あらゆる進捗をバーンダウンチャート化する

昨年2017年は大きな節目となった年ではあったが、反面、仕事や免許に追われプライベートのタイムマネジメントがうまくいかなかったのは大きな反省だった。日々コツコツ進めるタイプのプライベートプロジェクトはことごとく失敗した。この反省を踏まえ、2018年は物事の進捗を「見える化」することで、時間の使い方を見直している。ここ半年間の取り組みについて、実例をいくつか紹介したい。

時間ベースのバーンダウンチャート

まず初めに、「ほとんどタダでゲーム・オブ・スローンズを観る計画」のために作った「ゲーム・オブ・スローンズ バーンダウンチャート」を紹介したい。この超人気番組、Amazonではシーズン7こそ有料であるものの、プライム会員であればシーズン1~6を無料で観ることができる。ということは、Amazonプライム会員無料体験に登録し、無料期間の一か月で全エピソードを視聴して脱会すれば、ほとんどタダで観られるわけだ。しかし、実際にやってみたところ、無料期間の最初の10日間で、シーズン1しか視聴完了できなかった。バーンダウンチャートの出番である。

バーンダウンチャートは、残務(バックログ)の量と残時間の関係を可視化するものだ。よってまずバックログ定量化する必要があるが、TVドラマの場合は残視聴時間がそのまま使える。全シリーズ視聴済みの同僚から残エピソード数を聞き出し、1エピソードをざっくり60分として、バックログを決めた。残時間のほうは、計測開始日からAmazonプライムの課金が始まる前日まで。これで理想線を引くことができる。

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理想線を引いたところ

実績のほうは、視聴中のシーズン数、エピソード番号、おおよその視聴進捗率を毎日スプレッドシートに記入すると、消化済みの視聴時間が自動で計算されてプロットできるようにした。しかし、さらに10日ほど計測してみたところ、どうも実績線の具合がよくない。実績線の傾向を伸長してみると、一か月内に視聴を完了するのは完全に不可能だということがわかる。

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実績線と未来予測

対策として考えられるのは、

  • ベロシティの改善: 一日あたりの視聴時間を激増させて予定通り視聴を完了させる。
  • スコープの調整: 実績線の予測にあわせて、残務量を引き下げる。つまり全シーズン視聴をあきらめる。
  • 期間の延長: おとなしくAmazonプライム会員費を払い、〆切を延長して残時間を増やす。

の3種類だ。結局、3番目の解決策を採用して、潔く会員費を払い、デッドラインを二か月伸ばすことにした。

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GoTバーンダウンチャートの結果

そもそも考えてみれば、最初の〆切設定は、「Amazonプライム会員費を払いたくない」という(ビジネス上の)理由からきたもので、期間内に終わらせることが可能だといえる根拠はなかったのだ。実績ベースの判断が働き、適切な軌道修正を行って、プライベートプロジェクトを成功に導いた一例である。

他に時間ベースのバーンダウンチャートとしては、「アベンジャーズ インフィニットウォー バーンダウンチャート」も作った。当該映画が次世代IMAXでかかってるうちに、未見の関連作を全部見るという計画だったが、こちらは若干〆切を破ってしまったものの、比較的うまくいっている。

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アベンジャーズ インフィニットウォー バーンダウンチャート
 

レベルベースのバーンダウンチャート

次に紹介したいバーンダウンチャートは「マリオ+ラビッツ キングダムバトル バーンダウンチャート」だ。

面白さは折り紙付きのこのゲームだが、最初のワールドをクリアしたところで忙しくなってプレイの手が止まってしまっていた。積みゲーが生まれる黄金パターンだが、今年の私は一味違う。バーンダウンチャートを作成し、「ファークライ5」発売までにクリアできるよう、日々の進捗を確認することにした。

さて、こちらでも残務量(バックログ)と残時間を出して理想線を引くところから始めたい。このゲームは4ワールドに分かれ、各ワールドには全部で9つのレベルがある。すでにワールド1はクリアしているから残りレベル数は27だ。これをバックログとした。残時間はファークライ5の発売日までである。結果をご覧いただきたい。

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マリオ+ラビッツ キングダムバトル バーンダウンチャート

このとおり、今回は目論み通り目標を達成することができた。ただし、賢明な読者の方はすでに心の中で突っ込みを入れられていると思うが、このバックログはレベル数がベースであり、各レベルの難易度までは考慮されていない。一般的にゲームは後半になるほど難しく、プレイ時間も長くなるが、今回の可視化ではその情報は拾えていないことになる。ゲーム後半は素直にプレイ時間を増やすことで押し切ったが、今度同じようなゲームを遊ぶ場合は、難易度の上昇具合にあたりをつけ、何らかの方法でポイント化して定量化してみようと思っている。

%ベースのバーンダウンチャート

最後に、明確な進行度を測ることが困難なオープンワールドゲームのバーンダウンチャートを紹介したい。「ファークライ5 バーンダウンチャート」である。

【PS4】ファークライ5

【PS4】ファークライ5

初めは残務量(バックログ)をどう定義するかとっかかりが掴めなかったが、ある程度ゲームを進行させると、三人の中ボスが支配するエリアがアンロックされ、オープンワールドに移行する。そしてマップ画面で各エリアを状態をチェックすると、レジスタンスポイント、仲間にしたスペシャリストの人数、完了したミッション、解放した敵の基地、破壊した敵の建造物という5種類のカウンタブルな要素の現在値と最大値が表示されていることに気づいた。

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ファークライ5のマップ画面より

もちろんこの値を全て最大値にする前にゲームをクリアすることは可能だろうし、そもそも親玉を倒すパートをどうバックログに組み込めばよいのかわからない。しかし、こちらとしては全サイド要素をクリアするつもりだったので、チャートの叩き台はこれで作れるのではないかと考えた。5種類の意味の異なる数値を統一した残務量表現で扱えるように、バックログは攻略度0%~100%で表現することに決め、5種類×3エリア=15個の入力項目を持った横長スプレッドシートを力技で作った。ここに日々の値を書き込むと、現在の攻略率が計算されて、実績線にプロットされるという具合だ。

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ファークライ5 バーンダウンチャートのプレイ実績入力欄

また、この5要素を攻略率評価の上でそれぞれ均等な重み付けで計算してよいか分からないので、念のためトータルの攻略率の計算に及ぼす重みづけを変更できるようにした。

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重みづけのカスタマイズ

ただ、実際に色々値をいじってもそこまでトレンド(実績線の傾斜角)には大きな影響が見られなかったので、ほぼ均等な重み付けで良しとすることにした。最終的なチャートをお見せしたい。

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ファークライ5 バーンダウンチャート

残時間は1ヶ月に設定(ゴッド・オブ・ウォーも発売するので…)した。ごらんのとおり、色々問題のある進捗だが、大規模でフリースタイルのゲームのプレイ進捗のトラッキング方法に目途が立ったという意味では、私にとってエポックなバーンダウンチャートとなった。

より良いバーンダウンを目指して

次の目標として、計画線を導入してみたい。ゲームはほとんど週末にしか遊ばないが、ゲーム・オブ・スローンズのようなビデオは通勤中に観るので逆に休日は進捗がない。これをうまくチャートに組み込んでおければ、ファークライ5のチャートももっと現実的になり、完了日の予測もついたはずだ。また知見がたまってきたら報告したいと思う。

