格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN54:オッズ/予想と展望

エリン・ブランチフィールド 1.52
マノン・フィオロ 2.60
ビセンテ・ルーケ 1.89
ホアキン・バックリー 1.93
クリス・ワイドマン 3.30
ブルーノ・シウバ 1.35
ヌルスルトン・ルジボエフ 1.39
セドリケス・ドゥマス 3.10
ビル・アルジオ 1.44
カイル・ネルソン 2.85
チディ・エンジョクアニ 1.70
リース・マッキー 2.20
ネイト・ランドワー 2.80
ジャマル・エマース 1.46
ビルナ・ジャンジロバ 2.80
ルーピー・ゴディネス 1.46
フリオ・アルセ 1.25
ハーバート・バーンズ 4.10
デニス・ブズカ 1.80
コナー・マシューズ 2.05
イボ・アスラン 1.80
アントン・トゥルカリ 2.05
ビクトリア・ドゥダコバ 2.30
メリッサ・ガ1.65
アンドレ・ペトロスキー 2.70
ジェイコブ・マルクーン 1.49
エンジェル・パチェコ 3.80
ケイラン・ロフラン 1.28

メインで予定されていたウェルター級8位ショーン・ブラディ vs. 11位ビセンテ・ルーケ がブラディの欠場によりノーランカーのバックリーとの対戦に変更となったため、セミに格下げとなり、替わってセミで組まれていた女子フライ級戦がメインに昇格。

2位ブランチフィールドと3位フィオロはともにUFC6戦全勝。どちらかが次期挑戦者になることが確実と思われていたが、両者の直接対決が組まれることに。さすがにこの試合の勝者が次期挑戦者になることは確実ではないかと思われた矢先、王者グラッソと前王者シェフチェンコのTUFコーチ就任が発表されたため、実質次のタイトルマッチがTUF後の両者の3連戦目になることが確定した。ブランチフィールド、フィオロのどちらが勝っても、年内のタイトル挑戦はないと思われる。

地元ニュージャージー出身のブランチフィールドは7歳から始めた柔術、9歳から始めたキックがバックボーンで、12歳の時にすでにプロの選手となることを決めていた。UFCでの6勝のうち、一本勝ちが3回。前戦は、当時絶対王者だったシェフチェンコ相手にスプリット判定まで持ち込んだタイラ・サントス戦で、ひたすらタックルを仕掛け、テイクダウンは奪えなかったもののサントスのスタミナを削ったうえで打撃のヒットで上回っての判定勝ち。

フランスのフィオロは空手・ムエタイがバックボーンのストライカー。半身の体勢からのサイドキック・関節蹴りで距離を取った打撃を武器にしているが、組んでからのテイクダウンも強い。前戦は地元フランスで元ストロー級王者のローズ・ナマユナス相手に打撃で上回っての判定勝ち。

ブランチフィールドは2回目、フィオロは初となるUFCでのメイン登場。5Rマッチになったことで、組みでスタミナを削るブランチフィールドが優勢に試合を進めることになりそう。

ブランチフィールド判定勝ち。

セミ前には元ミドル級王者ワイドマンが登場。21年のユライア・ホール戦で、カーフキックをカットされスネが真っ二つに折れる大怪我を負い、昨年8月に2年4ヶ月のブランクで復帰。元ランカーブラッド・タバレスからカーフキックで攻められ、左足を完全に殺された後、スイッチして前に出した右足もカーフで蹴られて完敗。試合後、ダナ・ホワイトが「頼むから引退してくれ」とコメントするほど、かつての王者の実力が見る影もない内容だった。

今回はほぼ地元でプロデビューから4戦を戦ったアトランティックシティでの試合。ラストマッチにはちょうどいい舞台ではあるが、契約はまだこの試合を含めて2試合残っているとのことで、ワイドマン自身はまだ現役を続ける意向の模様。相手はUFC4勝4敗で、直近5戦では1勝4敗(1勝の相手は前回ワイドマンに勝ったタバレス)。しかしブラジルキック王者で、23勝のうちKO勝ちが20あるストライカー。ワイドマンにとっては厳しい試合になることは避けられないか。

