格闘技徒然草

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Road to UFCシーズン3:準決勝組み合わせ(仮)/総評

Road to UFC・一回戦の国別勝敗数。ワンマッチ・同国人対決・不戦勝は除外。

  2024 2023 2022
中国 5-2 5-2 3-4
日本 3-3 4-3 4-3
インド 2-2 0-2 0-1
韓国 2-4 4-3 5-1
フィリピン 0-1 1-0 0-1

中国勢の強さは変わらず。もうすでに当たり前のものとして受け止められている。

日本勢は苦しみながらも、今年も一定の戦績を残している。階級違いの安藤を除けば、負けた選手も十分健闘していた。全員がテイクダウンを武器にしての勝利だったが、テイクダウンを奪えないレベルの相手との対戦になった場合の不安が残る。

韓国勢がやや戦績を落としているが、ユ・スヨンを見ても、未だにレベルが高い選手が排出されているのは間違いない。完全な白星配給枠だったインドネシア勢がいなくなったことで全体的なレベルが上がった。

放送ではトーナメントの山組みも表示されていて、それによれば、準決勝の組み合わせは以下となる(ただし、シャッフルされる可能性もあるとのこと)。

フライ級
キルー・シング・サホタ vs. ルエル・パニャレス
チェ・ドンフン vs. アンガド・ビシュト

バンタム級
中西透暉鷹 vs. バーエゴン・ジェライスー
ダーエミィスウ・ザウパースー vs. ユ・スヨン

フェザー級
シエ・ビン vs. 河名真寿斗
ズー・カンジエ vs. 原口伸

女子ストロー級
ドン・フアシャン vs. シー・ミン
フォン・シャオツァン vs. 本野美樹

フライはドンフン、バンタムはスヨン、フェザーはカンジエ、女子ストローはシャオツァンが本命か。

Road to UFC3 Episode4:第4試合・バーエゴン・ジェライスー vs. リー・ユンフェン

バンタム級トーナメント一回戦。中国人ファイター対決。

中国のジェライスーは2023年もRoad to UFCに出場し、トーナメント一回戦で日本の上久保周哉と対戦。組みの強い上久保相手に簡単にはテイクダウンを許さず、ヒザで一瞬ダウンを奪う場面もあり、判定負けしたが、上久保を大いに苦しめた。その後はアブダビUAE Warriorsや、カザフスタンのAlash Prideに出場して判定勝ちしている。バックボーンはフリースタイルレスリング。28歳で16勝5敗。

ユンフェンは25歳で9勝4敗。UFCバンタム級ランカーのソン・ヤドンらを排出した恩波ファイトクラブ出身。9勝のうち、2つのKO・5つの一本勝ちがある。

オーソドックスのジェライスーに対し、サウスポーのユンフェン。ジェライスーがダブルレッグに入ったが、切ったユンフェン。ローを蹴るジェライスーに対し、左ストレートを入れるユンフェン。タックルフェイントを見せるジェライスーまたタックルで飛び込んだが、スプロールして切ったユンフェン。ジェライスーサウスポーにスイッチするとダブルレッグ。テイクダウン。下から足で三角を狙ったユンフェンだが、外したジェライスー。片足を超えてハーフで押さえ込んだ。ユンフェンの左脇に頭を差し込んで肩固めをセットしようとするジェライスーだが、残り時間わずかと見てパウンドに切り替えた。強烈な右のパウンドを打ち込み、ジェライスーが1Rを優勢なまま終えた。

2R。ジャブ、アッパーで出るユンフェン。圧を強めてきた。飛び膝を見せる。ジェライスータックル。テイクダウン成功。またハーフで枕を取って固める。ヒジ。体を起こしたジェライスー。足をサバいてパスすると背中を向けたユンフェンに両足をフックしてバックマウント。パウンドを入れるジェライスー。体を伸ばしてパウンドを入れる。ローリングしたユンフェンにジェライスーは四の字ロックに切り替える。ジェライスーリアネイキドチョーク!引手を掴んで防いでいたユンフェンだが、ジェライスーがチョークを取り直すと完全に入りユンフェン落ちた!

