格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

PFL2024#3:オッズ/予想と展望

(B)アンドレイ・コレシュコフ 2.35
(P)マゴメド・ウマラトフ 1.61
(P)ブレンダン・ラウネーン 1.19
(B)ペドロ・カルバーリョ 5.05
(B)ローガン・ストーリー 1.50
(N)シャミル・ムサエフ 2.60
(P)ガブリエル・ブラガ 1.43
(B)ジャスティン・ゴンザレス 2.90
(B)ゴイチ・ヤマウチ 1.44
(B)ネイマン・グレイシー 2.85
(P)ババ・ジェンキンス 1.61
(B)カイ・カマカ3世 2.35
(B)アダム・ボリッチ 1.85
(B)エンリケ・バルゾラ 1.88
(B)ティムール・シズリエフ 1.42
(P)ブレット・ジョーンズ 2.90
(P)ラウレアノ・スタロポリ 5.00
(N)ムラッド・ラマザノフ 1.18
(P)ドン・マッジ 1.57
(B)ブレナン・ワード 2.45
(P)テイラー・ダイアモンド 2.53
(B)オットー・ホドリゲス 1.55
(B)ロマン・ドビエンヌ -
(P)サド・ジー-

ここまでの2週で、元PFL vs. 元Bellatorの対戦成績は以下(昨年開催されずPFL本選出場者がいない女子フライ級を除く)。

◯カサンガネイ vs. ポリッツィ×
コラード vs. パトリッキー×
デュフォート vs. バーネル×
×ネドー vs. ヤクシムラドフ◯
◯カーロスJr. vs. ビヨン×
×ミランダ vs. プリマス
×レンフロ vs. ラバダノフ◯
×デリヤ vs. モルダフスキー◯
◯ゴルソフ vs. ヴァッセル×

5勝4敗で元PFLがリード。

第3週はウェルター級&フェザー級ウェルター級はBellator勢として元王者・3位のコレシュコフ、元暫定王者で2位のストーリー、4位ゴイチ、5位ネイマン・グレイシーとBellator上位陣が出場する一方、PFL勢は優勝したマゴメドケリモフは負傷欠場。準優勝で一昨年優勝のサディブゥ・シィはライトヘビー級に転向で、上位陣がいない。しかしメインでコレシュコフと対戦するウマラトフは、2年連続決勝トーナメントに進出するも棄権しており、ここまで14戦全勝。オッズもフェイバリットになっている。

また、元ONEで手塚裕之にも勝利したムラッド・ラマザノフが数少ない新規参入組として登場。リーグ戦のダークホースになりそう。

フェザー級のPFL勢は昨年優勝のピネド(負傷欠場)以外、昨年・一昨年の優勝者・準優勝者が出場。一昨年準優勝のバッバ・ジェンキンスレスリングエリートで、キャリア初期にBellatorで育成され8勝3敗の成績を残しているが、2016年に離脱している。

Bellator勢は王者パトリシオと先月試合をした4位ケネディ、2位のピコ、10位マゴメドシャリポフは不参加。7位ブレナンは先々週のPFL.1でワンマッチに出場し判定負け。それ以外の1位・5・6・8・9位の5人と、バンタム級7位のバルゾラが出場。

ブレット・ジョーンズは昨年PFLヨーロッパで1試合しているが、その前はBellatorに出場して2勝1敗なので、どちらに入れていいのか迷うところ。

第1試合開始は20日朝8時から。速報します。

UFC300:メインイベント・アレックス・ペレイラ vs. ジャマール・ヒル

ライトヘビー級タイトルマッチ5分5R。ヒル1位。

元GLORY2階級制覇王者にして、UFCでも2階級制覇したペレイラ。昨年7月のライトヘビー級転向初戦で、元王者ブラホビッチにテイクダウンされ下から立ち上がれない展開も見せており、いまだグラウンドには不安が残るが、打撃の強さで勝ち続けている。王座決定戦では、UFC無敗のまま負傷によりタイトルを返上したイリー・プロハースカをKOしており、今回同様に負傷で王座を返上したヒルを倒せば、完全無欠の王者となる。36歳。

ヒルはプロハースカが返上したタイトルを昨年1月の王座決定戦で勝利し獲得。その時の相手はペレイラのセコンドにつくグローバーテイシェイラ。大学までバスケをしていたスーパーアスリートタイプの選手で、MMAと同時期に開始した柔術でも現在茶帯を巻くが、キャリアで一本勝ちはない(12勝7KO・5判定勝ち)完全なストライカー。唯一の敗戦は、UFC随一の下攻めグラップラー・ポール・クレイグのガードからの三角十字で腕を折られながら頭部に肘のラッシュをもらった試合。昨年7月、ファイトウィーク中に行われたファイターズバスケの試合でアキレス腱を断裂して王座を返上し、今回が復帰戦となる。32歳。

