もの・こと・じょう・ほう

見据えた海は大海原。耳を澄ませば人の声。振り向き様に富士の山。影の先に一輪の花。

自宅から実家へ自転車で走ってみた~その3:土下座と迷子とすき焼き~

四日市を9時に通過して自宅へ電話。だいたいこんな感じ。

まるこめ「今、四日市いるんやけど、今日そっち行くな」

母「仕事か?」

ま「自転車やで」

母「肉にするか?」

ま「頼んだやで」

 

まったく自転車で来てることに突っ込まない母大丈夫か。

 

四日市から鈴鹿、亀山、関を過ぎると鈴鹿峠。正直、ママチャリの時にそんなにつらかったとは思ってなかったのでいけるやろ~(ハナホジ

ちょっと待って、こんなに登りきつかったっけ?

ちょっと待って、向こうにめっちゃ角度つけながらトラック走ってるけどあそこまで行くのん?

ちょっと待って、前回下りやったから気づかんかったけど、登り車線の方が登ってるやん?

完全に予定が狂いました。右ひざがいつ悲鳴をあげるか。ふとももがいつつってしまうか。時間だけがただただ過ぎていく。

この峠に入る前に眠気に襲われそうになった体が覚めてしまうこの登り。おかしい。鈴鹿はもっと優しかったはず。

結果的に水口に下りた頃には50分の遅れが出る結果。

ただ、ここからは緩やかな下りと草津から京都への市街地を抜ければいいだけなので、比較的坦々と。

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ただ、右膝はそろそろ限界に達しようかとしており、大津から山科への逢坂の関手前で歩いたり、山科から京都への三条蹴上の登りも歩いている始末。

この写真撮ってる時も足がガクガクでした。

15時に逢坂の関、15時40分に三条蹴上を越えてやっとのことで京都へ。

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お決まりのDOGEZA★16時前で西日が照らしている。

ここからは自宅へ向かえばいいのですが、北摂地域へ進むには国道171号線、いわゆるイナイチを通る必要があり、三条大橋から西京極へ行くとなると京都市内を横切ることになり、これまた時間がかかる。そして大山崎から高槻・茨木方面へ抜けるところは走りづらい。そうすると西国街道を通ることになるけど、合流地点がわかりづらい。

案の定、迷いました(テヘペロ

おそらく40分くらいは無駄した気がする。

そんなこんなでボロ雑巾のような身体で到着した実家。

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あぁ~すき焼きの肉と白米とビールが五臓六腑に染み渡るんじゃ~

実家とかいう五つ星ホテルを堪能し、無事企画完了!

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自転車のお姉さんとはてなちゃんいなかったら絶対走り切れなかった。

何かを背負って走るとこんなに力が出るんだなって。ほかのサイクルジャージじゃ無理だと思う。

箱根旧道の容赦ない坂、静岡の向かい風、愛知の夜の冷え込み、鈴鹿の予想外の登り、気力体力の限界と向き合った三重・滋賀・京都。

計36時間で500km。走り切った。

自宅から実家へ自転車で走ってみた~その2:向かい風と冷え込む夜~

静岡県を住んだこともない私がざっくりわけると

伊豆半島

三島~富士

静岡

藤枝~金谷

掛川~浜松

となります。このうち、静岡から藤枝へは宇津ノ谷峠(トンネル)を、島田から金谷へは日進・金谷の峠を越えるという地形上区分が根拠になっています。

さて、その1では富士から静岡へ入るところまででした。

今回は静岡県の残りと愛知の部分です。

16時ころ静岡市内を走っていましたが、日が傾き、目線に太陽光がまぶしくなる時間です。

このあたりからウインドブレーカーを着て少しづつ厚着に変えていくところです。

 

さて、自転車乗りの間では、静岡を走るときは西から東に走ることを進めることがあります。それは風向です。

去年の24時間日本橋名古屋でもそうでしたが、強烈な向かい風を浴びて必要以上に体力を奪われる事態がありました。今回も結果としてこれに遭い、愛知に入るまでしんどい思いをしています。

