちゃいけないことは本当に少ない。彼女が好きなら、彼女が本当は死にものぐるいで目にクマをつくって、むしろ熊が住み着いていて、胃のカン高い唸り声と泣き女に支配されていて、君のことを、自分に害をなす虫か、飛行機か、鳥か、いやスーパーマンか?と凸レンズを何枚にも重ねた自家製の顕微鏡で調べ上げているとしても、彼女が笑いかけたなら、ただ笑ってあげればいいだけなんだ。彼女が隠したがってる、デロデロでドロドロな事は考えなくていいんだ。彼女が、気づいて欲しそうに、フラリと目の焦点を現実に戻した瞬間だけを逃さずにさえいればいい。それまでは、ただ笑ってりゃいいんだ。だから君のすることは、受け止めるときのために腕を鍛えておくことだけだ。

私たちが確かめないといけないのは、相手のことが好きか嫌いか、その基準理由となる自分の嗜好だ。それさえ分かれば簡単。あとは嘘に目をつぶったり、同じものを見たり、同じもん食えばいい。そんで笑う。笑いってのは霊長類しか使わないハイテクコミュニケーションツールだぜ。
狡く、小賢しく、汚く、正しく、進め。不慮の事故は予測できない。偶然の不幸は回避できない。ミサイルは落ちる。だから君は考えなくていい。嘘や差別や、犯罪者の中にあるはずだと弁護士が主張する人間性のカケラや、不幸な友人が不幸である理由を無理矢理自分に結びつけたりする気遣い。そんなものは考えなくていい。

例のハイテクコミュニケーションツールが君の勇者の剣、ライトセーバー、AK40、TNT火薬500t、マジカルステッキ、奇跡という必然、55ミリ戦車砲。勝利はない。ただ、行進あるのみだ。ニカリ。

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■アフリカの少数部族には「幸福」という意味の単語が存在しないって誰が言ってたんだっけな?
人は必ず愛から生まれていて、愛とは心を受け取ると書くわけだけれども、(金八先生万歳)結局の所、ソイツは精子で、昔々の大戦争のたったひとりの生き残り、選ばれた孤高の戦士、ならぬ精子。なんつって。愚痴をあたかも自分にしか分からない正義のスキマのように語るクソ上司も、ブランド品ばかり買いあさる馬鹿女、に見える、自分のプライドと鏡に映る現実の間で戦ってる盲目的悲劇少女も、「死ね」とか「殺す」とか言い過ぎて、言わなくてもいいのに、愛する相手にもついつい口をついて出ちゃったりして、ダメダナア、でもまあこれも一種の愛情表現だからサ、っつうかそうしとこう、うん、なんつってる自分がアホくせえとか言ってる制服を着崩すのが唯一のオシャレな君すら、そんな大層な確率で生まれた愛の戦士なんだって。生まれた時に運は使い果たしてるんだから、宝くじなんて当たりっこないんだ。ちなみに宝くじの当選確率は殺人事件に巻き込まれて死ぬ確率よかずっと低い。なるほど、NEWS聞いてりゃ殺人殺人うるせえわけだよ。毎日飽きもせず愛から生まれた誰かは愛から生まれた誰かを殺すわけだ。世界は終わり続けている。ガハハ。そうやって歳を食う。歳をくうと、タバコの煙であったり、花の狂ったような生殖活動の飛来物であったり、スシ詰め電車の揺れであったり、車のブレーキによる体の振動に体はずいぶんと敏感になる。食い物の旨い不味いだの、酒の産地だのにも敏感になる。精神の方はどんどんと鈍感になるというのに。青少年は「あ々、いっそ何も感じなければ楽なのだ」などとオイオイ泣いている。「もしもし、良いことを教えよう。君は只、歳をとればよいのだよ!」知ったかぶってそう答えよう。土の匂いを忘れ、人の匂いに翻弄される彼らに、「鼻づまりの私が君らの希望だ!そして絶望だ!」だなんて耳打ちしてやろう。人の匂いすら忘れ、死の匂いが体から立ち上る。でもまあ、それもいいさ。心にカサブタ、ってやつだな。めくるのは楽しいかな?ヒトはカサブタでできてる説ってのがあってね、まあ今作ったんだけど。剥いても剥いてもカサブタで、タマネギみたいに最後には芯も無え。でも血はどこからか出てきてまたカサブタとなって体を覆う。何もないことは悲しくないんだ。だってそれで当たり前なんだ。芯だ?ルーツだ?前世だ?信念だ?そんなもんは、「自分の中確固たるものが存在するって信じきってる人間」がいるってだけの話。そういう人たちを羨ましがったり、馬鹿だと言ったりする必要すらない。自分のカサブタを最終的にどんな形にしようかしら、と日々研究と実験を繰り返すだけでいい、と思うんですよ。ね。まあ結局何が言いたいかって、アルファからオメガまで、てめーら愛し合ってんじゃねえの結局?ってことで。だからきっと300年も経てば、愛なんて言葉は要らなくなって辞書から消えるぜ。ホント。



