格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

PFL2024#3:第10試合・ローガン・ストーリー vs. シャミル・ムサエフ

ウェルター級リーグ戦。

元Bellator暫定王者のストーリー。レスリングではNCAAディヴィジョン1で3位。Bellatorで育成されたが、ヤロスラフ・アモソフに判定負けでMMA初黒星。その後王者となったアモソフがロシアのウクライナ侵攻に伴い活動休止すると、22年5月にマイケル・ペイジと暫定王座決定戦で対戦。ペイジをテイクダウンで封じ込んで判定勝ちし、暫定王座を獲得した。しかし昨年2月のアモソフとの統一戦では判定負けしている。17勝中9KOで一本勝ちはなし。31歳。

ロシアのムサエフは今年のレギュラーシーズンで数少ない新規契約組。M-1チャレンジで5戦全勝すると、ポーランドのKSWに主戦場を移し、そこでも3勝0敗1分け。前戦はロシアのRCCで、UFCで岡見にも勝っているアレクセイ・クンチェンコと対戦し、1RKOしている。16勝0敗1分けで、16勝中9KO勝ち。30歳。

続きを読む

PFL2024#3:第9試合・ガブリエル・ブラガ vs. ジャスティン・ゴンザレス

フェザー級リーグ戦。

ブラガは昨年の準優勝。昨年チャレンジャーシリーズに出場して勝利し本戦出場。予選で連勝して勝ち上がると、決勝は予選で判定勝ちしたピネドとの再戦となり、3Rにパンチのラッシュを浴びてKO負け。Bellatorとの対抗戦では、代役として父の元チームメイトで幼少期より面識のあるパトリシオとの対戦が発表となったが、1月にコーチでもある父がブラジルで殺害されたショックから立ち直り試合に向かおうとするも、練習や減量すべてで亡き父のことを思い出さずにはいられず、パトリシオ戦発表前の時点ですでに引退を表明していたとのこと。結局試合は消滅となったが、なぜか引退せずPFL本戦に出場する。25歳。

ゴンザレスはBellator3勝3敗。最終ランキングは8位。同じリーグ戦に出るカイ・カマカ3世には判定勝ちしたが、アーロン・ピコ、マッズ・バーネル、ティムール・シズリエフには判定負け。32歳。

続きを読む

PFL2024#3:第8試合・ゴイチ・ヤマウチ vs. ネイマン・グレイシー

ウェルター級リーグ戦。Bellator時代の2022年に対戦した両者のリマッチがなぜかPFLで組まれた。

当初フェザー級だったゴイチは減量が厳しくなりライト→ウェルターと転向。しかし178cmはウェルター級では相当小柄で、ウェルターだと体も絞りきれていないように見える。ウェルターで2連勝後、昨年3月にマイケル・ペイジと対戦したが、ローキック一発でゴイチの膝が外れTKO負け。多分にアクシデント的な決着ではあったが。今回はそれ以来の試合。31歳。

ネイマンはエリオの兄カーロスの息子・ホブソンの娘カーラ・グレイシー柔術8段のマーシオ・スタンボウスキーの間に生まれた子で、物心付く前から柔術を始めた。柔術の実績は茶帯で世界選手権3位、黒帯ではノーギ世界選手権で3位。柔術MMAは叔父ヘンゾ・グレイシーの元で学んでいる。WSOFでデビュー後はBellatorで育成されるが、デビューから8戦まではプロテクトされており、明らかに格下相手との対戦のみ。9戦目のウェルター級GP一回戦からの戦績は4勝4敗。典型的柔術家で、テイクダウンできれば強いが、テイクダウンを奪えないレスラー相手だとタックルを切られてジリ貧になる。35歳。

1度目の対戦は、序盤からゴイチがパンチを効かせる展開で、寝技には付き合わず、ネイマンがパンチで出ようとしたところにアッパーを打ち込み、ダウン後のパウンドでゴイチがKO勝ちした。ネイマンにとってはキャリア唯一のフィニッシュ負けとなる。

続きを読む

PFL2024#3:第7試合・バッバ・ジェンキンス vs. カイ・カマカ3世

フェザー級リーグ戦。

ジェンキンスは2021年からPFLに参戦し、ベスト4→準優勝→ベスト4と、予選リーグでは6戦全勝で毎年決勝トーナメントに進んでいるものの、100万ドルは獲得出来ていない。エリートレスラーで、もともとBellatorの育成マッチでキャリアを積んでいた。Bellatorでは8勝3敗で、ジョージ・カラカニヤンには2度対戦しどちらも1Rフィニッシュ負け。フェザー級時代のゴイチ・ヤマウチに勝ったこともある。36歳。

