格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC301:セミファイナル・ジョナサン・マルチネス vs. ジョゼ・アルド

バンタム級マルチネス12位、1年8ヶ月ぶり復帰戦のアルドはランク外。

マルチネスUFCデビュー当初は4勝3敗と中堅クラスの選手だったが、ここに来て6連勝中。特にここ最近は強烈なローキックが有効に働いている。常々ビッグネームとの対戦をアピールしていたが、6連勝でもなかなか上位との対戦は実現せず。しかし今回はランク外だが思いも寄らない殿堂入りファイターとの対戦となった。30歳。

アルドはUFC初代フェザー級王者で、マクレガーに敗れるまではP4Pでもトップクラスだった。しかしマクレガーの次の王者であるホロウェイにも連敗で、当時ははそこで契約を満了し引退するという話もあった。しかし契約最終試合でバンタム級に落とし現役を続行。ピョートル・ヤンと王座決定戦で対戦したが5RにパウンドでKO負け。そこから3連勝して、タイトル再挑戦まであと少しのところまで行ったが、現ランキング1位のドバリシビリにテイクダウン狙いからケージに押し込まれる展開で消耗し判定負け。タイトル挑戦が遠のいたことでモチベーションが低下し、ビッグネームとの対戦を求めてボクシングに転向している。今回MMAへの復帰を果たすが37歳。今後継続出場するかは、この試合の結果次第か。

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UFC301:第11試合・アンソニー・スミス vs. ビトー・ペトリーノ

ライトヘビー級。スミス10位、ペトリーノは一時15位に入っていたが、現在はランク外。

元タイトル挑戦者でフィニッシャーのスミスだが、ここ4戦で1勝3敗。下位ランカーに連敗し、ランキングも2桁まで落ちた。前回はカリル・ラウントリーJr.に3RでKO負け。今回が57戦目となるベテランで、ダメージの蓄積も気になる今日このごろ。35歳。

地元ブラジルのペトリーノは3月に試合をしたばかりで約2ヶ月間隔での連戦となる。昨年3月にUFCでデビューしたばかりだが、ここまで4連勝中。プロキャリアでも全勝。11勝中7KOのストライカー。前戦は元ランカーのタイソン・ペドロと対戦し、慎重な試合となったが、3Rにタックルからテイクダウンを奪い、バックキープする展開で判定勝ち。オッズは大差でペトリーノがフェイバリットとなっている。26歳。

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UFC301:第10試合・ミシェウ・ペレイラ vs. イーホル・ポティエリア

ミドル級。

MMA界最高のファンタジスタペレイラだが、このところは無駄で無意味な派手な動きが減り、手堅くなる一方、戦績が安定してきた。しかしウェルター級で2度目の体重オーバーをしたところでミドル級転向。昨年10月からミドル級に上げているが、いずれも1分少々でのフィニッシュ勝利。中堅クラス相手に強い勝ち方をしたので、ランカーと対戦してもいいかと思われたが、今回もノーランカーとの対戦に。当初はマフムート・ムラドフとの対戦が予定されていたが、ムラドフ欠場により代役のポティエリアとの対戦に。30歳。

ウクライナのポティエリアは、ブラジルではレジェンドのマウリシオ・ショーグン引退試合で対戦し、空気を読まず1RKO勝利している。当初は6月のサウジアラビア大会でシャラ・マゴメドフと対戦予定だったが、1ヶ月前倒しに。前戦はやはり欠場選手の代役で、直前に試合が決まったため体重オーバーしたが、UFCデビュー戦のブリチェックに判定勝ち。とはいえ、引退試合の相手&デビュー戦の相手にしか勝っておらず2勝3敗で、メインカードに出てくるレベルではなく、オッズも今大会最低。27歳。

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UFC301:第9試合・ポール・クレイグ vs. カイオ・ボハーリョ

ミドル級。クレイグ13位、ボハーリョ14位。

UFCでは異端の下攻めファイタークレイグ。UFC9勝7敗1分けで、9勝のうち8勝でボーナスを獲得している。唯一ボーナスを獲得できなかったのが、2020年のショーグン戦で、キャリア初のフルタイムとなった前戦(スプリットドロー)の再戦だった。ブラジルでは昨年1月にも試合をしており、その時は1RKO負け。次の試合からミドル級に落としていて、初戦はマウントからの肘でKO勝ち。昨年11月のブレンダン・アレン戦ではグラウンド勝負で競り負け、アレンにチョークで一本負けしている。36歳。

