ボスラッシュ

twitterに移行したのもあって、もう一年以上も中止状態にあったこのブログですが、今回ある記録を残しておくために更新する運びとなりました。
その記録とは、2012年3月25日に、私がGMとなって開催したアリアンロッドTRPGの特別企画、「ネームドエネミーを倒そう」のレポです。というわけで、以下が内容になります。

参加者

GM:俺
PL:シロフクさん、羽斬さん、唯利さん、frogguyさん

概要

私がエネミーガイドを見ていて「ネームドエネミーって頭おかしいよな。でも、一度実際にこいつらがどこまで強いのか、そしてそれに勝てるPCってどんなやつなのかってのは一度見てみたい。……よし、ここは1つ、企画を立ててみるか」と思ったのが発端で始まった企画なので、内容はとにかく戦闘オンリーで、次から次にネームドエネミーと対戦していく、というものでした。戦闘の規定としては

  • 基本的にはレベルの低いネームドエネミーから順に対戦していくことになる。よって最初の敵は「塊怨樹」。(レベルが同じネームドエネミーは、PCが戦う順番を選ぶ事ができる)
  • 戦闘が終了してから次の戦闘が始まるまでの間は1シナリオ空いているものとして扱い、アフタープレイ、プリプレイも行なわれる。また、このプリプレイ時に、PC全員とギルドの経験点から1点ずつ引く事で、PCを一人リビルドすることが可能(繰り返し可能)。
  • ネームドエネミーを撃破した場合、その戦闘はPC達の勝利で終了し、PC達はそれぞれ「ネームドエネミーのレベル×3+(全員の余っているフェイトの数)」分の経験点を得る。また、そのネームドエネミーから得られるドロップ品は3倍の値段となり、エクストラドロップを入手した場合は、それに加え、その下のドロップ品の値段の2倍の金額を入手する。(ネームドエネミー以外のエネミーの経験点、及びドロップ品は、通常通り処理する)

というものでした。なお、戦闘に敗北した場合は、基本的には「PCはそのままの状態で、そのエネミーを飛ばして先のエネミーと対戦し、後に再戦する」という方法をとるという事にはしていましたが、かなり未知数な部分が多かったため、実際の所は状況を見て俺(GM)とPLで相談をし、処理を決めていくということになっていました。

PC条件

この企画に挑戦するに当たって、作成してもらったPCのルールは以下の通りです。

  • PC人数は五人、レベルは全員10、初期フェイトは5であったという想定で、フェイト上げか転職を合計5回可能としスタート。ギルドレベルは7で、経験点量は275。
  • 基本的には、アリアンロッド1Eにおける全データを使用し、フルスクラッチでキャラクターを作成(出自も自身で選択可能)。
  • 所持金は各人2万G。また、各人それぞれ1つだけ、価格が10万G以下で、購入不可でないアイテムを所持しておくことができる。このアイテムは他人に渡したりする事もできるが、売却はできない
  • レベルアップの際には、ギルド上納点を別途納めなければレベルアップすることができない(例えば、10→11にアップする際には、そのための経験点100点に加え、ギルド上納分として10点を別に納めなければレベルアップすることができない)。また、PC達はそれぞれ余っている経験点を、PTの間で自由に譲渡し合うことができる。

また、途中から以下のルールも追加となりました。

  • 《インタラプト》はPT内で2つまで
  • 「滅んだ民族の血」など、出自でスキルを取得する場合は、《インタラプト》《エンカレッジ》《ガーディアン》《ファイトソング》は取得不可とする。
結果

もう一言で言います。やっぱりPCには勝てなかったよ……
企画された当初は「詰むんじゃないか」「敵のワンサイドゲームになるのではないか」と、私含め多くの方から危惧されていた当企画ですが、始まってみると「HPが低め」「《インタラプト》《カリキュレイト》《エンカレッジ》が普通に通るので、1ラウンド目は相手が行動する前に大量に行動する事が可能」という2点がキモとなって、「1ラウンドで相手に何もさせずに殺しきる」という戦法が単純かつ最強の戦法として君臨してしまったため、むしろ完全にPC達のワンサイドゲームとなってしまいました。つまり、最後にいたるまで、まともに2ラウンド目を迎えられたエネミーはほぼ存在しておらず、「セットアップの行動を《インタラプト》された後、自身の行動前に《カリキュレイト》や《エンカレッジ》で割り込まれ、自身の行動順が来る前にHPを0にされる」という事態が連発したのです。この状況がどうしても使用していたエネミーのデータでは打破できず、あまりに消化試合じみていたため、最終的には敵のHPを3倍とし、さらに一度PC達が戦闘に敗北する状況になるまではレベルアップをしない、という条件まで追加するところまでいっていまいました(それにより、PT達の最終レベルは18でした)。ですがそこまでしても、もはや人外魔境と化したPC達の進軍を止める事はできず、俺によって「戦ってもしょうがない」と判断されたエネミーとは対戦すら行なわれませんでした(具体的には、「バズス」の後の敵ほとんど)。一応最後の最後、こちらが用意していたエネミーの中では最強のエネミーである「バラム」は一度PC達を敗北に追い込んだのですが、再戦時にPC達がリビルドを行なった事で、やはり1ラウンドで落とされたことと、そもそもHPを3倍にしていてこの体たらくなので、結果としては(ケテルは除く)ネームドエネミーたちの完全敗北であったということになるでしょう。

PC詳細(レベル18時点。スキル欄は極力表記を減らすため、自動取得スキルは省略しています)