あなたのPCをポータルにする 100-CPU001

2018年1月末、日本を含む世界各地の会場に集まった参加者がその場で編成した即興チームで48時間以内に即興ゲームを作るイベント「Global Game Jam」が開催された。多くの人が心を踊らせる一方で、ある問題が人々の頭を悩ませる---そうPC運搬問題だ。PCをどうやって会場まで運ぶのかだ。

私は今年のGlobal Game Jamは東京会場に参加する予定でエントリーも済ませていた。しかし、その時点ではどうやってPCを持ち込むかの算段まではついていなかった。横浜在住時代、iMac、Alienware X51などのポータルデスクトップPCで参加したことがあるものの、現行のPCはタワー型であり、ポータブルの範疇には入らない。大阪から東京への参加となると車に積んで行くのも勇気がいる。行きはよいよい、(睡眠不足になりがちなイベントの性質上)帰りは怖いだ。

イベント直前まで計画していたのは、ポータブルPCケースに買い換えて、中身を丸ごと移し替えることだ。 この製品「PC-TU300」を見ていただきたい。

news.mynavi.jp

2015年に発売されたこのATXケースは、ケース上部にフリップハンドルを持ついわゆる「おかもち」型のケースだが、専用オプション「TU-01」を追加することで、伸縮型キャリングハンドル付きキャスターを取り付けることができるようになっている。

要はスーツケースと同じ要領で運搬が可能になるのである。

フリップハンドルがついてるだけの製品や、キャスターがついてるだけの製品は他にもあるが、いざ長距離を運ぶとなればPCは地面に置いて、腰の高さまでハンドルを伸ばして動かしたいものだ。つまり伸縮型ハンドルとキャスターは両方必須だと言える。その両方を備え、かつフルスペックのATXボードが使用可能なこのケースはまさに「キング・オブ・分かってる」、この世にノーベルポータブル賞という賞があれば受賞間違いなしの革新的PCケースだと言えるだろう。

このケースなら階段の上り下り、新幹線や長距離バスへの持ち込み、道路や廊下の移動も問題がない。4-5万の出費は痛いが、これでPC運搬問題は解決だ!と思っていたら、イベント直前で、のっぴきならない事情からGlobal Game Jameへの参加をキャンセルせざるを得なくなってしまった。ケース変更計画も一旦見送りである。

差し迫った長距離運搬の必要性から解放された私は、出費を抑えつつ、万人がPC-TU300並のポータビリティを実現する方法について考えてみた。PC-TU300は値段もさることながら、在庫があまりなく、入手が困難なのだ。そこで見つけたのが、サンワダイレクト製キャスター付きCPUスタンド100-CPU001である。

この製品は「CPUラック」「PCスタンド」などと呼ばれるカテゴリの製品で、PCケースにタイヤを追加するアクセサリだ。この一見ドローンを思わせるX字のキャスターは、X部分の角度をバックブレーダーのように変形させることによって、10cm〜24cmまでのPCを挟み込むことができるように設計されている。

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上の写真が、現行のタワーPCに100-CPU001を装着したところになる。

試してみて分かったが、装着に関しては、ケースの中央にキャスターを持ってくるより、重心をとらえることが重要なようだ。つまり、場合によってはケースの前寄り、または後ろ寄りに装着する必要がある。また防震ジェルシートなどを使うなどして、ある程度キャスターとケースの間を固定しておかないと、キャスターがスムーズに前進しなかったときにPC滑って前方に飛び出してしまうことがある。本格的に運搬に使う前に一度外に出て試しておくといいだろう。

LOAS 40V型対応テレビ耐震ジェル 20*20/25*25mm各4枚

LOAS 40V型対応テレビ耐震ジェル 20*20/25*25mm各4枚

 

ここまでしても、PC-TU300とTC-01の組み合わせに比べれば、高さは膝のあたりまでしかこないから、スーツケースのように押して歩くことは難しいし、「おかもち」的に持ち上げることもできない。

しかし、冷静に考えてみると、PCを持ち上げる必要がどれくらいあるだろうか? 日本社会のバリアフリー化は遅れているという声も聞くが、主要交通機関は何らかの形でエレベータかスロープによる移動が可能になっている。果たしてPCを持ち上げられなくて困るシーンが一年に何度あるというのだろうか。今やPCは前進できれば良いのだ。宙に浮く必要はそれほどない。

たとえば、最寄り駅から、Global Game Jam で参戦を予定していた東京工科大学八王子キャンパスまで鉄道を使って移動することを考えてみる。

らくらくおでかけネットというウェブサイトを使用すると、指定駅から指定駅の間がバリアフリー化されているかどうかを調べることができるのだが、これを見る限り、そして自分が知る駅施設の記憶と照らし合わせても、大阪府内の最寄り駅から八王子みなみ野までバリアフリーで移動することは可能である。

もちろん、スロープ等のバリアフリー設備はPCを運ぶために取り付けられた経路ではないので、わきまえなくてはならないが、筋力が限界を迎えた時も行き詰まることがないと分かっているのは心強い。

しばらくこのスタイルを試してみようと思っている。日本のバリアフリー社会を信じるのと、要所要所で「がんばる」形でいってみたい。

 

アメリカのPCが安いかもしれない2017年初夏

米国でお買い得(かもしれない)なゲーミングPCの価格を調べました,というエントリです。

私は英語キーボード派なのですが,一部のゲーミングPCメーカーは日本では日本語キーボードモデルしか販売しておらず,英語キーボードを設定しようとするとほぼDellのAlienwareあるいはXPSくらいしか選択肢がありません。Alienwareは発光しますし良いマシンですが,もう少し選択肢があれば……と思うこともあります。今回の米国長期滞在は,ASUS製やMSI製の英語キーボードPCを入手するチャンスになるかもしれないと思い,いくつかのPCをチェックしたところ,全体的に米国のゲーミングPCは日本より安めだということに気づきました。これは決して日本が不当にボラれているというわけではなく,日本では販売されていない廉価モデルの市場があることと,高級機も廉価なBTOモデルを提供していることが影響しているためです。大きく括ると3つのケースに分けられる気がします。

ケース1.日本未発売の安いPC/モデルがある

$700~$1,000付近の価格帯に,廉価版のゲーミングノートPCの市場があり,多数のメーカーが競合しています。日本から撤退したHPや,日本でノートPCを展開していないGYGABYTEといったメーカーだけでなく,日本でもお馴染みのMSIASUSACERLenovoなどもこの価格帯に日本では販売していない廉価なゲーミングPCを投入しています。この価格帯のゲーミングPC市場の存在が,「米国ゲーミングPC安いやん?」という感覚に一役買っているのではないかと思います。

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また,デスクトップゲーミングPCの分野でも,日本未発売の廉価モデルが存在します。

ケース2.日本未提供の廉価構成がある(主にDell

AppleMicrosoft等のグローバルカンパニーは,米国向けと日本向けでほぼ同じPCをそろえています。しかし,Dellに関しては,国によって異なるベースモデルとBTOを提供しており,開始価格に結構な開きがあります。たとえば,XPS15 9560は日本では178,800円スタートですが,米国では$999スタートとなっており,値段の印象がまったく異なります。同様の傾向はAlienwareやInspironの一部でもみられます。つまり,日本では高性能の構成しか提供していないことがあるということです。性能を追求してパーツを盛っていくと同じような価格になりますが,CPUはi5で十分で,ストレージはHDDが好みという人にとっては米国のほうが幅広いチョイスがあります。

