格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

PFL2024#3:第4試合・ラウレアノ・スタロポリ vs. ムラッド・ラマザノフ

ウェルター級リーグ戦。スタロポリが4.25ポンドオーバーしたため、試合はキャッチウェイトとなり、リーグ戦ポイントから1点減点となる。

アルゼンチンのスタロポリは昨年9月にPFLヨーロッパに出場して勝利しているので元PFL枠ではあるが、PFLでの試合はその1戦のみ。2018年からUFCに参戦し、2戦目で元タイトル挑戦者(だが当時はすでに落ちぶれていた)チアゴ・アウベスに判定勝ちして2連勝としたが、そこから4連敗でリリース。その後はフランスのプロモーション・Ares FCと契約し、3連勝してウェルター暫定王者となっている。31歳。

ラマザノフは数少ない新規契約(PFLにもBellatorにも出場したことがない)選手。ロシアのレスラーで、PFL参戦前はONEで3勝1NC。現在5連続フィニッシュ勝利中の手塚にも組んでテイクダウンを奪う展開で圧倒して判定勝ち。元王者のゼバスチャン・カゼスタムにもテイクダウンからドミネイトし勝利。最後の試合は22年12月で、KSW2階級王者のソルディッチ戦。ラマザノフの膝がローブローになりノーコンテストとなった。昨年はONEで試合が組まれず契約切れとなり、PFLと契約している。28歳。

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PFL2024#3:第3試合・ドン・マッジ vs. ブレナン・ワード

ウェルター級リーグ戦。

南アフリカのマッジは2018年にUFCと契約。前座で2連勝したが、その後コロナ禍でブランクが空き、ビザの問題で欠場すると、3年以上のブランクで契約切れしFAに。PFLのワンマッチに出場した後、2022年シーズンに出場したが、前年優勝のハウシュ・マンフィオに3RKO負け。そのダメージもあってリーグ戦は以後棄権となった。翌年のPFLにもエントリーしていたが欠場し、今回はまた2年ぶりの試合となる。33歳。

当初はBellator6勝2敗のカイル・クラッチマーと対戦予定だったが、クラッチマーが欠場。代役でベテランのブレナン・ワードが出場する。

ワードは2012年からBellatorに参戦し12勝7敗のベテラン。2015年にRIZINにも出場しており、長谷川賢に1Rチョークで一本勝ちしている。薬物中毒のため一度引退したが、2022年に復帰するとBellatorで3連勝。昨年8月に元暫定王者のローガン・ストーリーと対戦したが2RTKO負けで、復帰後初黒星を喫している。実力的には中堅クラスだが人気がある選手。35歳。

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PFL2024#3:第2試合・タイラー・ダイアモンド vs. オットー・ホドリゲス

フェザー級補欠戦。

ダイアモンドは2021年にPFLリーグ戦に出場。リーグ戦ではセミに登場するブレンダン・ラウネーンに敗れて1判定勝ちの3点のみで予選落ち。去年は欠場選手の代役として2戦目から出場したが、2021年ウィナーのモヴィッド・ハイブラエフに2R肩固めで敗れている。33歳。

ホドリゲスは昨年9月のBellatorアイルランド大会で初参戦。Bellatorヨーロッパ大会常連のブライアン・ムーアに肩固めで一本勝ち。14勝1敗で、一本勝ちが7回、KOでの勝利はないグラップラー。36歳。

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PFL2024#3:第1試合・ロマン・ドビエンヌ vs. サド・ジーン

ウェルター級ワンマッチ。

フランスのドビエンヌは昨年Bellatorに初参戦し、ここまで前座で2連勝中。キャリア10勝4敗。

ジーンは昨年人材発掘イベントのチャレンジャーシリーズに出場し判定勝ち。8月にも今回同様本戦前のワンマッチに出場し1RKO勝ちしている。2021年にプロデビューしてここまで6戦全勝。25歳。

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RIZIN.47:6月9日代々木大会で堀口vsセルジオ・ペティスがバンタム級で対決。クレベルvsアーチュレッタ、ダウトベックvs関鉄矢も決定。

堀口 vs. ペティスは21年12月にBellatorで当時バンタム級王者だったペティスに堀口が挑んだ試合の再戦。前回は4Rにペティスがハイキック空振りからのバックブローで逆転KO勝ちした。