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UFC300:セミファイナル・ジャン・ウェイリー vs. ヤン・シャオナン

女子ストロー級タイトルマッチ。シャオナン1位。

王者シャオナンは女子P4Pランキングでもグラッソに次ぐ2位。最初の王座戴冠時は2度目の防衛戦でローズ・ナマユナスに1RKO負け。ダイレクトリマッチはメディアの判断も割れる(ややナマユナス支持が多かった)接戦となったが、スプリット判定負け。しかし、元レスリング金メダリストのヘンリー・セフードとのトレーニングでレスリングを強化し、カーラ・エスパルザの王座に挑戦すると、タックルに来たエスパルザの腕を足で固定した状態でのチョークで一本勝ち。真のコンプリートファイターとなった再び王座を獲得した。昨年8月にはアマンダ・レモス相手にグラウンドで圧倒して初防衛に成功している。34歳。

初のタイトル挑戦となるシャオナン。UFC8勝2敗だが、前戦までは7戦連続での判定勝ち。昨年5月に当時4位のアンドラージを1RKOして、初のフィニッシュ勝利&ボーナス獲得するとともに、王座挑戦権も手に入れた。が、UFCで初黒星を喫した際にはテイクダウンからドミネイトされた挙げ句に2Rにクルスフィックスで固定された状態でのパウンドでKO負けしており、テイクダウンされた後のリカバリーに不安が残る。34歳。

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UFC300:第11試合・ジャスティン・ゲイジー vs. マックス・ホロウェイ

ライト級5分5R。BMFタイトルマッチ。ゲイジー2位、ホロウェイはフェザー級の2位。

一応、ゲイジーが昨年7月にポイエーをKOして獲得したBMFタイトルの防衛戦という扱い。もっとも、公的なタイトルマッチではないので、計量では1ポンドのオーバーが認められている(両者とも1ポンドオーバーでクリア)。

ゲイジーは2022年5月にチャールズ・オリベイラのタイトルに挑戦。パンチでダウンを奪いながらも、オリベイラのパンチでダウンを奪い返され、チョークで逆転負け。その後フィジエフに判定勝ち後、ポイエーとのBMFタイトル戦では1R打撃で押される展開から、2Rに右ストレートからの右ハイでKO勝ち。ライト級王座には前王者オリベイラが先に挑戦権を掴んでいたが、アブダビ大会でのタイトル戦は直前で欠場し、順番が回ってこない中で記念大会でのスーパーファイト出場を決めた。35歳。

フェザー級王者ホロウェイだが、この10年、フェザー級では唯一前王者ヴォルカノフスキーにだけ勝てない展開が続いた。すでに3度敗れており、ランキング1位をキープしてもなかなか4回目挑戦の機運が高まらない中で、ライト級に上げてのBMFタイトル挑戦を決意。が、ヴォルカノフスキーがイリア・トプリア戦でKO負けして王座陥落したことで、再びタイトル挑戦の可能性が浮上してきた。とはいえ、ここで勝てばライト級でもトップランカーとなり、ライト級王座に挑戦する権利を持つことになる。5年前に直前の代役でライト級に上げてダスティン・ポイエーに判定負けしているが、今回は準備期間が十分あり、ライト級の体格を作ってからの挑戦となる。35歳。

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UFC300:第10試合・チャールズ・オリベイラ vs. アルマン・ツァルキヤン

ライト級。オリベイラ1位、ツァルキヤン4位。

元王者オリベイラはヌルマゴが返上したタイトルをチャンドラーと争いKO勝ちで王座獲得。ポイエー、ゲイジー相手に連勝したが、ゲイジー戦は体重オーバーで王座剥奪。22年10月のマカチェフ戦との王座決定戦に出場したものの、肩固めで一本負けして再戴冠はならなかった。6月に8連勝中のベニール・ダリウシュを1RKOして再びマカチェフの王座に挑戦するチャンスを掴んだが、直前練習で顔面をカットし欠場。現在ラマダンで欠場中のマカチェフへの挑戦を待つという選択もある中、記念大会で難敵ツァルキヤンとの対戦を選択した。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞はUFC最多の13回(サブミッション・オブ・ザ・ナイトも含めると16回)で、今回30万ドルに増額されたボーナス獲得も狙う。34歳。

ツァルキヤンはUFC8勝2敗。前回、4位のベニール・ダリウシュに1RKO勝ちしてついにトップ5ランカーとなり、王座挑戦圏内に。敗れた相手はUFCデビュー戦で対戦した現王者マカチェフと、接戦となったマテウス・ガムロット戦。バックボーンはレスリングで、あのマカチェフからもテイクダウンを奪っている。ここで勝てば次期挑戦者になる可能性も高くなる重要な一戦。27歳。