ボハーリョはUFCデビューから5連勝中。APEXでのファイトナイトとはいえ、デビュー戦からセミに抜擢され、5戦のうち4戦がメインカードでの試合。しかし期待の割には試合は手堅い内容で、4試合が判定勝ち。ランカーとの対戦がないままランキング入りしているため、今回がランカー初挑戦。テイクダウンが武器のグラップラーだが、クレイグ相手に寝技勝負を選択するかどうか。31歳。

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UFC301:第8試合・ジャック・ショア vs. ジョアンダーソン・ブリート

フェザー級

ショアはUFC6勝1敗。バンタム級で5連勝しランカーとなっていたが、リッキー・シモンにダウンを奪われ、肩固めで一本負けしてUFC初黒星。もともと減量が厳しかったため、前戦からフェザーに上げているが、前回はまだフェザー級の体が作りきれておらず、腹回りが緩めだった。フェザー級初戦はレスリンフィンランド2位のアミルカーニ戦で、テイクダウンからパスして最後はチョークで一本勝ち。29歳。

ブリートはUFC4勝1敗。シュートボクセ・ジョン・エミリオ所属。UFCデビュー戦でビル・アルジオに判定負けした後、4連続フィニッシュ勝利中。前回はフェザー級5連勝中だったジョナサン・ピアースにタックルに来たところでニンジャチョークを合わせて一本勝ち。29歳。

お互いランカー目前同士の対戦。

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UFC301:第7試合・カロリーナ・コバルケビッチ vs. ヤスミン・ルシンド

女子ストロー級。コバルケビッチ13位。

コバルケビッチはUFCデビューから3連勝で、11ヶ月での王座挑戦という、今回のメインエルセグと同じ抜擢をされていたが、同国人のヨアンナ・イェンジェイチックに判定負けでタイトル獲得ならず。2018年からは5連敗していたが、そこから復調し4連勝中。ランキングにも復帰した。バックボーンはキック・クラブマガ。女子ストロー級2番目に年長の38歳。

ルシンドは逆に女子ストロー級最年少ファイターで22歳。UFCデビュー戦は判定負けしたが、そこから2連勝中。一時フライ級に上げていたが、前戦からまたストローに戻している。前戦がストロー級での初勝利だったが、2R肩固めで勝利すると、早くもランカーとの対戦が組まれた。

オッズはノーランカーのルシンドがフェイバリット。

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UFC301:第6試合・エルブス・ブレナー vs. ムイクティベク・オロルバイ

ライト級。

ブレナーは昨年2月にUFCデビューし、ここまで3連勝中。シュートボクセ・ディエゴ・リマ所属でチャールズ・オリベイラの同門。初戦がチーム・ハビブ所属のズバイラ・ツフゴフに判定勝ち、2戦目はマテウス・ガムロットに勝っているグラム・クタテラーゼに逆転KO勝ち。前戦は直前の代役でのUFCデビュー戦となるカイナン・クルシェウスキーを1RKO。ローカル時代は13勝中1KO・11一本勝ちだったが、UFCでの試合は打撃での活躍が目立っている。26歳。

キルギスのオロルバイは昨年11月、試合4日前に代役でUFCデビューを決め、ウロシュ・メディチを組みで圧倒してしつこいケージレスリングから最後はチョークで一本勝ち。前回は直前のためウェルター級だったが、今回から適正階級のライトに落としての試合となる。26歳。

プレリムだが興味深いマッチメイク。

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UFC301:第5試合・ジョアキム・シウバ vs. ドラッカー・クロース

ライト級。

2015年のTUFブラジル4出身のベテランシウバ。13勝で7KO・3一本勝ちと、判定が3回しかない(すべてUFCでのものだが)フィニッシャー。UFCでは年1~2試合ペースで、ここまで6勝4敗。前戦は大ベテランのクレイ・グイダとの対戦で判定勝ち。重いパンチが武器。35歳。

クロースはUFC8勝2敗で、3連勝の後トップランカーのベニール・ダリウシュにKO負けし、そこからまた3連勝中。前戦はUFC5勝1敗のジョー・ソレッキに下から腕十字に捕らえられたところを持ち上げて頭から叩きつけてKO勝ち。インパクト大の勝利で、ランカー挑戦も期待されたが、今回はノーランカーのシウバと相手の地元ブラジルで対戦という、厳し目のマッチメイクとなっている。36歳。

オッズはクロースがフェイバリット。

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UFC301:第4試合・マウリシオ・ルフィ vs. ジェイミー・ムラーキー

