海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

マシューの成熟

そういえばすっかり書くのを忘れていたけど、先週の月曜日の夜にシネコンに行っていたのだった。「ARGYLLE/アーガイル」。登場人物が勝手に動きだすってあるよね、という話。いやー、なんか面白いのかねこれ?とオッカナビックリで見に行ったのだけど、強烈に面白かった。マシュー・ヴォーンのマスターピースではないかこれ?なんといっても、眠たそうな目でダサい衣装によたよたの体、というどう見ても冴えないオッサンだけど実は優秀なスパイという設定の勝利。アラカンとしてはもう応援せざるを得ない。しかも女性側の主人公も下半身でっぷりであることを隠そうともしないわけ。でも、この二人が荒唐無稽な大暴れをするわけですよ。控えめに言ってもサイコーでしょ。で、また脚本がきっちりきっちり伏線をひいては回収するという丁寧なお仕事で、私はこういうの最大限評価するわけ。もちろんお話としてはデタラメで御都合主義なんだけど、でもそれがお話というもので、伏線を引きさえすればすべての御都合主義は御都合主義の地平を乗り越えていくものであるよ。素晴らしい。で、マシュー・ボーンでスパイ物というと、キングスメンなのだが、あの第1作で頭ポンポンするどぎつい色で構成されたシーンがあって、あれを見た時に、斬新な絵で感心するけどそういう表現をする必然性は薄いよな、単にやりたかっただけってなら品がないよな、と思ったものです。で、今作でも同じようなどぎついシーンがあって、でも今回はきちんとエモーションと対応していて、しかも、伏線の回収にもなっている。そこでのサム・ロックウェルの緩んだにやけ顔のアップを見て泣けてきましたよ私は。いやマジで泣ける。オッサンのその気持ちよ。つうことで、エモーションに裏打ちされたシーンこそ娯楽映画の背骨である!っていうか、オレ、マシュー・ヴォーンの監督作ほとんど見てるのね。お気に入りだったのか!

bad feeling about this

朝から雨。こういう日はウォーキングノルマをどうやって達成するかが課題となる。で、天気予報によると夕方にはやむということで、実際16時前には上がったのである。じゃあ散歩に行くべいかあ、と思ったらば、上の子がドラッグストアで買ってきて欲しいものがあるという。お安い御用なので引き受ける。近傍のドラッグストアまで往復4km。少しノルマには足りないが、それはあとから追加すれば良い。で、出かけていくとピッタリ御所望のものが無いじゃないか。しからば、とさらに1km弱多めに歩くホームセンターの薬コーナーに行けばいいんじゃないかと考えてさらに歩く。と、物があったので、ホクホクと帰る。1km追加したことで、ノルマにもかなり近づき、あと5分くらい家のまわりをウロウロすればノルマ達成である。と、帰宅するまでの最後の交差点で、ちょっとだけ遠回りしようかなあ?と考えて、しかし何かイヤな予感を感じて、まあこういう時のフォースのお導きには従うべきだからそのまま帰ってきて、玄関に鍵を突っ込んだ瞬間だ。17時から某NPOの理事会がZoomで開かれることを思い出した!!時計を見ると17時2分!うわー、久しぶりにZoomすっぽかしをやらかすところだった。っていうかもう微妙にやらかしている。と、慌てて家に上がってzoomを立ちあげると、まだ始まってなかった!うヘーギリギリセーフだ。ということで何事もなかったような澄まし顔で参加。発言ゼロで会議を済ませたのであった。

解離

気がついたらもう3月も下旬じゃないですか。オレの幸せな季節の終わりが近づいている。。。こうなってくるとやらなきゃならないのは授業準備だ。今や立ち講義はすべてオンデマンドのオレである。授業開始前にすべての準備を終わらせるポリシーであって、この時期の作業にかかる労力が大きくなっている。ので、もうそろそろ始めなきゃ。ということで、LMS上の設定をちまちまやる。ある程度は去年のコピーで済ませられるのだけど、日程とか一つ一つ変更していかなきゃいけない。数えてみると全部で90箇所の日程の設定があることがわかってどんよりする。数えるヒマがあったら設定しろ、って話だけど、いやなことをしなきゃいけない時に、そのいやなことを客観的に見る行為が、いやなことをすることから被る精神的ダメージを軽減してくれるのは人生の真実であるからと思って数えるのである。癒された。しかしこれは序の口なのであるよ。この次に来るのはオンデマンド動画のチェックだ。一応、毎年、喋ってる内容を全部チェックして、情報が古くなってたり言い回しが不適切であったりしたら、そこを修正するようにしているのだ。動画はkeynoteで音声をパーツごとにオブジェクト化して作っているから一部修正も簡単なのである。が、チェックには動画を再生するための時間が必要で、倍速再生したとしても、時間が溶けていくのは必至である。いやだなあ、と思って今日は取り掛からないことにして伸ばし博士に行った。癒された。

