きょねんよかったコンテンツ

マンガ

「冥冥冥色聖域」(めいめいめいしょくサンクチュアリ
おすすめ。

「レッドブルー」
主人公の性格がいい。

「おおきく振りかぶって」
「少女ファイト」
スポーツマンガの皮をかぶったビジネス書。

アニメ

「贄姫と獣の王」
おすすめ。

「氷属性男子とクールな同僚女子」
「あまり感情をおもてに出さない人」の感情の表現の仕方がすばらしい。

「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」
「豚のレバーは加熱しろ」
現時点の人類が設計できる最大スペック上の「美少女」を見いだす。

配信者/ゲーム実況

赤見かるび
主にTwitchでゲーム配信をしている配信者です。
単純におもしろいのと、価値感や倫理観を自分の中に強固に持っていて、「一般的にはこう考えるはず」というバイアスに流されないという意味での純粋さを感じます。悪意なく悪事(と一般的にはみなされうる行為)をはたらく姿は至高のエンターテイメントです。

ストグラ
配信者がGTA5というゲームの中で架空のキャラクターとして生活する企画です。2022年から継続的に運営されており、とても多くの配信者が参加しています。

現実の「あまりおもしろくない側面」までもがゲームの世界に取り込まれている生々しさがあり、単純に、人間のおもしろ(くな)さ、社会のおもしろ(くな)さがそのまま反映されるコンテンツ生産装置になっていると思います。

性質上、代表的な1つのコンテンツを決めることは難しいですがこちらを挙げておきます。

舞星みりん/GOODBYE WORLD
印象的なサムネイルから拝見しました。タイトルが"Hello World"のもじりであることや「ゲームボーイのバグった起動画面」などのネタをていねいに拾い、話し方もゲームの雰囲気に合っていてすてきな実況でした。

ジャック・オ・蘭たん/“賽の河原”

賽の河原と蘭たんの親和性高いからやってくれて嬉しい

コメントオブザイヤー2023。


知識

G.M. ワインバーグ『スーパーエンジニアへの道 技術リーダーシップの人間学

(メイン)タイトルがダサいですが、「技術者(気質の人間)がリーダーをすること」について洞察に富んだすばらしい本だと思います。

「あれ? (ソフトウェア/システム)エンジニアが(技術的にしろ人間的にしろ)悩むことってもうすでに全部ワインバーグが言っているんじゃ……」という不安と安心にかられました。

どこに書いてあったか忘れたけど(もしかしたらこの本じゃないかもしれない)レビューで「まともに読むには1年かかる」みたいに書かれていて「何を言っているんだ?」と思ったけれど、本当にその通りで、むしろこの本を1年で読めるなら大したものだと思います。

青砥瑞人『HAPPY STRESS』『4 Focus』

同時期に読んだ同著者の本で、どちらも興味深かったのでまとめて挙げます。

『HAPPY STRESS』では、明確な目標はあいまいな状況に対するストレスを軽減してくれるという前提のもと、記憶という観点から目標を「覚える」方法を教えてくれています。抽象的な目標は具体的な体験と結びつけて、しかも心を込めて毎日思い出すことで記憶に刻まれるといいます。なんて精神論な、と思うかもしれませんが、記憶というものの性質を考えたときに「心を込めて何度も思い出す」というのは理に適っていて納得しました。

「知識を自分の人生に都合のいいように使う」ことに対してもっと可能性を見いだしたというか、原点にかえったというか、なんか「知識」にあらためて興味をもちました。

考察:ものにすること:名づけ・色づけ・肉づけ

ソフトウェア

twicli
ブラウザ上のTwitterクライアントです。Twitter API変更の影響で公開停止されました。とても長いあいだお世話になりました。


謝辞

この投稿は id:tonizaburou さんの(毎年の)「私的コンテンツ10選」にインスパイアされたものかもしれません。

やる気を出す方法はない


やる気が出ないことに対して深く考えても意味はないです

このすばらしい示唆から「やる気を出す方法はない」という洞察を得ました。

この認識は強力です。「やる気を出すにはどうすればよいか?」という問題を、考える価値がない問題であると考えることができるようになる、つまり問題を解消するからです。この認識に立つと、「やる気を出すにはどうすればよいか?」と悩む時間を減らすことができます。

一旦「やる気を出すにはどうすればよいか?」という問題を考えてみましょう。「やる気はやれば出てくる」。典型的な解答例です。やる気を出すためにやることのやる気はどこから出せばいいんですか? 「TODOリストを作りましょう」「まず簡単なタスクからやるんですよ」ふむふむ、なるほど。がんばってやる気を出すためにやるためのやる気を出さないと……。いや、どうしてそんなにまでしてタスクをこなす必要があるんですか? ただ、やりたくないんです。

「やる気はやれば出てくる」とは、「やる気を出す方法はない」を自己啓発的に言い換えたレトリックです。前向きな感じがして、何かを考えるパワーを与えます。これがデメリットです。

このような思索にまったく意味がないかはわかりませんが、大変です。「やる気を出す方法はない」という視座はこのコストを削り取ります。そこに空白が生まれます。この空白が可能性です。

「やる気を出す方法はない」として、じゃあそのうえでどうしたらいいんだろう? そのような自己啓発的ポジティブシンキングは罠です。まずはただその空白を味わったり、無視したりするのがいいでしょう。問題は終了しました。

ゲーミフィケーションガチ勢

ポケモンスリープの攻略」という語用がおもしろい。

結局のところ生活の攻略になるところが。ゲームの攻略情報の交流としてライフハックが交わされる。

ポケモンスリープが睡眠のゲーミフィケーションとしたら、そのゲームへの攻略は本質を突くほど睡眠そのものに迫る。ゆえにポケモンスリープガチ勢はゲーミフィケーション層を貫通し睡眠ガチ勢に至る。

ここから本質と娯楽を折衷した問題解決の道すじを思い描ける。現実の問題に対してそれをよりおもしろく解けるゲーム層を作る。プレイヤーはまずゲームに対する表層的な攻略を楽しむ。やがてプレイヤーは表層的な攻略に飽き足らず、現実層にアプローチする。晴れてプレイヤーは現実ガチ勢となる。

このときもはやゲームは抜け殻なのか? 直感的には「睡眠ガチ勢に至るほどの真のポケモンスリープガチ勢である」という評価も与えられる。ゆえにゲーム層は剥がされるのではく、貫かれると捉える。