「暫定PC1」
PL:シロフクさん メイン:ウォーロード サブ:ドラグーン 種族:ヒューリン
HP:190 MP:112 フェイト:6
筋力44/16 器用28/11 敏捷24/10 知力8/3 感知9/3 精神8/3 幸運9/3
右手:シェルソード 左手:ファストブランド 頭部:ライオンマスク 胴部:剛神の鎧 補助防具:巨人の手袋 装身具:栄光の前立
種族:コンバットマスタリー、エソテリカ:ウォーロード
出自:カリキュレイト
ウォーリア:ソードマスタリー、バーサーク5、クールランニング、スマッシュ、イミューンウェイト
プリーチャー:コネクトフォース5、グレートコネクト
ダンサー:フェザータップ、サマーソルト、エンカレッジ
サムライ:レイジ3、ディフレクション
ウォーロード:クロススラッシュ、ツインウェポン、アームズロジック(長剣)、ファストセット、フルスイング、オーヴァドライブ、ハイパーゲイン
ドラグーン:レジェンド5、レジェンドプラス、エンシェントレジェンド2

名前は未定。途中まではこのキャラクターに順番が回る前にPC3(ボ・マー)が片付けてしまっていたため活躍の機会を奪われていたが、ボ・マーだけの火力では敵を対処しきれない段階になって始めて、そのパワーが明らかになった。ボ・マーによって瞬殺されたアロンダイト・ブランドからファストブランドを、イビルソードから邪眼の宝珠を手に入れていたこともあって、その打撃力は極限まで強化されており、味方からの強化を受けた上で《フルスイング》を乗せた時の打点力は1発300を軽く越え、それが防御無視、しかも2回攻撃で飛んでくるという意味のわからないレベルの火力を保持していた。俺が今回敵のHPの倍加を3倍でやめた理由としては、敵のネームドのHPがだいたい700〜1000ちょっとくらいであるため、何倍しようともこのキャラが攻撃する限り、その倍加した分だけほぼ1メインプロセスで削り取られるだけであるということに気づき、この調子で増やしていったら5倍のHPを用意しても同じことになりそうだと察したからという理由があるほど。
ボ・マーが単メインプロセスで、まさに一度限りの800超の打点を出すキャラであったのに対し、彼は特にリソースを切らず単メインプロセスで600超の打点を出せるキャラであったため、先述した事だがボ・マーの一連の行動で敵が倒しきれなくなってからはまさにメイン火力として活躍し、PTの《エンカレッジ》は主に彼のために存在した。彼の前では例えHPを3倍にしようとも、バズスもクラーケンもアルキュオネスも死を待つ赤子にすぎなかったのである。やっぱりウォーロードは格が違った。

「アルス・ロック」(暫定PC2)
PL:羽斬さん メイン:プリースト サブ:サモナー 種族:ドラゴネット(アンスロック)
HP:93 MP:131 フェイト:7
筋力17/5 器用8/2 敏捷19/6 知力12/5 感知7/3 精神25/10 幸運22/9
両手:ケセドの杖 頭部: 胴部: 補助防具: 装身具:
種族:ドラゴニックシンボル
出自:ファイトソング
アコライト:フェイス・ダグデモア3、ヘイスト、レイズ
モナー:サモン・アラクネ5、ハイサモナー、ガーディアン1
セージ:エフィシエント5、アドバイス5、プレディクション
ダンサー:エンカレッジ
プリースト:ポストヘイスト、パリペイティア3、ヴィジテイション5、ラース4、シーリィ1

振りなおし、防御、ダメージ強化と、かなり支援に特化したキャラクター。最初の方は主にボ・マーの活躍によって、他のキャラクターはほとんど必要ないという状態であったのもあって、なんとスキルが決まりきったのは戦いが始まって4〜5戦後であった。さらにいえば、結局最終的にはアイテムもケセドだけ(最初にもらえるアイテムではミスティックコインを選択)であり、作成に苦労した部分が見受けられる。とはいえ、確かにケセドがあれば十分すぎた事は事実だった。
だが、《ヴィジテイション》+《ラース》を覚えてからは支援キャラとして完璧な性能を発揮し、それにケセドを乗せると他人のダメージロールがあるたびにそのダメージ+38、クリティカルしていれば《シーリィ》でもう+10と最高50点近い増強を行なっていた。また、アドバイスによる判定成功率増強、ダグデモア+パリペイティアという鬼の判定やり直しで相手のリアクション勝ちを許さない働きもあり、その存在感は終盤に行くにつれて高まっていたといえる。ちなみに、アルスのサモン・アラクネは20+6Dというかなりの防御性能を誇ってはいたのだが……今回、それが活かされる場面はあまりなかった。
……ところで、スキルが1つ多いかもしれない……?

「ボ・マー」(暫定PC3)
PL:歩く火力(唯利さん) メイン:ソーサラー サブ:ドラグーン 種族:エルダナーン
HP:87 MP:189 フェイト:5
筋力12/5 器用8/3 敏捷24/8 知力30/13 感知20/7 精神12/6 幸運7/2
右手: 左手: 頭部:ファストハット 胴部:ヴァニシュローブ 補助防具:マジックマント 装身具:水晶の指輪
種族:フォティテュード、エルダーマジック、
出自:ウィークポイント
メイジ:ファイアボルト5、フレイムロード5、コンセントレイション、リゼントメント3、センスマジック
ニンジャ:ダブルアーツ、ブロウアップ
モナー:ガーディアン
モンク:取得スキルなし
ガンスリンガー:カリキュレイト、ラストアクション
シャーマン:取得スキルなし
ダンサー:エンカレッジ
バード:ファイトソング、ジョイフル・ジョイフル
レンジャー:ウェポンチェンジ
ソーサラー:ニゲイト、アンプリケイション5、ランニングセット
ドラグーン:アーティラリィマジック、エレメンタルパワー:火3、エンハンスブレス:火