実際には西北西で4~5m/sなのですが、少しでも正面から風を受けるとたちまちこちらのスピードが落ちます。つらいです。

峠を登るときはいいのですが、せっかくの下りや平坦でこれだとスピードが出なくて距離を稼げません。

 

静岡市内から宇津ノ谷トンネルに入ったところで17時。なんとか予定通りですが、ここから風と夜の冷え込みとの闘い。どこまで予定通りで行けるか不安です。

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宇津ノ谷峠の道の駅から。側道に入る関係から東京方面に移っています。

ここあら藤枝→島田を抜け、大井川を越えて金谷に進むと再び登りが始まります。宇津ノ谷とここの登りは楽なのでサクッと行きます。しかし、藤枝を通過するころにはあたりは真っ暗。市街地や大通りであれば街灯ですこしは明るいですが、少し離れると真っ暗です。おまけにこの日は三日月がすでに西に傾いており、空からの光も望めない。

金谷の峠を越えると掛川→袋井→磐田→浜松へと続きます。

去年は磐田で海側へ下るルートをとりましたが、前回はまだ日が出ており、街灯が少ない県道でも通過することはできましたが、今回は夜。事故なく走るには市街地を走る方が賢明です。

なので、浜松の市街地を通ってから浜名湖へ向かいます。

このあたりからは夜の冷え込みとの闘い。浜松市街地に到達したころはすでに21時を回っていたため、ここから翌日の7時ぐらいまでは冷え込みがどんどん厳しくなります。そのころには名古屋を通過してるかなとか考えてました。

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浜名湖を越えて新居の関所へ。ここで23時。まだ予定通り。ここから豊橋市街へは前回同様県道3号を使い、潮見坂を回避するルートを通ります。ここのためだけにレザインの強力ライトを持ってきたところあります。

前回はこの先のサークルKから名古屋駅まで4時間30分で91km走ってますが、そこまでがんばりたくなかったので、あの時の成功事例は忘れて坦々と走ります。

日付が変わる0時前に愛知県に突入し、1時前に豊橋市内へ。

岡崎市街へは3時前に到着しました。

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くっそ寒くて震えた手で掴んだスマホを一回落としてからまた落とす状態でした。

このあたりから名古屋走り(?)というかそういう偏見とかは置いといて信号と制限速度を守ろうという気もみせない自動車が多く見えて、アレはいかんでしょと思いながら横目にしながら名古屋へと向かいます。正直アレはどうなんですかね?

豊橋から豊川、岡崎、刈谷知立、豊明へと市街地ごとに温かい飲み物を補給して日の出を待ちながら名古屋へ。

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名古屋の松田橋を左折するとそこからは「ロードバイク」では未知の世界。

ママチャリの時はここを通っているので思い出しながら走ります。

名古屋を過ぎたあたりから少しづつ太陽が出てきそうな状態が続きます。このあたりで両膝に違和感が生じたことと筋肉の疲労がピークを迎えたのか、ペダルを踏む力が出ず、ならば回そうとしても回らない。ただただペダルに足を添えて重力だけで回すだけになってしまいました。明らかにハンガーノックと休憩不足です。上の写真はその状態で橋の歩道を歩きながら越えてるときにとったもの。6時前。

久里浜から24時間経った11月4日朝7時。木曽川は越えて四日市が近づいていました。

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このすぐ行ったところのセブンイレブンでラーメンすすりながら太陽拝んでたは忘れない。

~その3~へ続く。

自宅から実家へ自転車で走ってみた~その1:まだ順調だったあの時~

この日記を書くのが久しぶりで、ちょうどひとつ前のエントリーが去年東京日本橋から愛知名古屋駅まで24時間で走るという記事。

そのあともいろいろ走ったけど、記事にしてないのんなw

 

