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mezalaのブログ

俳優・寺田農氏の逝去を悼む

かなしきこと。
もともと渋い脇役でありながら,「ラピュタ」での悪役「ムスカ大佐」の鮮烈な印象に若い世代にも知らぬ者がなかった,俳優の寺田農氏が3月14日に逝去された。81歳だったというからまだまだ活躍できる年齢だと思ったが,肺癌だったとのことである。心からご冥福をお祈りします。
寺田氏を初めて知ったのが「青春とはなんだ」だったが,このときはお名前の読みがわからなくてずっと音読みしていた。1978年にステレオドラマ特集としてFMで再放送された「北の祭」(1969年制作)を聴いて初めて名前の読みを知ったのである。思い出深い「北の祭」を改めて聴いた。
漁師の父親を海で,母と妹をチリ津波で亡くした主人公が都会での安穏だが虚しい生活をへて,七年ぶりに故郷に帰ってくる。漁師になるためである。父を見殺しにした番屋長の厳しい「試し」を耐えぬいた青年は,漁師として父を殺した海と対峙することになる。

北の祭
山田隆之:脚本,間宮芳生:音楽.
伊藤希英:効果,服部巳喜男:技術,竹内日出男:演出.(NHK盛岡)
出演:寺田農志村喬藤原釜足,加藤忠,鈴木光枝,降旗文子,桑山正一,北城眞記子,鈴木昭生,前沢迪雄,大久保正信,小野泰次郎,斎藤三勇,田村錦人,田村元治,及川ヒロオ,木村一,小野寺瑞穂;ユニオン・プロ,盛岡放送劇団・児童劇団. 演奏:間宮芳生(指揮)/新室内楽協会,東京混声合唱団. 協力:岩手県気仙郡三陸町,綾里大入漁場,和賀郡和賀町岩崎鬼剣舞有志.
初放送:1969-10-25{FM_芸術劇場}, 再放送:1970-01-25/1972-01-16/1975-01-17/1978-07-29{FM_ステレオドラマシリーズ5}.
ステレオ 60分
昭和44(1969)年度文化庁芸術祭優秀賞受賞,イタリア賞参加.
家族を奪った海と対決する漁師をこの上ない迫力で描く名作である。文化庁芸術祭で優秀賞を受賞したほか,イタリア賞国際コンクールに出品された。

寺田農出演ラジオドラマ一覧

手持ちのデータ(一部の音源を愛蔵)から,出演作品は以下の通り。

カナリヤ

めずらしきこと。

カナリヤ

カナリヤ

  • たまご舎
Amazon
1952年のラジオドラマに関するデータを作っているとき,Google日本語入力で「カナリヤ」を入力したら,予測変換候補に「かなりやばい」が表示された。
これがひどくツボに入ってしまって,涙がでるほど笑ってしまったのである。

ところで「カナリヤ」*1といえば,種ともこのリリースしたアルバム及び収録曲を思い浮かべる。彼女が Sony レーベルから離れてインディーズからリリースしたものだった。その後もわりとがんばってアルバムをリリースしていたようだったが,最近はどうしているだろう。

IME の笑える変換候補から,こんなことを想った穏やかな日だったが,少し風が出てきたな。
ああ,明日から師走だ。

*1 Wikipedia では「カナリア」と記載されているが,これは誤りである。

小型タブレット端末の再調達

めずらしきこと。

ALLDOCUBE iPlay 50 mini を Amazon で入手した。
これまで使ってきた Lenovo Tab M10(TB-X505F)があまりにもダメタブで,動作はもっさり(もっさりどころか頻繁にフリーズ)しているし,うすらでかい10インチのくせして画面の解像度はHDだし,とにかくストレスが溜まりまくるところへ,電源ボタンを押すたびにカメラが起動するような故障まで発生してしまったので,そう何年も使っていたわけではないのだが買い替えたという事情である。

iPlay 50 mini は,8.4インチと自分の手に収まる(片手で掴める)最大サイズで,コンパクトな筐体でありながら FHD以上の 1,920×1,200 ピクセルの解像度がある。8インチ級のタブレットはふつう HD なので高ポイントである。

動作は特別速いということはないと思うが,ふつうにネットサーフィンするぶんにはストレスは感じない。表示画面のスクロールもスルスル動いてくれる。初動が少しひっかかりがあるために,スクロールしはじめるとスピードが上がりすぎて止めたい位置を少し越えてしまうのはご愛嬌というところだろうか。まぁ,このへんは慣れの部類だろう。

