The Sacrifice

結局暇だったもんで試験後から今までに、大阪、福岡、島根、金沢、台湾、イタリア、沖縄、青森に行きました。
今年中には仙台、名古屋、熊本、松山、ロンドンを加えたいところです。
今まで日本国内の地方にたいして興味が無かったのですが、行ってみるとそれはそれで、新たな楽しみの発見があったり、地方の現状を認識できたりでなかなかに有益だったり。

1月には豪雪の降りしきる中青森に行きまして、原子力燃料の再処理工場のある六ヶ所村へ行って参りました。案内のお姉さんが、ここが日本の原子力政策を支える最前線なのであると胸を張って説明してくれるものの、ここは低レベル放射性廃棄物の最終埋設地でもあり、高レベル放射性廃棄物の中間保管地でもあるようで、しかし高レベル廃棄物の方の最終埋設地はまだ決まってはいないとか。
(追記)どうも候補地が現れたようで。

だから原発ごみ最終処分場を誘致したい 福島・楢葉町長(朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0315/TKY200903150005.html
福島県楢葉町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討する意向を示した。楢葉町を含む東京電力原発が立地する4町は1月、福島第一原発3号機(大熊町)でのプルサーマル導入を求めたばかり。財政が豊かな町がなぜ今、誘致を考えるのか。複数回にわたって朝日新聞記者の取材に応じた町長との主なやりとりは以下の通り。(中川透)

 ――なぜ、原発の最終処分場の誘致を考えたのか。

 「処分場の候補地はなかなか決まらないが、どこかに作る必要がある。原発を抱え、使用済み燃料を出し続けている立地地域として無視できない課題だ」

 「使用済み燃料の再処理工場や中間貯蔵施設は青森県にできた。ただ、何でもかんでも青森に持っていけばいいというものではない。福島県内には10基の原発がある。あの施設はよくて、この施設はだめ、と言うのはよくない。立地地域の使命として、前向きに考える必要があると思う」

六ヶ所村は著名な人たちによる反対運動も盛んですが(たとえば、http://stop-rokkasho.org/)ヨーロッパでは最近こんな動きもあるようで↓

欧州で原発政策転換相次ぐ 露ガス問題など背景に(日経新聞
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20090305D2M2700505.html
 欧州で原子力発電回帰の動きが広がってきた。今年に入りスウェーデンとイタリアが相次ぎ脱原発方針を撤回。原子力発電所の新規着工を20年以上凍結していた英国が新設再開を昨年打ち出したのに続いた。二酸化炭素(CO2)排出の少ない原発を温暖化対策に利用する狙い。ロシアのガス供給停止に直面した欧州各国では、電力の国内安定供給を確保する思惑もある。

 イタリアは1987年に国民投票原発凍結を決めたが、同国の電力大手ENELはこのほど、国内に4基の原発を新設する計画を明らかにした。フランス電力公社(EDF)と組んで合弁会社を設立、2013年までに着工し20年の稼働を目指す。電力の一部を輸入に頼るイタリアでは自国での供給を求める声が高まっており、昨年5月に発足したベルルスコーニ政権は原発を新設する方針に転換した。

と、関心の高い振りをしておいて、いずれにせよ我々は単に東京からやってみた傍観者に過ぎなかったのであった。
他に行ってみると心和む場所が↓
窓から絶景、浅虫温泉
ストーブ列車も楽しい。
りんごさんりんごさん。

そういえば秋に沖縄に行ったとき、レンタカーで島内を実際に走ってみて、島全体に占める米軍基地の割合に少なからず驚きました。やっぱり知っているのと見てみるのは違うもので。
海沿いの通りに延々と米軍基地が。
通りには英語の看板が並ぶ。

やちむん通りのシーサー
鳥が飛ぶように泳ぐエイ(ちゅら海水族館)


そして神奈川にも。横須賀駅前の広々とした海に、米軍の海軍基地があって本当に驚きました。かのジョージワシントンくんがいたのかどうかは分かりませんでしたが。。。

弁護修習では、念願のゴリゴリの行政訴訟に参加させてもらえて刺激的な日々を送っています。修習に来てからは「旧試組と比べて六法の基本的知識が足りない」「起案能力が低い」とお叱りを受け肩身の狭い思いをしてきましたが、「行政法の知識があるという点で新試組は使える!!」と言っていただけて、とても嬉しかったです。その点で我々は新制度を誇りに思っていいのかもしれませんが、法律家の能力=起案能力=文書作成能力なんだなあ、ということを日々実感しつつ自分の能力の欠如に痛み入る今日この頃です(このBlogもしかり・・・嗚呼)。