2R4分25秒、リアネイキドチョークでジェライスーが準決勝進出。

ジェライスー「いいパフォーマンスが出来て嬉しい。得意のリアネイキドチョークで勝てて良かった。作戦はたくさん動き回り、スタンスを変えてテイクダウンを奪うこと。みんなに感謝したい」

Road to UFC3 Episode4:第3試合・キルー・シング・サホタ vs. イン・シュアイ

フライ級トーナメント一回戦。

インド出身のサホタは、現在はイギリス在住。MMAプロデビュー後の戦績はすべてヨーロッパでのもので、ここまで10勝2敗の28歳。

中国のイン・シュアイは27歳で16勝4敗。戦績は中国国内のGlory of HeroesとJCK Fight Nightでのものがほとんど。16勝中、KOで4勝、サブミッションでの一本勝ちが7勝ある。

長身のサホタ。しかしシュアイの左フックがヒットしフラッシュ気味にダウン。すぐに立ち上がり、詰めてきたシュアイに組み付いてケージに押し込む。背中でクラッチしてテイクダウンを狙うサホタだが、こらえるシュアイ。差し返してクラッチを切ったシュアイ。引き剥がした。パンチを打ち込むシュアイにサホタは肘を打ち込む。ケージを背負ったシュアイにパンチを打ち込むサホタだが、かいくぐってタックルに入ったシュアイがテイクダウン。ハーフからスイープを狙うサホタ。ガードに戻した。シュアイはケージにサホタの頭を押し付けるが、サホタは上半身を起こしてケージを使い立ち上がる。残り30秒。右のヒジを入れるシュアイ。サホタも飛び膝から首相撲に捕らえてヒジ。カーフを蹴るシュアイ。ホーン。

2R。サホタのカーフキックに右のカウンターを合わせたシュアイ。サホタはバックスピンキックから飛び膝を放つ。組み止めたシュアイがケージに押し込むが、サホタは背中でクラッチして入れ変えた。投げを狙うシュアイ。こらえるサホタだが、後ろに切り返してテイクダウンするシュアイ。しかしサホタは寝かされずにすぐにケージを使って立つ。サホタ首相撲からヒザ・ヒジを入れる。脇の差し合いからシュアイがダブルレッグでテイクダウン。しかしまたすぐにケージで立ち上がるサホタ。ケージに押し込んだサホタは腹にヒザを打ち込む。ヒジで飛び込むサホタにシュアイが組み付くが、サホタはまた入れ替えると腹にヒザを打ち込んでいく。離れ際にもヒジを入れたサホタ。2R終了。

1R、2Rともに判断が分かれてもおかしくない僅差のラウンド。

3R。ワンツーで出たサホタにシュアイがダブルレッグ。テイクダウンしたシュアイだが、サホタはすぐにケージを使って立つと、腹にヒザを入れ離れる。左ミドルを入れたサホタ。一瞬動きが止まったシュアイだがタックルで組み付く。サホタは腹にヒザを打ち込む。パンチを振るサホタにシュアイがまたタックルからテイクダウンを奪う。が、またすぐにケージを使って立ったサホタ。首相撲に捕らえるサホタ。しかしまたシュアイがタックルに入る。テイクダウンまで許すが、すぐに立つサホタ。立ち際に足をかけて倒すシュアイ。今度はサホタを寝かせたシュアイ。ハーフで固めて押さえ込む。サホタはガードに戻すと下からヒジを入れる。シュアイもパウンドを入れると足で離すサホタ。離れたところで起き上がりタックルに入ったがタイムアップ。

消耗戦の後だが、シュアイは3度バック宙を見せて余力をアピールする。

29-28サホタ、30-27シュアイ、29-28サホタ。スプリットでサホタ勝利。

判定結果に驚いた表情を見せるシュアイだが、微妙な前半2Rの判断が分かれたか。

サホタ「グラウンドで漬けるだけでなく、効果的に攻撃できたのが評価されたんだと思う。いいパフォーマンスではなかった。個人的には最悪のパフォーマンスだった」

Road to UFC3 Episode4:第2試合・キム・キュサン vs. 中西透暉鷹

バンタム級トーナメント一回戦。

キュサンは2016年にHEATに参戦しており、フライ級王座決定戦で春日井たけしと対戦(1Rリアネイキドチョークで一本負け)。2020年にはONE Championshipで若松佑弥とも対戦している(1RKO負け)。直近の試合は昨年3月で、カザフスタンのNAIZA FCで3Rドクターストップ勝ち。31歳で12勝5敗。

中西は2022年にパンクラスフェザー級暫定王座を獲得。Bellatorと契約したISAOの返上により正王者に昇格したが、階級をバンタムに落とすために王座返上。2023年12月に行われた河村康博との王座決定戦では、1R肩固めで勝利し、2階級制覇を達成した。27歳。

