そういえば私が住んでいる地で国政選挙の補欠選挙が行われる経験は生まれて初めてなのだった。
しかも、今世紀に入って住んだ中国地方のK市や四国のT市とは違って東京都の江東区は狭い。しかも私は補選に立候補している何人かの候補の選挙事務所から徒歩で5分とか20分とかの距離のところに住んでいるから、見慣れている街角にしょっちゅうXその他の動画でお目にかかる。そんな選挙戦も今日と明日で終わり、明後日はもう投開票日だ。私は2021年の都議選で、いざ蓋を開けてみたら惨敗を予想されていた都ファの候補がこぞって大量得票していた時のショックが忘れられないし、なんといっても日曜日に小池百合子の声が録音された怪電話がかかってきたのには背筋が寒くなったから、選挙戦前半で維新・金沢結衣をもっぱら警戒していた頃とは打って変わって、乙武陣営からかかってきた怪電話をきっかけに乙武を第一に警戒するようになった。私が蛇蝎のごとく嫌い続けている人間である小池百合子の執念がこもった音声を聞くのが精神衛生上最悪であることはわかり切っていたが、小池は一体何を言うのだろうかと思って最後まで聞いてしまったのだった。
ところで昨日、22日の月曜日に発信されたフリー記者・安積明子が現代ビジネスに書いた政局記事を3日遅れで読み、衆院東京15区に関するでたらめ極まりない安積の文章に行き当たってびっくり仰天した。
gendai.media
以下に当該部分を引用する。
そもそも東京15区は自民党系の牙城で、小選挙区制度が導入されて以来「反自民」の候補が当選したことはなかった。
URL: https://gendai.media/articles/-/128348?page=3
上記引用文は、色で示した通り真っ赤な嘘である。
これを読んだ時には目が点になった。
なぜって、私が当区に越して来た時の当区選出衆院議員は、民主党(のち国民の生活が第一を経て日本未来の党)の東祥三であり、その後二度の衆院選に当選したのは初めがみんなの党、二度目が維新の党の公認を受けた柿沢未途だったからだ。ようやく自民党が議席を奪回したのは、2017年衆院選での秋元司(2019年末に逮捕)だった。東にせよ柿沢にせよリベラルではなく右派の人だが、少なくとも選挙当時及び任期中には明確に「反自民」の立場に立つ政治家だった。その後、東は政界引退後に安倍晋三支持者と化し、柿沢は自民党に寝返ったけれども。
要するに安積は、少し調べる手間さえ惜しまなければ簡単にわかる事実を確認することすらせずに記事を書き飛ばしたわけだ。
少し前に大濱崎卓真が当区の立民の候補者選定についていい加減な出鱈目を書き散らしていたことを批判したが、あれはまだ調べるのに多少の手間がかかる事項に関することだった。しかし今回の安積の例は、調べる手間などほとんどかからないはずだ。しかし安積とは、そんな基本的な事実の確認さえ行わない人らしい。
安積にせよ大濱崎にせよ、彼らの武器は(主に保守系の)政治家たちとの人脈であるに過ぎない。彼らの記事を読めばわかる通り、彼らは政治家たちとのパイプを持っている。しかし当該の政治家たちが自分自身以外の選挙区の事情に詳しいわけでは全くない。それどころか何も知らないと言って良いのではないか。そのあたりを十分認識して、記事を書く前にまず事実を正確に把握しようとする行為が、事実を伝える使命を持っているはずの記者には求められるはずだが、彼らはそれを怠っている。
いやはや、実にひどいものである。
下記Xは、上記安積の記事が発信されたのと同じ日の夜のタイムスタンプがついていることから推測して、明らかに安積の記事を指していると思われる。
安積たちがやっているのは「報道」または「評論」ではなく、一種の「謀略」であろう。少なくともジャーナリズムの要件は全く満たしていない。
同じ安積の記事にある下記の文章など、その典型例であろう。
立憲が勝つのは困る……
要するに衆院補選については、自民党と維新は相反する立場にないことになる。そこで立憲民主党の躍進を阻止したい自民党は、思わぬ「禁じ手」を講じるかもしれない。ある自民党関係者は次のように打ち明けた。
「東京15区は立憲民主党の公認候補が優勢だが、彼女が当選して立憲民主党が勢い付いてしまっては、我々が困る。そこで15区内の自民票を“2位の候補”に集中させることで、なんとか挽回をはかりたいところだが、都連上層部からの具体的な指示はまだ来ていない」
URL: https://gendai.media/articles/-/128348?page=3
こういうことを言った「自民党関係者」がいたのは事実だろう。しかし自民党関係者と言ってもさまざまで、純粋に地元の自民党員を国会に送り込みたい江東総支部の人たちもいれば、小池百合子に助けてもらおうと考える、党執行部だの萩生田光一だのに近い人もいる。あるいは維新に近い菅義偉のような人間もいる。
上記「自民党関係者」のいう「2位の候補」にしても、それが金沢結衣であるか乙武洋匡であるかで意味が変わってくる(三春充希氏の一覧表を見る限り、これまでに情勢調査の2位に記載されたのは、この2人しかいない)。しかも、地元の自民党(江東総支部)にとっては、自分たちと支持層が被る「2位の候補」なんかに票を集中されたら、遠くない将来に控えている衆院選の本選で、自分たちが本当に選びたい候補にチャンスがなくなる。とんでもない話なのである。
このように、同じ自民党の関係者でも一枚岩どころでは全くなく、立場によって思惑はさまざまなのだ。しかし安積の記事は、そのうちの誰か1人の立場を代弁したものになっている。
だから安積の記事は、事実を伝えるジャーナリズム精神とは全く無縁の「謀略情報」に過ぎないと弊ブログは断じる次第。
今回の補選で地元が舞台になって、政治について書く「フリー記者」だの「政治アナリスト」だのと名乗る人たちが、本当にろくでもないことがよく理解できた。
私も野党支持者として、政権交代としてほしいのですが、その一方不安があります。
それは与党に逆転した野党が、今までの自民党政権(特に第2次安倍政権以降)の負の遺産を押し付けられることです。
下野した自民党が、マスコミや官僚や財界などと結託して責任転嫁し、新政権に対し、卑劣な攻撃することは目に見えていますね。
実際に2009年の旧民主党政権時代、それが行なわれ、民主党は分裂した挙げ句、短期間で崩壊しました。
いきなり政権交代はせずに、自民党と公明党を合わせて過半数割れに追い込み、野党に妥協さざるを得ない状況を作った上で、当面は比較第一党の自民党に後始末をさせるのが最善ではないかと思っています。
無論新政権で下野した自民党を解党させるほどの徹底的な洗浄が理想ですが、残念ながら日本人はマスコミの情報に流されやすく、過去と同じく新政権を見限り、自民党を復活させてしまう恐れがあるので、政権交代に後ろ向きな気持ちが芽生えてしまいます。
kojitakenさんはどのような見解をお持ちか、教えてほしいです。