綿矢りさを読むつもりはなかったが、新
聞かどこかで北京の現在が活写されてい
ると読んだので、北京も上海も行ったこ
とがない世界第二の大国にぴんときてい
ないわたしの鈍い感覚を更新できるかと
読んだ。
これはなんだ、ブランド志向のイケイケ
マダムがすべてに物怖じせず北京の街を
快楽優先で駆け回る姿に、こんな話なの
かと思いながら、次第にこれは新しい女
性だと感心しはじめ、そのうち魯迅の阿
Qが云う「精神勝利法」という方向にシ
フトしはじめ、ブランド品なしで勝利す
ることに決めるのである。でもラストに
友だちから「アタマ大丈夫?」と云われ
てストンと終わる。
ぶっ飛び痛快に一気に読んでしまった、
でも裏テーマがあるかな、阿Q正伝なん
て高校以来読んでないからな。