ケース3.純粋に米国が安い

Razer,AppleMicrosoftといった日本に直営店を持つメーカーは,納得感のある日本国内価格を設定してくれており,同じモデルであれば値段はほとんど変わりません。為替レートもうまく設定されていて,日本で買うほうが安いことが多いです。しかし,米国のほうが純粋に数万円安くなるメーカーやモデルもあるにはあります。また,競争の原理が働いているせいか分かりませんが,結構なディスカウントがあり,それによって米国で買ったほうが安くなる場合もあります。サポートの問題もあり,安いからと米国で買うのが正解というわけではありませんが,英語キーボードを求めると結局日本では購入できないというメーカーやモデルもありますので,安いぶんには嬉しいところです。

魅惑の米国PCセレクション

CPUにi7を求め,GPUに1060以上を追求し,薄くて軽い筐体を追求すると,いかな米国といえども価格はずいずいと上昇していきます。しかし,妥協すれば価格はぐっと下がります。日本ではそういった妥協したモデルがあまり販売されていないため,最低価格が高止まりしているのが,両国での価格差感覚を生んでいます。大型プログラムのコンパイルや動画編集をするのでなければi7はオーバーキルなCPUですし,GPUは1050でも十分という人もいるでしょう。15インチの筐体は画面が大きく,持ち応えがあって運ぶ喜びもあります。

ゲーミングPCはたいていストレージが交換可能なので,最低容量のものを購入して,あとで弄ったほうがいいと思います。特にSSDはメーカーや製品によって性能が微妙な場合もありますので。この観点から私の琴線に触れたPCをいくつかご紹介しますので,同じく米国キーボード派の皆様も出張や旅行の際には是非ご検討ください。中には日本から取り寄せてもまだ十分安いものもあります。

Acer Helios 300

モデル CPU GPU メモリ ストレージ 実売価格*1
Acer Helios 300 i7 - 7700HQ GTX 1060(6GB) 16GB 256GB SSD $1.050

3.8GHzまでブースト可能な第7世代Intel Core i7-7700HQに,6GBのVRAMを備えたGeForce GTX1060と,交換可能な16GBメモリと256GB SSDストレージを備えて$1,100(実売$1,050前後)という破格の価格設定をしたAcerのPredatorブランドのゲーミングPCです。筐体がでかいぶんファンを2基搭載して高い冷却性能を持っており,Best Buyで実機を触りましたがキーボードも悪くありませんでした。もはや突っ込みどころは微妙にGlossyなモニタ程度。アンチグレアフィルム貼るかな……くらい。

www.youtube.com

AcerのPredatorブランドは国内では30万超の高級モデル一本勝負ですが,海外ではこんなリーズナブルなモデルが販売されていたのですね。いくつかのノートPCは海外出荷を行っていませんが,このPCはAmazon.comで日本からでも購入可能。Shipping+Taxで$111余計に取られますが,それを足しても競合するPCが見当たりませんから,許容範囲ではないでしょうか。

Dell Inspiron 15 7000 とその競合機たち

日本でも109,980円からスタートするDellの廉価ゲーミングPC Inspiron 15 7000 の新型モデルは,米国ではさらに安い$699~$799スタートとなっています。他に日本では販売されていない廉価ゲーミングPCが,微妙に異なるスペックで$699~$999の間にひしめいておりまして,Helios 300では性能的にオーバーキルだという方に,さらに2~3万円安い選択肢を提供してくれます。下記に$700~$1,000のプライスレンジで適当にBTOをいじくってみたものを掲載しますのでご参照ください。

モデル CPU GPU メモリ ストレージ 実売価格*2
DELL Inspiron 7567 i5 - 7300HQ GTX 1050 8GB 1TB HDD $699.99
Acer Aspire VX15 i5 - 7300HQ GTX 1050 8GB 256GB SSD $799.99
MSI GL62M i7 - 7700HQ GTX 1050 16GB 1TB HDD $893.77
Lenovo Legion Y520 i5 - 7300HQ GTX 1050Ti 8GB 256GB SSD $896.40
Acer Aspire VX15 i7 - 7700HQ GTX 1050 Ti 16GB 256GB SSD $999.99
DELL Inspiron 7567 i7 - 7700HQ GTX 1050 12GB 1TB HDD + 128GB SSD $999.99

HPのOMENやGigabyteのSABREといった日本未上陸メーカーによるモデルは$1,000を超えている割にめぼしいスペックがないので,表から外しました。

MSI Trident 3

モデル CPU GPU メモリ ストレージ Amazon Price
MSI Trident 3 (米国) i5 - 7300HQ GTX 1050(2GB) 8GB 256GB SSD $723.12

Xbox Sとほぼ同サイズの筐体に第7世代Intel Core i5-7400,3GBのGeForece GTX1060,交換可能な8GBメモリと1TBのHDDを詰め込んで実売$750のポータブルデスクトップPCです。MSI Tridentシリーズは日本でも販売されていますが,下位モデルが日本市場に投入されていないため,Core i5とGTX1060で十分という人にとっては,米国のほうが安くみえるというやつです。

VR GOなどと異なり,バッテリー非搭載機なので,外箱を捨ててスーツケースに突っ込めばチェックイン荷物で持ち帰ることもできますし,日本からAmazon.comで購入してもShipping+Taxは$107程度ですので,それほど割高感はないかと思います。一応,高級機のほうの値段も置いておきます。

モデル CPU GPU メモリ ストレージ 実売価格*3
MSI Trident 3 i7 - 7700HQ GTX 1060(6GB) 16GB 1TB HDD + 256GB SSD $1,199.99/188,080円
MSI Trident 3(米国) i7 - 7700HQ GTX 1070(8GB) 16GB 1TB HDD + 256GB SSD $1,499.00

同性能モデルで日本版が高いのは代理店挟んでる関係です。越境した場合はサポート等の問題も出てきますし,これは国内代理店として正当な対価かと思います。

XPS 15

最低価格は$999スタートですが,Core i3ディスクリートGPUを持っていないモデルなので,ここでは考えないことにしましょう。Intel Core i5やi7搭載機ですと$1,300前後になります。日本のXPS 15がi7 + SSD モデルしかなく,179,980円スタートになっているのに対して,HDDモデルなどが選択できるぶん安く買うことができます。XPS 15はメモリは自分で増設する仕様で,ストレージも保障対象外ながら交換できますので,ストレージは後で交換するという人には良いディールかも。ちなみに私はHDD派でして,米国で提供されているモデルはたいへん魅力的です。

モデル CPU GPU メモリ ストレージ Dell正価*4
XPS 15 (米国モデル) i5 - 7300HQ GTX 1050(4GB) 8GB 1TB HDD + 32GB SSD $1,199.99
XPS 15 (米国モデル) i5 - 7300HQ GTX 1050(4GB) 8GB 256GB SSD $1,349.99
XPS 15 i7 - 7700HQ GTX 1050(4GB) 8GB 256GB SSD $1,449.99/179,980円

デルの常ですが,米国にせよ日本にせよ,クーポンコードの発行で価格が乱高下します。日本でもだいたい1万円くらい下がりますが,米国のサマーセールの時期は$200くらい下がってたので同モデルでも米国のほうが結構安かったです。しかし,独立記念日セールが始まったらセール割引の対象機種から漏れて元値になってしまいました。

