室町時代に活躍した雪舟(1420-1506)の国宝六件がそろった展覧会を京都国立博物館で拝見した(5月26日迄、巡回なし)。チラシに「近世における雪舟受容をたどる」とあるように、興味深い切り口で、真筆、伝、模作などが最新の研究を踏まえ「画聖(カリスマ)」の誕生にせまる。
[備忘録]
国宝は展示順で、1-『秋冬山水画』 4-『破墨山水図』 5-『山水図』 6-『四季山水図巻』 7-『天橋立図』 9-『慧可断臂図』。
小生嗜好は 3-『四季山水図』 10-伝『富士三保清見寺図』 27-狩野探幽『山水図屏風』 34-狩野常信『西湖図』 42-狩野常信『雪舟筆鎮田瀑布図模本』(鳥羽茂) 53-谷文晁『雪舟筆自画像模本』(マン・レイ) 60-曾我蕭白『富士三保清見寺図』 87-狩野芳崖『地中海真景図』(絵葉書)
谷文晁の自画像模本に、マン・レイの肖像写真に繋がる視点を見付ける。また、富士三保松原図の揃い踏みに驚き、日本人の風景感がこうして作られたと思う。── 好みからすると曾我蕭白。狩野永岳の旭日がよろしいな。それで、絵葉書を求めてしまった。絵葉書好きには狩野芳崖の真景図が気にかかる、1882年とすると、彼の国の絵葉書ブームと一致します。