第1試合開始は31日朝8時から。速報します。

DEEP JEWELS44:メインイベント・パク・シユン vs. 伊澤星花

JEWELSアトム級タイトルマッチ。

牽制の打撃を放つ両者。伊澤タックル。反応して切ったシユン。左フック。またタックル。組み付いた伊澤がケージに押し込む。押し込みながらヒザを入れると足をかけてテイクダウン。片膝を着いて立とうとするシユンにダースチョーク。の態勢。まだ隙間がある。下になって絞める。しかし浅い。放して伊澤のガードに。下から肘を入れる伊澤。上で動きがないシユン。伊澤が三角を狙ったが密着して防いだシユン。もう一度三角。クラッチした。ティーピーチョーク。また三角に。そのまま下から殴ったが、シユンが立つと放した。ゴング。

三角を解除した際に下からの蹴り上げをグラウンド状態のシユンの顔面に入れたとのことで伊澤に注意が入る。

2R。パンチで出る伊澤。ケージに詰めると右がヒットし腰が落ちたシユン。すかさず伊澤ニンジャチョーク。膝を着いたシユンを絞めるとタップアウト!

伊澤がストロー級に続きアトム級の王座も獲得。

試合後のマイクで超RIZIN出場をアピール。

UFC on ESPN53:メインイベント・アマンダ・ヒバス vs. ローズ・ナマユナス

女子フライ級5分5R。ヒバス8位、ナマユナスはノーランカー。

初メインとなるヒバスはフライとストローの両方で戦っており、ストロー級でも7位。ジェシカ・アンドラジもそうだが、2階級で戦っているとそれだけ試合のチャンスが多く、フライ級では2勝2敗だがメインに抜擢されている。バックボーンは柔道で、ブラジルのナショナルチームに入っていたこともある。女子柔道家に多い、首投げ→袈裟固めを得意とするスタイルだが、それでバックも奪われることがある諸刃の剣。30歳。

ナマユナスはフライ級完全転向の意向のためストロー級のランキングからは外れているが、前戦のフライ級初戦ではマノン・フィオロに敗れており、フライ級未勝利のためフライ級でもノーランカー。しかしストロー級時代の実績で女子P4Pランキングでは8位につけている。2度の王座戴冠では、当時の絶対王者ヨアンナとジャン・ウェイリーをKOしており、いずれもダイレクトリマッチでも判定勝ちしている。タイトルを失ったカーラ・エスパルザ戦では両者異様に手が出ない展開のままスプリット判定負け。同じタイトルの3度目の戴冠はさすがにモチベーションが上がらないのか、前回からフライ級に上げている。鋭いパンチが武器だが、フライ級転向初戦のフィオロ戦は1Rで人差し指を骨折して拳が握れなくなってしまい敗れた。31歳。

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UFC on ESPN53:セミファイナル・カール・ウィリアムズ vs. ジャスティン・タファ

ヘビー級。

ウィリアムズはレスリングでオリンピックを目指していた。諦めてMMAに転向し、プロデビューたのは31歳と遅いが、2年でUFCデビュー。初戦はグダグダのガス欠の上での判定勝ち、2戦目はUFC4勝10敗の最下層・チェイス・シャーマン相手にカーフを蹴られて効かされるも、ジャブの手数で判定勝ち。しかしKOする気配がなかった。34歳。

当初は弟のジュニア・タファがウィリアムズと対戦予定だったが、先月計量当日に欠場したジャスティン・タファに替わって急遽マルコス・ホジェリオ・デ・リマと対戦。2RでKO負けしてウィリアムズ戦が出場不可能となったため、今度は弟の代役で兄が出場することに。

ジャスティンはUFC4勝3敗1NC。現在、ノーコンテストになった試合を除いて3連続1RKO勝ち。ただ、ここまでの相手はUFC最下層レベル。負ける時はスタンドで手が出ずに見合いのまま負けてしまう。ラグビーからMMAに転向した。30歳。

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UFC on ESPN53:第11試合・エドメン・シャバージアン vs. A.J.ドブソン

ミドル級。

元期待の新鋭・シャバージアン。ローカル全試合1RKO、UFCデビューからも4連勝・3連続1RKOだったが、ランカークラスの壁に当たり、その後は1勝4敗。テイクダウンディフェンスに難があり、組まれる展開ですぐガス欠しがち。しかしまだ26歳と若い。