Razer Blade

Razerは非常に小さい会社ながら,非常に妥当な国内価格設定を行っています。いくつかのモデルでは英語キーボードも提供しているので,本来であれば米国で買う旨みはありません。しかし,このところ日本のRazer製品は在庫がなく英語キーボードが選択できなくなっていたりと,手に入れたくても手に入らない状況になってきました。米国は一発で買えるのでそのへんは良いところです。

モデル CPU GPU メモリ ストレージ 直営店価格
Razer Blade Stealth 12.5'‘ QHD (米国) i5 HD Graphics 620 16GB 128GB SSD $899.99
Razer Blade Stealth 12.5'‘ 4K (日本) i7 HD Graphics 620 16GB 256GB SSD 164,800円
Razer Blade Stealth 12.5'‘ 4K(米国) i7 HD Graphics 620 16GB 512GB SSD $1399.99
Razer Blade Stealth 13.3'‘ (米国) i5 HD Graphics 620 16GB 256GB SSD $1399.99
Razer Core $499.99/61,800円(日本入荷待ち)

おまけ:Surface

Apple製品が日本で買うほうが若干安いのに対して,Microsoft製品は日本で買うほうが高いです。ただ,量販店が少し安く売ったりするのでほとんど無視できる違いかもしれません。例外的にSurface Book Performance Baseモデルだけは割と価格あります。日本のSurface Book Performance Baseモデルは,日本語キーボードをわざわざ準備したがゆえに高い,米国版は英語キーボードなのがその筋の人には魅力,と言えるかも知れませんが,私に言わせると両方ともすごく高いです……

モデル CPU GPU メモリ ストレージ 直営店価格
New Surface Pro m3 HD Graphics 615 4GB 128GB SSD $799/114,264円
New Surface Pro i5 HD Graphics 620 4GB 128GB SSD $999/136,944円
New Surface Pro i5 HD Graphics 620 8GB 256GB SSD $1,299/158,544円
New Surface Pro i7 HD Graphics 640 8GB 256GB SSD $1,599/206,064円
Surface Laptop i5 HD Graphics 620 4GB 128GB SSD $999/136,944円
Surface Laptop i5 HD Graphics 620 8GB 256GB SSD $1,299/158,544円
Surface Performace Base i7 dGPU 8GB 256GB SSD $2,399/308,664円

結論

なんだかんだで買わずに帰るかもしれませんが,調べた時間がもったいないので,誰か同好の士にこの情報有効に使ってもらえたらと思います。日本から買っても十分安いやつあるんで……

*1:6月末時点のAmazon.com価格

*2:6月末時点のAmazon.com価格

*3:米国は6月末時点のAmazon.com価格,日本はアークの価格

*4:6月末時点のDell Market Value

外付けGPUボックス BIZONレビュー --- 小さな筐体に収まりきらないGTXのスーパーパワー

今年もWWDCが終わったが,ポータブル界隈での一番のビッグニュースは外付けGPUボックスの登場だと言えるだろう。Apple関連の製品群で外付けGPUボックスなどというキワモノが出てくるとは想像できなかった。外付けGPUボックスも,普通に買って普通に挿すだけでスムーズに繋がる時代が来たのかもしれない。

外付けGPUボックスといえば,このブログでは以前,Alienware ブランドの専用外付けGPUボックスAlienware Graphics Amplifierについて取り上げたことがある。

minahito.hatenablog.com

対応するAlienware本体より先にAmplifierとGPUが届いたため,することがなくてGPUを挿したり抜いたりして遊んでいたのが昨日のことのようだ(記事参照)。

その後もMac用の外付けGPUボックス「BIZON BOX 2」とGeForce GTX 980との組み合わせにも手を出したりした。前者はBIZON BOX 3が現行機,後者もGTX10シリーズの時代に入っており,今更感はあるのだが,半公式のeGPUボックスの発売を記念して,記憶と記録を辿りながら簡単にレビューしたい。

Thunderbolt 2に対応したGPUボックス

BIZON BOX 2は,AKiTiOのPCIe-Thunderbolt変換キットの基盤を内蔵し、GPUに特化した扱いが容易になるように設計された鉄製の箱とソフトウェア郡のセットだ。つまり,Thunderboltケーブルを使って外付けGPU(eGPU)をMac環境に提供してくれる製品である。しかしこれがどうしてなかなか、見かけはシンプルな鉄箱ながら、デスクトップのGPUパワーがこの小さな箱に収まりきらないさまを見せてくれる。

BIZON BOXの環境では,Mac OS XとBootcampのWindowsの両方でeGPUを認識することができる。BIZON BOXに繋げたモニタ上の描画をeGPUで実行するのが基本の形だが,対応している機種で適切な設定を行えば,内蔵モニタに「描き戻し」を行うことが可能だ。

ウェブサイトからクレジットカード決済で購入することができ,希望するならば同時にビデオカードを買うこともできる。輸出に対応しており,少なくとも日本からは問題なく購入可能だ。発送も迅速で,特急便のオプションを選択すれば1週間ほどで商品を手にすることができた。標準で1年間のアフターサービスがついており,故障や問い合わせへの対応を行ってくれる。

残念な点としては,マニュアルやソフトウェアがオンラインで公開されていない(ソフトウェアはダウンロード方式だが,URLが公開されていない)ことが挙げられる。言葉を選ばなければBIZON BOXはAKiTiOの基盤を流用して価格を上乗せした「情弱」向けの製品でもあるから,eGPUのスムーズな導入を解説するマニュアルやソフトウェアもキモであり,オフラインとするのは仕方のないところかもしれない。

筐体からあふれ出んばかりの GPU は「まさにデスクトップ級」

それでは,早速GTX980をBIZON BOX 2に装着してみよう。

入らない。GTX980が箱より長くて,物理的に収まりきらない。

筐体からあふれんばかりというか,実際にあふれているではないか。

箱の構造上,内箱にGPUボードがおさまらない場合,GPUの端子を基盤に装着することができない。つまり,このままでは$660の鉄の箱を送料・TAX込みで2万円で輸入しただけ,ということになる。

こんな馬鹿なことがあるかと思ってもう一度ウェブページを確認すると,ロングサイズのGPUはフロントパネルが邪魔になるため,出荷時に取り外しを希望することができる,という記述が見つかった。そして,実際購入ページには下記のような選択肢があったのだ。致命的な見落としである。

迅速で的確なアフターサービスも英語に苦労

しかし,BIZON BOX 2 のもうひとつのウリである「一年間のアフターサービス」を試すよい機会だ。たどたどしい英文で、注文を間違えたことと、何らかのアフターケアをしてくれないかということをメールで送ってみた。すると、非常に懇切丁寧なメールが添付写真つきで迅速に戻ってきた。メールを送っても返事が返ってこない日本の会社が多々あるなか、これはなかなかの高得点だ。メールの中身は、要約&翻訳すると次のようなものだった。

添付した写真を参考に、ノミか何かを溶接部分に当てて、ハンマーでぶっ叩いてお切り離しください。 そのあと、ペンチを使って、パワーで蓋を外側に折り曲げてください。 どうしても気になるようなら、その後切断機で切り落としてもよいでしょう。 それであなたのGPUが装着できるようになるはずです。