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自己憐憫は自己満足  自己満足は自己不足

ガラスに自分の名を刻んだ
それは七色に光るだろうって思ってた
そしてそれは七色に光って
自分が何色だったか忘れてしまった

ガラスで自分の名を刻んだ
最初は赤色だったけど、傷はどんどん無くなって
その痛みだけしか残らなかった

切って、切って、切り切って
笑い切って叫び切って泣き切って嗤った




くだらないったら無いね
くだらないったら。

「ヘイ、ウインナ坊や、死ぬか歌うかだ」

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■コドク列車


孤独は続くよどこまでも
独りじゃない時は無い
夜みたいに続く
朝みたいに続く
夢みたいに続く

心にもない嘘をつこう
脳も知らない嘘を書こう
当たり前に笑って
当たり前に死のう
死ぬには半畳だったっけな?

今日も今も昨日も明日も
チョコレイトみたいに溶けるほど苦い

なんて孤独に浸ってる
そんな14歳は
いつか愛を知って
知れば知るほど孤独になる

自分への愛すら失って
高笑いが空に響いた真黒な空
鳥でできている
烏でできている
呼吸でできている

夢は叶えちゃいけないって事を
大人は教えなかった

孤独は続くよどこまでも

何も得られない
やっと気付いて笑え

誰も彼もが自分が好きで
誰も彼もが君を嫌いで
誰も彼もを愛し続けて
神様は泣き笑い

酔ってままならぬこの世界で
直立不動で叫べるか?
孤独に笑って叫べるか?

試してやろう

誰も彼もが死んでいって
君だけ残れば神じゃない?
蟲毒のような孤独。
その強さを誇れ!



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■キラギラキラギラリ

夢から覚めたら悪夢だった
現実みたいに真っ黒クロスケ。愛みたいに真っ白クロスケ
ヨッパライはどっと払い。金ならいつでも後払い。

ブッダは泣いてて飲んだくれ
ハシボソカラスが共食いしてる。
DRUGは四肢を溶かしてた
クロコゲ死体はイスの上


顕微鏡で夜を観察
虹色のモザイクの月は美しくて目と目はくっついて
インドの神様みたいにクソ女が踊ってた

駐車場の電柱は斜めにしがみついてて
弾けない白いベースにお似合いだった

友達なんていらない
好きな連中がいて
好きだから友達なんかじゃなくていい


月が空の穴パックリ口あけて
向こうに見える世界の穴。
丸く光ってるから
虹に囲まれて光ってるから
だから明日は雨が降るね。

怖いのは好きじゃないよ
好きなのは君だけだよ
君なんていなくていいけど
だから明日は雨が降るね。

それが君の血なら吐いたって飲み続ければいい

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■ハローアロー。マイファッキンハニー?

何だって?君が死んだら?