ハワイのカマカはBellator最終ランキング9位。PFLウェルター級で2度優勝しているレイ・クーパー3世のいとこ。レスリングがバックボーン。Bellatorハワイ大会の前座で2勝した後UFCと契約したが、初戦KO勝ちの後2連敗し、契約最終戦となる4戦目はドロー。再契約せずFAとなり、2021年から再びBellatorに出場している。再契約後のBellatorではジャスティン・ゴンザレスに敗れたのみで4勝1敗。29歳。

続きを読む

PFL2024#3:第6試合・アダム・ボリッチ vs. エンリケ・バルゾラ

フェザー級リーグ戦。元Bellatorフェザー級 vs. 元Bellatorバンタム級の対戦。

ボリッチは最終ランキング1位で、前戦は2022年10月にパトリシオ・ピットブルのタイトルに挑戦した試合。前半3Rはテイクダウンを奪われる展開で、後半盛り返したものの、パトリシオも計算ずくの逃げ切りで判定負け。そこからACLの手術をしたこともあり、1年半ぶりの試合となる。Bellator9勝2敗で、アーロン・ピコにも飛び膝でダウンを奪いKO勝ちしている。30歳。

バルゾラはTUFラテンアメリカ2で優勝しUFCと契約。UFCとは10試合契約で6勝3敗1分け。ちょうどコロナのタイミングで契約切れとなり、アメリカの就労ビザの更新ができなったためFAに。2022年、約2年ぶりの復帰戦でBellatorに出場し、いきなり元王者のダリオン・コールドウェルにKO勝ち。その年の4月から始まったバンタム級GPにはワイルドカードから勝ち上がったが、準決勝でマゴメド・マゴメドフに4Rギロチンで一本負け。GP後は元王者アーチュレッタに判定負け、そこから2連勝している。ハイペースな試合展開で相手を消耗させていくスタイル。UFCでもずっとフェザー級をメインに戦っている。Bellatorバンタム級での最終ランキングは7位。34歳。

続きを読む

PFL2024#3:第5試合・ティムール・シズリエフ vs. ブレット・ジョーンズ

フェザー級

ダゲスタン出身のシズリエフはBellator最終ランキング5位。2022年にBellatorデビューしてから3連勝。キャリアでも14戦全勝。Bellator終盤のデビューのため王者クラスとの対戦は間に合わなかったが、まだ底が見えない。ダークホース的存在。28歳。

ジョーンズは2016年からUFC参戦。バンタム級を主戦場に5勝2敗の戦績を残したが、契約満了後に再契約を選択せずFA。2021年からBellatorに参戦し、初戦はダニー・サバテーロに判定負けしたが、その後2連勝した。しかしこちらも契約満了後にFAとなり、昨年12月にはフェザー級に上げてPFLヨーロッパで3RKO勝ち。UFCでもBellatorでも勝ち越している(バンタム級だが)。32歳。

続きを読む

PFL2024#3:第4試合・ラウレアノ・スタロポリ vs. ムラッド・ラマザノフ

ウェルター級リーグ戦。スタロポリが4.25ポンドオーバーしたため、試合はキャッチウェイトとなり、リーグ戦ポイントから1点減点となる。

アルゼンチンのスタロポリは昨年9月にPFLヨーロッパに出場して勝利しているので元PFL枠ではあるが、PFLでの試合はその1戦のみ。2018年からUFCに参戦し、2戦目で元タイトル挑戦者(だが当時はすでに落ちぶれていた)チアゴ・アウベスに判定勝ちして2連勝としたが、そこから4連敗でリリース。その後はフランスのプロモーション・Ares FCと契約し、3連勝してウェルター暫定王者となっている。31歳。

ラマザノフは数少ない新規契約(PFLにもBellatorにも出場したことがない)選手。ロシアのレスラーで、PFL参戦前はONEで3勝1NC。現在5連続フィニッシュ勝利中の手塚にも組んでテイクダウンを奪う展開で圧倒して判定勝ち。元王者のゼバスチャン・カゼスタムにもテイクダウンからドミネイトし勝利。最後の試合は22年12月で、KSW2階級王者のソルディッチ戦。ラマザノフの膝がローブローになりノーコンテストとなった。昨年はONEで試合が組まれず契約切れとなり、PFLと契約している。28歳。

続きを読む

PFL2024#3:第3試合・ドン・マッジ vs. ブレナン・ワード

ウェルター級リーグ戦。

南アフリカのマッジは2018年にUFCと契約。前座で2連勝したが、その後コロナ禍でブランクが空き、ビザの問題で欠場すると、3年以上のブランクで契約切れしFAに。PFLのワンマッチに出場した後、2022年シーズンに出場したが、前年優勝のハウシュ・マンフィオに3RKO負け。そのダメージもあってリーグ戦は以後棄権となった。翌年のPFLにもエントリーしていたが欠場し、今回はまた2年ぶりの試合となる。33歳。