え?蓋を破壊しろって書いてありますひょっとして?最初読み終わったときは,こちらの英語力の問題による解釈間違いかあるいはアメリカンジョークか何かなのかと思ったが,添付写真には「ここを壊せ!」といわんばかりに破壊目標に的確に赤丸がつけられており,サポートの本気度が伺えた。それにしてもこの鉄箱,鉄板の厚みが相当あるし溶接も相当丁寧に行われているのだが,アメリカではハンマーやペンチでどうにかしてしまうものなのだろうか。

「規格外のパワー」は想像以上! 初起動の衝撃

結局,鉄箱から基板を取り外し,それをGTX980に直接装着することで,物理的な制約をクリアすることにした。

GPUにモニタを接続して,BootCamp側のWindowsを起動すると,GPUのファンが勢いよく回り始め,ついにGTX980がモニタに初描画を行ってくれた。そのときの写真が残っているので,こちらに掲載したい。

PLEASE POWER DOWN AND CONNECT THE PCIe POWER CABLE(S) FOR THIS GRAPHICS CARD

電力不足である。

実はBIZON BOX購入時に200Wかそれ以上の電源か*1選択できるようになっていたのだが,980なら200Wで十分と書かれてあったため,より小さくて静粛性の高い200Wを選択したのだ。しかし,結局電力が足らなかったということだ。そんな馬鹿な,200Wあって足りないはずがないと思って,電源アダプタ(DELLの電源の流用品だが)の表記をよく読んでみたところ,15A12Vという表記が目を引いた……つまり180Wということになる。20Wどこいったんだよ。

この180Wという数値は私のGTX980にはスレスレの値であり,起動できることもあったが,かなり不安定な状態であった。

この界隈では,高性能パーツを表現する際に「規格外のパワー」「限界を超えたパワー」などの比喩表現が好んで用いられるが,電力の限界を超えると起動しないということを痛感させられることになった。

BIZON BOXとAlienware Graphics Amplifierを並べて考える

さてここで,BIZON BOX 2と,同コンセプトの先達Alienware Graphics Amplifierを並べてみることにしよう。AmplifierはBizon Box 2より,巨大な電源ユニットを持っており,このGTX980を実際に動かした実績がある。GTX980にBIZON BOX 2の基板を装着した状態で,Amplifierから電源だけもらえば,電力不足を解決できるのではないだろうか?

もちろん,単にPCIeパワーケーブルを取り回すだけでは,Amplifier側のスイッチが入らない。そこで,スイッチボードとして「ATX電源検証ボード」を購入して繋げ,手動で電源を起動できるようにした。完成した接続手順は,下記のようなものだ。

  1. BIZON BOX 2から取り外した基板を,GTX980に直接装着する。
  2. Mac Book Airと当該の基板を,Thunderboltケーブルで接続する。
  3. Alienware Graphics Amplifierの蓋を開き,PCIeパワーケーブルだけ貰って,GTX980に接続する。
  4. Mac Book Air,Bizon BOX 2の基板,Amplifierの3台をそれぞれ電源に接続する。
  5. スイッチボードを使用して,Amplifierに灯を入れ,GTX980に電源を供給する
  6. Mac Book Airを起動する

相当乱雑な状態になってしまっているが,箇所箇所の要件は満たしており,無事に起動させることができた。当時の Fire Strike の記録が残っているのでスコアを転載すると,

  • Graphics scpre 9,251
  • Physics score 1,721
  • Combinated score 1,099

で,トータル3,857であった。CPU側がi7 3567Uとかなので,グラフィック以外のスコアがボロボロなのは仕方がない。しかし,GTX980のほうはきちんと動作していることが伺える。

黎明期の機器ではあるが,ポータビリティは良好

いろいろ騒動はあったが,eGPUの黎明期らしいサードパーティ製品ということができる。公式にMacをサポートする製品が登場するということで,若干彼らの先行きが心配でもある。

一点だけ,BIZON BOXの強みについてあげておきたい。COMPUTEXの記事によると,世の中的にはAlienware Graphics AmplifierやRazer Coreは「非ポータブル製品」ということになっているらしい。そこで,GPUをあえて交換不可能にしてeGPUボックスをサイズダウンした,ポータブルなeGPUボックスが開発されていたりする。

www.4gamer.net

しかし,ここまで読んでいただければお分かりのとおり,BIZON BOXの基板は簡単に鉄箱から取り外しが可能で,大きさや重さはまったく問題にならない。据え置き,ポータブル,両方に対応できるマルチロールeGPUボックスなのだ。興味のある方にはぜひポータブル機材リストの末席に加えていただきたい。

*1:現在は400W

アメリカに来て分かった2つの大切なこと

ラムダッシュは洗浄台がなくても洗浄液で十分いける

出発するまで、ラムダッシュの洗浄台を一緒に持っていくかどうかでかなり悩んでおりました。洗浄台は、ラムダッシュを充電しながら、潤滑油入り洗浄液を使用した髭くずの除去、刃の手入れを行い、乾燥まですべて自動で済ませてくれる優れもの。ラムダッシュの状態を維持するためにも、短期ならまだしも数ヶ月の出張では必需品だと思いこんでいました。

パナソニック ラムダッシュ メンズシェーバー 5枚刃 シルバー調 ES-LV9A-S

しかし、こちらの直接塗布するタイプの洗浄液で十分でした。

こちらの洗浄液では、髭くずの除去には限界があるため、一度ラムダッシュの外刃を外して水流で洗い流す必要はありますが、その程度の違いです。洗浄台はまめに水位を見てやらないとしっかり洗浄されないし、潤滑油もいきとどかないことがあるのですが、こちらは直接塗布するので当然洗浄液も潤滑油もしっかりとどいて、むしろ自宅にいるときよりラムダッシュの切れ味が上がった感じがします。またこの洗浄液を2個買ったんですけど、それほど減るものでもないので、2ヶ月なら1個で良かったかもしれません。

ラムダッシュのバッテリーは3週間以上持つ

今回、初めてラムダッシュのバッテリーを使い切ってみたのですが、まめに洗浄で空動作させているにもかかわらず、3週間経っても10%残っており、最終的には25日間も持ちました。

新品で、バッテリーがへたっていないラムダッシュなら、もっと持つのではないでしょうか。いつも出張のときは、洗浄台は持ち込まないまでも、電源アダプタは携帯しており、家にいるときとできるだけ同じラムダッシュにしてあげたくて、まめに充電にしておりました。しかし、髭の程度によるかもしれませんが、2~3週間の出張なら電源を持ってくる必要はなさそうです。

デミオは動かない

久々の更新ですが、私はいまアメリカのサンフランシスコに長期出張でやってきています。

会社からこの長期出張の計画を打診されたとき、私の頭を駆け巡ったのは「家族」と「免許」という単語でした。

なぜ免許? 実は私、「Unreal Engine 4 で極めるゲーム開発」を執筆中に、仕事が佳境を迎えまして、労働時間と執筆時間の両方を確保するために、毎日コッソリ首都高で前職の会社に通勤しておりました。そして、新車を買って約4ヶ月後に、とある直線で大きく踏み込み、女神オービスのウィンクを受けてしまったのです。

livemimi.com

ペナルティを軽くするワンチャンがあるといわれる「処分に関する意見の聴取会」に、ほぼ徹夜で用意した情状酌量を求める上申書を持ち込むも効果を発揮せず、ほかにちょろちょろ点を持っていたせいもあって、お上が下した裁定は免許取消。こうして購入したばかりの新型デミオは横浜の駐車場で長き眠りにつきました。

