2009年10月に読んだ本

なんでも最後はバッチでなんとかしようとする自分が我ながら嫌です。
早くオンラインになりたい…。


さて、2009年10月に読んだ本は18冊でした。
ヨムヨム入れても18冊!読書の秋の割には少ないなぁ。

  • 特に良かったもの

10月は、遅まきながら直木賞受賞記念として、
北村薫先生のベッキーさんシリーズを一気読みしました。
このシリーズは、心が洗われますねぇ…。
北村さんの描く女性は、基本的にみんな凛としてて、その気丈な感じが
時にちょっと浮世離れしてる感すらあったけど(円紫さんと私とか)、
時代設定を変えるというのはいい作戦だったのではないでしょうか。
「戦前の上流階級」というごく限定された世界の中では
そもそもリアルさなんて追求しようと思わないですもんね。
もっとベッキーさん読みたいなぁ。
『雪と鷺』、このシリーズの完結編なんでしたっけ。残念。


その他に良かったのは、
『秋の牢獄』(恒川光太郎)
追想五断章』(米沢穂信)
『夕暮れをすぎて』(キング)
『赤い竪琴』(津原泰水)
あたりです。
『秋の牢獄』、装丁が美しくて、作品世界と良く合ってました。
3篇入っているけど、私が一番好きなのは「神家没落」かな。
追想五断章』は、米澤さんらしく、きれいに着地が決まったミステリ。
相変わらず主人公がネガティブなのは気になるけれど・・・。
『夕暮れをすぎて』は、さすがキング。ページターナーな短編集でした。
『赤い竪琴』における嵐のような恋愛の始まり方、中山可穂かと思いましたよ。
そして、この竪琴がむちゃくちゃ気になる。どんな音がするんだろうか。

  • 読んだ本の内訳

マルコの夢 (集英社文庫)マルコの夢 (集英社文庫)
読了日:10月01日 著者:栗田 有起
うすうす知ってた―Tanabe Seiko Collection〈5〉 (ポプラ文庫)うすうす知ってた―Tanabe Seiko Collection〈5〉 (ポプラ文庫)
読了日:10月03日 著者:田辺 聖子
yom yom (ヨムヨム) 2009年 10月号 [雑誌]yom yom (ヨムヨム) 2009年 10月号 [雑誌]
読了日:10月04日 著者:
サキ傑作選 (ハルキ文庫)サキ傑作選 (ハルキ文庫)
読了日:10月06日 著者:サキ,Saki
夕暮れをすぎて (文春文庫)夕暮れをすぎて (文春文庫)
うーん、さすがのキング。あっという間に読めました。ここにきて短編の腕が上がっていくところが尋常じゃないですね。特に残ったのは、「ジンジャーブレッド・ガール」「エアロバイク」「彼らが残したもの」。
読了日:10月09日 著者:スティーヴン キング
街の灯 (文春文庫)街の灯 (文春文庫)
読了日:10月11日 著者:北村 薫
玻璃の天玻璃の天
読了日:10月12日 著者:北村 薫
鷺と雪鷺と雪
読了日:10月13日 著者:北村 薫
紅水晶紅水晶
読了日:10月14日 著者:蜂飼 耳
盤上の敵 (講談社文庫)盤上の敵 (講談社文庫)
読了日:10月16日 著者:北村 薫
真鶴 (文春文庫)真鶴 (文春文庫)
そんなにページ数のある作品ではないけれど、ものすごく遠くに連れて行かれました。読み応え十分の作品。
読了日:10月17日 著者:川上 弘美
追想五断章追想五断章
米澤さんらしい、きれいな着地。リドルストーリーの使い方は読み始めて割りとすぐにわかるけれど、この着地まではなかなか持っていけない。にしても、相変わらず主人公がネガティブですよねぇ…。
読了日:10月18日 著者:米澤 穂信
森に眠る魚森に眠る魚
読了日:10月19日 著者:角田 光代
くうねるところすむところ (文春文庫)くうねるところすむところ (文春文庫)
読了日:10月20日 著者:平 安寿子
赤い竪琴 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M つ 4-2)赤い竪琴 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M つ 4-2)
読了日:10月21日 著者:津原 泰水
ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)
読了日:10月22日 著者:浅暮 三文
理想的な容疑者 (創元推理文庫 140-18)理想的な容疑者 (創元推理文庫 140-18)
読了日:10月28日 著者:カトリーヌ・アルレー
秋の牢獄秋の牢獄
読了日:10月31日 著者:恒川 光太郎