当初はBellator6勝2敗のカイル・クラッチマーと対戦予定だったが、クラッチマーが欠場。代役でベテランのブレナン・ワードが出場する。

ワードは2012年からBellatorに参戦し12勝7敗のベテラン。2015年にRIZINにも出場しており、長谷川賢に1Rチョークで一本勝ちしている。薬物中毒のため一度引退したが、2022年に復帰するとBellatorで3連勝。昨年8月に元暫定王者のローガン・ストーリーと対戦したが2RTKO負けで、復帰後初黒星を喫している。実力的には中堅クラスだが人気がある選手。35歳。

続きを読む

PFL2024#3:第2試合・タイラー・ダイアモンド vs. オットー・ホドリゲス

フェザー級補欠戦。

ダイアモンドは2021年にPFLリーグ戦に出場。リーグ戦ではセミに登場するブレンダン・ラウネーンに敗れて1判定勝ちの3点のみで予選落ち。去年は欠場選手の代役として2戦目から出場したが、2021年ウィナーのモヴィッド・ハイブラエフに2R肩固めで敗れている。33歳。

ホドリゲスは昨年9月のBellatorアイルランド大会で初参戦。Bellatorヨーロッパ大会常連のブライアン・ムーアに肩固めで一本勝ち。14勝1敗で、一本勝ちが7回、KOでの勝利はないグラップラー。36歳。

続きを読む

PFL2024#3:第1試合・ロマン・ドビエンヌ vs. サド・ジーン

ウェルター級ワンマッチ。

フランスのドビエンヌは昨年Bellatorに初参戦し、ここまで前座で2連勝中。キャリア10勝4敗。

ジーンは昨年人材発掘イベントのチャレンジャーシリーズに出場し判定勝ち。8月にも今回同様本戦前のワンマッチに出場し1RKO勝ちしている。2021年にプロデビューしてここまで6戦全勝。25歳。

続きを読む

RIZIN.47:6月9日代々木大会で堀口vsセルジオ・ペティスがバンタム級で対決。クレベルvsアーチュレッタ、ダウトベックvs関鉄矢も決定。

堀口 vs. ペティスは21年12月にBellatorで当時バンタム級王者だったペティスに堀口が挑んだ試合の再戦。前回は4Rにペティスがハイキック空振りからのバックブローで逆転KO勝ちした。

バンタム級なのは、堀口自身が「無理してフライ級に落とさせてペティスとやるくらいなら、負けたバンタム級でどうせならやった方がいいじゃないか」と考えていたからとのこと。とはいえ、前回はペティスのホームであるアメリカで、5分5Rで、ケージでユニファイドルール。ペティスはこれまでアメリカと自身のルーツであるメキシコでしか戦っておらず、初の海外での試合となる。ルールもRIZINルール・リング開催ですべてペティスにとって初。何から何まで条件が違うので、体重についてもこだわらなくて良かったのでは。とはいえペティスは以前のインタビューでは今はもうフライ級に落とすことができるかわからないとも言っており、フライ級では試合がまとまらないので階級については譲ったのかもしれない。

気になるのは堀口が希望しているUFCとの契約について。堀口の実績・実力については申し分なく、UFCが今さら「ペティスにリベンジしないと契約しない」とは言わないだろう。かといって、年齢的にもペティスに連敗したらUFC復帰は絶望的になるのでは。UFC復帰という点から見たらリスクしかない試合。ベストウェイトのフライ級での負けなら諦めもつくが、相手に合わせたバンタムで負けて夢が潰えるのは悔やみきれない。逆に考えると、この時期にリスクしかない試合を組むということは、UFCとストレートに再契約するのは難しいということなのかもしれない。

クレベルと対戦するアーチュレッタは、前回体重オーバーした理由を「腸に菌が感染して体調が悪かったため」と語っていたが、今回から階級転向。これまでフィジカルの優位を活かしてきた部分があったが、階級を上げてどこまで通用するか。また、アーチュレッタはBellatorとの契約ではなく、RIZINと直接契約とのこと。どの程度独占的なものかはわからないが(BellatorやPFLで急遽代役オファーが来た場合、RIZINとの契約を破棄できるのかどうか、とか)、PFLに買収されBellatorのイベント開催数が少ない現在では、RIZINの方が試合の機会は多いかもしれない。

また、1月のTOPBRIGHTSで松嶋こよみをKOしたカルシャガ・ダウトベック5年半ぶりにRIZIN参戦。関鉄矢と対戦するカードも発表されている。