両者オーソドックス。キュサンがカーフキックを蹴る。間合いが遠い。ジャブを見せた透暉鷹。さらにワンツーを出したが、まだクリーンヒットする距離に入れない。前蹴りからジャブを放つキュサン。飛び込んだ透暉鷹だがキュサンはバックステップ。キュサンのジャブ・カーフキックがヒット。ケージ際に詰めた透暉鷹だが、飛び込みをサークリングでかわしたキュサン。またカーフキックを蹴るキュサン。透暉鷹もカーフを返したが、キュサンがそこにパンチを合わせる。残り1分20秒で透暉鷹タックル。テイクダウン成功。ガードを取ったキュサン。立ち上がった透暉鷹を足で放したキュサンが立ち上がる。立ち際にまたタックルに入った透暉鷹。腕を一本差したキュサンだが、透暉鷹が首投げで投げた。押さえ込ませず立ったキュサン。ホーン。

テイクダウンは取れた透暉鷹だが、グラウンドで攻めさせずに立ったキュサン。

2R。カーフを蹴るキュサン。透暉鷹飛び込んで左右のフック。インローを蹴るキュサン。透暉鷹またタックルへ。上半身を固めてパスガードを狙う。ハーフで押さえ込んだ。密着したまま右のパウンドを打ち込む透暉鷹。押さえ込んで鉄槌を入れる。キュサンがガードに戻そうとするが、インサイドからパウンドを入れた透暉鷹。ガードに戻されると立った透暉鷹。キュサンが立とうとした瞬間にまた上になり押さえ込むと、ハーフからパウンドを入れる。ホーン。

1Rは微妙だったが、2Rは確実に取った透暉鷹。

3R。バックブローを狙った透暉鷹だがバックを取られる。しかしキュサンはパンチを打つために放した。キュサンのパンチをかいくぐりタックルでテイクダウンした透暉鷹。四の字バックに。首を狙っていく透暉鷹。右でパンチを入れる。首に腕を回そうとするが、キュサンが腕を掴んでディフェンス。残り1分。キュサンが脱出できないまま時間が過ぎていく。バックキープし続ける透暉鷹。タイムアップ。

判定30-27×2、29-27の3-0で透暉鷹勝利。準決勝進出を決めた。

透暉鷹「全然自分が思ったとおりに行かなくて、すごい悔しいです。絶対に落とせないトーナメントで、負けられないというのが大きかったと思うんですけど、プロとして失格だと思うんで、2回戦は絶対にUFCに行けることを証明したいと思います」「バンタム級は日本人が自分しかいなくなっちゃったんで、日本を背負って、パンクラスの名に恥じないように、勝ち方だけで内容もしっかりできるように、出直してきます」

Road to UFC3 Episode4:第1試合・ヤン・チーフイ vs. リサ・キリアコウ

女子フライ級ワンマッチ。

チーフイは2021年にコンテンダーシリーズに出場。UFC4連勝中で、現在女子フライ級12位のカリーニ・シウバと対戦し、2Rギロチンチョークで一本負けした。27歳で24勝4敗。24勝のうちKO勝ちが12回、一本勝ちが10回ある。

オーストラリアのキリアコウは30歳で7勝1敗。2021年のプロデビュー戦で判定負けしてから7連勝中。オーストラリアのHEX Fight Seriesで女子フライ級王座を獲得している。

飛び込んでパンチを打ち込むチーフイに対し、リーチで勝るキリアコウは遠い間合いから左右のパンチを打ち込む。ワンツーからローを入れるキリアコウ。チーフイの右フックがヒット。左右のフックを振って出たが、バックステップでかわしたキリアコウ。ケージに詰まったキリアコウ。チーフイタックルに入りテイクダウン。一瞬立ったチーフイだが、再びキリアコウの上になると、片足を超えてハーフに。パスしてサイドに出た。うつ伏せになり立ったキリアコウにバックからパンチを入れたチーフイ。離れた。また詰めていくチーフイ。パンチを打ち込むキリアコウにチーフイがダブルレッグからテイクダウン。ハーフで上体を固めるチーフイ。残り数秒でうつ伏せになって立ったキリアコウ。ワンツーを打ち込んだところでホーン。

