スカルパ T3 プラスフィット

スカルパのテレマークブーツ、T3 プラスフィットが今期で終了?になるらしいですね。
前の日記で来期はBDがテレブーツを販売に参入と書きましたが、スカルパは逆にモデル数減少。
今のテレマーク業界、混迷してますね。

T3は歩行性能を重視したツアー向けのブーツという位置付けですが、滑走性もよくてオールラウンドブーツとして愛用している人も多いです。
オールラウンドに履きこなせるこのブーツの販売終了に悲嘆の声も聞こえてきます。

メーカーからしたらオールラウンドに使える物を一個売るよりは、滑走重視と歩行重視を2個買ってね、ということかもしれません。
と冗談はさておき

スカルパのテレマークブーツ、T3の一つ下のモデルには歩行重視のT4があります。
これが一番軽くて柔らかい。
ツアー重視の人はこれを買ってね、ということになりますね。

最も固い滑走重視にT1シリーズがあったわけですが、その上に歩行性能を切り捨てたT-race Intuitionができたわけだし、
間に挟まっているオールラウンド(悪く言えば中度半端)なモデルを切り捨てようということでしょうか。

そして中間層が、T2とT3ですね。
そのどちらかを消すかの選択でT3ということですかね。

確かに『どれか一つを廃盤にしろ』と言われたらT2かT3のどちらか。
今のテレマークは滑走性能重視にシフトしているので、T3が消されるのは仕方ないことかもしれません。

T4とT1の中間用途はT2がカバー。
元からT3が無かったと仮定して想像すれば、けして悪いラインナップではないですが、それにしてもスカルパを履いてない私でもT3=名機というイメージがあるのに、あえて廃盤とは。

自由なはずのテレマーク、少しずつ不自由化が進んでるか?

奥利根イベント中止

奥利根スノーパークで2/23と24で開催される予定だったテレマークイベント、TELE-BUMPSが中止になりました。
テレマークには珍しいモーグルカップだったのですが・・・雪不足ということで中止に。

しかしその中止の発表の後に大雪が降って、この調子で行けばできそうな雰囲気もします。
とはいえ、さすがに中止の決定、発表とした後にまた「やります」とかもできないでしょうし、もしもその後にまた雪不足とかになったら洒落になりませんしね。

楽しみにしていた人も多いようですが、今回は残念です。

テレマークブーツ@ブラックダイヤモンド

ブラックダイヤモンドで来シーズンにテレマークスキーブーツを発売するようです。
テレマークって市場としては物凄い小さくて、それほど量産もできないし採算が合わないとか言われてますが、以外に大丈夫なのか?
そんなにテレ人口が増えてるとは思えませんが・・・・
選択肢が増えるのは非常にいいことだと思いますが、メーカー同士共倒れにならなければいいですね。
余計なお世話か・・・

画像で見た感じだと、結構細かいとこまで作りこんである感じがします。
日本向けに情報が出てくるのを待ちたいところ。
(海外サイトを見るのは苦手なので)

奥利根スノーパーク・テレマークミーティング

明日、1/19土曜に奥利根スノーパークのナイターにてテレマークミーティングというイベントがあります。
主催:ガイドクラブ筋斗雲
協賛:奥利根スノーアカデミーテレマークスクール
夜7時くらいからの集まりですが、時間きっちりに来なくても大丈夫です。
テレマーカー達がなんとなくみんなで集まって滑ってるので、適当に声をかけて合流する感じで。

「みんなで集まって滑ってみよう」的なイベントです。
開会式や閉会式なども一応ありますが、その辺に参加しないで後から来たり先に帰ったりしても全くかまわないという、ゆるやか〜な集まりです。
まさにテレマーカーらしいですね。

興味がある方は是非

テレマークスキーのバックカントリーでの利点

バックカントリーフィールドにおいて、テレマーク山スキーなどに比べるとあまり利点がないことを前回、前々回で述べました。
が、不利な点ばかりではありません。

歩くスキーと言われるくらいなので、機動性においてツアービンディング山スキーを上回ります。
ハイクアップの時に、ツアービンディングの方が抵抗も少なくストロークも長くて有利だと書いた前回の内容に一見反してるように見えます。

スピードとか楽さ加減ではなく、取りまわしが効き易いという意味での機動性です。
山スキーのツアービンディングは登りやすい斜面では確かに楽に登れます。
が、シールが効きづらかったり斜度がきつい部分での直登では踏ん張りが効かなくて苦労します。

対するテレマークスキーは、登りやすい斜面でのスピードは山スキーに劣ります。
しかし、シールが効きづらい斜面や直登でも踏ん張りが効くので安心です。

スノーシューを履いたボーダー仲間とバックカントリーに行ったとします。
シールのことを考えないラインで登った場合、山スキーではついていけなくてもテレマークならなんとかついていけたりします。(限度はありますが)