ドブソンはUFC1勝2敗の戦績でセミ前登場。先日、自宅の火災で両親を救ったものの一時意識不明の重体となっていたマーク・コールマンの弟子。UFCデビューから2戦はいいところがなく判定負け。前戦はUFC2勝3敗のテフォン・チュクウィ相手に蹴りをキャッチしてテイクダウンして固めつつ殴る展開で、僅差の内容だったが判定勝ちでUFC初勝利。32歳。

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UFC on ESPN53:第10試合・ペイトン・タルボット vs. キャメロン・サーイマン

バンタム級プロスペクト対決。

タルボットはローカル全フィニッシュ勝利、コンテンダーシリーズは判定だったがシリーズ記録となる145発の有効打を打ち込んでの勝利で、UFCデビュー戦からメインカードの扱い。UFC0勝1敗のニック・アギーレに対し、1Rはテイクダウンされるとずっとポジションを取られ続ける展開で落としたものの、2R以降はスタンドで攻勢となり、最後はタックルを潰してマウント→パウンド→チョークで勝利。が、弱みも見せたため、UFCでどれだけやれるかまだわからない部分がある。25歳。

南アフリカのサーイマンはUFCデビューから3連勝でクリスチャン・ロドリゲスと対戦したが、ロドリゲスが体重オーバー。組みの展開で接戦となったが、限界まで減量せず最後のスタミナを残していたロドリゲスに対し、終盤疲れが見えたサーイマンが失速して判定負けで初黒星。バックボーンはキックボクシング。今回は下からの選手を迎え撃つことになるが、バンタムでは19歳ロザスJr.に次いで2番目に若い23歳。

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UFC on ESPN53:第9試合・ビリー・クアランティーロ vs. ユーセフ・ザラル

フェザー級

クアランティーロはUFC6勝3敗でランキング目前。昨年4月にランカーのエジソン・バルボーザに挑んだが、タックルにカウンターの膝を合わせられ1RKO負けでランキング入りならず。柔術黒帯でプロボクシングのキャリアもあって、組み・打撃どちらでも攻められる。35歳。

ロッコ出身・コロラド在住のザラルは2020年にUFCと契約し、3連勝の後3連敗。契約最終戦はドローとなったが、再契約できずリリースとなった。地元のコロラド州デンバーのイベントでキャリアを積み、2年間でMMA3勝(全試合1Rフィニッシュ)、キックとボクシングで1勝ずつを上げて再契約のチャンスを待っていた。今週に入りクアランティーロと対戦予定だったガブリエル・ミランダが欠場となり、UFCとの再契約を果たした。組みではダースチョークを得意としている。27歳。

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UFC on ESPN53:第8試合・フェルナンド・パディーヤ vs. ルイス・パフエロ

フェザー級

メキシコのパディーヤは2021年にUFCと契約したが、ビザの問題で試合ができず、昨年4月にようやくデビュー。いきなり中堅のジュリアン・エローサを1RでKOした。2戦目はUFC負け越しのカイル・ネルソンと対戦。オッズでは優勢だったが、後半手数で下回り判定負け。長身・細身のストライカーで、10thプラネットで寝技を学んでいてガードからの攻めも得意としている。27歳。

ペルーのパフエロは昨年9月のコンテンダーシリーズでKO勝ちしてUFCと契約し、今回がデビュー戦。バックボーンは剣道・柔道・ボクシング。アマチュアボクシングではペルーの代表チームにも所属していたが、ペルーボクシング連盟が選手に対して十分なサポートをしないことに不満を持ちMMAに転向。29歳でMMA8勝1敗、8勝のうち7勝がKO勝ち。

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UFC on ESPN53:第7試合・カート・ホロボー vs. トレイ・オグデン

ライト級。

昨年のTUFウィナー・ホロボー。2013年にUFCに出場し1試合でリリース。コンテンダーシリーズを経て2018年に再契約を果たしたが、そこでも1勝も出来ず3連敗でリリース。それでも諦めずにローカルイベントに出場を続けると、昨年「ベテラン vs. プロスペクト」のテーマのTUFにベテランチームとして出場し、すべてフィニッシュで優勝。TUF決勝での勝利で、UFC最初の契約から10年でUFC本戦初勝利を果たした。今回がTUF後の初戦となる。極め・KOを積極的に狙いに行くフィニッシャー。37歳。

