政治おじいちゃん氏のXを見ていたら、下記Xがリポストされていた。
発信者のプロフィールを見ると、立民と共産を支持していると書かれている。
一方、乙武洋匡の「選挙妨害を無くす『公職選挙法の改正』」は、乙武を推薦する都民ファ◻︎ストの会が言っていることでもある。背景にはむろん、今回の衆院東京15区補選で黒川敦彦一派がやらかしている乱暴狼藉への対応がある。
だがこの件で「立民と共産を支持する」若年層の方が、都ファと乙武の公約を「素直に評価する」姿勢で良いのだろうか。大いに疑問だ。
泉健太支持者のnaoko氏のTwilogを見ると、本件に関する立民・五十嵐衣里都議のXがいくつかリポストされている。このところ何度も弊ブログからリンクして紹介している五十嵐都議のXには非常に良いものが多い。naoko氏がまずピックアップしたのは下記Xだ。
上記Xは、米山隆一衆院議員の下記Xを受けて発信されたものだ。
米山議員は批判の焦点を維新に当てているが、五十嵐都議は「都ファも維新と同じ」と断じ、「施政者なら現行法で対応できるか検討するのが先ではないか」という。私はこちらに説得力を感じる一方、何かというとすぐに「罰則強化」を言い出す維新だの都ファだのには強い反感を持つ。しかし今時の30代の立民・共産両党の支持者を自認する方が都ファ(乙武)の「公職選挙法改正」との公約を「素直に評価できる」と仰るのだから頭が痛くなる。支持政党は立民や共産であっても、思考は都ファや維新に近いのではないかと疑われる。そんなことで良いのだろうか。もっとも最近は立民や共産もその支持層の組織防衛志向の強さに閉口させられることが多いが。
naoko氏がリポストした五十嵐都議のXを続ける。
上記Xは、同じ五十嵐都議の下記Xを受けたものだ。下記Xにはとりわけ印象に残る、素晴らしい文章が書かれている。
都ファや維新に対しては、上記Xに含まれる下記の批判が強く刺さる。
権力者である政治家から、国民の自由を制約する罰則強化を声高らかに、自党アピールのために宣言すること自体、こういう人たちに権力を持たせるのは恐ろしいなとつくづく思います。議会での「知事批判の発言削除の動議」しかり、自分たちは王様か何かと勘違いしているのでしょうか。
引用文の後半の「知事批判の発言削除の動議」とは、3月に都議会で都ファと自公とが一体になって立民と共産の都議の発言に対して発したものだ。五十嵐都議はこれを強く批判するXを持続的に発信してきた。これぞリベラル政治家の鑑であり、こういう人が都議選で武蔵野市から立候補して当選するんだなあと、リベラル不毛の地である東京15区に住む私は感心する。私は同都議が東京18区の候補者になれば良いのにと思っていたが、小池百合子一派が独裁し、立民衆院議員・手塚仁雄の秘書だった伊藤悠なる人物がパシリとして目黒区長になろうとしていたというこのとんでもない東京都においては、五十嵐都議のような人が都議会には欠かせないのではないかと思うようになった。同都議には、極悪独裁者・小池百合子が都政から去ったあとには国政に進出してもらいたいと強く思う。
それにしても、「普通は権力者の自覚があれば、権力の行使は謙抑的であるべきということを理解しているはず」という「普通」の権力者が、今の日本にはなんと少ないことだろうか。
「謙抑的」というのは、字面を見れば明らかな通り「謙(へりくだ)って控えめにすること」という意味だが、法律家がよく使う言葉なのだろうか。このあたりは宮武嶺さんにお伺いしたいと思う。一般には「権力者は権力の行使に抑制的であるべき」などという。
この言葉から思い出される近年(といってももう30年以上前だが)の首相としては宮沢喜一がいる。一方、真っ向からこれに反する首相として思い出されるのはいうまでもなく安倍晋三であり、またもしかしたら安倍以上だったかもしれない菅義偉である。菅は、安倍政権を内閣官房長官として支えた人だった。たとえば「権力行使 抑制的」という検索語でネット検索をかけると、4年前の下記毎日新聞記事が上位でヒットする。
mainichi.jp
現首相の岸田文雄はどうかというと、昨年、日経に下記のように書かれていた。
www.nikkei.com
日経は
宮沢氏が唱えた「権力の抑制的な行使」と安倍氏の決断する姿勢をともに継承する。
と書いているが私は同意しない。岸田が継承しているのは安倍(や菅の)「決断する姿勢」だけである。だから安倍の国葬も、軍事費のドラスティックな増額も、国会のぎろんもほとんど経ずに、ほぼ岸田の独断で決まった。また安倍を国葬して安倍派にすり寄りながら、裏金問題が起きると中途半端な権力闘争を安倍派と展開している。それも、森喜朗や萩生田光一のような敵の本丸はむしろ庇い立てながら、塩谷立(しおのや・りゅう)のような小物を狙い撃ちする卑屈さだ*1。
五十嵐衣里都議のXの紹介に戻る。
上記Xには他の方とのやりとりがある。
「候補者本人はともかく、周りも助言してあげなかったのが残念ですね」というのには笑ってしまった。候補者とはたぶん乙武洋匡のことなんだろうけれども、乙武は都ファが「公職選挙法改正」と言い出したから慌ててお題目だけ追随したものなのだろう。問題はそんな候補のXを見て「立民・共産」支持を言明する人が「素直に評価できる」と思ってしまうことだ。いくらなんでも権力に対する懐疑が弱すぎる。
昨日は、目黒区議選に惜敗したばかりの西崎翔前都議が衆院東京15区補選の酒井菜摘候補の応援に駆けつけたものの、黒川敦彦一派(と思われる)の妨害に遭って演説会中止に追い込まれたらしい。五十嵐都議が西崎氏の下記Xをリポストしていた。
しかし、現行法で対処可能と思われるこれらの暴挙に乗じて、公職選挙法改正(厳罰化)を掲げて「やってる感」をアピールするだけの(都)ファの候補に立民・共産支持者が迎合してどうする、と思った。