バンタム級なのは、堀口自身が「無理してフライ級に落とさせてペティスとやるくらいなら、負けたバンタム級でどうせならやった方がいいじゃないか」と考えていたからとのこと。とはいえ、前回はペティスのホームであるアメリカで、5分5Rで、ケージでユニファイドルール。ペティスはこれまでアメリカと自身のルーツであるメキシコでしか戦っておらず、初の海外での試合となる。ルールもRIZINルール・リング開催ですべてペティスにとって初。何から何まで条件が違うので、体重についてもこだわらなくて良かったのでは。とはいえペティスは以前のインタビューでは今はもうフライ級に落とすことができるかわからないとも言っており、フライ級では試合がまとまらないので階級については譲ったのかもしれない。

気になるのは堀口が希望しているUFCとの契約について。堀口の実績・実力については申し分なく、UFCが今さら「ペティスにリベンジしないと契約しない」とは言わないだろう。かといって、年齢的にもペティスに連敗したらUFC復帰は絶望的になるのでは。UFC復帰という点から見たらリスクしかない試合。ベストウェイトのフライ級での負けなら諦めもつくが、相手に合わせたバンタムで負けて夢が潰えるのは悔やみきれない。逆に考えると、この時期にリスクしかない試合を組むということは、UFCとストレートに再契約するのは難しいということなのかもしれない。

クレベルと対戦するアーチュレッタは、前回体重オーバーした理由を「腸に菌が感染して体調が悪かったため」と語っていたが、今回から階級転向。これまでフィジカルの優位を活かしてきた部分があったが、階級を上げてどこまで通用するか。また、アーチュレッタはBellatorとの契約ではなく、RIZINと直接契約とのこと。どの程度独占的なものかはわからないが(BellatorやPFLで急遽代役オファーが来た場合、RIZINとの契約を破棄できるのかどうか、とか)、PFLに買収されBellatorのイベント開催数が少ない現在では、RIZINの方が試合の機会は多いかもしれない。

また、1月のTOPBRIGHTSで松嶋こよみをKOしたカルシャガ・ダウトベック5年半ぶりにRIZIN参戦。関鉄矢と対戦するカードも発表されている。

PFL2024#3:オッズ/予想と展望

(B)アンドレイ・コレシュコフ 2.35
(P)マゴメド・ウマラトフ 1.61
(P)ブレンダン・ラウネーン 1.19
(B)ペドロ・カルバーリョ 5.05
(B)ローガン・ストーリー 1.50
(N)シャミル・ムサエフ 2.60
(P)ガブリエル・ブラガ 1.43
(B)ジャスティン・ゴンザレス 2.90
(B)ゴイチ・ヤマウチ 1.44
(B)ネイマン・グレイシー 2.85
(P)ババ・ジェンキンス 1.61
(B)カイ・カマカ3世 2.35
(B)アダム・ボリッチ 1.85
(B)エンリケ・バルゾラ 1.88
(B)ティムール・シズリエフ 1.42
(P)ブレット・ジョーンズ 2.90
(P)ラウレアノ・スタロポリ 5.00
(N)ムラッド・ラマザノフ 1.18
(P)ドン・マッジ 1.57
(B)ブレナン・ワード 2.45
(P)テイラー・ダイアモンド 2.53
(B)オットー・ホドリゲス 1.55
(B)ロマン・ドビエンヌ -
(P)サド・ジー-

ここまでの2週で、元PFL vs. 元Bellatorの対戦成績は以下(昨年開催されずPFL本選出場者がいない女子フライ級を除く)。

◯カサンガネイ vs. ポリッツィ×
コラード vs. パトリッキー×
デュフォート vs. バーネル×
×ネドー vs. ヤクシムラドフ◯
◯カーロスJr. vs. ビヨン×
×ミランダ vs. プリマス
×レンフロ vs. ラバダノフ◯
×デリヤ vs. モルダフスキー◯
◯ゴルソフ vs. ヴァッセル×