祝祝祝

月曜日の夜にぶーちんが発熱した。1時は39度まで上がったものの翌日には37度強にまで下がって少し安心したのだけど、あろうことか病院に行かないのである。我が家的には当然ながら即座に家庭内隔離を行っているわけで、高熱が続かないのであればコロナでもインフルでもないことを検査で確かめてくれれば、この面倒くさい隔離生活を停止できるわけだが、ぶーちん的には寝ていたいから病院には行きたくないという。いや気持ちはわかるんだが、公共性というものにももう少し目配りして欲しいのであるよ。もう大人だしさ。が、こちらの言うことなどもう効かないのである。大人だしさ。ということで火曜日も病院に行かず、水曜日は祝日である。くうう。で、今日は夕方に人生の一大事があって、我が家的には緊張してその時間を待っていたわけだが、結果は万万歳で、そしたら病院行くわと言い出した。調子の良いことである。なぜ火曜日に行ってくれないのか。それはともかく、もうすっかり熱も引いているようだし検査しても仕方ないんじゃないか?と思うわけだけど、まあでも隔離生活をどうするかもあるので行ってもらったらば、なんだよ当たりじゃん。ゾコーバもらってきた。発症してからこんなに時間がたってるのに効くのだろうか?と思いながら払う1万円は辛い。で、機敏に隔離生活に移行した判断の正しさが証明されたわけだが、そうかじゃあまだしばらくこの生活なんだな、という。

雑用と学会のハイブリッド

オープンキャンパスでのお仕事は昼からなのだが、午前中の学会発表も聞きたいわねえ、ということで朝から出かける。9時までに大学に着きたい。普通なら車で行くところだけど、今日は暗くなる前に帰ってくる必要があり、電車なら帰宅途上でも学会発表が聞けるので、それで電車になるわけよ。電車で9時前に研究室につくように出かけるなんて本当に長いことしたことがないが、今日は休日だから電車もあまり混まないだろうという目論見だ。そういうわけで、できるだけ出発時間を遅くするために京都駅からバスに乗ることにする。利用者のほとんどが私のところの学生なのだけどスクールバスじゃないという変なバスで、通常はこんな時間だと女子大生でミッチリ詰まっているので怖くて乗れないのだけど、この時期なら学生がいないので時々使っているわけ。が、バス停に着いてみたらば既にミッチリ女子大生が詰まった車両がいる。なんでや!と思うわけだが今日は祝日ダイヤで1時間に1本しかバスがなく、オープンキャンパスの学生スタッフがすべてこの便になるのである、ということがわかったわけだ。このミッチリの中に自分の身体を押し込むことなんてできないので、そこで踵を返す私だ。途方に暮れる。講演開始まであと15分。2kmの道のりを歩くと確実に間に合わない。タクシーか?と舐めた考えが頭をよぎるものの、子ども二人を大学に通わせなきゃならないわけで、贅沢はできないと思い直し、まあ最初10分くらいは聞けなくても仕方ないか、と思って歩いていく。で、一応9時にはZoomでつないで画面は見れなくても音だけは聞けるようにする。が、一向に始まらないのである。どうも会場で音声トラブルが起こっているらしい。実は昨日も午後のセッションで同じようなことが起こって開始が10分ほど遅れたのであった。あーあ、ハイブリッドは最悪の選択肢であることだなあ。繰り返し思うが、集まるのは集まるので良いけど講演聞くのはネット越しにするのが最適だと思うよ。で、結局講演が始まる前に研究室についちゃった。タクシー乗らなくて良かった。で、やっと始まった講演を聞きながら雑用もこなす。成績問い合わせがやっぱり複数あったので、こんなこともあろうかと事前に自動生成していた説明文をコピペして問いあわせ文にあわせて調整してお返事。オープンキャンパスの時間になったので、粛々とお仕事。さすがに発表は聞けない。模擬講義とかするんだけど、いつも思うけどこれ意味あるのかね。16時に終わって帰ってくるのだが、16時半から今日最後のセッションが始まるので、それまでに駅に着くよう移動。わざわざ電車に乗ってる時間の長い阪急をチョイスし、移動の間は画面を見ながら発表を聞く。移動中に話を聞くのは初めてだけど、これ1ミリも問題ないな。オンラインだとこんなこともできるんだ。すごい。あげく最寄り駅からウチまで歩く10分間も画面見ながら移動できた。郊外だからね。で、18時前に話が終わったので、近所のイタリアンレストランで豪華なディナー。23時近くまで。贅沢したぜ。

無責任な聴衆

昨日から学会は横浜で現地開催しながらオンライン配信もするというハイブリッドモードに入る。21日までだが、昨日は総会と受賞講演で私には縁のない日で、明日はオープンキャンパスの仕事があるので大学に行かなければならないという分断された日程になっている。なので現地に行っても話を聞けるのは今日だけで、私的には発表聞く上で対面である意味はまったくないわけだから、会えるかどうかもわからない誰かと会うのを期待して現地に行くのはあまりにコストが大きい、と考えて行かないことにしたわけ。まあ生態学会だから。これが三日間現地にいれるなら、行っても良かったんだけどなあ。つうことで午前中はアグロエコロジーの会。なかなか感動した。やっぱ実践だろ。午後は認知生態学の会。認知のなんたるかについて、あんまり深く考えてないんじゃないかなあと思われる発表も散見された。そこは行動学者に一日の長があるように思われる。

家だから

中日。総会と受賞講演で、私には縁のない日だ。で、この土日ずっと働いていたわけだから、今日は休ませてもらうよ。ということで、午後も回って散歩に出かけ音楽聞きながら淀川の河原などを歩いていると、ノイズキャンセリングを通して鳥の声が聞こえてくる。なんかえらい近いところにいるんじゃね?と思って周りを見渡してみると、わずか3-4m離れた枝の上にエナガのつがいがいる。君たち、危険な二足歩行動物がこんなに近くにいても平気なんてまずいんじゃないですか?と思うわけだが、良く見ると木の枝から、おそらく去年のジョロウグモの網の残骸と思しき糸の塊を外そうと躍起になっている。そうかあ。巣作りだな。春ですね。ということで、実はエナガがこういう行動をするのは初めて見た。物の本にかいている通りだなあ、と思ってうれしくなったの。お休みって良いなあ。