このような(自業自得の)悲劇を背景に刊行された「UE4極め本」は私の悲嘆と裏腹に評価は上々。本書は(協力者のおかげで)私の力量を大きく超えたクオリティに到達していたため、免許事情を知る人々の間では「運転免許証を生贄に捧げて召喚した魔道書」と呼ばれることもあったそうです。

2015年の秋。追加PDFの執筆も終わり、ハンズオンビデオの納品もすべて終え、執筆の使命を果たした私の週末の趣味は「ドライブ」から「拭車(ふきしゃ)」に変わっていました。拭車とは、文字通り車を拭くことです。本当は洗車場に持って行ってやりたいのです。しかし、デミオは動か(せ)ない。やむをえず、徒歩で洗車ウェットシートを買いに行き、徒歩で帰宅して、車を拭いていたわけです。当時、「Twitterで著者が本の質問にまめに答えてくれるのがすごい」みたいに言われたこともありましたが、それコーナンからの帰り道にポチポチ返信した結果だったりしたわけですね。

フクピカ12枚入り4.0 00468

フクピカ12枚入り4.0 00468

それから半年後、私は現職へ転職することになりました。横浜から大阪へ、引越しです。しかし、デミオは動か(せ)ない。やむをえず、陸送業者の手配を取ろうとしたところ、前職の会社の先輩方が3名ほど手を挙げてくださって、このお三方がドライバーを交代しながら大阪まで運んでくださったのでした。なんという暖かい会社でしょう。しかし、(法的に)私にできることは助手席で応援することだけだったというのが切ないところです。あと、たまに寝てました…

こうして大阪に到着し、先輩方に契約済の駐車スロットにデミオを停めてもらうところまでお世話になったのですが、これが不動産屋の連絡ミスによる間違った駐車スロットだったことが翌日発覚。しかし、デミオは動か(せ)ない。駐車場だし、一瞬自分で動かすことも考えましたが、結局、不動産屋の兄ちゃんに現地に来てもらい、車を移動してもらいました。

そして、大阪でようやく新たな定位置を得たデミオは、カバーされて残り半年の眠りについたのでした。

なぜ半年なのかといいますと……免許取消を食らった咎人は、免許を取りなおす前に、一度「欠格期間」と呼ばれる免許を取る権利がない状態に入ります。私の欠格期間は一年で、転職までに半年過ぎていましたので、大阪移住後さらに半年でその喪が明ける予定になっていた、ということです。

しかし、この半年がつらかった。大阪は意外とマツダ車が走っており、新型デミオも例外ではありません。走っているデミオ、いわゆる「動くデミオを見ると胸が痛くなりました。しかもこの頃「毎日朝の9時15分に家を出ると、9時25分にあるドライブウェイに差し掛かったときに、必ず右折する青いデミオに遭遇する」というルーチンデミオがいたのです。ある日5分遅刻して家を出たら、なんとその動くデミオも遅刻しており、寸分違わぬ場所で遭遇したのには参りました。この頃は若干心に闇が入ってきていて、朝にすれ違う動くデミオの色とナンバーをなんとなく全部覚えたりしていて、普段見かけない動くデミオとすれ違うと「あ、あれはまだ見たことがない動くデミオ」とブツブツつぶやいていたりしておりました。

こうして長い長い半年が過ぎ、ついに私の欠格期間の喪が明け、同時に免許を再び攻略するための有給休暇が支給される時が来ました。しかもなんという偶然か、時を同じくして、半年前にかけたカバーが強風で破れ、内側からデミオが蘇ったというのです(管理人談)。

しかし、デミオは動か(せ)ない。免許を取り直すまでは。ですが、高コストで時間もかかる、指定自動車教習所に通いなおすわけにもいきませんので、運転免許試験場でおまわりさんに直接みてもらう、「一発試験」で取り直すことにしました。ところが、これが大変な茨の道だったのです。Wikipediaの記事に、一発試験の長短所が簡潔に書かれているので引用しますと、

最大のメリットは自動車教習所に通うことなく、運転免許が取得可能であること。つまり、教習所の教習料金および教習に関わる時間を節約できることである。しかしながら、運転免許試験場における技能試験(一発試験)は、指定自動車教習所の技能検定(審査・検定)に比較して合格点は同一であるものの採点基準が非常に厳格であるため、合格率はかなり低く難関である。

ほんこれです。この記事によると、過去の免許ホルダーでも合格率は2割程度といわれていますが、それを身をもって嫌というほど体験することになりました。

こうして、門真運転免許試験場に向かい、不合格をくらい、試験場の横にある家系ラーメン「町屋商店」ならぬ「門真商店」で泣きながら豚骨ラーメンをすすって帰る、という辛い日々が始まりました。採点が厳しいということもあるのですが、交通ルールや学科試験の本では完全に解説されていない公安の基準があり、その何かに引っかかって失格すると、おまわりさんがワンポイントアドバイスをくれる。そして、その翌週に別の理由で落とされたりするわけです。一種の死んで覚えるゲー、死にゲー状態なのでありました。

何度目かの試験で、ようやく仮免に合格できまして、約半年振りに練習目的でデミオに灯を入れられるときが来ました。しかし、デミオは動かない。半年の鎮座でバッテリーがあがっており*1、あえなくディーラー送りとなりました。

バッテリー補充後、上に張ったような仮免許練習中プレートを貼り付けて規定時間の練習には使ったものの、GCCの講演準備や、GDC出張、4gamerへの寄稿などの作業もあり、本免に取り組めない日々が続いておりました。なおその4gamerさんの記事中にある、

自宅の大型タワーデスクトップPCを持ち込むにしても会場までどうやって運べばよいものか

という一節を読んで、「タワーPCを車で会場に運べばいいじゃん。お前デミオ持っとったやろ」と頭をかしげた知人もいたようですが、規定条件下の練習目的外では動か(せ)ないんだよデミオが!

このように、仮免取得後3ヶ月くらい何もできずにいてからの、冒頭の長期出張の打診だったのです。仮免の有効期限は半年ですから、このままではアメリカに行ってる間に仮免が失効してしまい、またゼロからやり直さなければいけません。こうして、出発までの4週間の間に本免を取り直すという、熱い戦いの火蓋が切っておろされました。この時期の私は「アメリカ出張の準備=免許」といっても差し支えのない状態になっており、

「minahitoさん、出張の準備はどうですか」
「いやあ、また落ちてしまいました」
「そうですか。次回の試験はいつですか?」

という会話が周辺で普通に成立しておりました。

なんにせよ、仮免に落ちた回数を考えると、4週間はかなりタイトなスケジュールでした。門真運転免許試験場の技能試験は予約が詰まっており、学科試験と技能試験を同じ週に受けることはできず、技能試験もだいたい週1回しか受けられません。今回の場合、4週間ありましたが、1週目は学科試験で使うことになります。つまり、技能試験に挑戦できるのは第2週、第3週、第4週の最大3回。そして、実際に2回不合格となり、アメリカに出発する3日前となるラストチャンスまで決着がもつれこんでしまったのでした。