「解放(リリース)!」
まさかのダブルアーツブロウアップ。それ以外にも今回の企画のルールで戦うことを前提としたスキルが無駄なく選ばれている(特に《ディビレテイト》)。唯利さんは間違いなく今回のレギュレーションを一番研究してきたPLであり、そして一番容赦のないPLであった。
まず特筆すべきはその瞬間火力。PC1が完全に後ろに行けば行くほど火力が伸びるタイプであったのに対し、ボ・マーはすでに初戦の時点でブロウアップ一発の火力が味方からの強化込みで250を軽く越えており、さらにディビレテイトを持つ関係から相手の回避も許さない。序盤の相手はボ・マーが「ブロウアップ2発+ラストアクションからファイアボルト」を決めるだけで消し飛んでしまうので、塊怨樹にいたっては「ロールプレイを行なわずとも、理論によって一人だけで100%倒せる事を証明する」という前代未聞のプレイで突破していた。
これ以上ないほど役に立っているはずなのに、何故か味方からも覚めた目で見られるレベルの即殺で最初の数体を突破し、経験値と金と時間のアドバンテージを取りながら、転職を繰り返してさらにスキルを固めていたが、最終的には攻撃直前にウェポンチェンジから所持しているクリスタルブレイドを装備し、アーティラリィマジックをぶっぱなすという所にまで到達した。その時のブロウアップ1発の火力は500点を優に越え、まさに爆弾である。
PL本人曰く「序盤を想定して作った」とのことであり、実際後半になるとPC1が完成されてきたこと、敵のHPがさらに増えたことが主な原因で、火力としてはPC1の補佐的なポジションに回る事も多くなっていった。とはいえ、序盤(特にアロンダイト・ブランド)をボ・マーが瞬殺し、そうして得た経験値でPC1が早い段階で火力として完成されたという事情もあり、今回の企画におけるボ・マーの功績は非常に大きい。MVPと呼ぶべきだろう。

「暫定PC4」
PL:froggguyさん メイン:スカウト サブ:ダンサー 種族:ヒューリン
HP:132 MP:131 フェイト:7
筋力15/5 器用20/9 敏捷28/11 知力8/2 感知25/9 精神8/3 幸運9/4
右手: 左手: 無手盾:バックラー 頭部:蝶の帽子 胴部:千眼の衣 補助防具:カムフラージュマント 装身具:
種族:ハーフブラッド:ニンブル
出自:シーフのスキルのどれか
シーフ:バタフライダンス、インタラプト、スペシャライズ5、ウェポンフォーカス1、スティー
ガンスリンガー:カリキュレイト、ガンパード5、キャリバーマスタリー、ファニング、ブレッドレイブ、デスターゲット
セージ:ラーニング:ウェポンマスター
レンジャー:ダブルショット
ダンサー:エンカレッジ
スカウト:アデンダム、ストレイトショット、インターフィアレンス、エイミングショット、スリップ5、アキュレイト、カッティングプラン、ハードラック4、ニンブルスティー

名前は未定。命中を上げてインターフィアレンスする、《苦痛耐性》などが厄介な相手にカッティングプランをする……という役目を持っていたはずなのだが、戦いの流れがそもそも攻撃させない、味方がトンデモ火力なので苦痛耐性もほとんど関係ない、全体的にキャラ性と試合展開が合わない流れであったということがあり、序盤に至ってはボ・マーだけで勝ててしまう都合上、フェイト節約のためにキャリバーすら持っていないという光景は、ゲーム開始時に誰よりも早くキャラクターを組んでくれていただけに、物悲しさを誘うものだった。
だが、frogguyさんは途中で《スティール》を使うことを思いつき、そのスキルをハナから忘却の向こうへと押しやっていた我々を驚嘆させた。以降は自分の行動順では主に《アデンダム》で増えた行動権を利用して《ハードラック》を併用したスティールと、ギルドスキル天啓を行ってエネミー識別(のかわり)を行なう役目に回り、情報と資金の面でPTをサポートし、また他人の手番時にも《スリップ》を使用することによって、ボ・マーの《ディレビテイト》と組み合わせて相手の判定ダイスを根こそぎ奪うといったサポートを行なっていた。
ちなみに、こう書くとまるで打点がないようにも聞えてしまうが、その実、ダブルショットを放った時の打点はもろもろ込みで一発200点は優に越していた。ただ、周りがちょっとおかしなレベルに突入していらしたので……

「ネメシス・ミッシング」(暫定PC5)
PL:俺 メイン:パラディン サブ:バード 種族:ヒューリン
HP:122 MP:153 フェイト:7
筋力20/7 器用9/4 敏捷15/5 知力9/5 感知11/3 精神30/11 幸運15/6
両手:ケセドの杖 頭部:セレスチャルヘルム 胴部:クルセイダーガーブ 補助防具:セレスチャルポイントアーマー 装身具:豊穣の花冠
種族:ハーフブラッド:ランパート
出自:タクティカルプレイ10
アコライト:プロテクション5
シーフ:インタラプト
バード:ファイトソング
セージ:エフィシエント5
モンク:マインドアデプト、インデュア、ソウルバスター
フォーキャスター:アウトプレイ、ストラテジウム、チェックメイト5、キャスリング
パラディン:ワイドプロテクション、レギリアス、インペレイティブ、グレイスフォース