2R。キリアコウが距離をキープしながらパンチ・カーフを入れていくが、チーフイがパンチを振って出るとく認める。右脇を差してケージに押し込んだチーフイだが、自ら離れた。チーフイのワンツーがヒット。左右のフックを振り回すチーフイだが、これは空振り。また出てきたチーフイ。ケージに押し込む。右を入れて離れたキリアコウ。詰めてきたチーフイ。またケージを背負ったキリアコウにタックル。これは受け止めたキリアコウ。離れるチーフイ。遠い間合いから右ハイを入れたキリアコウ。距離を詰めたチーフイにパンチを入れたが、チーフイがタックルに入りテイクダウン。サイドで押さえ込んだ。残り時間がないため押さえ込みを続けるチーフイ。ホーン。

3R。詰めてくるチーフイにパンチを入れるキリアコウ。左ハイ。左右のパンチを振りながら出るキリアコウ。詰めるチーフイをパンチで止めようとしたキリアコウだが、チーフイがかいくぐってタックルに入りテイクダウン。サイドを取った。うつ伏せになり立とうとしたキリアコウのバックに回るチーフイ。しかし立ち上がって振りほどいたキリアコウ。離れる。詰めてきたチーフイに縦ヒジを当てたキリアコウ。チーフイの圧が弱まってきた。キリアコウがパンチを入れると組み付いてきたチーフイを切る。しかしまたチーフイがタックルへ。テイクダウンしてサイドを取る。残り1分。ガードに戻したキリアコウだが残り30秒。立ち上がったチーフイ。キリアコウの立ち際にタックルに入ったが切ったキリアコウ。残りわずかでパンチで出るキリアコウを、チーフイが最後にまたタックルからテイクダウン。タイムアップ。

30-27チーフイ、29-28キリアコウ、30-27チーフイ。スプリットでチーフイ勝利。

チーフイにテイクダウンから先の攻めがなかったため判断が割れたが、終始組みでコントロールする場面をつくったチーフイが判定勝ち。

チーフイ「間違いなく勝ったと思った。テイクダウンもしたし、相手の打撃もまったくダメージはなかった。助けてくれたみなさんに感謝したい」

Road to UFC3 Episode3:第5試合・ダーエミィスウ・ザウパースー vs. 小崎連

バンタム級トーナメント一回戦。

中国のザウパースーは2年連続の出場。2023年は初戦でインドネシアのエペライム・ギンティンにリアネイキドチョークで一本勝ち。準決勝では韓国のイ・チャンホに対し、2Rまでタックルからテイクダウンを奪い攻勢だったが、3Rにスタミナ切れで失速し、マウントからのパウンドに動けず大逆転負けを喫している。

小崎は中村倫也や芦田崇宏、ボクシング世界王者の内山高志を排出した花咲徳栄高校に進学し、野球部に所属。チームは甲子園に出場したが、ベンチ入りを果たせず、甲子園の地を自ら踏むことは出来なかった。そのため、自分の力で成り上がれる何かをやりたいと思い、MMAを始める。DEEPフューチャーキングトーナメント2021で優勝。プロデビュー後はKROSS×OVERとDEEPで8戦して6勝0敗2分と負け無し。3月の前戦では、DEEPでベテランの力也に1RKO勝ちしている。22歳。

両者オーソドックス。開始直後に右をヒットさせた小崎。また飛び込むと左から右がまたヒット。また飛び込んだ小崎。左がヒット。ザウパースー今度はタックルに。ボディロックから投げを狙う。小崎は右腕で小手に巻いてこらえるが、ザウパースーがまた投げを狙うとスタンドバックの体勢に。なおもテイクダウンを狙うザウパースーだが放してパンチを入れた。右がヒットしぐらついたザウパースー。小崎がさらに右を打ち込むとダウン気味に手をついた。立ったザウパースー。ザウパースーのハイキックに左右のフックを返した。残りわずかでパンチを振ってきたザウパースーだが空振り。ホーン。

1Rはダウンを奪った小崎がペースを握る。

2R。小崎がパンチを打ち込んだタイミングでタックルに入ったザウパースー。尻餅をついた小崎だが、すぐにケージに移動して立ち上がる。ザウパースースタンドバックからなおもテイクダウンを狙う。倒して両足をフックしたザウパースーだが、小崎が立ち上がるとフックを解除して降りた。離れる小崎。ザウパースーがまたタックルに。ケージに押し込まれた小崎が片膝を着く。立ったところでテイクダウンしたザウパースー。両足フックしてバックマウントからチョーク!小崎首に回された腕を下から押して耐える。ザウパースーが腕を入れ替えてまたチョーク。パームトゥパームで絞めるが解除した小崎。反転して立った。右フックを入れる小崎だが、ザウパースーまたタックルに。切った小崎。しかしまたタックルに入りテイクダウン。ケージを背にして座った体勢で2R終了のホーン。

