お知らせ

民衆史研究会は年2回の会誌『民衆史研究』発行、及び年1回の総会・大会シンポジウム開催を行なっており、本ページではそれらの情報をお知らせします。
入会のお申し込み、会誌・会報のご購入などは minshu.shi@gmail.com までお問い合わせ下さい。詳細につきましては以下のリンク先をご確認ください。

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〈更新記録〉最終更新日2024年2月2日

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『民衆史研究』第106号

『民衆史研究』第106号(2024年1月30日発行)を発行いたしました。


ISSN 0286-7990
定価1,750円

 

*購入をご希望の場合は、民衆史研究会委員会(minshu.shi@gmail.com)宛に、お名前・号数・冊数・送付先ご住所・電話番号をご連絡ください。

 

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【特集  日本の食文化史再考】
・特集にあたって(民衆史研究会委員会)
・有富純也 古代肉食の諸問題―牛肉を中心に―
苅米一志 魚食と肉食のあいだ―中澤克昭著『肉食の社会史』によせて
・上野晶子 近世後期から幕末期における蘭学者の西洋料理研


【書評】
似鳥雄一 熱田順著『中世後期の村落自治形成と権力』―付・「惣国半済」の史料解釈
小川輝光 鈴木正行著『民衆思想と社会科教育―社会的構想力を育む教育内容・方法開発』


【学会記録】
第62回近世史サマーセミナーの記録(第62回近世史サマーセミナー実行委員会)


【新刊紹介】
関美祐 本庄総子著『疫病の古代史―天災、人災、そして―』
五十嵐慧祐 小野雅章著『教育勅語御真影―近代天皇制と教育』


【研究紹介】
安芝賢 韓国における日本史研究の動向について―前近代史分野の「韓国型日本史研究」を中心に―

民衆史研究会2023年度シンポジウム 「中近世移行期における対外関係史像の構築」

◆日時:2023年12月17日(日)13:00~17:30
◆会場:早稲田大学戸山キャンパス34号館453教室 【対面・オンラインのハイブリッド開催】

◆報告 ※いずれも仮題
岡本真東京大学史料編纂所
「永正度遣明船の歴史的位置」
矢野美沙子(法政大学沖縄文化研究所)
「辞令書に見る琉球社会の変化」
吉永光貴東京大学大学院)
「豊臣政権の海賊取締と海民統制」
米谷均早稲田大学
「コリャード『懺悔録』に見える日欧相互不理解」

 

・司会・コメンテーター 伊川健二早稲田大学

 

*会場参加は資料代¥300を頂戴します。
*オンライン(zoom)参加のみ事前申し込みが必要です。以下Googleフォームより申し込みをお願いいたします。開催前日に、zoomのリンクと報告資料を配信します。

 

◆申込締め切り

2023年 12月15日(金)

<申し込みはこちら>

https://forms.gle/7ZUNHepCYWGgh7776

 

◆主催・お問い合わせ
民衆史研究会
東京都新宿区戸山1-24-1 早稲田大学文学学術院 藤野裕子研究室気付
e-mail: minshu.shi@gmail.com
公式HP: https://minshushi.hatenadiary.org/

第62回近世史サマーセミナーのご案内

【第62回近世史サマーセミナーのご案内】

下記の要領で開催します。皆様のご参加をお待ちしております。

詳細は、Peatixのイベント案内ページ(下記にURL記載)よりご確認いただけます。

 

◆日時 2023年7月15日(土)~16日(日)

 

◆会場 早稲田大学早稲田キャンパス 22号館(東京都新宿区西早稲田1-7-14)

*アクセス https://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus

 

◆スケジュール(予定) 

第1日 7月15日(土)

13:30~:受付開始

14:00~17:20:分科会

17:20~19:00:休憩・移動(ホテルのチェックインがある方はこの間にお済ませください)

19:00~:懇親会

 

第2日 7月16日(日)

9:00~12:00:巡見(各コース現地集合~早稲田大学全体会会場帰着)

12:00~13:00:昼食(巡見参加の方にはお弁当のご用意があります)

13:00~18:00:全体会

18:30~:懇親会

 

◆全体会 ※いずれも仮題。報告順は変更の可能性があります。

テーマ「都市江戸から近世史を考える」

横山百合子:「新吉原遊廓をめぐる一、二の新たな論点について」

・岩淵令治:「大名屋敷と都市社会」

・松本剣志郎:「江戸東京の公共負担と地域」

*司会:小酒井大悟

 

◆分科会 ※詳細は申し込みフォームから閲覧できる資料をご参照ください。

  1. 支配体制

宮脇啓(東京大学)、川端駆(東北大学

B. 権力と民衆

原千尋立正大学)、大銧地駿佑(中央大学

C. 家と身分

御園理帆(早稲田大学卒)、松本日菜子(國學院大学

D. 文化・思想

相良海香子(早稲田大学)、山下耕平 (京都大学

 

◆巡見 

東京都内 5コースから選択 ※詳細は申し込みフォームをご参照ください。

 

