ひと月が過ぎた奥物部は
裾野から緑駆け上がる風景でした。
「眩しいね」
まるで
最頂部の木々が
裾野からの迎えを待つように
順番に裾のから駆け上がる緑が波のようでした。
まだ越冬芽だった沢沿いの栃は
大きく葉を広げ
水量の蓄えられた沢で
気持ち良さそうに揺れていました。
鳥の囀りはすぐ側で聞こえますが
姿が見えなくなったなぁ・・・・
「飛んだ!」
慌ててレンズで追いかけると
オオルリの雌のようでした。
瞬間の嬉しい出会いでした。
Mothertreeに会いに行く
この森の母は
五月の風に大きな葉を揺らし
木洩れ陽を地面に落としていました。
若葉して御目の雫拭はばや 芭蕉