今回は自宅(南房総地域)から実家のある大阪(北摂地域)へ自転車だけで帰るという企画。

ルートとしては自宅から浜金谷へ行き、東京湾フェリー久里浜へ。

久里浜からは一つ下と基本的には同じルートで箱根→富士→静岡→浜松→豊橋→名古屋。

名古屋から先はママチャリ旅と同じで四日市鈴鹿峠→水口→草津→京都→実家。

~その1~では久里浜から由比まで。

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11月3日の朝7:00。浜金谷を6:20に出航した東京湾フェリー久里浜港に到着します。

東京湾フェリーは自転車をそのまま載せることができるので、東京湾1周をしたり、神奈川県から千葉県へ自転車やバイクツーリングする人など木更津のアクアライン以南の足として利用されています。

ここからまずは鎌倉・江の島方面へは久里浜市街を北上し、葉山へと三浦半島を横断します。そこからは湘南海岸に出てひたすら西へ西へ。全速西進DA★

鎌倉を過ぎると、東京にいたころから何度か自転車で通っただけあって、道もわかるし快調に飛ばしていきます。

一気に小田原、箱根へと到着。箱根湯本には10時40分に到着。

ちょうどこの日は大名行列(?)があるらしく、予定していた箱根旧道が一時閉鎖されることとなっており、危うく予定が狂うところでした。

通常は箱根駅伝でお馴染みの大平台・小涌園を通る国道1号線を通るのですが、同じつらい登りなら短くてグッと登る箱根旧道(箱根湯本駅手前で川を越えて登る旧道。七曲りなどで有名)の方が精神的に楽(肉体的に楽とは言ってない)など、こちらを選択。

どちらにせよ、しんどいし、何台のロードバイクに抜かされたかわからないくらいノロノロしながら芦ノ湖へ。

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12時過ぎに到着。この時間は富士山がちょうど雲に覆われてましたね(赤い車の上の方。見づらいw)

ここでしっかり休憩。どうせあと400キロ以上走るんだし~と思いながら隣で集団で誰が何分とか誰の機材がどうでとかを聞き流し、体を休める。(話しかけずにそんなことしてるから人の輪が広まらないのでは?)

箱根からはちょっと登って三島まで下る下る。下るというより転げ落ちる感じで。

三島から沼津を通り、松林の道を抜け、富士へ。富士川は歩道を通らないといけないので、体を休めながらダラダラ走る。

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富士川の西岸から。ここで15時。一応予定通りだが、思った以上に太陽の進み具合が早い。さっと足のケアをして再び走り出す。

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由比・寺尾の歩道橋。富士山の頂上が見える。

富士川を越えて静岡市内へはバイパスではなく、県道と自転車道を通る。ここはその県道から自転車道へ移る歩道橋から。この左には伊豆半島が存在感を持っているのだが、いつかは伊豆半島一周してみたいものだ。(コース的に難しいと専らの話)

ここから静岡市内へと続き、藤枝市へと抜けるためには宇津ノ谷峠(実際はトンネル)を抜けるわけだが、その下りで速度が出ることからすると日没すぐぐらい、17時くらいには到着したが、太陽の進みが早く、大丈夫かと不安になりながらも、予定通りに距離を稼ぐ。

~その2~へ続く。

東京→名古屋を24h以内で走ってみた~その4 新居町→名古屋・東京(終)~

時間は23時43分。ここは東京駅の新幹線ホーム。

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 ぼろぼろの体力で写した写真。

 だが、この写真こそ、今回の旅路の成功を告げる写真であった。

 

 