ライト級。メインと同じブラジル vs. オーストラリア。

UFCデビュー戦となるルフィ。ルフィは本名ではなく、ONE PIECEのルフィから取ったニックネーム(ただし、本家ルフィの綴りはLuffy)。昨年10月のコンテンダーシリーズでは、ライト級王者イスラム・マカチェフのスパーリングパートナーのレイモンド・マゴメダリエフに3RKO勝ち。UFCとの契約を果たすと「I ARRIVED AT THE GRAND LINE!!」のコメントを残している。キャリアでの9勝はすべてKO勝ち。30歳。

UFC5勝5敗のベテラン中堅ムラーキー。ヴォルカノフスキーと同じくラグビーからの転向で、ローカル時代にはヴォルカノフスキーと対戦経験あり。リーチは188cmと長いが、ルフィのリーチはさらに長い190cm。17勝中13フィニッシュ(10KO・3一本勝ち)のフィニッシャー。前回はナスラット・ハクパラストとのベテラン中堅対決で1RKO負けしている。UFCキャリアでは大きく上だが、年齢はムラーキーの方が若い29歳。

オッズは地元ルフィがフェイバリット。

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UFC301:第3試合・ディオネ・バルボサ vs. エルネスタ・カレツケイテ

女子フライ級。

バルボサは昨年9月のコンテンダーシリーズで1R腕十字で勝利しUFCと契約。これがデビュー戦。2019年、先週勝利してUFC4連勝としたカリーニ・シウバとローカルイベントで対戦し、現在のところ最後に土をつけている。バックボーンは柔道・柔術で、2012年の柔道グランドスラムリオ大会で銅メダル。MMA戦績は6勝2敗。6勝のうち、KO勝ちはなく、一本勝ちが3回。31歳。

リトアニアのカレツケイテも昨年9月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCと契約してのデビュー戦。バックボーンはキック・空道。身長175cmは女子フライ級トップタイ。ローカル戦績は5勝0敗1分け。25歳。

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UFC301:第2試合・イスマエル・ボンフィム vs. ヴィンス・ピシェル

ライト級。

ボンフィム兄弟のイマイチな方・兄イスマエル。UFC1勝1敗。もっとも、弟も昨年11月のUFC3戦目で2RKO負けし、キャリア初黒星を喫しているが。イスマエルの前戦はヴィンス・ピシェルの代役としてBSDことブノワ・サン・デニと対戦した試合で、1Rチョークで一本負けし、9年ぶりの黒星を喫した。サン・デニはその後連勝を5まで伸ばすと、今年3月にダスティン・ポワリエと対戦したが、2RKO負けしている。フック系のパンチが武器のストライカー。28歳。

ピシェルは2年ぶりの試合。2012年のTUF15に出場し、準決勝でアル・アイアキンタに敗れている。2022年にマーク・マドセンに敗れた後、2度欠場で試合を飛ばし、昨年11月のブラジル大会でボンフィム戦が組まれていたが、ボンフィムが計量で3.5ポンドオーバーしたため中止になっている。今年になってから再ブッキングされ、今回もまたボンフィムの地元での試合となる。柔術黒帯だが、14勝のうちKOが8回で、一本勝ちはなし。41歳で、ライト級ではクレイ・グイダに次ぐ2番目の年長。

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UFC301:第1試合・アレッサンドロ・コスタ vs. ケビン・ボルハス

フライ級。

地元ブラジルのコスタは、昨年11月の前戦では今日のメインでタイトル戦を行うエルセグと対戦して、2Rにはテイクダウンで攻めるなど攻勢となる場面も作ったが、三者29-28での判定負け。あれから半年、勝ったエルセグはメインでタイトル戦、負けたコスタは第1試合出場に。UFCデビュー戦も代役でランカーのアミル・アルバジに敗れており、ここまで1勝2敗。柔術・ボクシングが武器。28歳。

ペルーのボルハスは昨年8月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCと契約。11月のデビュー戦は、来月平良と対戦するジョシュア・ヴァンとの対戦で、アグレッシブに攻めてくるヴァンから1Rにダウンを奪ったものの、2R以降も距離を詰めてパンチで攻めるヴァンに圧される展開で判定負けした。同じペルーの2023PFL優勝ヘスス・ピネドや、元UFC・現Belltorファイターのエンリケ・バルゾラと同門。バックボーンはルタ・リーブリ。26歳で、9勝のうち8つがKO勝ち。

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