会場人気は圧倒的にオリベイラだが、オッズではツァルキヤンがフェイバリット。

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UFC300:第9試合・ボー・ニッカル vs. コーディ・ブランデージ

ミドル級。

ニッカルはレスリング全米王者。MMAデビューは22年6月で、まだ1年10ヶ月。キャリア5戦すべて1Rフィニッシュ勝利。UFCでも2連勝だが、初戦は当時UFC2勝4敗のジェイミー・ピケット、2戦目はUFCデビュー戦のバレンタイン・ウッドバーンで、このクラスでは全く勝負にならない。28歳。

今回はUFC4勝4敗のブランデージとの試合に。現在2連勝中だが、そのうち1戦はジェイコブ・マルクーン相手に劣勢な展開から、後頭部に肘をもらって反則勝ちを拾った試合。前回は相手の腕十字をリフトして頭から叩きつけてのKO勝ち。29歳。

オッズでは今大会一番の大差でニッカルがフェイバリット。もっと上、ランキング手前くらいの相手との試合が見たかったが、相手から対戦を拒否されているのか。

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UFC300:第8試合・イリー・プロハースカ vs. アレクサンダル・ラキッチ

ライトヘビー級。プロハースカ4位、ラキッチ5位。

プロハースカはUFCデビューから3戦でライトヘビー級王者に。タイトルを獲得したグローバーテイシェイラ戦は一進一退の試合から5Rにチョークで逆転勝ちして2022年のファイト・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。しかし12月に予定されていたテイシェイラとのダイレクトリマッチを前に、練習中に肩を負傷してタイトルを返上。怪我から約1年での復帰戦となった昨年11月のペレイラとの王座決定戦では、カーフを効かされ、距離を詰めたところでショートのパンチをもらい、タックルに肘連打をもらって潰されてのKO負け。RIZINヘビー級GP決勝のキング・モー戦以来、8年ぶりの敗北を喫した。31歳。

オーストリアのラキッチはUFCデビューから6勝1敗でランキング1位のヤン・ブラホビッチと対戦。勝てば王座挑戦が濃厚となる試合で、2Rを終え両者まだエンジンがかからない中、3Rにバックステップした際に膝の靭帯を断裂。長期欠場に追い込まれ、今回が1年11ヶ月ぶりの復帰戦となる。当初は1月にブラホビッチとの決着戦で復帰予定だったが、ブラホビッチの負傷欠場で流れている。バックボーンはキックボクシングのストライカー。32歳。

オッズは意外にも長期欠場明けのラキッチがフェイバリット。

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UFC300:第7試合・カルヴィン・ケーター vs. アルジャメイン・スターリング

フェザー級。ケーター8位。これがUFCでのフェザー級初戦となるスターリングはバンタム級の2位。

ケーターは2022年10月のアーノルド・アレン戦で、飛び膝を放って着地した際に膝を負傷。そのまま続行不能でTKO負けとなり、ACLの手術により1年半の長期欠場明け初戦となる。レスリングがバックボーン。長身で、レスリングと打撃を混ぜたスタイル。元キック世界王者のギガ・チカゼに対しては、距離を潰して打撃戦を挑んで消耗させて判定勝ちした。36歳。

スターリングは2021年にピョートル・ヤンからUFC史上初の反則勝ち(グラウンド顔面ヒザ)での王座奪取。そこからヤンとのリマッチを接戦で制すと、ディラショー、セフード相手にも防衛に成功。しかし減量が厳しく、常にフェザー級転向の話がある状態だった。前回はバンタム級での最後の試合と決めた一戦で、新世代のショーン・オマリーに2RKO負けし、王座から陥落しての転向となってしまった。34歳。

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UFC300:第6試合・ホリー・ホルム vs. ケイラ・ハリソン

女子バンタム級。ホルム5位、ハリソンは初参戦。プレリム最注目の一戦。

元王者ホルム。柔道銅メダリストで、当時の女子格闘技のアイコンであり、女子MMAの世界を確立したパイオニアロンダ・ラウジーをハイキックでKOしたのが8年半前の2015年。そこから12戦で5勝6敗1NCと苦戦しているものの、6敗のうち4試合はタイトルマッチ。かつてのストライカーから、現在は組み主体の選手に変貌を遂げている。前戦はマイラ・ブエノ・シウバをケージに押し込んだところにニンジャチョークに捕まり、タイトル陥落したミーシャ・テイト戦以来となる一本負け。今大会最年長の42歳。