 時間を戻して17時過ぎ。

 終電リミットまで5時間、いや、輪行準備と切符購入等を考えるとあと4時間40分といったところか。

 全速前進。県道3号をフルパワーで進む。アウタートップで踏む。なんでだろう。想像以上に進む。下りの勢いがあるだけじゃない。

 風だ。いままで向かい風に煽られた道のりが90度変わって北西へ変わったタイミングで風がそれまでの南西から南東寄りに動き出していた。

 これが風の力。

 フルパワーで踏み続けることを少し緩めてもそのスピードはほとんど減らない。

 すごい・・・ここまでの追い風を経験したことはない。向かい風なら今日に限らず幾度となくあった。

 国道1号に合流し、豊橋、豊川へ。途中、高架橋を登り始めたところで、国道1号東京から300kmの標識があったはずだと思った。下りに入った途中で、みえた。思った通りだ。

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 ママチャリの時の写真であるが、この時は登りの途中で岡崎からの名鉄・高速の山麓に心なぶられていたことを思い出す。

 そう、もうすぐ岡崎だ。でもその前にあの山麓沿いを走るのだ。

 風はまだ背中を押している。味方についた風と共に、気づけば岡崎の市街地に突入していた。

 時刻は・・・19時25分。いける。まだ諦めるところではない。ここから先はもう名古屋駅まで走り続けるのみ。失敗のことはすでに頭になかった。

 絶対間に合あせる。だからもっと前へ。もっと速く。

 ひたすらにペダルを回す。高架の下をくぐった。中京競馬場あたりだ。

 4年前の記憶がちょっと前のことだったかのように思い出せる。

 まだ遠い。けど、間に合う。

 高速道路が見えてきた。名古屋市内に入った。

 信号1回ごとに「熱田神宮」の文字を探した。中々みつからない。時間は21時をまわっていた。

 近いのに遠い。そんな気持ちの中、ついに見えた。国道1号線の左折ポイント、それはすなわち熱田神宮に着いたことを意味した。時間は21時11分。

 この時点で東京→名古屋の初級キャノボは22時間35分で成功となった。

 しかし、まだ終わりではない。

 もう一つの目標のためにひたすら回す。

 この時、どこで曲がれば名古屋駅の目の前にたどり着くかなんてことは忘れていた。

 とりあえず、名古屋駅という方向標識を探してさらに北へ進む。

 ここか。いや違う。ここか。いや、ここも違う。

 数キロがとても長く感じた。

 そして見えた。駅前のタワーが真西になろうとした時、名古屋駅の方向標識だ。

 曲がった。ん?なにか違う。そう、少し早く曲がりすぎたのだ。信号ごとに道行く名古屋の方に道案内を頼む。長い信号待ちではここまであったことを話して労をねぎらわれたり、ドン引きされたり。それでもみなさん、親切に教えていただいた。

 名古屋駅の看板。21時40分。

 東口だから輪行準備したら新幹線改札までは反対方向に歩いていかないといけないことはわかっていた。

 急いで準備し、切符を購入。

 立ち止まってから汗がひどく、ミネラルをため込んだ汗が目に染みる。あとで見返したら充血していた。

 券売機はなれたもの。自由席で改札へ。

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 「9月20日21時55分名古屋入場」の赤い印字。最終電車どころかさらに1本前に乗ることができた。

  

  

 自宅。時刻はすでに日付をまたいでいた。

  

  

 長い長いあの日が終わった。

  

 翌朝、目が覚めると、洗濯したサイクルジャージが天井にみえた。

 ※写真は箱根ヒルクライム時のもの。今回はこちらのジャージを名古屋までお届けしました。

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 「「おはよう少年。月曜日だ。」」

 連休の3日目、月曜日の朝。名古屋までお供したサイクルジャージが呼びかけた。

東京→名古屋を24h以内で走ってみた~その3 掛川→新居町~

 風。東海道は基本的に西から風が吹き、昼間は南西から吹き付ける。

 ここから先、掛川から浜松、浜名湖へはまさに向かい風に正面からぶつかる。

 掛川、袋井へとバイパスではない国道1号と県道主要道を走りながら磐田へとたどり着いた。まだ、金谷で勝ち得た10分は保っている。

 ここからは道を大きくはずれる道へ行く。

 通常なら国道1号は磐田から浜松へほぼ道なりまっすぐなのでが、ママチャリのころに取ったルートを信頼して、大きく進路変更をした。

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 本来なら青色のルート、国道1号または浜松市街地を抜けて左下の浜名湖へ突入する。