2009年9月に読んだ本

続いて2009年9月に読んだ本。
いいの、個人的な記録なんだからいつ書いてもいいの。(言い聞かせる)
9月の読了本は16冊でした。少なっ!
なんかこの時期、仕事でいっぱいいっぱいで気持ちに余裕がなかったのか
ガツンとした本に手が伸びず、エッセイや短編に走っていた感があります。

  • 特に良かったもの

そんな中でも良かった本は『神の守り人』『獣の奏者
ガツンとした本を避けていたはずなのに、これだけは見過ごせず
読んでしまいました(で、思いっきりはまってしまいました)。
特に獣の奏者。ずっしりした物語で、素晴らしかった。
2冊で終わりじゃなく、続きが出てるんですよねこれ。
読みたい…。文庫になるまで待てるだろうか…。
吉田篤弘さんの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
も良かったです。
つむじ風食堂の夜』に続く作品なんですね、これ。
3部作だそうなので、最後の1作も楽しみです。
田中啓文さんの「笑酔亭梅寿謎解噺」シリーズも
サクサク読めて、面白かった。
なんか、茶道の家元のおうちに生まれちゃった男の子の話
(すいません、タイトルど忘れ)にも似た読後感でした。
ちなみにこれが初田中作品…。思いっきり王道をはずした気がする。
積んである『蹴りたい田中』も読まなくては。


あとは、文庫になったら買うと決めていた桜庭さんの読書日記
これで読みたい本が30冊以上増えました。
「街には新刊があふれているけれど、本くらいは右へならえするな!
みんなと違うものを読め!」という桜庭さんの感覚、大好きです。
さっそくクリスチアナ・ブランド『緑は危険』なんて読み返してみて
びっくりするくらい内容を忘れている自分を発見しました。


  • 読んだ本の内訳
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2009年8月に読んだ本(今頃!)

しれっと再開してみますが、2009年8月に読んだ本は18冊。
後半、強引に取得した夏休みがあって、そこでなんとか冊数を稼げた感じ。
夏休み中(箱根に数泊してきた)は前評判の高い単行本をまとめて読んだので、
旅行そのものよりも本を楽しめたくらいでした。

  • 特に良かったもの

『やんごとなき読者』
『スコーレNo.4』
『ペンギンの憂鬱』
『ことば汁』
あたりが特に面白かった。
『やんごとなき読者』、本好き・イギリス好きの人には読んで欲しい!強く推奨します。
『スコーレNo.4』は女子ならばぜひ。
『ペンギンの憂鬱』はなんとも説明しがたい作品ながら
こりゃ売れるわ・・・と思いました。
『ことば汁』はエイミー・ベンダーの短編集がイメージ近いかな。
『燃えるスカートの少女』『わがままなやつら』が気に入った人なら
この作品も好きなんじゃないかと。

ほかに、『テーブルの上のファーブル』も楽しかったなぁ。
ミルリトンシリーズとか、クラフトエヴィングの作品を
ある程度読んでる人におすすめ。
『夏の名残りの薔薇』は再々々々読くらいなんですけど
8月の終わりに旅先で読むのに、ぴったりでした。
そうそう、『退屈姫君伝』で米村さんに初挑戦。
大変読みやすく、おもしろく読めたのですけれど、
”ややR指定あんみつ姫”という理解でいいんでしょうかね?だめ?

  • 読んだ本の内訳
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2009年7月に読んだ本

もう8月もなかばになっちゃいましたが、先月の読了本を。(先月の文章をコピペ)
7月は全部で25冊でした。
自分では、精神的夏ばてとでもいいましょうか、なにかとばたばたしていて、
Webも読書もあまり時間が割けなかった気がしてるんだけど
こうして見ると、意外と読めたみたいです。

  • 7月の読書を振り返ると

100冊文庫の未読つぶしとして、7月は『DIVE!』『火怨』を読了。
タイプはかけ離れているけど、どっちも面白かったです。
特に『DIVE』は、夏に読むにはぴったりの作品でした。
(大好きな森絵都さんの作品にもかかわらず、
スポ根モノってことで腰が引けていたところ
友人に激しくプッシュされて読んでみた。)
『火怨』は陸奥三部作の1作目ということで、
残り2作も読まなくては!と思いました。
(↑結果的に読みたい本が増えてる)
もともとの予定としては『影武者徳川家康』を読むはずだったのですが・・・
読書の予定って守れないですよねー。

そのほか、特に良かったものとしては

などなど。
あ、『パンツの面目ふんどしの沽券』(米原万里)も大変に良かった。
(タイトルがタイトルなので、引く人も多そうなんですけどね。
お食事時には読まないほうがいいかな・・・。でもいいですよこれ!)

