[読書]女性編集者の回想

きのうの空

きのうの空

ものすごい久しぶり。生活が変わって家でPCの前に座ること自体が激減してしまった。
さてこれは「姉の本です」と渡されたもの。こういうのって悪い予感しかしないんだよなー(自費出版独特のあの感じ)と開いたら、だいぶ様子が違った。講談社に昭和18年から40年間勤め、昭和50年代に初の女性部長になったという人の回想エッセイ。三島由紀夫をはじめとする錚々たる作家たちの思い出。文章もとてもよく鍛えられたもので、さすが。もう一冊同じ著者の本が存在するそうなので、ついうっかり買ってしまった。

美術館でお買いもの

・「修復された一高歴史画」東京大学駒場博物館、12月15日〜26日
数は少ないけれど「歴史画」の大きい絵がきれいになって出ていた。とはいえいわゆる明治の「歴史画」然としたものは観山のぐらいで、その他は歴史主題ではあっても、枠組みが古い感じがした。「歴史画らしさ」がまだ組みあがっていない時期のものだろうか。
・「日本民藝館展」日本民藝館、12月13日〜25日
駒場博物館に行くなら久しぶりに民藝館に、と寄る。「日本民藝館展」という公募展らしきものしかやっていないはずなのに、次から次へと人が入っていく。何?関係者?といぶかしみながら常設を見た後に「民藝館展」の会場に入ると…売ってる!しかもかなりお買い得!といきなりお買いものモードに。でも陶磁器はあらかた売れてしまっていて結局買わず。
でもちょっと、美術館(的な施設)の展示室で買物モードになるというのは少し居心地が悪い。抽斗の中に自分なりにつくっておいた「仕切り板」がなぎ倒される感じ。
それと、民藝館展というものの役割とかそこに出されるものの性質とか、どんな人々が関係しているかとか、色々興味深かった。

さいきん読んだもの

お久しぶりです。

櫛挽道守

櫛挽道守

工芸(体に特殊な動きを刻みこみ、その精度を高めてゆく)の話と、失われた絵(ものがたり)の断片を集め求める話。大変よかった。
娘と私 (ちくま文庫)

娘と私 (ちくま文庫)

受験のための問題集か何かで読んで以来、いつか獅子文六の『悦ちゃん』を読んでみたいと思っている(それから一体何年経っているのか)。こちらはその制作背景を描いた私小説的作品。
廃墟建築士 (集英社文庫)

廃墟建築士 (集英社文庫)

文字通り廃墟を建築する話。そういう突飛な設定はともかくとして、凄絶に美しい場面が出てくるのがこの人の魅力。久しぶりに読んだ。色々な展覧会カタログに書いた話と書評を集めたもの。懐かしい。阪大リーブルいいな。
逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)

逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)

家事代行サービスから契約結婚に移行。家事労働とか結婚制度とかについての思考実験のような話。家事というか労働全体についての話。筆者が体験した外国人メイドがいる生活(東南アジア)の話が興味深かった。やっぱり複雑ですよね…。
かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

田舎における美大受験(こういう塾あるよね。私は通ったことはないけれど)の話、と恩師への懺悔。金沢美大か…

さいきん読んだ本からいくつか

海うそ

海うそ

ファンタジー要素が少なく、ネイチャーライティング的な作品。最近の梨木さんの小説の中でもすごくよかった。
渡りの足跡 (新潮文庫)

渡りの足跡 (新潮文庫)

これもよかった。鳥の名前をもっと知っていると楽しいだろうな。去年行った新潟の福島潟も出てきた。
英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

ちいさいモモちゃん モモちゃんとアカネちゃんの本(1) (講談社青い鳥文庫)

ちいさいモモちゃん モモちゃんとアカネちゃんの本(1) (講談社青い鳥文庫)

図書館でこのシリーズを借りて読み中。私にとって最初に自力で読んだ「字ばっかりの本」。なかなか味わい深い。
スウ姉さん (河出文庫)

スウ姉さん (河出文庫)

朝ドラにつられて村岡花子。朝ドラは文句を言いながら見ていたけれど、ついに脱落。