あと何か1つスキルを覚えていたはずだが忘れた。一応PLは俺という事になっているが、俺はGMとしてエネミーの管理もやっていたので、正直キャラ方針については他のPLたちの望まれるままに組んだ。結果こういうキャラが出来上がったわけだが、要するにセットアップに《タクティカルプレイ》し、それを《ストラテジウム》で範囲化することで、複数の味方の打点を50以上伸ばしてほぼ仕事終了、というキャラ。自身の行動が犠牲になってはいるが、要するに味方の攻撃に毎回最高レベル以上のヴィジテイションを乗せているようなものなので、その貢献力は高い。また、セットアップの敵の行動を《インタラプト》しても、《インペレイティブ》から《ファイトソング》を使用しつつ通常の動きができる強みもある。ちなみに、《プロテクション》の軽減率は5D+22だが、やはり活かす機会はあまりなかった。
ところで、今気づいたんだがグレイスフォースとケセドって同時に使用できないっぽいかも……となると何故こいつがケセドを持っているのだろうという気もするが、ケセドを持てと薦めたのは唯利さんなので俺は悪くねぇ!(※確認しなかったのは私です)

・ギルド
ギルドレベル:11
ギルドスキル:陣形、ギルドハウス、目利き3、祝福、限界突破、ギルドハウス:ギルドキャラバン、値引き、ギルドハウス:ギルドマンション、天啓

実はもっとギルドレベルは高くなっているはずなのですが、管理するのが面倒くさくなってきたのと、何よりギルドスキルはなくても勝てるという事情があったため、最終的には11レベルだった。攻撃を受ける状況=敗北であるということで、蘇生すら取らず、エクストラドロップ目当てで目利きを3もかさねているのが特徴的。ちなみに天啓は今回の企画ではプリプレイ中には使用不可としましたが、戦闘中にメジャーアクションを使用して行なう事でエネミーのデータを教えることができるとしたので、PT達はエネミー識別代わりに使用していた。
なお、今回の企画中にPTが得たエクストラドロップはファストブランド(アロンダイト・ブランド)、邪眼の宝珠(イビルソード)、女王花の果実(女王花)、邪法転生の書(虚無の魔術師、ドーマ)、クラーケンウィップ(クラーケン)、巨人剣プレグライ(アルキュオネス)で、使用されなかったものはギルドハウスに戦利品として飾られています。多分。

VSバラムV3

まあそんなわけで、HPを3倍にしてもほぼPC側の完勝だったのですが、唯一、レベル18の状態でぶつかった「バラム(HP3倍なので、HP5100)」だけはPC側の敗北という流れになりました。主な要因としては、いつもの流れでメジャーアクションを封じられるのはバラムも同じだったのですが、バラムは《スキルマスター:サムライ》をレベル5で持っているため、《ストライクバック》《ディフレクション》などによってリアクションによる攻撃が行なえ、さらに命中の素点40、ダイス数実に9Dという圧倒的な命中力があったので、殴りに行ったPC1はどうしてもストライクバックによる反撃を避けることができず戦闘不能になり、大ダメージを奪う目論見だったボ・マーのブロウアップがディフレクションされてしまったことによって、PT側にアタッカーがいなくなってしまったため、どうしてもバラムが動く前に倒しきれなくなってしまったということが大きなものでした。
これを経て、今度はレベルは同じながら、「対バラム」用にリビルドを行い、スキル等を調整して対戦することになり、そちらでは見事バラムが動く前に削りきる事に成功しました。以下、そのリビルド状態。

・暫定PC1
種族:プロヴィデンス、エソテリカ:ウォーロード
出自:カリキュレイト
ウォーリア:バーサーク5、クールランニング、ソードマスタリー、スマッシュ
サムライ:レイジ3
プリーチャー:ソウルコンバート、マスターラック
ガンスリンガー:ラストアクション
モンク:モアタフネス3、ソウルバスター、レジストエレメンタル(闇)2
ウォーロード:ビルドアップフォース5、クロックアップフォース、クロススラッシュ、ツインウェポン、アームズロジック:長剣、フルスイング2、ファストセット、オーヴァドライブ、ハイパーゲイン
ドラグーン:ドラゴンバスターイモータルブラッド

命中素点40の暴力によって、リアクションに成功されるとダメージを与える事すらできない魔術でダメージを取っていく戦法は危ぶまれた事により、ダメージは完全にPC1が取っていく戦法になりました。そのため、とにかく火力を求め、《クロックアップフォース》からの《ビルドアップフォース》5積みで一気に打点を100上昇させ、さらにレイジの使用を前提として《モアタフネス》まで経由したことでHPは200を突破し、また、一度死んでも生命の呪符、二度死んでも《イモータルブラッド》、三度死んだら《ラストアクション》という徹底振り。バラムは魔族なので、何気に取得されている《ドラゴンバスター》もストライクバック対策として面白いところ。
最終的に自身と味方の力を総合して極限まで高められた《レイジ》込みの一撃は1発500のラインをあっさり越え、バラムのHPの5分の1ほどを単メインプロセスで削りきるという剛力を見せました。PT内で4枚に増えた《エンカレッジ》で回されるその尋常ではない火力の前に、さしものバラムV3も沈む事になったのです。

・アルス・ロック
特に変更なし

元々振りなおしと判定補助にかなりのスキルを割いているアルスは、対バラム戦では大きな役割を持っており、アラクネもPC1がストライクバックされた時のダメージ調整には有用であることから、取り立てて調整し直すべき箇所がなく、唯一リビルドなしで再度バラムに挑むことになりました。実際、PC4によってリアクション判定のダイスが大幅に減ったバラム相手にパリペイティア、ダグデモア、アドバイスはより大きな効力を持っており、PC1の戦法を攻撃、防御、判定と多岐に渡り支援しました。

