徳島あおい映画祭vol.01のこと?

5月17日。無事、徳島あおい映画祭vol.01盛況の中、終了致しました。

徳島県には16日から18日まで滞在しており、東京に帰ってからもあれこれ作業が残っており、
なかなか回顧をできなかったので、ここに記します。

16日。映画祭前日。岡太地監督と飛行機で羽田から徳島阿波踊り空港へ。
着陸時にこの空港名をおかくんは知ることになり、「なんや、その名前?」みたいなことになった。
レンタカーに乗って、会場となる第二倉庫 アクア・チッタへ。新町川の水辺にならぶ古い倉庫のひとつ。
がらんとした空間にすこしずつ会場を設営していく。舞台が出来、プロジェクターが調整され、暗幕が吊るされる。
その様子を撮影する、ぼくとおかくん。
設営を手伝って下さったのは、地元の漁師さん佐野さん。そして徳島大学軽音GREENSのみなさん。
佐野さんはおいしいお店を何でも知っていて、徳島ラーメンのお店も教えてくださった。これも撮影。

夕方、ホテルに戻って、ぼくとおかくんが撮影した素材、GREENSの若者たちが撮影した素材を編集する。
そう、この映像が映画祭のOP映像となるのだ。
『ゆれもせで』のベース音をおかくんがリミックスし、それに合わせて、すぱすぱ映像をきる。

また会場に戻って、OP映像をチェック。おお気づいたら23時。
だいたいの準備も整い、解散となり、
おかくんとぼくは、『おわりはおわり』主演の藤田真代さんと会いお酒を飲む事に。
ふじたさんは、なんか人当たりが柔らかくなっていた。
ぼくは酔っぱらい、お店の床に転がったら、
テーブルの下の鞄置き場みたいなスペースにティッシュの丸めたのがたくさん置いてあった。

いよいよ明日は映画祭である。

徳島あおい映画祭



徳島あおい映画祭というのを開催します。

徳島県はぼくの故郷です。うまれたし、育った。
実はあんまり好きじゃないところが多いところだったりもします。
これはまあろくな思い出が無いからなんですが。

でも、すごく好きなところがあります。それは空。
ずっと好きだったわけではなく、映画を作り始めてみて気付きました。
『おわりはおわり』という映画を徳島で撮影していたとき、スタッフワークなんて全然知らない僕は、
1人で監督・撮影・制作進行・ときどき出演なんかをしながら、ひぃひぃ言いながら作業をこなしていました。
映画が出来上がってみたら、やたら空が映っていて、「あぁ、そうか。空が好きなんか」と思った次第です。


映画を見て下さった人からもよく「青色が印象的な映画が多いですね」なんて言われるので、
題名を「あおい映画祭」としました。

特集上映《ぼくらのじしん》では
前述した『おわりはおわり』がPFFに入選したのをきっかけに知り合った岡太地監督と
お互い脚本を提供し合って完成した『ゆれもせで』と『きをつけてね』を上映します。

さらに、やはりPFF入選時に最終審査員だったことがきっかけで知り合い、
後にMV監督までさせていただいた曽我部恵一さんをゲストにお招きして、
ソロライブをやっていただけることになりました。
(これまた偶然ですが、その『バカばっかり』MVに出ている女優さんは古泉葵(あおい)さんというのです)

楽しい映画祭にしたいです。ぼくも当日、お伺いします。会えるといいですね。
そして続けていけたらなぁ。とも思います。
あと、あんまり空がすきとかは言って回りませんので。恥ずかしいから。なんか。



【徳島あおい映画祭】
日時:5/17(土)OPEN/14:00 START/14:30
会場:第二倉庫アクア・チッタ(徳島県徳島市万代町5丁目71−4)
入場料:前売り3000円/当日3500円(前売りは近日発売予定です)

http://yomofly.web.fc2.com/tokushimaaoieiga.html

寝てるときだけ、あいしてる。



2014年はwebドラマをつくります。

『寝てるときだけ、あいしてる。』
昨日は主演の前田多美さんと、
オーディションを経て出演決定した
共演の関口崇則さんと台本読み合わせをしました。
色々と意見交換をし、連続ドラマなので次回の展開なども話し合い、
のちにweb用のスチル撮影へ。
このスチルはデジタルハリネズミというカメラで行いました。
本編撮影もこのトイカメラで挑戦します。