5勝4敗で元PFLがリード。

第3週はウェルター級&フェザー級ウェルター級はBellator勢として元王者・3位のコレシュコフ、元暫定王者で2位のストーリー、4位ゴイチ、5位ネイマン・グレイシーとBellator上位陣が出場する一方、PFL勢は優勝したマゴメドケリモフは負傷欠場。準優勝で一昨年優勝のサディブゥ・シィはライトヘビー級に転向で、上位陣がいない。しかしメインでコレシュコフと対戦するウマラトフは、2年連続決勝トーナメントに進出するも棄権しており、ここまで14戦全勝。オッズもフェイバリットになっている。

また、元ONEで手塚裕之にも勝利したムラッド・ラマザノフが数少ない新規参入組として登場。リーグ戦のダークホースになりそう。

フェザー級のPFL勢は昨年優勝のピネド(負傷欠場)以外、昨年・一昨年の優勝者・準優勝者が出場。一昨年準優勝のバッバ・ジェンキンスレスリングエリートで、キャリア初期にBellatorで育成され8勝3敗の成績を残しているが、2016年に離脱している。

Bellator勢は王者パトリシオと先月試合をした4位ケネディ、2位のピコ、10位マゴメドシャリポフは不参加。7位ブレナンは先々週のPFL.1でワンマッチに出場し判定負け。それ以外の1位・5・6・8・9位の5人と、バンタム級7位のバルゾラが出場。

ブレット・ジョーンズは昨年PFLヨーロッパで1試合しているが、その前はBellatorに出場して2勝1敗なので、どちらに入れていいのか迷うところ。

第1試合開始は20日朝8時から。速報します。

UFC300:メインイベント・アレックス・ペレイラ vs. ジャマール・ヒル

ライトヘビー級タイトルマッチ5分5R。ヒル1位。

元GLORY2階級制覇王者にして、UFCでも2階級制覇したペレイラ。昨年7月のライトヘビー級転向初戦で、元王者ブラホビッチにテイクダウンされ下から立ち上がれない展開も見せており、いまだグラウンドには不安が残るが、打撃の強さで勝ち続けている。王座決定戦では、UFC無敗のまま負傷によりタイトルを返上したイリー・プロハースカをKOしており、今回同様に負傷で王座を返上したヒルを倒せば、完全無欠の王者となる。36歳。

ヒルはプロハースカが返上したタイトルを昨年1月の王座決定戦で勝利し獲得。その時の相手はペレイラのセコンドにつくグローバーテイシェイラ。大学までバスケをしていたスーパーアスリートタイプの選手で、MMAと同時期に開始した柔術でも現在茶帯を巻くが、キャリアで一本勝ちはない(12勝7KO・5判定勝ち)完全なストライカー。唯一の敗戦は、UFC随一の下攻めグラップラー・ポール・クレイグのガードからの三角十字で腕を折られながら頭部に肘のラッシュをもらった試合。昨年7月、ファイトウィーク中に行われたファイターズバスケの試合でアキレス腱を断裂して王座を返上し、今回が復帰戦となる。32歳。

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UFC300:セミファイナル・ジャン・ウェイリー vs. ヤン・シャオナン

女子ストロー級タイトルマッチ。シャオナン1位。

王者シャオナンは女子P4Pランキングでもグラッソに次ぐ2位。最初の王座戴冠時は2度目の防衛戦でローズ・ナマユナスに1RKO負け。ダイレクトリマッチはメディアの判断も割れる(ややナマユナス支持が多かった)接戦となったが、スプリット判定負け。しかし、元レスリング金メダリストのヘンリー・セフードとのトレーニングでレスリングを強化し、カーラ・エスパルザの王座に挑戦すると、タックルに来たエスパルザの腕を足で固定した状態でのチョークで一本勝ち。真のコンプリートファイターとなった再び王座を獲得した。昨年8月にはアマンダ・レモス相手にグラウンドで圧倒して初防衛に成功している。34歳。

初のタイトル挑戦となるシャオナン。UFC8勝2敗だが、前戦までは7戦連続での判定勝ち。昨年5月に当時4位のアンドラージを1RKOして、初のフィニッシュ勝利&ボーナス獲得するとともに、王座挑戦権も手に入れた。が、UFCで初黒星を喫した際にはテイクダウンからドミネイトされた挙げ句に2Rにクルスフィックスで固定された状態でのパウンドでKO負けしており、テイクダウンされた後のリカバリーに不安が残る。34歳。

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UFC300:第11試合・ジャスティン・ゲイジー vs. マックス・ホロウェイ