あと、意外なところで良かったのが山城新伍『おこりんぼさびしんぼ』
水道橋博士のエッセイがこの本を褒めていて、そんなに期待せずに買ったみたのに、
これがけっこう面白かった。
断然山城新伍のほうが水道橋博士より文章上手でした。
…と思っていたら、今月になり訃報が入りましたね。
ご冥福をお祈りします。

  • 7月に読んだ本の内訳
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2009年6月に読んだ本

もう7月もなかばになっちゃいましたが、先月の読了本を。
先月の読了本は18冊でした。
久々に20冊届かなかったわけですが、これは完全に、
5月末の春樹ショックが関係していると思われます。
春樹ショックっていうのは、簡単に言うと
1Q84』後になぜか他の本を読めなくなることです。
なんだろう、語弊を恐れずに言ってしまえば
"ヘタなフィクションを手に取ることへのためらい"が生まれるんです。
このあたりが、世界の春樹なんでしょうね。


そんなわけでなかなか本を手に取る気分になれなかったので
前評判が高くて、読むのを楽しみにしていたもの
ウッドハウス、ジェフリー・ディーヴァーなど)を読みました。
ウッドハウスジーヴスは、面白いのはわかっていたんだけど
お値段的になかなか読み始められなかったシリーズ。
これを機に一気に集めてしまいそうです。
ディーヴァーのライムシリーズは、(文庫で出てるのは)制覇しました。
絵に描いたようなジェットコースターサスペンス。
なんだけど、そう思いつつもしっかり全部読まされちゃうのが、さすがでした。
ライムって私のイメージではもっとクールな人だったんだけど
かーなり人間くさいタイプだったんですね。意外。


他に面白かったのは
安徳天皇漂流記』、『片眼の猿』かな。
ようやくホンヨミ欲が回復してきたので、
7月はも少しペースを上げていきたいなと。
(狙いは『影武者徳川家康』『火怨』あたり。どっちも積んでます)

  • 6月に読んだ本の内訳
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6月のいろいろ(その1)

最近、読書メーターのバックアップと化しているこのブログですが、
長野(安曇野)で偶然立ち寄った場所がとっても良かったので、備忘的に。


いわさきちひろさんの美術館です。
安曇野は、いわさきちひろさんが戦時中に疎開していた土地。
ひろーーい敷地(※美術館のまわりが公園になってます)は
いわさきちひろさんの作品を展示するのにうってつけの美しさでした。

↑これ、公園。遠くに美術館が見えるけれど、この土地全部公園。


外観の美しさだけでなく、美術館としても相当にレベルが高く
(行ったとき、いわさきさん作品以外にやっていた併設展は
ミュンヘン国際児童図書館の「架空の絵本展」)
あやうく東京に帰るのをやめて、一日中居続けそうになりました。


あ、いわさきちひろさんの美術館は東京にもあるので
ご近所の方は是非。


「内なる子供」をコンセプトにした、森の中のものすごく小さな絵本美術館。
「大人のために創られた絵本館」を謳っており、
「絵本の絵(イラストレーション)を子どもの領域から解放する場として、
そして大人になってしまった人達が“かつて子どもだった”ことを
再認識する場として,静かで落ちつける空間を提供したいと創られた」
ということで、約20名以上の団体および幼児(未就学児)の入館は
基本的にお断りしている、ほんとうに静かな場所です。

小さい美術館なんですけれど、満足度の高いこと!
私が行ったときは、1階でどいかやさんの絵本原画展をやってました。
2階はおもに海外の絵本と、グッズの販売。


チケットは1ドリンクつきで700円と大変リーズナブルなので
興味を持った方、なにかしらお買い物をしてあげてほしいです。
(といいつつ、間近に迫った東京国際ブックフェアを思い
つい買い控えてしまった。すいません。貧しくてすいません。)

↑長野ということで、りんごジュースを選択した。安直。
次は自分の欲望に忠実に、コーヒーを飲もうと思います。

2009年5月に読んだ本

5月に読んだのは全29作。
噂の『1Q84』も読みました。
発売2週間で100万部突破のこの本、噂というよりはもはや社会現象?
まだ読んでない人や読みかけの人もいると思うので感想は書かないけど、
いやー、面白かった。
なぜだかこの本読んだ後、1週間くらい読書する気になれなくて
困りましたけど。
春樹を読んで同じ症状に見舞われた方、ご一報ください。
1Q84』明けによく効く本をご紹介できます(たぶん効きます)。
そのほか、梨木香歩さんの久しぶりの新刊、
やっと文庫になった古川日出男の短編集など。
後半、ハイレベルな作品を立て続けに読むことができ、
なかなか贅沢な月でした。


そんな5月のベスト10はこちら。

  • 5月に読んだ本の内訳
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