その後、下赤塚の某所で衣裳部の藪野さんも交えて、親睦会。いろいろなお話をできてたのしかったです。

4月には撮影して、なんとか4月末にはweb公開したいと思いますので、応援よろしくお願い致します。

http://mayflymovie.web.fc2.com/neteru.html

2013みたもの

2013年に観たもので、きになったもの。
DVDも含みますし、映画じゃないのもあります。
ランキングはしません。自分で順位つけるのはにがてなので。
観た順です。

映画『賽ヲナゲロ』(天野千尋監督)…主演の玉川佐知さんの迫力。
映画『おだやかな日常』(内田伸輝監督)…土下座するのおもしろかった。
演劇『さよならゴールドマウンテン』(ヨーロッパ企画イエティシリーズ)…お金ってたいせつ。
映画『横道世之介』(沖田修一監督)…映画館で2回観た。
映画『舟を編む』(石井裕也監督)…池脇千鶴さんのメイクに拍手。がんばろうって思った。
DVD『午前3時10分、決断のとき』(ジェームズ・マン・ゴールド監督)…かっこいいしかない、それで十分。
映画『リンカーン』(スティーブン・スピルバーグ監督)…たいへんやなー。って思った。
映画『御幸の浜、快晴』(勝又悠監督)…ジム・ジャームッシュに勝てそうなくらい、何でもないことがとんでもない。
映画『できる子の証明』(原田裕司監督)…相田淑美さんの魅力満載。
映画『クロユリ団地』(中田秀夫監督)…嫌な映画。いい意味で。
映画『華麗なるギャッツビー』(バズ・ラーマン監督)…きれい。
映画『あれから』(篠崎誠監督)…つん、とする。
映画『立候補』(藤岡利充監督)…爆笑
映画『太秦ヤコペッティ』(宮本杜朗監督)…きもちわるいのがきもちいい。
映画『ソウル・フラワートレイン』(西尾孔志監督)…西尾さんがこんな映画を!
映画『恋の渦』(大根仁監督)…美術装飾がすごい。
ドラマ『ウォーキング・デッド シリーズ』…今年、一番泣いた作品。
映画『ローン・レンジャー』(ゴア・ヴァービンスキー監督)…ラストは圧巻
映画『真夏の方程式』(西谷弘監督)…割といい。
演劇『 建てましにつぐ建てましポルカ』…出てくるだけで爆笑をとる本多力さんと仕掛けたヨーロッパ企画の皆さんに脱帽。
映画『凶悪』(白石和彌監督)…「周りが悪い!」と叫びたくなる映画。小道具へのこだわりがすごい。
映画『いかれたベイビー』(浅野晋康監督)…浅野さんしか作れないエッチな映画
映画『クロニクル』(ジョシュ・トランク監督)…ヒーロー誕生秘話のようなものかも。
映画『ひからびた肌』(頃安祐良監督)…演じるひとも、演出するひとも空間の使い方が抜群。
映画『「ジ、エクストリーム、スキヤキ」(前田司郎監督)…倉科カナだいすき。
映画『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(吉田恵輔監督)…エンドロールで泣かせる劇伴すごい。
映画『かぐや姫の物語』(高畑勳監督)…すっごいムクムク感。
映画『ゼロ・グラビティ』(アルフォンソ・キュアロン監督)…いちばんこわくて勇気出た。

新作をつくります

個人的に波乱の多い2013年ですが、もういいや。と新作をつくろうと思いました。


というわけで2014年3月末にどこでもいつでも観られるwebドラマ『寝てるときだけ、あいしてる』を公開します。


今現在、男性キャストはオーディション中(募集は〆切ました)
決定キャストは主役の若葉のぞみ役の前田多美さん。近年自主映画に精力的にご出演されている方で
平波亘監督の『トムソーヤーとハックルベルフィンは死んだ』という映画にもうひとりのヒロインとして出ていたのを観て
実際お会いしても、おもしろいひとだなー。と思ったので、お声をおかけしました。



すごく実験的なことをたくさんします。
だって僕のお金で撮るのだもの。
だからつまんないものにはしません。
誰それが出ているから、誰それが監督しているから。なんてしねばいい。
「こんなの観た事ないし、結構おもしろい」とみんなの間で見せ合いっこしてほしいです。

じゃあね。

『おちみづ』を観て来た。

もう上映は終わってしまったのだけれど、村松正浩監督『おちみづ』を観て来た。

今から書く感想は感想にすらならない、駄文かもしれない。
映画をひも解くヒントにもなりはしないだろう。
いますぐ、丸めてゴミ箱に捨てるべきかもしれない。でも、まぁ日記だからいいか。


このブログをよく読んで下さってる方は村松監督作品をぼくがどれだけ好きかはご存知だろう。
個人的には村松監督作品は沢山見続けてもよし、いきなり1作品を観てもよし。
なところが特徴でもあったとおもう。前者は監督のもつ独特な雰囲気のせかいにどんどん深く浸っていけるし、
後者はそのせかいの新鮮な空気を楽しむことができる。


ただ今作は絶対に『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』を観ていなければいけないと思う。
こう書いてしまうには大分迷ったし、悩んだけれど。やっぱりそうだと思う。
なぜなら、今までは前作との繋がりを「今」の人物独白のみで仄かに臭わせたりしていた遊び心に満ちた演出であったが。
今作では2作品前の『グレイト〜』での重要な人物が、肉体ごと存在しているのだ。その人そのものでは無いのかもしれない。
しかし、演者が同じである以上は前作を観た私としては「同じ」だと感じてしまう。