おそらく1Rずつ取り合っての3R目。ステップする小崎にザウパースーがダブルレッグ。テイクダウン。立ち上がる小崎だが、ザウパースーはボディロックからなおもテイクダウンを狙う。投げて倒したザウパースー。押さえ込まれた小崎だが、ケージを蹴って逃れようとする。しかしザウパースーが上をキープし、小崎のガードに。毛字を使って立った小崎だが、またスタンドバック。前転してスクランブルで脱出を試みる小崎だが、ザウパースーは離れない。立ち上がるとまたスタンドバック。クラッチを切って離れようとする小崎だが、ザウパースー放さずバックにつき続ける。残りわずかで足をフックしパウンドを入れたザウパースー。タイムアップ。

判定三者29-28でザウパースーが勝利。

1Rにダウンを奪いチャンスを掴んだ小崎だったが、2R移行はザウパースーがしつこく組み続けて逃さなかった。

ザウパースー「1Rは3度ダウンして回復しきれなかったが、体力が戻ってからはグラップリングで挽回できた。フィアンセにも感謝したい。」

修斗240519:第2部メインイベント・SASUKE vs. ジョングウェン・パン

フェザー級5分3R。

フェザー級王者のSASUKEは2022年・2023年のRoad to UFCフェザー級トーナメントに出場したものの、いずれも初戦で敗れている。その間にも、フェザー級王座は飯田健夫・田中半蔵相手にKO勝ちで防衛に成功。同門の野瀬が同時間帯に上海で行われるRoad to UFCに3年連続出場を果たす一方で、SASUKEはホームリングの修斗で中国勢を迎え撃つ。

当初出場予定だったWLF王者ホワーン・ユエロアが負傷欠場となり、急遽出場が決まったパンは19歳で5勝1敗。昨年2月にプロデビューしてから5ヶ月連続で試合をこなしている。

ワンツーで出たパン。SASUKEはカーフキック。左フック。左ボディ。SASUKEがタックルを見せるが切ったパン。笑いながらパンチを振るパンだが、SASUKEがカーフキック。冷静にパンチを当てていくSASUKE。タックル。テイクダウンしたSASUKE。バックに回ると足をフックし四の字バック。そのままパンの足をキャッチするとスロエフストレッチ!タップアウト!

1R3分2秒、裁定は膝十字とコールされた。SASUKE一本勝ち。

SASUKE、横綱相撲での勝利。

SASUKE「修斗フェザー級のやつら、最近僕の名前をSNSで上げてくるやつが多いんですけど、怪我でメイン飛ばすやつ、身内とエキシやってパンチもらってるやつ、相手挑発して仕留められないやつ。そんなやつらが修斗を背負えると思えないです。お前ら全員中国行って、勝ってから僕の名前を挙げなさい。以上」

全試合終了後に行われた坂本プロデューサーのMVP発表でも、SASUKEがMVPに。

Road to UFC3 Episode3:第4試合・ジョン・アルマンサ vs. アンガド・ビシュト

フライ級トーナメント一回戦。

フィリピンのアルマンサはまだ20歳。2019年に15歳でプロデビューすると、ここまでフィリピンの国内大会で6戦全勝(1KO・4一本勝ち)。相手もすべて同じフィリピン人で、初の国際戦となる。

インドのビシュトは28歳で9勝2敗。中東のBRAVE CFのインド大会や、インド・UAEで開催されたMatrix Fight Nightでキャリアを重ねてきた。直近では3試合連続でリアネイキドチョークで一本勝ちしている。

前蹴りを放つアルマンサ。右のパンチで飛び込んだ。ビシュトはまだ様子見。アルマンサが出たところに右をクリーンヒットさせると、アルマンサ後退。ケージを背負う。パンチを入れたビシュト。タックルへ。テイクダウン。すぐにハーフにしたビシュト。パウンド。アルマンサの腕を膝でつぶしたハーフの体勢。アルマンサガードに戻そうとするが、膝を割ってハーフにしたビシュト。パスしてサイド。クルスフィックスからパウンド。亀になったアルマンサになおもパウンド。打たれたままのアルマンサを見てレフェリーストップ。