Android のバージョンの問題かもしれないが,画面下部のナビゲーションバーの配置を選択できるというところが嬉しかった。同じ Android でも機種やバージョンによって戻るボタンの配置が逆になっていたりして,新しい端末に慣れるのが意外に時間がかかったりしたものだったが,配置を他の端末と同じようにできるのはよろしい。

全体的なデザインも悪くないが,わりあいにエッジが立っているので,ラウンドエッジ筐体に慣れている場合はやや武骨な印象を受けるかもしれない。ラウンドエッジは筐体を薄く感じさせる効果もあるため,他のタブレットよりも分厚く感じるかもしれない。

問題があるとするなら,ヘッドホン・ジャックの位置だろうか。自分はヘッドホンを使う必要性がなかったりするためまるで気にならないが,気にする人は大いに気になるだろう。そのくらい奇抜な位置に変な向きにプラグを差すようになっている。

バッテリーの持ちが良ければ,自分としてはほぼ満点をあげたいところだが,さて……。
まぁ,クーポンを使えば1万円台前半で入手できるのだから満点でしょ,これは。

馬鈴薯の収穫 2023

めずらしきこと。
 三日連続で梅雨の中休みとなり,土壌もじゅうぶんに水が引いたので一気に馬鈴薯を掘りあげた。

 昨年からそれなりに手がかけられるようになったことを反映するように,豊作だった昨年の60キロを上回る70キロの収穫。芽かきに合わせて一度だけ施肥を行っただけだったが,それで十分だったようである。

 裏庭で日照は十分とは言えず,土は粘土質で水はけもよろしくないという悪条件に加え,毎年同じ場所で連作障害のきついナス科の馬鈴薯を育てるという素人丸出し無手勝流のわりには,そこそこの成績ではないかと思われる。プロに近いような他人と比較するのも無意味だが,男爵なら通常は種芋1キロあたり20キロが収穫できるらしいので到底及ばないということになるものの,土壌環境と生育条件を考えれば満足してよいと思う。


 来年は,今年育てた畝の間に作ることを想定し,畝の位置をマークしておいた。今年の畝数は五条だったので来年は三条とし,種芋の量も3キロに抑えることになりそうだ。3キロの種芋で目指す収量は60キロ……捕らぬ狸の皮算用ではある。

「シャレード」を観る

めずらしきこと。
シャレード 日本語吹替版 オードリー・ヘップバーン ケイリー・グラント DDC-067N [DVD] 図書館の新着資料紹介ページは常時チェックしている人が多くいて,特にAV資料となるとたいていは予約が何件も入っているのがふつうなのだが,珍しく予約が1件も入っていないものがあったので予約し借りて観た。
 オープニングも迷路の中にクレジットが表示されるなど手が込んでいるし,サスペンスらしいサスペンスだと思いこんでいたら,最初から最後まで洒落た台詞に吹き出してばかりで,これはコメディ・サスペンスと呼ぶべきものであろう。……と思ったら,パッケージの裏にしっかり「コメディ・サスペンスの傑作」と明記されているではないか。
 それにしても図書館で購入するなら,貸与権付きにとどまるものではなく,きっちり上映権のついているものを調達して,名作映画上映会などに利用してほしいものである。いまどきTVサイズでいいなら自宅でもサブスクで観られたりするのだから,大きなスクリーンで名作を観たいという需要に応えることも必要なのではないだろうか。
 文教予算……特に生涯教育予算なんて近ごろはどんどん削減されているだろうから困難なのかもしれないが。

桜桃 2023

 めずらしきこと。



 昨年は例年になくほとんど実らず,有るか無き実りはすべて椋鳥がついばんでいったのだが,今年は表裏(が有るとすれば)の表らしく非常に多くの実がついたのである。実が多いからと言って,人間様の口に入るとは限らないわけで,そこはしっかりと……鳥が来始めてからだが……ひと枝だけ厳重に網掛けをした。この確保した分はとりあえず温存しながら,高い枝の部分は高枝切り鋏で収穫する余裕が持てたわけだから,結構な量のさくらんぼを各所に配布できたのである。
 おそらく,自分が昨年リタイアして,日中は畑に出ている時間が長かったためであろうと考えている。動く人影があるだけで,鳥は警戒してあまり寄ってこないのだ……一部の図々しい奴らを除外すれば。
 特筆すべきことは,今年はなんと初めてさくらんぼ狩りに人を迎えられたことである。さくらんぼ狩りができる……と人に話しても,その時は「そんなの夢のようですね」とか言うけれど,いざこのシーズンに声をかけても色々と予定も先に立てる人が多く,たいていは毎年変動する短い旬の時期に日程が合わせられないのだ。そりゃそうだ,なにしろ二、三日,長くても四、五日の間の天候に恵まれた日に突然来いと言っても来られるものではない。