・ボ・マー
種族:フォティテュード
出自:カリキュレイト
メイジ:マジシャンズマイト5
アコライト:ホーリーウェポン5、ホーリーアーマー1、フェイス:ダグデモア3
バード:取得スキルなし
シャーマン:取得スキルなし
フォーキャスター:チェックメイト
ダンサー:エンカレッジ
セージ:アドバイス5、プレディクション、ウィークポイント、エフィシエント3
モナー:ガーディアン
一般:トレーニング:知力
ソーサラー:ニゲイト、ランニングセット、ファストドロウ、リミットブレイク
メンター:ホーリーアシスト5

様変わりってレベルじゃなく変わったボ・マー。ちなみにケセドを所持。要するに、最初にカリキュレイトで割り込んで、《ランニングセット》からの《ファストドロウ》《リミットブレイク》を付けた《ホーリーアシスト》で味方の打点を一気に40以上のばし、あとはそのほかバラムに有効となる各種のスキルを使っていくガッチガチの援護型。でもファストドロウからホーリーアシストをするっていうのは面白いところあとそういえば《マジシャンズマイト》はホーリーウェポン系にものるんだね。
ただ、こうして今見返すと、ただの《ホーリアーマー》ってことは魔法防御はあがらないのか。……と思ったけど、そういやホーリーアーマーって任意選択式でしたね。《属性攻撃》は確か強制適用だから、なら何も問題ないか。

・暫定PC4
恐らく、スペシャライズ辺りの枠を切って、メンターのアヴォイドブレイクとパワーダウン及びその前提スキルを取得。

今までまさに「シーフ」らしくスティールし続けていたPC4でしたが、最後の最後で、ついにスカウトらしい……というか「スカウトならではの攻撃役」の役割をフルに発揮することになりました。スカウトでガンガンに命中を上げられること、《アデンダム》で続けての攻撃ができる事をいかして、確実に《アヴォイドブレイク》と《パワーダウン》を両方ぶち当てる事を狙う。それが通るとそのラウンド中相手が行なえるリアクションは実に−4Dとなるため、ストライクバック系統の成功率が格段に下がります。要するに、PC1が最大限に力を発揮するための露払い的な役割として動き、その目的を的確に遂行していきました。もちろんスリップもL5なので、バラムはもろもろの修正込みでストライクバック時のダイス数が実に2Dにまで落ち込み、ストライクバックでのダメージを上手くPTにコントロールされ、レイジの乗った攻撃をまともに受けることとなったわけです。《エンデュランス》が偉大なスキルであることを知る光景でした。

・ネメシス・ミッシング
いくつかの使わないスキルを切って、新たにフェイス・ダグデモア2、エンカレッジ、ガーディアンを取得

 一方こちらもこちらで最大の仕事はセットアップに終わってしまうキャラなので特に変えるところはなかったのですが、いくつか完全に腐ってしまっているスキルがあったので、それを分かりやすく強いスキルに変更しました。基本的に特筆する事はないです。

以上のPCリビルドがあって、HP5100のバラムを撃破することに成功し、この企画は一応の終結を見ました。参加してくださった4人の方々、お疲れさまです。

感想

私が知識として得られたこととしては、「やはりPCは高レベルになると予想のはるか上を行く強さを持つ」ということと、「普通のエネミーガイドに乗っているようなエネミーでは《インタラプト》と《エンカレッジ》には対抗できない」ということです。結果としてかなりワンサイドなゲームにはなってしまいましたが、個人的に知る事ができたものは大きかったですし、やりたいことが実行に移せたこと自体に満足しています。あとは、参加してくれた皆様が楽しんでくれていたのならば一安心なのですがw
また、もし今後同じようなこと(クライマックス一本、敵一人をどんどん繰り返す)をするとしても、やはり《インタラプト》と《エンカレッジ》の強力さはエネミー側としてはいかんともしがたいので、それらをどうするか、ということを考えることは必要だと感じました。案としては

  • 《インタラプト》、《エンカレッジ》等のスキルの取得に制限をかける
  • 強力なエネミーを1体だけ、という方針ではなく、複数同時に出す

などのことが考えられますが、正直何が正しいのかはまだわかりません。また、当日の火力を見る限りだと、結局の所は敵によって戦法を考えるなどという事はあまりなく、いつも同じような流れになってしまう気がします。
まあもしまたの機会があれば、今度はさらに完成度を高めたものを提供したいなと考えています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

目が二つあってヒゲがあればみんなガンダム

以前つぶやいた「青タッチ茶付けヒゲペーネロペー」についてちょっと割と本気で考えてみる。まず、このデッキのキーカードはこの2枚。

ペーネロペー
双極の閃光
UNIT
U-425 青 3-7-2 AR
高機動 《(1)》特殊兵装〔ファンネルミサイル〕
(自動B):《[2・5]》このカードは、敵軍ターンに手札、自軍ハンガーにある場合、「名称:ガンダム」である自軍ユニットと置き換えることができる。
(ダメージ判定ステップ): AF 《[2・5](1)》このカードが交戦中の場合、カード種類1つを指定する。その場合、敵軍プレイヤーは、指定された種類の自軍カード1枚を選んで、敵軍配備エリアに移す。
ペーネロペー系 MS 専用「レーン・エイム」
宇宙 地球 [5][4][7]

付けヒゲ
革新の波濤 / ベースドブースター3
OPERATION(UNIT)
O-46 茶 1-1-0 C
クイック
(自動A):このカードがセットされているユニットは、カード名称が「∀ガンダム」に変更される。