そいつは大した質問だ。そいつは面白い質問だ。君は本当にクレイジーガールだね。ああごめん。ついつい英語が染み着いててね。駅前に留学してたものだから。君は馬鹿って言ったんだ。困った子だってね。
君が死んだら、僕は泣いたらいいのかい?悲しめばいいのかい?天国やら極楽やらで、祈りや経を聞いてる、はずのない君を哀れめばいいのかい?
それとも、君を失った!僕の人生は終わりだ!心に穴が空いたようだとでも叫んで自己憐憫に浸ればいいのかな?
怒った顔だ。え?ニヒリスト?僕が?いや、そりゃあ、幼稚園の時から、みんながなんとかレンジャーのイメージ何だか、赤が好きだ、というやつが多かった時は、僕は黒が好きだ、と嘘をついたし、ナンバーワンが好きだと言うなら僕はナンバーツーの魅力をスラスラと力説したものだが。もちろんナンバーワンが良かったのにね。
中学の先生が体罰を加えようものなら、なんて腐ったミカンのような教師であるか、と陰で演説し、高校の教師が髪を染めた子も、どう見たってドラッグでガリガリになってしまった子も、ピアスで顔が重そうな子も注意のヒトツもしないでニコリニコリしていた時は、なんて最低な犬のクソかと陰で評論したものだ。

ああそう。僕はただのアナーキスト。パンクが好きなんだ。皇居にスプレーで落書きでもしたいのさ。グラフティで天皇万歳って描いてみたいね。権威と多数派が僕の敵だ。天皇は権威じゃない?君はけっこう物知りなんだね。
ああ、皇室なのに同人誌を描いてたあの子は好きだったな。パンクじゃないか!
友達はいるよハニー。いつも髪を切る時に話しかけてくれるんだ。何度も何度も同じ話を僕は黙って聞いてやる。そいつは僕をお客様って呼ぶんだけどね。変わってるやつさ。でも年賀状はくれるんだぜ。良い奴さ。

冗談だよハニー。ホント君は馬鹿だな。困った子だ。
ハニー。君のことはもっと好きだ。なんたって僕が好きなんだから、君はパンクオブパンクさ。だって君は「あたしが死んだらどうする?」なんて、大胆でどうでもよくて、単純で聞きあきた質問をするなんて。僕にとって最高にパンクだ。
パンクってのは最弱なんだ。ロックとは違う。
パンクスターはいない。ロックスターになっちまう。
女王がいるから中指を立てるのさ。自分じゃ何もできやしない。なんで自分が何もできないのかってのを、敵を作ってぶちまけるだけだ。
岩にはなれない、はじけて終わり。僕みたいに。君みたいに。

困った子だな。君を非難してるんじゃないってのに。
どうして自我が無いことが非難なんだ。意味が分からないよ。
99パーセントの常識じゃないか。

また質問を繰り返すのかい?
君が死んだことは無いから分からないってのはダメ?ああ。予想ね。あのさ、多次元宇宙って証明されてるんだぜ。だからあらゆる選択肢が・・・ってダメ?ああ。


君は困った子だな。君が死んだら、僕はもっと困るよ。





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■恥しかない人生

のほほん生活に慣れきった自分としては、忙しすぎてパニクって、むしろ絶叫したりして、いやもう人間って一人で生きてはゆかれないね、なんてしたり顔の肉塊のふかすタバコの煙は何色かと問わわれば、そいつあ心のように澄み切ったドドメ色でござんす、と返すもの、どこのどいつもドドメ、なんてえ色は説明がつかぬ。ハイそりゃスイマセン、参った参りましたとキイキイ喚くケダモノはその言葉の意味を知らず、ただその言葉を発した時に起きる事象を期待しておるだけでござりまして、人が人に発する言葉というものの言霊とやらはいつしかとっくの昔に失われた伝説でございましょう。光というものが永遠に反射し続けるように、始まりも終わりも意味もない、そう、あなたのようなもので世界は形作られているのでございます。だからあなたも、私やそれらのように分かったフリをして世界の白い細胞と化して生きておれば良いのでは。と、こやつめ、懲りずにまたしたり顔。

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■「たいていハングリー、たまにアングリー」

自分の無力さにファックユーとでも言えば聞こえは良いが、いつもの事すぎてあきれ返る。ふて寝する時間は残されていないのだが、頑張れる要素もこれっぽっちも残されていないのでゴロゴロしています。誰かなだめすかしたりエールを送ったり世界の真実を教えてくれたりするべき。