一方的だったが、アルマンサの実力が不明のため、ビシュトも実力の底がわからず。

修斗240519:第2部セミファイナル・エフェヴィガ雄志 vs. アーイージアコ・アーケンビエコア

ライト級。

修斗参戦から3試合連続で1Rフィニッシュ勝利しているエフェヴィガ。3月の後楽園大会では、韓国のキム・ミンヒュンに勝利し、試合後のマイクで対戦オファーを断られている不満を口にしている。修斗の世界ランキングも6位まで上げ、2試合連続での国際線に。

アーケンビエコアは2014年のプロデビューから10年でこれが45戦目となる戦績豊富なファイター。昨日のRoad to UFCに出場したイーブーゲラ、ズー・カンジエ、元UFCファイターのウリジ・ブレンとも対戦経験がある。30歳。

エフェヴィガが距離を詰める。カーフキック。ジャブが顔面を捕らえる。またジャブからカーフキック。アーケンビエコアがタックルに。反応したエフェヴィガだが、アーケンビエコアが四つに組み付いてケージに押し込む。両脇を差し返したエフェヴィガが入れ替えてケージに押し込む。押し込みながら左でパンチを打ち込むエフェヴィガ。レフェリーブレイク。カーフからジャブを入れるエフェヴィガ。蹴られた足が効いているアーケンビエコア。タックルにアヒルが組み付けず。ジャブをもらっているアーケンビエコア。残り1分。エフェヴィガがプレッシャーを掛けるとケージまで後退するアーケンビエコア。詰めてくるエフェヴィガにローキックを出したがローブローに。再開。ジャブから右ストレートを入れたエフェヴィガ。距離を詰めて腹にヒザをヒット。四つに組んだアーケンビエコアだがホーン。

2R開始後にタイムストップ。アーケンビエコアの右スネの出血のドクターチェックが入る。続行。ジャブで詰めるエフェヴィガ。アーケンビエコアのタックルは間合いが遠く切られる。またタックルに。今度はエフェヴィガの右足に組み付いてシングルレッグ。片足でこらえるエフェヴィガ。アーケンビエコアがケージに押し込んだが、両脇を差し返して入れ替えるエフェヴィガ。押し込みながら左のパンチを打ち込む。腹にヒザを入れた。離れるエフェヴィガだが、ケージを背負うアーケンビエコアに左ボディアッパー!うつ伏せに倒れたアーケンビエコア。パウンドを打ち込むとレフェリーストップ!

2R2分31秒、エフェヴィガKO勝ち。

エフェヴィガ「このレベルでは相手いないでしょ?って言うつもりだったんですけど、この内容では納得行かないです。いい勉強させてもらいました。修斗の上位ランカーたちはいつものように逃げてばかりなんで、修斗に相手が残っているかわからないですけど、いつかやると思うんで、その時はよろしくお願いします」

Road to UFC3 Episode3:第3試合・ユ・スヨン vs. 野瀬翔平

バンタム級トーナメント一回戦。

スヨンは韓国のBLACK COMBATバンタム級王者として、2023年9月に後楽園ホールで行われたDEEPとの対抗戦でDEEP王者の石司晃一 と対戦。シングルレッグからテイクダウンを奪ったスヨンが、最後はバックマウントからパウンドを打ち込んで1RKO勝ち。両団体のベルトがかかったダブルタイトルマッチだったため、DEEPバンタム級のタイトルも獲得した。12月にはもう1つ保持していたカザフスタンのNAIZA FCのタイトル防衛に失敗、2024年1月のBLACK COMBATバンタム級の防衛戦でも、キム・ミンウにローブローを入れてしまいノーコンテストに。4月にRoad to UFC出場が決まったことで、DEEP王座を返上している。

野瀬はRoad to UFC唯一の3年連続トーナメント出場。2022年は初戦で元UFCファイターのウリジ・ブレンに負傷TKO勝ちしたが、準決勝では優勝した中村倫也に1RKO負け。2023年は初戦で決勝進出したシャオ・ロンに僅差の判定負け。12月の『TORAO 30』で神田T800周一に勝利すると、2024年2月には初参戦となった『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』で瀧澤謙太を2Rパウンドアウトしている。

いきなり詰めてハイを入れた野瀬。タックルに入る。ケージでこらえたスヨンが払腰で投げたが、勢い余って下になり、野瀬がバックマウント。前に落とそうとするスヨン。後ろ三角から腕十字に切り替えた野瀬だが、前に落ちたところで今度はスヨンがバックについて両足フックしバックマウント。四の字ロック。前に落とそうとする野瀬。片足のフックが外れたが、スヨン前に落ちずバックキープ。スクランブルで脱出を図る野瀬だがスヨンがついていく。スヨンがバックマウントからマウントに行こうとする瞬間に脱出する野瀬。しかしすぐにタックルで倒して上を取るスヨン。野瀬バギーチョークを狙う。が、やや浅い。外れた。残り30秒。今度はスヨンが肩固めを狙うが、ガードに戻す野瀬。ホーン。