 次にこのデッキの根幹となるギミックを解説。まず、手札、もしくは自軍ハンガーにあわせて2枚のペーネロペーを揃え、手札やハンガーに付けヒゲ1枚を確保する(カウンターが怖いなどの事情があるならば場に出しておいてもいいが)。そして敵軍ターンを迎え、相手が攻撃に出撃する、もしくは敵ユニットを戦闘エリアに引きずり出すという状況ができたなら、まず自軍ユニット1枚にクイックで付けヒゲをセットし、手札orハンガーのペーネロペーAと置き換え、そのまま交戦。そして、そのまま特に何もなければダメージ判定ステップ規定の効果後、ペーネロペーの下のテキストを宣言し、宣言後に今度は名称が「∀ガンダム」であるペーネロペーAからペーネロペーBに置き換え、再度テキストを宣言。また「∀ガンダム」であるペーネロペーBからAに〜〜という流れをループすることで、相手の場のアンタッチャブル効果持ち以外の全てのカードを奪う事ができるというコンボである。それが成立すればもはや相手に抵抗手段はないといえるだろうが、少なからず相手の動きに頼っているコンボでもあるのでそうそう決まるか、というとなんともいえないところもある。しかし、このコンボは交戦の結果ペーネロペーが戦闘ダメージで破壊されていたり、相手と相打ちになっていたりしても問題なく適応可能であるため、相手がこのコンボをわかっていても、対応できる手段は限られてくるだろう。
 一応「ペーネロペーが破壊されていても1カット内にこのコンボをやりきることができる理由」を大きく二つに分けて解説しておくと、まず、Q&A322により、自動B効果はカットの最中に適応された場合でもその場で即解決することが可能であるとわかり、これに則る事でペーネロペーの(自動B)効果もまた同様の処理ということになるので、破壊から廃棄の1カット内であっても、
ペーネロペーAテキスト宣言→ペーネロペーBの自動B効果宣言(即適応)→置き換えられたBテキスト宣言→Aの自動B効果宣言(即適応)→〜〜
 というように処理を組む事ができるということになる。
 次の理由として、これは俺がずっとひっかかっていたことだったが、「1カット中に何度効果をつんでも、テキストに条件としてある『このカードが交戦中の場合』を最後の1枚を除き満たせていないのではないか、という点だが、これについてはテキストが「置き換え」であるため、テキストに記されている「このカード」という対象自体が置き換えが起こるたびに常に最新のペーネロペーに引き継がれている、という解釈が現在の所は妥当であるとして、少なくともそれを否定できる反証は存在していない。(このルールに関してはRueさんのご協力をいただきました。ありがとうございます)
 というわけで、ギミック説明が済んだので、まずは叩き台のつもりでデッキを考えてみる。なんか色々ちぐはぐな気がしているが、とりあえずということで。

G 18枚
ホワイトベース隊 3
退役軍人 3
周辺警護 2
戦いに戻る理由 2
生還 2
出土品 3
ギンガナム軍 3


ユニット 11
ペーネロペー(対話版) 3
ユニコーンガンダムデストロイモード 1
ユニコーンガンダム 3
コレン専用カプル 2
ガンダム(ラストシューティング) 2


キャラクター 6 
オードリー・バーン 2
ファ・ユイリィ(女神版) 2
シーブック・アノー(不敗版) 1
ドモン・カッシュ(EB2) 1


コマンド 9
急ごしらえ 3
政治特権 3
宝物没収 3


オペレーション 6
ディアナ帰還 2
突貫作業 1
付けヒゲ 3

 ACEに関してはディアナ帰還との兼ね合いと、デッキ自体の方向性がそこまでかみ合っていないのでとりあえず除外。ロラン&∀ガンダムは第3テキストが美味しいので使えるなら使いたいところではあったけども……とりあえず、基本的にはユニコーンなどで場を整えつつ受けたダメージはディアナ帰還とオードリーでほぼ無限に回復しつつ、こちらのコンボの用意がそろったらラスシューを特攻させ続けるorファで強制出撃させられる機会を待つといった動きに切り替え、最終的に勝利を狙う。といった感じか。コンボをきめようと意気揚々と出撃したペーネロペーが除去されると寂しいので、アンタッチャブルキャラや破壊無効、戦いに戻る理由に期待しつつ。
 実際に使えるかどうかは……どうなんだろうなぁ。ただ、実はコレンカプルのいおかげで場のユニット0からコンボが決まる可能性もあるので、なんだかんだでいやらしい拘束力を持っている気はする。……今度試しに組んでみようかな。なんにせよ、久し振りにGWのデッキ考えたんで、実際にはいくらでもいじれる気がするし。

すまん。ありゃウソだった。

 久しぶりに更新。とりあえず未だに、もはや新規という言葉を使うのがはばかられる気もするがGW新規制限カード紹介。

虚偽の報告
相剋の軌跡
OPERATION
O-43 赤 1-1-0 C
(リロールフェイズ):《R》このターン、基本Gが発生する国力以外の、全ての国力は無効となる。