と、ここまで書いて「だからなんなんだ」という気持ちになってしまった。
それ以前にこの映画は私には迷宮であった。のだ。

映画が始まると、魅力的なひとたちが立て続けに出てくる。そう、村松監督作品の魅力のひとつ、
こちらのせかいには絶対居ないんだろうけど、そちらのせかいではよろしくやっている人たち。
飄々としていて、自分のことばっかり喋ってて、でも相手の顔色も観察している。
今回はそんな人たちが女性ばっかりで、魅力も増すわけだが。それはやっぱり僕が男の子なんだろう。あ、僕って書いてしまった。

思い出して書くだけで、こんな無防備になるくらい面白い女たちが出てくる。
みな思い思いに喋るし、喧嘩する、とてもかわいい。時々隙間を埋めてきたりはみ出す音楽もそちらのせかいでよろしくやっている。
が、ぼくはそのせかいに入っていないことに気づいた。誰の感情に寄り添えばいいのだろうか。
誰かの感情に寄り添おうとすると、物語は別のだれかを観ろ、感じろと視点が変わっていく。
それが退屈ならいいんだけど、いやよくないか。でも魅力的な画面とおしゃべりなので
ぐっと集中していく理解と感情を総動員していく間に、また視点が変わる。

映画はそれを終始繰り返して、すっと終わる。
今、これを書いていてちょっと連想したのは村上春樹の『アフターダーク』だ。
なんだなんだと思っていたら「では、ちょっと違うところみてみようぜ」と春樹のおじさんに誘われる。
そのときにあのおじさんの顔が浮かべば「やだよ!何でおっさんの言うこと聞かなきゃいけないの?おれ、この姉妹のこと観たいの!」って言えるが、
小説なので強制的に移動してしまう。

これが映画だと、やっぱり強制的なのですよね。だから腹が立つことが多いんです。僕の場合こういうの。
でも腹が立たない。何でなんだろう。村松さんがすきだからかなぁ。と思っていたのだけれど、やっぱり違う。
ひっかかっているのはやっぱり『グレイト〜』なのである。
両作にみっちりとくっついているものは「老い」である。
しかし『グレイト〜』からは主人公の死に対する静かで凛とした対抗心。
『おちみづ』には登場人物たちの美に対する嫌悪と嫉妬のようなもの。
個と群れ、立ち向かうことと、逃げ。
どうしても並べて観てしまう。ので、私と、いや。僕と感想を言い合うには『グレイト〜』を観ていてほしいなぁ。と思ってしまうのである。

ここまでがんばって書いたが、やっぱりこのような感想は丸めてゴミ箱に捨てるべきかもしれない。
でもまぁ、日記なんでいいか。

『サッドティー』(今泉力哉監督)を観て来た。

『サッドティー』(今泉力哉監督)を観て来た。

ぐるぐる巡る、恋愛模様はそのままに、より人物たちの肉体性が削られていた。
これは視点をずらせば彼ら彼女らの肉体性が観えてくるのだけど、敢えてそれをやっていない感じ。
肉体を伴わないたましいだけの言葉のやりとりが退屈を通り過ぎて、おそろしくも感じる。冷めたお茶、寂しいお茶とはこのことなのかしら。

ものがたりの中で、肉体を使うひとがふたり。古着屋とカフェでバイトをして暇をつぶしている棚子は、とある男が買おうとした服を突然着てみせる。この仕草があほらしくて唐突でとてもかわいい。
ただ服を着て脱ぐだけでもこんなに魅力が出るのはそれまでに徹底的に肉体の関係を見せなかったからだろうか。演じていた青柳文子さんがかわいいからか。
この後、男の子が恋に落ちるのだけど、そりゃそうだね。と思う。

あと1人は朝日くん。彼は競歩を使ってとある場所へ向かう。
それまでも、なんだか体から言葉を発しているような男で、逆に「こいつ本心しゃべってる?」と疑ってしまう。

ふたりとも肉体は使うがどこか空虚でおかしい。でも、魅力的である。ぼくはこのひとたちがとても好きになってしまったし、この人たち以外のひとたちは「ふん、生ける屍め」「この透明人間め」(文字通り透明なやつも出て来て爆笑した)と思ってみていたのでとても楽しかった。

願わくば、主人公の彼を突き動かす動機がむくりと観ている僕らのきもちに揺さぶりをかけてくれればよかったのだけど、冷めたお茶にはそんな効能ないのかもなぁ。

ぼくはよく、演者のまばたきを気にするのだけど國武綾さんという方のまばたきの使い方はとてもきれいで、うっとりしてしまった。彼女は『恋の渦』にも出演されていたのだけど、やっぱり瞬きがすばらしかったなぁ。