1Rスヨン

2R。カーフを蹴る野瀬。スヨンがタックルへ。ギロチンに抱えた野瀬だが、胴絞めさせずにサイドに出たスヨン。TTパスの体勢から逆サイドに出てパスを狙うスヨン。野瀬がケージを使って立とうとする。前転してスクランブルを仕掛けるが、スヨンついていってバックマウント。足のロックを外してマウントに移行する瞬間に立ち上がろうとする野瀬だが、バックについて立たせない。野瀬が股下を抜けようとしたところでスヨンがまたバックに回る。野瀬オモプラッタに捕らえた。さらにアンクルも狙うが時間がない。ホーン。

2Rもスヨン

3R。野瀬が詰めていく。ミドル。スヨンサークリング。野瀬タックル。ケージに押し込む。スヨンは2Rまで取っていると見ているのか、やや消極的。ケージで耐えて時間を使う。野瀬のヒザがローブローに。再開。パンチを振る野瀬だがスヨン距離を取る野瀬タックル。リフトしてテイクダウンするが、倒された瞬間にすぐ立つ動きを仕掛けて立ったスヨン。距離を取るスヨンを追っていく野瀬。ケージに追い込みタックルへ。スヨンはスタンディングでキムラを狙う。放した。また下がるスヨン。タックルに来た野瀬を入れ替えてケージに押し込むが、大内刈りでテイクダウン。すぐハーフにしたスヨン。またガードに戻す野瀬だが、スヨンまたTTパスの形。腰を殺されて足が効かない野瀬。ハーフ。野瀬またバギーチョークを狙うが外れた。タイムアップ。

判定30-27×2、29-28の3-0でスヨン勝利。

グラウンド・組みの動きで少しずつだが確実に上を行ったスヨン。3Rは逃げ切りながら、最後の2分でしっかりポイントを取りに行くクレバーな戦いぶりで完勝。

Road to UFC3 Episode3:第2試合・ジー・ニウシュイエ vs. チェ・ドンフン

フライ級トーナメント一回戦。

中国のニウシュイエは2023年もRoad to UFCに出場し、初戦でインドネシアのビリー・パスラタン、準決勝では2021年準優勝のチェ・ソングクに勝利。決勝で鶴屋怜と対戦したが、首投げで投げられてマウントを取られると、最後はバックマウントからのパウンド連打で1RKO負けした。23歳。

韓国のドンフンは2021年にプロデビューし、韓国のTOP FCとDouble Gで2勝ずつすると、直近2戦は日本のGLADIATORに出場。2月に行われた配信大会の『GLADIATOR CHALLENGER SERIES 01』では、フライ級王座決定トーナメント準々決勝で和田教良から2R開始直後の三日月蹴りでKO勝ち。その後Road to UFC出場が決まったことで、トーナメントからは円満離脱している。25歳。

両者サウスポー。ローで牽制し合う。スイッチしたドンフン。ニウシュイエが詰めるとバックステップで距離を外すドンフン。インロー。飛び込んでワンツーからボディまで入れたドンフン。まだ大きな展開がないまま残り1分。バックキックをボディに入れたニウシュイエ。タックルで飛び込んだ。バックに回ったが、ケージで向き直ったドンフンが四つでクラッチ。そのままケージに押し込みつつ肩パンチを入れる。ホーン。

ややニウシュイエのラウンド。

2R。まあオーソで構えるドンフン。詰めて首相撲から膝を入れる。スイッチを繰り返すドンフン。詰めてきた。インローにパンチを合わせるニウシュイエ。前蹴り。飛び込んできたニウシュイエに右フックを合わせるドンフン。右ストレート。ニウシュイエワンツー。蹴り足をキャッチして倒したドンフン。立ち際にパンチを入れた。さらにハイ。その足をキャッチして逆にニウシュイエがテイクダウンすると、ドンフンの立ち際に蹴りを入れる。グラウンド状態だったが頭部にはヒットせず空振り。ドンフンの右フックがヒット。ニウシュイエは右ボディ。ワンツーで飛び込んだニウシュイエを組み止めたドンフン。ニウシュイエが反り投げを狙ったが潰して上を取るドンフン。ハーフからがぶりになるが、また寝かせるドンフン。バックマウントから反転しようとするニウシュイエにマウント。ハーフにしたニウシュイエ。ドンフン押さえ込んだまま肩パンチ。ホーン。