 赤が誇る幾多の強豪カードの中でも極悪の域に達しうる・・いや、実際に制限を喰らったのだから極悪の域に達したといえるカード。1国という最低コストで場におけるオペレーションで、効果は「基本G以外の国力を無効にする」というもの。しかもタイミングがターンの初めと限られてはいるが、敵軍ターン、自軍ターンを選択する融通がきき、主には相手にとって最もカードをプレイしたい敵軍ターンの初めに効果を使ってしまえば、相手の特殊国力を利用したプレイングはほぼ全て封殺しながら、それでいてこちらは特殊国力を利用する事も十二分に可能な効果である。
 さて、昔はこれで影響を受けるのは特殊な国力発生源を使う一部のデッキしかなく、そういうデッキはコンボデッキらしくこのカード1枚に対し1枚のオペ除去カードを用意するなりの方法で対応していったのでそこまで問題にはならず、後に解体やヴァリアブルなどの特殊効果が追加された際にも「この効果による国力は変更されず無効にされない」としっかりと予防されてしまったため、貴族主義抵抗派の評価が上がる一方でこのカードはあまり立ち位置を変えなかったが、それ1枚が場にあれば十分デッキを回す事ができる性能すらある特殊Gであり、しかも効果では破壊できないというタメGの出現で、このカードから灼熱が吹いた。
 デッキの爆発力を求め、デッキ内GはタメG6枚だけ、という極端なデッキすら次々にあらわれるなかで、このカードはそうしたデッキを次々に敗北の底に叩き落していったのである。のちにACEとの兼ね合いもあり、そこまで極端なデッキはかなり数を減らしたのだが、どうにせよデッキのいわば無駄スペースたるGを省きつつ安定させることができるタメGが構築戦に使われない理由はなく、そうして出てきたタメGを2ターンも止められれば十分すぎる仕事ができるこのカードの採用率もまたとどまらない。後に特殊Gを基本Gに変換する基本Gというのも出てきたが、変換するには次のターンまでそのG分の国力を失わなければいけないため結局1国遅れており、またテキスト構文上虚偽対策とするなら虚偽適応前に変換しなければいけないためスキも生まれやすいとあまり根本的な解決になってない感が強く、制限化直前にはサイドにはもちろん、場合によってはメインからフルに近い枚数の虚偽の報告を搭載しているデッキは決して珍しくなかった。
 そんな状態だったこのカードはこの度制限となったわけだが、他に関しては比較的妥当だという見解の多い今回の制限改訂のなかで、このカードの制限化については遺憾の声は多かった。つまり、かけるのなら制限では軽い、ということだ。というのも、このカードが制限になったところで、結局の所先に場に出てしまった時の凶悪さは代わらないので、単に決まる、もしくは決められる確率が下がるというだけの問題になってしまうのである。そしてデッキを組む側の問題として、その脅威を考えると、あんまりタメGに依存したパワーあるデッキは組めないが、確率でいえば実際に虚偽に遭遇する確率は……というと、気分のよくないジレンマになってしまう。
 さて、このカードが制限化してしばらく立つので実際どうか、といえば、大会レシピなどを見るに、やはりよく組み込まれてはいるが、赤がらみの必須ではない、と言った感じになっているようだ。まあ、なるべく早いターンに置かなければ効力の薄れるカードなので、1枚入れるくらいなら、という考えもおおいにある、ということだろうか。

いい土地だな。借りてくぞ

 GW新規制限カード紹介。3枚目。

占領政策
永久の絆
OPERATION(G)
O-24 赤 2-4-0 R
(自動B):このカードは敵軍Gにしかセットできない。このカードがプレイされて場に出た場合、このカードがセットされたGを自軍配備エリアに移す。
(自動D):このカードがセットから離れた場合、このカードがセットされているGを、本来の持ち主の配備エリアに移す。自軍ドローフェイズ終了時に、このカードを廃棄する。

 GWは最初の弾にすでに「転向」という、相手のユニットにセットされた時コントロールを奪うというカードが存在し、これはいわばそれの対G版としてデザインされたものであるといえる。よって、セットすれば相手のGを奪うことができ、このカードが出た当初は自軍ドローフェイズに2資源を払い続ける事で永続的に奪取できる仕様であったが、さすがにゲームの根幹たるGを奪った挙句にこちらのGに+1するというのは余りにも強烈であったためか、エラッタにより基本的には奪ったターンの次のターン開始時には返却されているデザインになった。このエラッタにより、ランデス+ブーストとはいえ一時的でしかなく、オペ割にも弱いこのカードを考えなしに投入するのは厳しい、という境遇がつづき、自軍Gを永続的にバウンスできるエイガーや、場に出た瞬間に自軍Gを自軍ハンガーに移す必要のあるFAZZと組み合わせる事で永続Gロック、ランデスなどが可能になるカード、くらいの存在でしかない時代が長かった。
 が、時代が流れタメGとよばれるGが現れた。このGは通常のG以外でも実質Gとして扱えるという非常に便利な性質を持っているので、多くのデッキがこのカードの利用を前提として組まれているのだが、このタメGはそのカード1枚の上にコインをおき、その総量が国力量に関わる、という効果であったためそのカード1枚を対策されると、そのためた国力全てがパーになるという弱点も持っている。よって、このカードで溜めに溜まったタメGを奪い、あとは何らかの方法で場を離れさせてしまうことができれば、今の環境では相当な痛手となるのである。
 ……とはいえ、タメG対策としてより強力な虚偽の報告があったせいか、正直このカードはそこまで頻繁に見るカードではなかった気がするのだが……その虚偽も制限カードになったし、ついでに色々と臭いこちらもフタをしておこうということなのだろうか。まあ基本的にはタメG環境にしたい、ということなのだろう。

3週間

 ツイッターをはじめてからこちらがご無沙汰になっているという自覚はあったとはいえ、まさか3週間も空けることになるとは。まあ、今は久しぶりに時間があるんで、GW新規制限カードについてまた。