オグデンはUFC1勝2敗1NC。柔術黒帯で、キャリア16勝でKO勝ちはゼロ、一本勝ちが11回ある生粋のグラップラー。前戦は同じ1勝2敗のストライカー・ニコラス・モッタと対戦し、2Rまでリードしている展開の中、3Rに肩固めに入るが、レフェリーがモッタを落ちたと思いストップする誤審が発生。結局ノーコンテストとなり、終始リードしていたオグデンは勝ちが盗まれてしまった。34歳。

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UFC on ESPN53:第6試合・リカルド・ラモス vs. ジュリアン・エローサ

フェザー級

ラモスはUFC7勝4敗。バンタムで4勝1敗だったが、減量苦で階級をフェザーに上げてからは勝ち負けを繰り返して3勝3敗。回転系のトリッキーな打撃と極めの強さが武器。バック肘でのKO勝ちが2回ある。前回はシャルル・ジョーデイン相手にタックルに入ったところにギロチンに捕まってしまい、まさかの一本負け。28歳。

エローサはTUF後の初戦で夜叉坊にKO負けしリリース。その後コンテンダーシリーズを経て再契約するも3連敗でリリース。しかし2020年に再契約を果たすと、そこから8戦で5勝3敗。一時はランキング手前まで上り詰めた。しかしそこから大ベテランのアレックス・カサレスとデビュー戦のフェルナンド・パディーヤに連続1RKO負け。ストライカーだが、首系サブミッションも得意なフィニッシャー。34歳。

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UFC on ESPN53:第5試合・マイルズ・ジョーンズ vs. コーディ・ギブソン

バンタム級

ジョーンズはUFC4勝2敗1NCと前座戦線から抜け出しつつある戦績。レスリングベースのストライカー。ノーモーションの右ストレートを武器にしている。前戦は判定勝ちだったが、試合後に微量の禁止薬物が検出され、違法性に乏しいということで出場停止4.5ヶ月とほぼお咎めなしの処分ではあったが、試合結果はノーコンテストに変えられている。今回は負傷欠場したデイビー・グラントの代役として、試合1週間前に代役出場を決めた。29歳。

ギブソンは2014年にUFCと契約したが、1勝3敗でリリース。ローカルでキャリアを積んでいたが、一度引退して高校教師として歴史とレスリングを教えていた。復帰すると昨年TUFに出場し、1Rフィニッシュで決勝に進出すると、同じベテランチームでTUF27ウィナーのブラッド・カトーナと対戦。拮抗した打撃戦で、お互い効かせる打撃をヒットさせたものの、手数で上回ったカトーナに判定負けしている。36歳。

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UFC on ESPN53:第4試合・ヤルノ・エレンス vs. スティーブン・ヌエン

フェザー級

エレンスは2人しかいないオランダ人UFCファイターのうちの1人だが、UFC0勝2敗でリリースの危機に陥っている。バックボーンはキックだが、初戦はUFCデビュー戦対決で、テイクダウンを取られ続け立てないまま判定負け。前戦は3連敗中のチェ・スンウとの対戦で、カーフを効かされた上に、相変わらずテイクダウンされると下からしがみつくのみでラウンドを失い判定負けで連敗中。29歳。

ベトナムアメリカ人のヌエンは2019年のコンテンダーシリーズに出場したがKO負けでキャリア初黒星。2021年に2度目の出場をし、判定勝ちしたものの契約できず。そこから2年のブランクがあったが、その間にも補欠として出場する可能性があったため、試合の準備は常にしてきたとのこと。昨年3度目のコンテンダーシリーズ出場を果たすと、2RKO勝ちでようやくUFCとの契約を手に入れた。UFCデビュー戦だが、APEXでの試合が初めてのエレンスに対し、ヌエンは4度目の出場となる。5歳からテコンドー・空手を習い始め、その後柔術・キック・レスリングのキャリアを積んでMMAに転向した。MMA9勝1敗の30歳。

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