加藤剛著『こんな美しい夜明け』
加藤さんの訃が報じられた7月は西日本豪雨のさなか、お別れの会があつた9月は台風と樹木希林さんの葬式が重なり、テレヴィで取り上げられることはほとんどなかつた。芸能スキャンダルと縁の無い方だつたので、死んでも世間を騒がせなかつたと感嘆したものだ。
妄言師は高校生のころ時代劇にハマッてゐて、高橋英樹さんの『桃太郎侍』と加藤さんの『大岡越前』が特にお気に入りだつた。分かり易い見せ場がある『桃太郎侍』と比べたら『大岡越前』はあまりに地味だが、それでも若き日の妄言師を惹きつけたのは画面から伝はる加藤越前の誠実さだつたのだらう。ご遺族がテレヴィで語つてゐたが、加藤さんは亡くなるその日まで生真面目を通したとのこと。
けふ八重洲ブックセンターに行つたら、表紙は汚れて背表紙がやや色褪せた上記の本を見つけた。本棚から吊るされてゐた岩波現代文庫解説目録には載つてゐないので、版元では疾うに品切れになつてゐたのだらう。加藤越前が好きだつた妄言師には「お前が買へ!」といふ啓示(お裁き)に思へた。香典代はりに購入し、お経代はりに読んでゐる。
あらためて合掌。
はてな第3013回
日付変はつたけど、これだけは書いておかう。
関東地方、梅雨明け
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180629-OYT1T50101.html?from=ytop_main4
蝉も鳴いてゐないのに……と思ったらニイニイゼミが鳴いてゐた。
今月は配当など臨時収入がありウハウハ(w