天国か地獄か、すべては私の腕前にかかっており、リカバープランは存在しません。しかも、それほど練習してるわけでもなく、そして公安基準もいまひとつ分からない一発試験。大阪の平日の午後は路駐、工事、逆走自転車、飛び出し、無方向指示器の一般車、大阪のおばちゃんで溢れています。私も人生いろいろ緊張することがありましたが、この試験では生まれて初めて緊張でポンポンが痛くなる現象を体験いたしました。あ、みんなが言ってたのはこれかと。

それでも何とか合格。合格を告げたおまわりさんの「もう二度とこんなところに来るんじゃないぞ」「これはあなた一人の免許じゃないんだからな*2の二言は本当に胸にしみました。

こうして、当日に免許の発行を受け、アメリカ出発の72時間前に再びデミオを動かす権利を手に入れたのでした。

しかし、デミオは動かない……今は大阪で主の帰りを待つのみ……

*1:一応、ディーラーと相談して「半年はなんとかもつだろう」となっていたのですが、放電したバッテリーをアイドリングで充電するには半日から一日以上の時間が必要なので、誰かに頼んで町を走らせることができるならともかく、そうでないなら下手にセルモーターを回さず駐車場で眠らせておきましょう、という戦法を取っていたのでした。

*2:何度も技能試験を受けるために会社からさまざまな配慮があったため

2016年の英語学習を(突然)総括する

2016年5月から外資系の会社に転職し、勤務地も大阪に変わって、通勤時間が大幅に短縮されました。今年はこの有り余る時間のほぼ全てを英語の勉強に注ぎ込み、一定の手応えを得たものの、「東京時代でももっとやれることがあったなぁ」という反省をしています。突然ですが、少しまとめましたので、同好の士の年末の暇つぶしにでもなればと思います。

TOEICスコア続伸の違和感

約半年にわたる英語の勉強を経て、会社で英会話で仕事を進められる割合や、英語ミーティングの理解率・参加率がじりじりと高まっており、主観的には達成感を感じていますが、客観視するためにも定期的にTOEICを受験して数値化しています。直近の3回ぶんのスコアを表にしましたので、ご覧ください。2015年10月は前職時代に受けた最後のTOIEC、2016年6月が転職した翌月に受けたテスト、2016年10月が勉強の効果測定のために受けた最新のテストです。

受験年月 Listening Reading Speaking Writing
2015年10月(前職最終成績) 310 305 90 150
2016年6月(現職当初成績) 405 280 130 170
2016年10月(現職最終成績) 390 390 120 190

合計スコアでみるとLRが615→685→780、SWが240→300→310と伸びており、順調に英語力がついていっているようにみえます。しかし、私が英語の勉強に本腰を入れ始めたのは2016年6月ですから、あまり勉強していない時期にスコアが伸び、勉強している時期にスコアが停滞するという結果になっており、釈然としないところもあります。

たとえば、2015年10月→2016年6月までは前職の仕事と引継ぎと送別会で毎晩のように飲み歩いておりました。体重力を上げた覚えはあるのですが、英語力を上げた覚えはありません。大阪に来てからも、最初の一か月はそれほど英語を追求しておらず、むしろ粉物を追及していました。

というわけで、2015年10月→2016年6月は停滞期にあたるはずなのですが、実際にはリスニングが310→405、スピーキングが90→130と急上昇しています。iKnowと英会話スクールを散発的に通う程度しかしてなかったのに、なんで?

一方、2016年6月→10月の間は、オンライン英会話スクールを追加し、各分野の勉強に毎日3時間を注ぎ込み、昼休みにも毎日外国人の同僚とランチに行って英語だけで会話する「英語ランチ」を設けるなど、英語への時間投入量を激増させました。しかし、蓋を開けてみるとリーディングとライティングは伸びているものの、英会話で直接駆使するリスニングとスピーキングは停滞しています。

なお、このように前職時代の英語力は本当に低かったので、お前そのスコアで過去3冊も翻訳に関わっていたのか!というツッコミがあるかもしれません。が、翻訳の質は、「俺はこの本を日本語で読んで欲しいんだ!」という愛と時間、情熱と根性と友情と時間、そして闇落ちしない強い心とレビューと時間があれば上がりますから問題ないと強弁しておきます。

私はこうして英語を勉強している

スコアが伸びてないのに勉強法を書き留めてもなかなか参考にしづらいと思いますが、書いておきます。私の勉強法は、英会話、リスニング(ディクテーション)、グラマー、ボキャブラリー、ライティング、リーディングの6分野を1項目25分、毎日行うというもので、その継続性はiPhoneアプリの「Streaks」で管理していました。

英会話

  • オンサイト英会話スクールではGabaに通学(週2回)
  • オンライン英会話スクールではBizmatesを利用。
  • ランチタイムは外国人の同僚と英語ランチ

オンライン英会話(Skype英会話)は、過去にはレアジョブやラングリッチ、またBizmatesと並行してDMM英会話も試していたのですが、最終的にBizmatesに一本化しました。

Bizmatesは、ビジネスマナーをテーマにした独自の教材を用いて英語を学ぶオンライン英会話です。原則として、教材を1章ずつ消化していく形で進捗していくので、気軽にログインができます。講師も(他と同じく当たり外れはあるものの)非常によくトレーニングされている印象です。

最初は、「ビジネスマナー=表層的なやりとりのテクニック」という先入観を持っており、私が学習したい英語とは違うジャンルのことだと考えていましたが、受講してみるとビジネスのテクニックというより、「人間の常識」「良識ある人間の当たり前の物事の捉え方」「立ち振る舞い」を教わるという性質が強く、言語関係なく非常に勉強になっています。ひとつ学ぶたびに、過去の自分を思い出して恥じ入り、悶絶しています。

そういう意味では、プログラマにこそお勧めです(どういう意味だ)。

リスニング(25分)→ディクテーション(25分)

  • 海外のドラマを字幕なしでみる
  • 最近はディクテーションに変更

リスニングは、当初は「ドラマをみる」という夢のような勉強法で、1日3時間というきつい勉強量の中で息抜きにもなり、電車の中でもできました(といっても大阪の生活では、25分も電車に乗っていませんが)。が、これを英語力がついたことにあわせて、ディクテーションに変更してからは、一日でもっともきつい勉強になりました。

どうしてもまだ区間再生や、音声のスロー化に対応したアプリケーションを使わないと書き取りを始めることもできないため、自宅で腰を据えてやっています。

コツとしては、単に聞き取った音声を書き取るのではなく、聞き取った情報で英文を再構築することが重要らしく(聞き取れなかったけど、そこはwhatやろ、みたいなやつ)、おそらく慣れてくれば電車の中でもできると思います。当初はこのコツがよく分からず、繰り返し音声を細切れに聞いて、聞き取れたものを書き取って、最後に字幕をオンにして見比べていたのですが、これはこれでどのような音を聞き取れなかったのかということと、その法則みたいなのが自分の中でわかってきたので参考にはなりました。

音源としては、GDCが近いのでGDCの過去講演のビデオを使用しています。

グラマー(25分)

  • 毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる
  • TOEIC TEST 文法特急シリーズ
  • English Grammar in Use

「毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる」は、表題の通り、自分の中で英語のテンプレートを作って、部分的に入れ替えて、言いたいことを言うために購入し、マニュアル通りシャドーイングして一旦丸暗記しました。