報道された戦争
GUNDAM WAR / 永久の絆 / ベースドブースター
COMMAND
C-7 黒 1-1-X U
(戦闘フェイズ):全てのプレイヤーは、手札X枚を選んで廃棄する。Xの値は、自軍国力の値を上限とする。

 GW最初期からあるハンデスカード。しかし、その効果はGWに数あるハンデスカードの中でも最強レベルと言って差し支えない強力さを誇る。というのも、普通のハンデスカードはそのカード1枚に対し相手の手札1枚をもっていく1:1交換のカードであり、それにピーピング能力もつくシロッコの眼やシンデレラ・フォウなどはやはり普通に強力なカードなのだが、このカードは資源コストの支払いだけで、(国力分という制限はあるが)その持っていくカードをもう2枚3枚と増やせてしまう。捨てるカードは相手が選ぶので少ない枚数だとジャンクヤードに落ちてもかまわない、むしろその方がいいカードを選ばれるだけになることもあるが、さすがに3〜4枚も一気に捨てるとなると、もう手札自体がボロボロになる。さらに言えば、GWは基本的に1ターンの間にGと場の両方の展開を求められるので、手札が弱い時の展開の弱さはダイレクトに響いてくる、という事情もあるだろう。が、このカードの効果はお互いが手札を捨てる効果であるため、普通に使うだけではむしろカードアドバンテージ的にはマイナス効果である。よってこのカードを使用するデッキは基本的に相手よりも早く手札を場に展開する、もしくは手札をハンガーに送るギミックを前提としており、これ自体は以前から良く見られるデッキタイプであったのだが、黒と紫の指定国力を必要とするガンダムラジエルが、3国戦闘配備で、ダメージを与えるごとに追加ドロー可能という効果を持っていたため、ラジエル配備→報道ぶっぱ→相手が体制を立て直しきれていないうちにラジエルでアドを稼いで固める。という単純な流れが非常に強力で、大会においては常に仮想敵の一つとして考えておかねばならないデッキとなる。そんな報道ぶっぱゲーがあまりに蔓延しすぎた事、また今後も強い黒絡みの低国力ユニットが出るたびにあがっていくであろうこのカードのカードパワーを危惧してか、今回制限入りとなった。相手の場が整っていないうちに手札をまっさらにするのはGWにおいていつでも非常に強力な戦法であり、このカードはそれを可能にする最たるものであったので、まあこの結果は妥当だろう。

 余談だが、最初期のこのカードはコストなどは一切同じながら、対象が「プレイヤー一人」であったらしい。こんな効果で対戦が成り立っていたというのが驚きではあるが、まあ考えてみれば最初期はどこもかしこもそんなもんか・・?

1枚制限の実力

ひさしぶりに時間ができたので更新。せっかくなんで、GWの新規制限カードについて。総枚数は5枚。順次自分ペースで紹介予定。

エリク・ブランケ
栄光の戦史
CHARACTER(UNIT)
CH-194 緑 1-3-0 U
ジオン 男性 大人
(自動A):このカードがセットされているユニットは、以下のテキストを得る。
「チーム>〔インビジブル・ナイツ〕(自軍防御ステップ):《(1)》このカードの部隊の、このカードのセットグループ以外の全てのユニットを持ち主の手札に移す。その場合、敵軍本国にXダメージを与える。Xの値は、その部隊の部隊戦闘力の値と同じとする」
[2][1][1]

 PS3版「機動戦士ガンダム戦記」のジオン側主人公っぽい人。基本的にアンコモン以下とレア以上は一つ違うレベルのカードになるGWではアンコモンというだけで期待度がさがってしまうもので、テキストも妙に長いので思わずスルーしそうになるが。実は相当やばい事が書いてある。どういうことかというと、これはfrogguyの台詞の引用ではあるが「打点が倍になるって書いてある」のである。
 一見すると、自分の部隊を崩す代わりに防御ステップ中に打点を前借する……というようにも見えるのだが、このテキストにはしっかり「このカードのセットグループ以外の」と書いてあり、つまり使用後このカードのセットは場に残るのである。当然、テキストでダメージを与えた後もロール状態になっていたりするわけではないので、このセットグループは当然その後通常のダメージ計算を行う。これが「打点が倍になる」カラクリだ。
 加えて、このカードは3国なので場合によっては相手が防御に行く間もない間にこのカードによるシュートをきめられることもあるし、そうでなくとも例えばそれ1枚で出撃している限りほぼブロックされないシャアザクに乗せてあえて部隊を組み、防御規定前に他のユニットを手札に戻すことで戦術のダメージ倍化戦法を安全に行う事ができるといった点もある。また、相手がブロックにこれる状態でもワンパンチ分の本国ダメージが飛ばせるので、押し込みにもつかえる。これでコストがこのカードのセット以外全て廃棄とかだったらともかく、手札に返すのが条件なので、むしろドップやガトル、ファットアンクルのキャントリップやサーチ能力をもう一度使えるので、むしろメリットに転じる事態すらあり、とにかく「打点を伸ばす」ということについて、何もかも至れり尽くせりである。そのパワーは基本的に2国力以下のカードしか用いないのが主流であった緑ウィニーの中でも多くのデッキがこれを3積みにしていたことからもわかるように、「エリクゲー」とされるゲームをいくつも作り出すほどであり、相手が緑がらみのデッキと分かるとすわエリクか。次のドローがエリクだったら諦める、という嘆きの声を何度も生み出してきたのだ。
 そんな彼も今回めでたく制限カード入り。非常に妥当である。しかし、部隊員を逃がしてその分のダメージを与えるのはわかるのだが、何故そのダメージに自分の分も含まれているのだろうか。全く納得がいかない。許されざるよ。