米澤 穂信『可燃物』

群馬県警捜査一課で葛班を率いる葛警部がバッサバッサと事件を解決する短編集です。

バッサバッサと、とは書いたものの、捜査の過程は至って地味です。とにかく地道にコツコツと葛と部下たちは足を使って捜査を続け、「確証」を得たところで「葛が一気に解決」するるんだけど、一人で捜査しているわけではないものの誰に相談するでもなく集めた捜査情報を葛一人で精査し、筋道が固まったところでこれまた誰に話すでもなく犯人と対峙し事件を解決してしまうもんで、「葛による葛のための捜査」という感じ。
作中でその捜査スタイルを問題視されることがあるんでそれが1冊通しての縦軸になるのだろうかと思いながら読み進めたんだけど、そのままぬるっと終わってしまった。
なにやら米澤さん初めての警察ミステリだそうなんで(そうなんだ!?)、今作は「葛警部(葛班)」の人となりを描いたということで、シリーズ化するであろう今後に期待。

というわけで、おそらく脳に糖分を回すために菓子パンとカフェオレばかり摂取してる(というか、それしか食べてない)のだとは思うのですが、実は単に甘いもの好きでコーヒーをブラックで飲めないということならばそうと言ってよ葛さん!。