2Rドンフン。

3R。組んだドンフン。四つでケージに押し込むが、ニウシュイエが差し返して離れる。カーフキック。右ボディ。ワンツー。右フックで飛び込んだ。また右ボディを入れるニウシュイエ。ジャブ。手数を増やしてきた。右ハイからパンチで出たが、ニウシュイエのパンチでスリップ気味に倒れる。すぐに立った。蹴り合い。間合いが近くなった。ミドルを入れたドンフン。ニウシュイエミドル。ドンフンもパンチを返す。詰めたニウシュイエ。ドンフン距離を取るが逃げ切り狙いか?ニウシュイエのパンチは距離を取り空振らせる。タイムアップ。

3R次第。

29-28ニウシュイエ、29-28ドンフン、29-28ドンフン。スプリットでドンフン勝利。

修斗240519:第2部第5試合・ソルト vs. ハイライ・ウーシャアモー

女子ストロー級

2023年4月にKARENを破り、パンクラス女子ストロー級王座を獲得したソルト。6月の『RIZIN.43』では地元北海道に凱旋したが、階級下の大島沙緒里に首投げで投げられ、袈裟固めからのVクロスアームロックで一本負け。12月の『COLORS vol.2』ではプロMMAデビュー戦となる韓国のホ・ジュギョンに対し、スタンドでの回転の速いパンチ連打を打ち込んでKO勝ちし、再起を果たしている。

ウーシャアモーは23歳で6勝1敗。現在5連勝中で、直近3戦はKO勝ち。2021年には前日のRoad to UFC女子ストロー級トーナメントで勝利しているシー・ミンにも判定勝ちしている。23歳。

前蹴りからバックブローを入れたソルトだが、ウーシャアモーが四つに組み付くとスタンドバックに。投げを狙う。すぐに立ち上がったソルトだが、また投げると両足をフックしバックマウントに。足のロックを放して立ち上がるが、なおもバッククリンチしているウーシャアモーがまた投げてテイクダウン。また足をフックさせるウーシャアモー。また両足フックされたソルトだが、フックを解除すると正対し立ち上がる。しかしウーシャアモーは四つでなおもテイクダウンを狙う。ケージでこらえながら差し返そうとするソルト。入れ替えて離れるとすぐに打撃で出たソルト。バックブローを放ったが、かわしたウーシャアモーがまた組んでボディロック。スタンドバックに。終盤ウーシャアモーがまた投げて1R終了のホーン。

2R。四つで組み付いたウーシャアモー。ソルトはケージ際まで移動すると、ケージを背負ってこらえる。離れたウーシャアモー。すぐに詰めるソルト。ローからジャブ。右。ウーシャアモーシングルレッグ。スタンドバックについた。バッククリンチするウーシャアモーのクラッチを切ろうとするソルトだが切れない。後方に引き込んでバックマウントを狙ったウーシャアモーだが、ソルト反転しようとする。ウーシャアモー前に落とされそうになるが、腕を掴んで腕十字へ。腕が一瞬伸びたが、腕を抜いて正対し外したソルト。残り30秒。立たせたソルト。すぐに組み付いてケージに押し込んだウーシャアモー。ホーン。

3R。ミドル・サイドキックを入れるソルト。ウーシャアモーが組みに来るところにヒザを入れるが、ウーシャアモー組んでケージに押し込んだ。左脇を差して押し込むウーシャアモー。ソルト首相撲に捕らえるとヒザを連打する。ウーシャアモーシングルレッグに切り替えるがこらえるソルト。入れ替えて肘を入れるとウーシャアモー効いた。しかしまたタックルへ。パウンドを入れるソルトだがウーシャアモーはバッククリンチ。投げをこらえたソルトが向き直る。なおもテイクダウンを狙うウーシャアモー。外掛けで倒そうとするが倒せず。レフェリーブレイクするが、再開後にすぐタックルに入ったウーシャアモー。バックについて四の字ロック。向き直ろうとするソルトからバックをキープしたままタイムアップ。

29-28ソルト、29-28ウーシャアモー、29-28ウーシャアモー。スプリットでウーシャアモーが勝利。

対抗戦は日本3勝、中国2勝となった。