『アントン、猫、クリ』

駒場アゴラ劇場で篠田演出の公演『アントン、猫、クリ』を観た。
東北沢の自宅から自転車で5分。近い。
舞台は最初から最後まで映像編集的なカット割りやスクラッチのような分裂的な身体の動きに満ちていた。一度別のメディアで編集された(置き換えられた)身体から演出の着想を得ているというか、、、着想を得るどころか無理矢理それを現実に再現しようとする、何だか過剰な身体イメージが印象的だった。もちろんそのようなメディア化された身体を舞台で本当に再現しようとしているのであればそれは「身体表現の限界」を超える、甚だ無謀な試みなんだけども。ともあれ、リピートされたり、バラバラに編集された個々のシーンを、生身の身体がつなぐときに必ず一瞬現れる「空白」がとても印象的だった。(例えば一人二役で役割変更する時に発生するどうしようもない時間)

キレなかった14才♥りたーんず

こまばアゴラ劇場で現在行われているイベント「キレなかった14才♥りたーんず」に雑誌デザインで関わっています。注目若手演出家6人が集まって行う一連の演劇(ダンス、パフォーマンスあり)イベントでして、なぜかそこで雑誌を創刊することになり…。一見するともはや「雑誌」には見えないのですが、こんな感じで完全密封ジップロック付きの雑誌があってもいいですよね。創刊というからには次号も出るのでしょう。我ながらむちゃくちゃな制作進行で、最後封入して完成した時は自分でも驚いたくらい。
帯文のがたがたなフォントは韓国語や中国語を使っている。韓国語が用意しているひらがな漢字はめちゃくちゃゆるくてイイのです。促音が上付きになっていたり、すべての文字の太さがちぐはぐだったり。新たな発見であった。海外で母国語に不意に出会った感じ。

どうやら新宿のジュンク堂7Fでこの企画のブックフェアも行われているようです。


『りたーんず』
責任編集=篠田千明 編集=藤原ちから
デザイン=加藤賢策東京ピストル) 協力=りたーんずな人々
B4判 限定1000部 定価800円(税込)
「キレなかった14才♥りたーんず」の4つの戯曲台本付き!

新雑誌「りたーんず」は、現在のところ以下の場所でお買い求めいただけます。

取り扱い店
こまばアゴラ劇場駒場東大前) http://www.komaba-agora.com/
ジュンク堂書店新宿店 7F  http://www.junkudo.co.jp/newevent/0904shinjuku.html
● 百年(吉祥寺) http://100hyakunen.com/
タコシェ(中野) http://www.tacoche.com/
● HEADZオンラインショップ ヘッドホン http://head-phone.in/
● ほん吉 http://d.hatena.ne.jp/honkichi/

路字4号

路字4号出ました。今回はA4二つ折りでいつもよりコンパクトです。
デザインもほぼ半日で上げました。時間がない方がいい物ができることがあります。
東京ピストルのブログにも上がっていますが大阪のcaloというブックカフェで行われる「フリーペーパー=小さなメディアの放つ光」展に「路字」が展示されるそうです。大阪、遠いなあ。ただ、caloはとてもいいスペースだという噂はこちらにも轟いていました。お近くの方はぜひ遊びに行ってみてください。
もうひとつご報告→路字のロゴが2009年の東京タイプディレクターズクラブ賞に入選しました〜。

『境界に立つ建築家』展

代官山ヒルサイドフォーラムで行われている『境界に立つ建築家』展。今週の日曜(22日)までです。自分でデザインをしておきながら、忙しさにかまけてまだ見れていません。さて今回ポスターの欧文書体はGOTHAMを使いました〜。かの有名なオバマの大統領選で使われた書体です。YES WE CAN や CHANGE はこの書体で綴られたのですな。このポスター一見普通ですが、紙面を赤ゾーンと青ゾーンに任意に分けて、それぞれのゾーンの上に重なるオブジェクトは意味・内容に関係なく赤/青にするという変てこなルールの元で作りました(これ見れば一目瞭然なんだけど言葉で説明するのがむつかしい…)。ヒルサイドフォーラムの展示が終わったら金沢に巡回するようです。