TOEIC本については、当初はTOEICのスコアが英語力と乖離した形で不当に上昇してしまうのではないか、と当初は遠ざけていたのですが、ある程度のレベルで適切な量の英文があり、そこに解説もついている本ということになると、どうしてもTOEIC関係の本ということになってしまいます。

前職の先輩の強い勧めがあり、また、英語の勉強の相談に乗ってくれてる友人からも、別に問題ないのではないかというアドバイスをもらい、文法特急シリーズを手に取りました。結果としては品詞の概念を生まれて初めて強烈に学ぶことになり、たいへん勉強になりました。掴み所のなかった霧のような「英語」がある程度ルールとして腹落ちした感じです。

「English Grammar in Use」は、前職の頃、一年かけて放課後読書会で読破した英文法の名著。iPhone版のアプリの出来がたいへんよろしく、最近はこれを何周もして勉強しています。

ボキャブラリー(25分)

私の語彙力の勉強はここ数年はすべてiKnowにお任せしています。このサービスの素晴らしいところは、同じ単語を何度も出題してくれる点です。一度正答すると記憶ゲージがわずかに上昇し、間違うとガッツリ下がるのが基本ルールで、記憶率100パーセントを目指して反復学習に取り組みます。最初の方は毎日のように同じ単語が出てくるものの、正解を続けていくと、再出題の間隔が1週間、2週間、1ヶ月と徐々に間が開いていくのが特徴。

1〜2週間の間が空いた時は覚えているが、1ヶ月開くとすっかり忘れてしまう。ということで、記憶ゲージ100パーセントを目指して一進一退の攻防が続きます。100パーセントに至ると、その単語がマスター扱いになるのですが、そこから数ヶ月が経過すると、再び出題されるようになります。

まるで低予算タイトルのアセット使い回しのようなしつこさ…!しかし、このようなしつこい復習は、自己管理ではなかなか難しいでしょう。下記のグラフをご覧ください。上がiKnowで学習を開始した総単語数、下が「マスター」扱いになった単語数をプロットしたものです。上のグラフは出題が始まった時にカウントされますが、下のグラフは一ヶ月近い反復宿題を乗り切らなければカウントされません。このグラフを見ると、年始にiKnowに本腰を入れて「開始単語数」がどんどん増えているにも関わらず、「マスター」単語数は数ヶ月ズレて上昇しているのがわかると思います。

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ライティング(25分)

25分英文を書くのは難しくないですが、添削を受けないと正しい英語を書いているかどうかがわかりません。自動的にできる添削として文法チェッカー「Grammarly」を使い、さらに書き終えた文章をLang-8に投稿したり、Gabaの文章添削サービスに提出したりしていました。また、添削はBizamtesなど、多くのオンライン英会話スクールに依頼することもできます。

リーディング(25分)

当初はゲーム開発技術系の英文を読んでいたのですが、「技術知識を持っているため、読めてないのに、読めてしまう(分かってしまう)」という感じになってしまったため、こちらは勉強時間にカウントしないようにしました。そこからは、いい英文と、答え合わせのための訳文と解説がついている教材探しの旅が始まりまして、ここでもTOEIC本を使いました。これに関しては他に選択肢があまりない(隔月刊の多聴多読マガジンくらいしかない)ので、迷いはなかったです。

会社のメールやドキュメントの90%が英文なので、触れる英文の量は格段に増えています。ですから、勉強時間としてリーディングを行う際は、しっかり意味を取るように心がけています。

東京時代でもできた?

当初は、東京から大阪に引っ越したことで通勤時間が激減し、英語の勉強に時間を投入できるようになったと考えていたのですが、勉強方法がまとまってくると、ディクテーションと英会話以外は電車の中でも普通にできるので、東京にいた頃も長時間の電車通勤をうまく使って、もっとやればよかったと後悔しています。

また、現職は外資ということもあって英語勉強の機会が非常に充実しているのですが、前職も社内でTOEICが受けられたり、マンツーマンのネイティブ英会話教室があったり、放課後に有志の英語勉強会が週二回あり、自宅では取り組む気になれないシャドーイングに皆で集中的に取り組めたりと、いま思えばなかなか充実しておりました。

当時は仕事も忙しく、週二回の英会話教室など焼け石に水だと思っていましたが、お金払って英会話スクールに行ってもあんなもんだし、いまなら必要十分だったとわかります。あとはオンライン英会話で補えば良いので。スピーキングスコアがなぜか転職直後に受けたテストで伸びていたのも、おそらく前職時代のシャドーイングのおかげかなと思います。

当時必ずしもすべての機会をうまく活用できていなかった点は後悔です。この種の環境が充実している会社は少なくないと思うので(しかしたいてい勤めている人は知らない)、皆さまもお勤め先の制度や有志の勉強会の有無を一度調べてみることをお勧めします。

発毛剤のジレンマ

Google などの機械翻訳も発達してきました。いずれ、人々の意識や働き方も変わり、翻訳機をつけていても他の人と同じように交流したり仕事をさせてくれるようになって、英語の勉強をしなくても困らない時代が来るかもしれません。しかし、その時期が自分のキャリアパスと一致するかどうかは、誰にも保証できません。

私はこの問題を「発毛剤のジレンマ」と名付けました。「20年後に本当に毛が生える毛生え薬が開発される」として、あなたは「だったら髪の手入れの時間を、別のことに使おう」と思うか、「ふざんけんな!いま髪が必要なんだよ!いま!」と思うか。年代や、意中の相手(会社)によって、答えは変わります。英語にのるかそるか、こればかりは自分で判断するしかありませんが、髪の毛に置き換えれば判断がしやすくなるのではないでしょうか。

ひとつだけはっきり言えるのは、いま学生の人がいて、授業に英語が組み込まれているのであれば、その時間の使い方に本来自由はないのですから、しっかり勉強しておいたほうがよいということです。

勉強量について

おそらく大多数の日本人の基礎英語力は、私より高いはずで、週21時間も突っ込まなくても、もっと短い時間で良好な結果を得られるのではないかと思います。私はあくまで高校入学以降の英語勉強放棄の代償をいま支払っているところがありますので。

また、言語習得は困難な道とはいえ、実はある程度の段階まではコストパフォーマンスはそこまで悪くないのではないか?という気にもなっています。昔から、「大学を最後に英語を勉強していない」という理系出身者が出張先で英語を使いこなしてるのをみて「なんなのこいつら」と不思議に思っていたのですが、仮にそれがTOEIC750〜800くらいのスコアなのだとすると、皆さんはすでにその力を持っているか、持っていなくても最悪一年足らずでそのレベルまで到達できるのではないか、と思うのです。これだけでも相当な英語のビデオやドキュメントを引いて活用することはできます。ジレンマは、その後の話ですね。

とりあえずこの半年で「橋頭堡」は作れたと思うので、私も今は少し時間を減らして、技術の勉強も増やしています。あくまで英語最優先であるべきですが、どうしても興味のあることがありまして……その結果、英語のレベルがどこに至ったかは、また2017年末に報告できればいいなと思います。

まとめ

喋れると思ったら言葉が出ず、

聴き取れると思ったら聴き取れず、

あらゆる構文が分かると思ったら解釈不能な構文が現れ、

語彙力は十分と思ったら、知らん単語に束で遭遇し、

書けると思ったら、書けず悶絶し、

どんな英文も読めると思ったら、何をいってるのかわからん英文が舞い込む

それが英語...!

来年も頑張ります。