ただの女子大生日記ですかそうですか

ローマ→ピサ→フィレンツェ→ミラノ→ヴェネツィア
とてもではないですが語りつくせない歴史の、文化の重みがあります。

ローマのコロッセオ

バチカン博物館。中の数々の芸術作品は圧巻。

ピサの斜塔にも登りました。

フィレンツェのドゥオーモ。

ミラノのドゥオーモはゴシック式。

水の都ベネチアは移動手段が船。

ゴンドラさんゴンドラさん。

Try This Shoot

こんな風にぷらぷら旅行三昧の日々です(まだ続きます、そして来週は海外にまで飛びます)。偶然こんなもの見つけたっす。

こ、これはすごくないですか。。。それだけ、組織風土として多様性を強みにしてるということなんでしょうね。

【追記】
この企業があんなことになろうとゎ。。。想像だにしていなかったことです。

加賀百万石の貫禄

思い立ったが吉日、今度は一転金沢へ。驚いたことに、東京から金沢へ行くのにはいったん新潟を経由して行かなければならない。すなわち、越後湯沢か長岡まで上越新幹線に乗り、そこから日本海沿いに南下していくわけだ。意外に遠いのだなあ、というか大阪からの方が近かったわけだ。

さっそく兼六園。6つの優れた景観を備えているから「兼六園」というらしく、その一つが「眺望」。兼六園というのは実は坂の上にあって、金沢市内を見渡すことができる。季節を選べばもっと美しい風景が見れたかもしれない。
金沢城。日差しで死にそうになる。
観光する季節としてこの時期はあまり適切ではなかったのかもしれない。

ひがし茶屋街へ。昔ながらの建物が立ち並んでいる。。。。が、日差しがキツくて、観光ガイドに載っていたような幻想的な雰囲気とは言いがたく。。。夜になればライトアップされて美しいに違いないと、夕暮れを待ってみるも、6時過ぎても全く暗くならず。現在でも芸者さんがいて営業している店もあるようだけれど、たいていの建物は甘味処だったりみやげ物屋だったりになっていたりする。日差しから逃れて癒しのひと時。

昔のお茶屋の中身を再現した施設「志摩」を見学。中でお茶をいただくことができる。都会の喧騒を忘れることのできる一瞬。

川のほとりの主計町茶屋街。主計局と料亭の切っても切り離せない関係(ちょっと違う)。


翌日は武家屋敷界隈を散策。この辺が一般民家だというのだからすごい。雰囲気がある区域。

新たな名所「金沢21世紀博物館」。現代アートはよく分からないのですがそれでもいろいろと楽しめる。併設のカフェでのランチは、パレット型のお皿に自由に盛ってくださいという美術館ならではのブッフェ式(値段によっては一回のみ)。加賀野菜を取り入れたフレンチで、ウマイ。

私は金沢をなめていた。日本海沿岸というだけで島根と一緒にしてはいけない。この都市は、栄えている。「香林坊」という魅惑的な名前の中心街には、高級ブランドの路面店が立ち並び、駅前のショッピングビルには人気の若者ブランド・セレクトショップも揃っている。この雰囲気は、京都に近いんだろうな。

そこには神がいるとゆう


島根へ旅すればもちろんよっておかねばならぬ出雲大社。縁結びの神とやらゆうが、実は神話の世界で重要な場所。旧暦10月を「神無月」というのは、全国の八百万の神々が皆出雲大社に集まってしまうからであって、出雲だけその月は神々が集まる「神有月」となるのだ(よってそのあたりが観光のピークとなる)。なんとも壮大なしめなわ。
そばはいくつ食べてもあきない

「ぜんざい」は実は出雲が発祥の地らしい。「神在」=「じんざい」が訛って、「ぜんざい」になったのだとか。ホンマかいな。

日本名浜百選に入るという浜辺。国引きの舞台になったという由緒在る場所だが、眼前に広がる日本海と島の組み合わせが本当に美しくて、いつまでもいつまでも眺めていたいと思った。

出雲大社からさらにタクシーで「島根ワイナリー」へ。入場無料で、しかも数々のワインが試飲と称して飲み放題というスゴイ施設。グビグビ飲みまくって、ほろ酔い気分でぶどう畑を横目に歩いて帰り、レトロな無人駅から一畑鉄道に乗る。

島根のみんな、聞いちょるか〜?

島根に行ってきました。島根なんて正直テンションあがらんな〜と思ってたわけですよ。私が知ってることといや、投票価値が全国一高いということと、竹下登の出身県ということくらいやないですか。
しかしすべてはこの動画から始まった・・・↓
http://jp.youtube.com/watch?v=mXvZSF09WvI

島根といえば「そば」。「出雲そば」。ここは松江だけどとにかく「出雲そば」。「武家屋敷のような建物で〜、池には鯉がいて〜、雰囲気も抜群。そして蕎麦もめっちゃウマい!!」そ、それはどこやねん、どこやねん、と興奮していたところ、「んん?私その場所わかるよ!!」と。武家屋敷並びの、小泉八雲記念館近くの「八雲庵」。素敵なお庭と離れが見える!!蕎麦3段+天ぷらでもペロリ。