 今回は赤のルート。磐田市街地の北辺を走る国道1号から磐田市街地へ入り、県道259号で先に南下。掛塚橋を渡って西へ西へのルート。

 ママチャリの時にこの道を選択して、見通しがよいのどかな田んぼが広がる地域だった。一度走ったことがある道。こちらの方が風がある中で精神的にも楽だろう。

 磐田市街地を抜けて田んぼが広がる。田んぼ以外の障害物がない・・・・風がもろに向かってくる。きつい・・・・やらかしたか。さらには磐田市街地を抜けてすぐに休憩ポイントを設定してたはずなのに、いつまにか通りすぎてしまった。先の掛川での補給があった分、ここは突っ走るしかない。しかし、ブランケットをもって上半身が上がったままだと風の抵抗を体で受け止めてしまう。

 見通しがいいが風の抵抗を受けないように低い姿勢。下ハンドルしかない。下ハンドルを握って抵抗を減らしながら、でも見通しが良いから危険さも少ない。そしてほぼ一本道なのでコースミスの心配もない。

 だんだんと最後の一級河川、天竜川の河川敷に近づく。掛塚橋を越えた。

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 時間は予定通りに戻っていた。いや、予定通りに収まってくれた。15時25分。

 浜名湖新居関所をみながら通過する。

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 あれ、おかしい。新居関所が16時43分・・・?そこから500mのところでの休憩ポイントで16時50分?

 休みすぎた・・・・ここから名古屋まで90kmいかないくらいあるはずだ。

 愛知に入るとあまりタイムをかせげた覚えがない・・・・ママチャリの時はそうだった。あと、車の走りが荒いと記憶している。

 あと5時間で90km。しかも最後は名古屋の市街地だ。普通の市街地とは違う。日本有数の都市のど真ん中を走るのだ。信号も多いだろう。車通りも多いだろう。遅くなるに決まってる。時速18km/hとみればできそうな気がするが、いつもの私だとこのペースを270km近くを初めて走ってからそれを求められると正直無理がある。

 ただでさえ、さっき向かい風と戦っていたのに・・・・

 どうしよう・・・・ここにきて迷いが生じた。名古屋発東京行終電どころか初級キャノボでさえ、下手すると失敗するかもしれない。

 でも、ここまでやって失敗して悔しい思いをするのはいやだ。

  

  

 やろう。まずは国道1号と合流する地点。そして岡崎まで行ける限りやろう。

 補給を少なくしたいとの思いから、補給食をリュックにも詰めて休憩は自販機での水分補給に限る。これでどこまで時間を削減できるかわからないが、そこまでしてできるところまでやるしか思いつかなかった。今思うと判断として良いものとは思えなかった。

 休憩ポイントから岡崎まで約50km。ほぼ半分だ。ここで20時を過ぎていたら諦めよう。もともとの予定通過時刻は19時30分になので、30分も遅れたらもう取り返しがつかないからだ。

 そして、新居関所を通るということはまた別ルートを走ることになる。 

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  新居町まできて国道1号にもどるなら青ルートであろう。本来ルートをよく理解してないから浜松バイパスの通行がどうなっているか知らないけど。

 今回は赤。県道3号で豊川の手前まで行くルート。記憶では小刻みなアップダウンだが、感覚的に嫌いではなかったという好印象の場所だ。車通りもまばら。

   

  