ライト級5分5R。BMFタイトルマッチ。ゲイジー2位、ホロウェイはフェザー級の2位。

一応、ゲイジーが昨年7月にポイエーをKOして獲得したBMFタイトルの防衛戦という扱い。もっとも、公的なタイトルマッチではないので、計量では1ポンドのオーバーが認められている(両者とも1ポンドオーバーでクリア)。

ゲイジーは2022年5月にチャールズ・オリベイラのタイトルに挑戦。パンチでダウンを奪いながらも、オリベイラのパンチでダウンを奪い返され、チョークで逆転負け。その後フィジエフに判定勝ち後、ポイエーとのBMFタイトル戦では1R打撃で押される展開から、2Rに右ストレートからの右ハイでKO勝ち。ライト級王座には前王者オリベイラが先に挑戦権を掴んでいたが、アブダビ大会でのタイトル戦は直前で欠場し、順番が回ってこない中で記念大会でのスーパーファイト出場を決めた。35歳。

フェザー級王者ホロウェイだが、この10年、フェザー級では唯一前王者ヴォルカノフスキーにだけ勝てない展開が続いた。すでに3度敗れており、ランキング1位をキープしてもなかなか4回目挑戦の機運が高まらない中で、ライト級に上げてのBMFタイトル挑戦を決意。が、ヴォルカノフスキーがイリア・トプリア戦でKO負けして王座陥落したことで、再びタイトル挑戦の可能性が浮上してきた。とはいえ、ここで勝てばライト級でもトップランカーとなり、ライト級王座に挑戦する権利を持つことになる。5年前に直前の代役でライト級に上げてダスティン・ポイエーに判定負けしているが、今回は準備期間が十分あり、ライト級の体格を作ってからの挑戦となる。35歳。

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UFC300:第10試合・チャールズ・オリベイラ vs. アルマン・ツァルキヤン

ライト級。オリベイラ1位、ツァルキヤン4位。

元王者オリベイラはヌルマゴが返上したタイトルをチャンドラーと争いKO勝ちで王座獲得。ポイエー、ゲイジー相手に連勝したが、ゲイジー戦は体重オーバーで王座剥奪。22年10月のマカチェフ戦との王座決定戦に出場したものの、肩固めで一本負けして再戴冠はならなかった。6月に8連勝中のベニール・ダリウシュを1RKOして再びマカチェフの王座に挑戦するチャンスを掴んだが、直前練習で顔面をカットし欠場。現在ラマダンで欠場中のマカチェフへの挑戦を待つという選択もある中、記念大会で難敵ツァルキヤンとの対戦を選択した。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞はUFC最多の13回(サブミッション・オブ・ザ・ナイトも含めると16回)で、今回30万ドルに増額されたボーナス獲得も狙う。34歳。

ツァルキヤンはUFC8勝2敗。前回、4位のベニール・ダリウシュに1RKO勝ちしてついにトップ5ランカーとなり、王座挑戦圏内に。敗れた相手はUFCデビュー戦で対戦した現王者マカチェフと、接戦となったマテウス・ガムロット戦。バックボーンはレスリングで、あのマカチェフからもテイクダウンを奪っている。ここで勝てば次期挑戦者になる可能性も高くなる重要な一戦。27歳。

会場人気は圧倒的にオリベイラだが、オッズではツァルキヤンがフェイバリット。

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UFC300:第9試合・ボー・ニッカル vs. コーディ・ブランデージ

ミドル級。

ニッカルはレスリング全米王者。MMAデビューは22年6月で、まだ1年10ヶ月。キャリア5戦すべて1Rフィニッシュ勝利。UFCでも2連勝だが、初戦は当時UFC2勝4敗のジェイミー・ピケット、2戦目はUFCデビュー戦のバレンタイン・ウッドバーンで、このクラスでは全く勝負にならない。28歳。

今回はUFC4勝4敗のブランデージとの試合に。現在2連勝中だが、そのうち1戦はジェイコブ・マルクーン相手に劣勢な展開から、後頭部に肘をもらって反則勝ちを拾った試合。前回は相手の腕十字をリフトして頭から叩きつけてのKO勝ち。29歳。

オッズでは今大会一番の大差でニッカルがフェイバリット。もっと上、ランキング手前くらいの相手との試合が見たかったが、相手から対戦を拒否されているのか。

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