松江城の周りの堀を小船で廻ることができる。一日乗り放題で1200円。これが、想像以上に楽しい。船頭さんが船から見える観光名所を解説してくれる。写真左は、船から眺めた「武家屋敷」、写真右には「松江城」が見える。時々やってくる水鳥に心奪われながら、涼しげに森林浴が楽しめる。屋根つきだから雨が降っても平気な上、冬はコタツ舟になるらしい。そしてこの船、途中何個もの橋の下をくぐって進んでいくのだけれど、あまりに橋が低すぎて、とてもじゃないけれど通れないのではないか、というところまで通ってゆくのだ。このとき、屋根が自動で下がっていき、乗客たちはうつ伏せになって、暗くて狭い橋の下を通過するまで耐えなければならない。まるでテーマパークのアトラクションのような楽しさ。

船を降りるとぶくぶくに太った鯉が大量にいたりして。色鮮やかでこれも心楽しい。


最後に和系スイーツはもちろんはずせない。松江は和菓子の名所でもあるそうなのだ。

雨天のため宍道湖の夕焼けが見れなかったのは残念。また、資金不足のため七珍料理も食べられず。 

「総括」

「ロー生活を総括せよ!!」なる記事をここいらでも書きたいのだなあ、と思っているのだけど、そういえば「総括」て・・・・某編集部的には違う意味で使っていたように思うけれど、昨日から公開の、ベルリン映画祭受賞映画↓
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
http://www.wakamatsukoji.org/
あのあさま山荘事件を、連合赤軍側から描いたというこゆいテーマ。しかし音楽はジム・オルークだし主演はARATAだし、これだけで若者の関心を引くでしょう。私は佐々さんの本読んで若干の関心は抱いていましたが。若松監督のインタビューが興味深いので長いですが引用します。http://www.walkerplus.com/movie/report/report5863.html

若松監督はかねてから「あさま山荘という題材だけは、オレが撮らなくてはダメだ」「金があったらすぐにでも撮る」「オレの人生の最後に撮りたいのはこれだ」と周囲に漏らしていた。きっかけは、事件から30年後に公開された原田眞人監督の「突入せよ!『あさま山荘』事件」(2002)を、若松監督が観たことだった。事件当時、警察側の幕僚長だった佐々淳行の原作を映画化。すべてを警察側から捉え、山荘内部は、全く描かなかったこの映画を観て、若松監督は痛切にこの事件の映画化を望んだ。

「モノを表現するっていうことは、国家とか権力側から表現しちゃいけない。タブーなんだよ。芸術家なら、必ず弱者の目から世界を見ないとダメなんです。それをあのバカ監督が(笑)警察の側から事件を撮った。あれを観て僕は本当に腹が立った。あの映画が僕の起爆剤になったんでしょうね。しかも、配給などのスタッフも全部知ってる人たちだった。そんなにお前ら映画で金儲けしたいのか!ってね」

「山荘に立てこもってからの場面で気付いて欲しいのは、立てこもる前と後では全然セリフが違うこと。その前まではガキどもが偉そうに、難しい言葉で革命がどうのこうの言ってるでしょ。でも、あそこに立てこもった5人はさ、本当に人質の泰子さんにも分かりやすく喋るし、大衆がわかる言葉でちゃんと喋ってる。あれが真実ですからね。僕が一番腹が立つのは、国民にマスコミの中継を見せながら、あの時の後藤田警視庁長官がテレビで『こいつらは悪いヤツだ、悪いヤツだ』って浸透させてね、ドーンって山荘に突っ込んだわけです。それ以降、学生運動はすべて失速したでしょ。運動が全部ダメになった。それはこの事件のせいだっていうけど、違うんです。つまり連合赤軍のために運動がダメになったわけじゃないんだよ。すべてのマスコミを使って、そう仕組んだ政治家や警察の方が頭が良かった。そりゃ“総括”(※3)してるのはその前から分ってる。全部分かっててココだ! という所で追い込んでいった。ものすごい膨大なシナリオを全部作ったわけ。間違いなくスパイもいた。それが森恒夫永田洋子(※4)による“総括”に繋がっていったとも言える」

 この映画では、学生運動の始まりから、分裂・統合していった集団、山岳ベースでのリンチ事件、そしてクライマックスの“あさま山荘事件”に至るまでを当事者の側から描いている。
 驚いたことに、5人が立てこもる緊迫したシーンでも、外を取り囲む警官を見せない。これは徹底した原田監督作への皮肉とも感じるのだが。
「予算の都合もあったけど(笑)、警察との撃ち合いをバンバン撮ってもアメリカ映画の変なのになっちゃう。文化庁からは一銭も金もらってないからね。まぁ出してくれなかったんだけど(笑)。僕はエンドロールに“文化庁”って入ってないだけでもすごい自慢できるもん(笑)」

私は佐々氏の本を読んで非常に警察や機動隊員たちの仕事ぶりに感銘を受けたし、犯罪を正当化するような見解には決して与することができないけれど(でないと殉職した機動隊員たちが報われない)、やはりこれは見なければならないのかな、という気がしますね。まあ試験後の話ですが