 ケイデンス上げ続ける。休憩ポイントを出発した時、時計はすでに17時を回っていた。予定時刻より約30分遅れていた。

東京→名古屋を24h以内で走ってみた~その2 三島→掛川~

 箱根をくだる。眼下に見えるは三島・沼津・海。いい景色である。

 下りは得意ではないので、ゆっくり慎重になってしまう。

 下りきって引き続き三島・沼津・富士へと走っていく。

 沼津から富士へはわりと速度が上がりやすいという気持ちになるので、足取りも軽い。実際には向かい風だったようだが、追い風の実感があった。

 富士が見えて富士南のイオンがみえたらもうすぐ富士川だ。静岡の三つの大きな一級河川の西側。奥に見えるは伊豆半島か。ここで8時27分(予定時刻8時30分)。

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 いい天気で、野球少年がいっぱい河川敷にいました。

 ここをすぎて500mほどで2回目の休憩。少しもたついて出発が8時50分。ここからは海岸線近くを走るが、自転車はひとつ中の道に入る。バイパスだ。自転車通行が不可だったりするので、一本中の道に入らざるを得ないのだ。

 由比をすぎて歩道橋から一枚。

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 奥が富士。手前が清水・静岡。このあたりは浜風が強いのかと思いきや、堤防のおかげで無風に近い状態で通過。そそくさと通過して清水、静岡市街地を通過。若干遅れてるかなと思いつつ、気持ちペダルを早く回す。静岡通過10時30分(予定時刻通り)。

 静岡市街地を過ぎると峠だ。宇津ノ谷峠。道路で通過する分には斜度もなく、あっさりと通過できる。ここで休憩。ロードに乗るカップルを尻目にボッチ飯である。

 宇津ノ谷峠はトンネル通過なので、そそくさと通過する。通過時刻11時00分(予定時刻11時15分)。

 宇津ノ谷トンネルを越えると藤枝・島田を抜け、二つ目の一級河川、大井川が姿を現す。これが艦これできくガチレズ大井っちか・・・

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 大井川を越えると、次の山岳、金谷の登りが始まる。ママチャリのころは掛川側から登って心折られたトラウマの地。水分の補充をよく確認していざゆかんとす。

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 なんかすでに嫌な予感しかしませんけど・・・・・

 大井川側はたしか距離が短いが勾配のある方。距離が短いことが何よりもである。

 意を決して登り始める。すでに200kmは超えていた脚にはかなりきつい。誰も抜いていかないことをいいことにアヘアヘしながら登るといつのまにか登りきった。

 途中、眼下には大井川・島田・藤枝と見えた街並みは消え、茶畑が広がっていた。

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 あのトラウマを突破した。思ったほど脚にはきていない。

 このあたりから24時間以内、そして名古屋発東京行終電に間に合うのではという期待がでてきた。予定より10分近くリードできたのだ。ギリギリ設定の中で10分つくるだけでも大きい。ママチャリの頃は真っ暗の道を泣きながら走っていた。あの時とは違う。(いろいろな意味で)

 行ける・・・・そう思いを胸に下り始めた・・・・・

  

  

 おかしい・・・・この下り、日坂バイパスの1つ横の道。舗装も申し分ない。下りの傾斜も問題ない・・・・おかしい・・・・「スピードがでない」・・・・

 焦る気持ちとは裏腹に下り区間が終わり、平地に入ると、さらにスピードが落ちた。

 やはりあの金谷の登りで脚にダメージがきてたのか・・・マシントラブルか・・・・休憩ポイントを早めにとり、ストレッチと自転車の確認をした。問題ない。脚も下りで休めたから大丈夫なはずだ。

 場所確認で撮った写真にその原因を推しはかる状態が映し出されていた。

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 風だ・・・・・南西寄りの風が吹きだしていた。おでんののぼりがこの後の失速を予感させていた。

東京→名古屋を24h以内で走ってみた~その1 日本橋→三島~

 先日、東京の日本橋から名古屋駅まで自転車で走ってきました。

自転車界隈には東京・大阪間を24時間で走る、キャノンボールと呼ばれる謎の一人完結の修行がありまして、東京から名古屋はその初級として扱われる位置づけになります。

 ・・・とはいっても、東京から名古屋、地図で線引きすると360kmありますし、新幹線でも90分くらいかかりますよね。

 で、要は自転車で24時間以内で走るのです。ね?簡単でしょう?

