彼岸の中日は
雀始巣(すずめはじめてすくう)
繁殖期を迎えた雀が
巣を作り始める候
忙しそうに飛んできたのは
コゲラでした。
「ここはまだ穏やかやき
上から逃げて来たがやね」
峠から見る石鎚山系は
雪煙に巻かれているようで霞んでいます。
空を舞ってヤマシキミに落ちた粉雪は
白い花が咲いているようでした。
三辻山にも春の嵐が訪れました。
「これはこの春最後の雪かもしれんね」
強い風で
四国山地を越えてきた粉雪が
絶え間なく風に動いていましたが
春への準備を確かに感じる
かよう道でした。
今ここに春の嵐の中を来て 成瀬正とし