もう一つ、テレマークでの利点。
シールを履いて登っている途中に、下り坂があったとします。
ウォークモードにした山スキービンディングでは下りは結構怖いです。
ウォークモードのまま滑ってこけると、ビンディングが壊れる可能性も高い。

しかし、テレマークならばシールを貼っている分は滑りづらくなりますが、普通に滑り降りることができます。
細かい登りや下りが連続するような稜線上の移動の時には山スキーに比べると随分楽になります。

山スキーでも、一回一回モードを切り替えれば済む話なんですが、何度もそれをやるのは結構面倒ですよね。
テレマークの場合は、そういった点では自由です。

楽さよりも自由さを感じるのがテレマークスキー。と言ったところでしょうか。

テレマークスキーはバックカントリーで有利なのか?その2

前回の記事では、こと滑りに関しては有利ではないことを書きました。
では、歩くスキーと言われることもあるテレマークスキーですから、登りの部分に関してはどうでしょう。

結論をいうと、特に有利ということは全くありません。
歩くスキーとして活躍するテレマークは、細板と革靴の組み合わせです。
板やブーツも軽く、ブーツと板の接点は柔らかくて抵抗も無く、ブラブラとしてます。
歩くことに対して、全く抵抗はありません。

しかし、バックカントリーで使用されるプラスティックブーツとハードワイヤーのビンディングは非常に固く、歩く際の抵抗が大きいです。
歩こうとしてかかとを高く上げる為にはその抵抗に対してより多くの筋力を使うことになります。

それでも、ゲレンデ仕様のブーツと板で登るよりは随分と楽です。
ゲレンデ仕様=カカトが上がらない、通常のスキースタイルのことを、バックカントリーでは「アルペンスキー」という言い方をしています。
バックカントリーをやらない人にアルペンスキーと言っても『?』という顔をされてしまいます。

アルペンスキー、つまり直訳すれば山スキーです。
山スキーとは、素直に言葉の意味だけで考えればゲレンデではない山岳地帯をスキーで滑走すること。
なので、テレマークだろうが普通のスキーだろうが山に持っていって滑れば山スキーですね。

そういった意味合いとは別に、バックカントリー用具的に「山スキー」と言われるセットがあります。
板の裏にシールスキンを張って雪山に登り、滑って帰ってくる為の道具です。

山スキーブーツは兼用靴などとも言われ、滑りにも歩きにも対応しています。
歩行モードと滑走モードの切り替えがあるわけですね。
スノーボード用の柔らかいブーツと違い、スキー用のハードなプラスティックブーツではアスファルトの駐車場ですらゴツゴツと歩きづらいです。
そんなものを履いて雪山を登っていくのは結構つらいんですが、歩行モードがあると足の動きの制限が少し和らいで楽になります。

テレマークブーツにも歩行モードと滑走モードの切り替えがあるので、この点では山スキー用ブーツと特に変わりません。

問題はビンディングの方ですね。
上の方で書いたように、滑走をメインで考えたテレマークスキー用のビンディングは抵抗が高くて歩きづらいです。
では、山スキービンディングはというと・・・・
これまた滑走モードと歩行用モードの切り替えがついています。
滑走モードとは、普通に滑る時のモードなので特にどんなものかは説明も要らないと思います。
山スキービンディングの歩行モードとは、ビンディングのヒール側のパーツの固定を外して、つま先側のパーツだけが板と接している状態です。
もちろん可動します。
クロスカントリースキーのように、カカトが自由に上がるのでスイスイと歩くことができます。
カカトを上げようとする動きに対して、抵抗となる要素は設けられていません。
まさにヒールフリーです。
可動範囲も大きいので、テレマークスキーに比べて同じ労力でも速く長いストロークで歩くことができます。

山スキーセットは、登りの時には抵抗も少なく歩幅も大きく楽に登れて、下りの時にはカカトを固定させて普通のスキースタイルで滑れるという、ある意味最強のバックカントリースキー用具です。

滑りに関しては、ブーツもビンディングもゲレンデ用のスキーセットに比べれば剛性が不足するため、道具に頼れる度合いは低くなります。
しかし、登りに関しては非常に楽です。
トータルで考えればやはり最強と言えるでしょう。

「山を滑る道具」というイメージを持っている人も多いテレマークスキーが霞んでしまいます。
テレマークが優れているポイントは「苦労するのが面白い」という、いささかM的な要素だけなのでしょうか?
一応、バックカントリーのフィールドに置いて山スキーセットよりも優れている部分も存在します。

次回に続きます。
(あまり利点というほどの利点でもないので、期待しないでください・・・。)