以前、といってももう4年近くになるのですが、京都→東京を3泊4日でママチャリしたこともあって、いくばくかの記憶がまだ残っていました。

f:id:marukomekid:20150923201357j:plain <思い出しました。(引退したんだよなぁ・・・)

 まだスタートしてないので、走りながら思い出すだろうということで、準備にとりかかりました。

 スタートは9月19日の22時30分。場所は東京日本橋。国道1号の起点。

 ゴールは9月20日の22時30分。場所は愛知名古屋駅

 キャノンボール的には手前の国道1号が左折する松田橋(熱田神宮南側)だろうと思われます。

 で、それだけでは物足りないと思った当時の私(いまからすると殴り殺してやりたい)は名古屋発東京行きの最終電車が22時12分に発車するので、それに乗る、つまり、22時には着くというさらに厳しい縛りを設けてしまいました。

 新幹線に乗れば縛り成功、つまり初級キャノボ成功という算段です。

 机上でルートを引くと、オンタイムで22時到着というギリギリのペースになっていたのですが、まぁ、縛りは失敗でも初級キャノボは成功すればいいし、最悪、それより遅い新大阪行きに乗って実家に帰ればいいやという気持ちもありました。

 さて、日本橋に到着しました。奥が銀座方面です。

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 ただいまの時刻、22時36分・・・・・

  

  

 まるこめ「もう遅れてるじゃねーか!!!!」

 ???「問題ない。少し踏めば取り戻せるさ☆」

 それでは出発。予定では川崎市幸区遠藤町のセブイレを23時30分に通過する(遅れてるから+6分)。でも思ったほど進まない。深夜でもなければ信号トラップにはどうしてもひっかかる。

 結局、実際の通過時間は23時46分。やべぇ、遅れが開いてるやんけ・・・・ここからは横浜、戸塚を抜けて藤沢、湘南海岸方面へ。ここは前々から苦手としている戸塚前のだらだらのぼりがあったが、そろそろ慣れてきたのか、感覚としては楽に通過。

 横浜の手前、青木橋には0時18分(予定0時15分)、一回目の休憩ポイント藤沢辻堂のセブイレには1時40分(予定1時45分)。よしよし、なんとかロスはなくしたか。

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 ここから少しで湘南海岸。大磯で国道1号に合流。まただらだら登らされるし、わずかながら向かい風もあって、思うように進まない。小田原には3時32分(予定3時30分)に通過。ここから箱根湯本までが苦手ポイント。実際以上に上っている感覚に陥るのは何故だろうか。ここで2人ほどに抜かれてしまうが、あれは強い人だと信じて、鈍脚マンの私には関係ないと言い聞かせながらやっとこさ箱根湯本へ。

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 3時40分(予定3時50分)。芦ノ湖へは国道1号駅伝ルートで登ることに。旧道は1度しか上ったことがなく、ここまで暗い状況で登ってないので、回数のあるこちらの方を選択。一応、80分で登りきって、30分休む予定でいましたが実際この暗さだと、心理的に進みづらいなぁとは感じました。実際に暗かった。

 意を決して上ると、暗い暗い。追い越す自動車にありがたみを感じてしまったこの登り。登りきるころには明るくなりだしていました。

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 頂上で5時20分(予定では同時刻に芦ノ湖セブイレにいる)。うーん、この登り。

 まぁ、ここよりきつい坂はないと思えば大丈夫。

 芦ノ湖セブイレでカップラーメンをしっかり汁までいただき、車のうんちゃんとどこまでいくのかのトークで唖然とさせ、再びペダルをこぎだした。

 

*ここまでほぼ100km。残り約260km、最終電車まであと16時間。その2へつづく*