女子柔道2タイムオリンピック金メダリストハリソン。2018年にPFLでMMAデビューすると、2019年から開催された女子ライト級リーグ戦を全勝で制して100万ドルを獲得。しかし女子ライト級といいつつ、ほとんどの選手がフェザーから階級を上げての出場で、ハリソンのための階級だった。2021年もまた全勝で2度目の100万ドルを獲得したが、2022年は決勝で過去2度破っている(いずれも判定)ラリッサ・パチェコ相手に苦戦し、判定負けでキャリア初黒星。2023年シーズンは、リーグ戦は女子フェザー級に変更されたがハリソンは出場せず、元UFCのアスペン・ラッドと150ポンド契約ワンマッチで対戦し判定勝ち。Bellatorを買収したPFLでは、Bellator女子フェザー級王者・元UFCフェザー級王者のクリス・サイボーグとの対戦が期待されていたが、ハリソンはPFLとの契約を終えUFCと契約。てっきり空位となった女子フェザー級で戦うのかと思いきや、さらに体重を落としバンタムにはじめて落としての試合となる。33歳。

はたして柔道時代の78kgから61.2kgまで落としたハリソンが、今までと同じように動けるのかどうか。

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UFC300:第5試合・ソディック・ユサフ vs. ディエゴ・ロペス

フェザー級。ユサフ13位。

ナイジェリアのユサフはUFC6勝2敗。敗れた相手はいずれもランカーのアーノルド・アレンとエドソン・バルボーザ。レスリングがバックボーンのハードパンチャーで、ここまでキャリアで一本勝ちはなし。ナイジェリアで一夫多妻制の家に生まれたため、母親が4人いる。現在はアメリカ在住となり、市民権も獲得している。30歳。

ロペスは今大会6人しかいないノーランカーの1人。他は元王者ガーブラント、3連続記念大会出場の鉄人ミラー、柔道五輪金メダリストハリソン、レスリング全米王者ニッカル、その相手ブランデージ。ロペスはフェザー級きってのプロスペクトとしてUFC300に抜擢された。デビュー戦でいきなり無敗のエフロエフと対戦し、エフロエフをかつてないほど追い込んだ。そこから2連続1Rフィニッシュ勝利で、早くもランカーとの対戦が実現する。ブラジル出身だが現在はメキシコ在住で、自らの柔術道場も開いている。29歳。

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UFC300:第4試合・ジェイリン・ターナー vs. ヘナート・モイカノ

ライト級。ターナー10位、モイカノ13位。

ターナーはUFC7勝4敗。195cmの長いリーチからの打撃が武器で、14勝はすべてフィニッシュ勝利(10KO・4一本勝ち)。MMAファイターになる前はプロのスケートボーダーだった。前戦は第2試合に出場したボビー・グリーン戦で、ダン・フッカーの代役として10日前に緊急出場。ノーガードのグリーンからワンツーでダウンを奪い、パウンド連打で最後は失神するまで止めないワーストレフェリーの遅いストップでのKO勝ち。28歳。

イカノはライトに上げてから5勝2敗で、敗れた相手は元王者RDAとラファエル・フィジエフ。前戦は今年2月のAPEXでのドーバー戦だったが、試合前のインタビューで「APEXはクソ。地元フロリダで客入れするUFC299に出たい」と答えていたが、同じナンバーシリーズでも記念大会の出場に。グラップラーで、キャリアでKO勝ちはなし。チョークでの一本勝ち6回はUFC史上3位タイ。34歳。

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UFC300:第3試合・ジェシカ・アンドラージ vs. マリナ・ロドリゲス

女子ストロー級アンドラジ4位、ロドリゲス6位。

アンドラージは2019年にローズ・ナマユナスのタイトルに挑戦し、スタンドでキムラを狙うナマユナスをリフトして頭からマットに叩きつけてKO勝ちで王座獲得。しかし3ヶ月後の中国大会でジャン・ウェイリーにヒザからのパンチ連打で42秒KO負けし、王座から陥落した(在位112日はUFC史上4番目に短い)。階級をフライ級に上げ、2戦目でシェフチェンコのタイトルに挑戦するも2RKO負け。その後はフライとストローを行ったり来たりしながら、どちらでもランキングをキープしているものの、どちらも勝ったり負けたりになっている。3連敗していた前戦では、柔術世界王者のマッケンジー・ダーンを2RでKOし連敗を止めた。32歳。

ロドリゲスはUFC7勝3敗2分け。負けた相手は元王者カーラ・エスパルザ、アマンダ・レモス、ビルナ・ジャンジロバ。一時王座挑戦圏内に入っていたが、連敗でややランキングを下げていた。前戦はミシェル・ウォーターソン・ゴメスに2R肘・パウンドの連打でKO勝ち。ムエタイがバックボーンのストライカー。36歳。

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