◆会費 

①全日程参加:2,600円

②1日目(分科会)のみ参加:1,200円

③2日目(巡見・全体会)のみ参加:2,400円

④2日目午後(全体会)のみ参加:1,600円

⑤オンライン参加:800円(分科会(1日目)・全体会(2日目)のみの配信。オンライン懇親会の開催はありません。)

 

※宿泊場所のご用意はありません。各自で手配をお願いいたします。

※懇親会費は別途徴収します。

※巡見コースにより別途費用がかかる場合があります。

 

◆定員 対面:70名、オンライン:100名

◆申込 【6月30日(金)23:59】までにPeatixよりお申し込みください。

申し込みフォーム:https://kinseisi-summer-62.peatix.com

 

※ お申込み後のキャンセルは、【7月7日(金)23:59】までの手続きで、手数料を差し引いた金額が返金されます。それ以降のキャンセルでは返金されませんので、ご注意ください。

 

ご不明な点などがございましたら、下記アドレスまでお問い合わせください。

 

◆主催:第62回近世史サマーセミナー実行委員会

62samasemi.kinsei@gmail.com

『民衆史研究』第105号

『民衆史研究』第105号(2023年5月20日発刊)を発行したしました。

 

定価:1,750円(税込)

ISSN:0286-7990

*購入をご希望の場合は、民衆史研究会委員会(minshu.shi@gmail.com)宛に、お名前・号数・冊数・送付先ご住所・電話番号をご連絡ください。

 

 

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105号目次

 

【特集 「制限のなかの移動・移住と共生」】

・民衆史研究会委員会 「制限の中の移動・移住と共生―特集にあたって―」

・柿沼亮介 「古代西海道の『辺境島嶼』と『越境』する人々」

・長森美信 「壬辰戦争における朝鮮被虜人と降倭―日本人になった朝鮮人朝鮮人になった日本人―」

・中山大将 「境界地域を問い続ける引揚者―工藤信彦樺太覚書』とサハリン島近現代史

・檜皮瑞樹 「越境する主体と共同体―コメントにかえて―」

・木下開智 「討論要旨」

 

論文

・ファンステーンパール ニールス

「熊谷蓮心の牛馬放生所の設置意図―『表』の『諸願成就』と『裏』の『借財済方』」

 

書評

籠橋俊光 「萱場真仁著『近世・近代の森林と地域社会』」

松沢裕作 「大門正克・長谷川貴彦編著『「生きること」の問い方-歴史の現場から』」

町田祐一 「堀川祐里著『戦時期日本の働く女たち』」

 

新刊紹介 

原田華乃 「吉村武彦編『律令国家の理念と実像』」

篠原佑典 「蔵持重裕著『むら人たちの生活モード 中世日本民衆生活史入門』」

宇野鈴音 「谷口眞子著『葉隠〈武士道〉の史的研究』」

 

会務記録

民衆史研究会委員会 2022年度総会の記録

『民衆史研究』第104号

『民衆史研究』第104号(2023年2月10日刊行)を発行いたしました。

 

定価1,750円

ISSN 0286-7990

 

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104号目次

 

【特集 「近世都市祭礼と民衆」】

・民衆史研究会「近世都市祭礼と民衆―特集にあたって―」

・滝口正哉「近世都市における民衆と祭礼の関係性」

本多健一江戸前期の大坂における都市祭礼の基礎的考察」

・渡辺康代「宿場町熱田における祭りの場と内容の変化」 

 

【投稿論文】

・手嶋大侑「花山院と藤原実資

 

【書評】

・山口啄実「大石学編著『戦国時代劇メディアの見方・つくり方』」

・福丸恭昴「西谷正浩『中世は核家族だったのか 民衆の暮らしと生き方』」

・今井小の実「飯田直樹『近代大阪の福祉構造と展開―方面委員制度と警察社会事業 』」

 

【新刊紹介】

・森田大貴「吉村武彦・川尻秋生松木武彦編『シリーズ地域の古代日本 東国と信越』」

萱田寛也「鈴木則子『近世感染症の生活史―医療・情報・ジェンダー―』」

・大澤穂高「須田努『幕末社会』」

 

 

2022年度シンポジウム「制限のなかの移動・移住と共生」

「制限のなかの移動・移住と共生」
 
日時 : 2022年12月18日(日)13:00-17:30 
会場 : オンライン(zoom)開催
 
報告
柿沼亮介氏「古代西海道の「辺境島嶼」と「越境」する人々」
長森美信氏「壬辰戦争における朝鮮被虜人と降倭 ―日本人になった朝鮮人朝鮮人になった日本人―」
中山大将氏「境界地域を問い続ける引揚者 ―工藤信彦樺太覚書』とサハリン島近現代史―」
 
コメント
檜皮瑞樹
 

申込締め切り
2022年12月17日 17:00


<申し込みはこちら>
https://forms.gle/hHNoaXFNcgqtmmZM6

 
 

2022年度民衆史研究会シンポジウム趣旨文

制限のなかの移動・移住と共生

 2022年2月24日、ロシアがウクライナ侵攻を開始したというニュースは世界中の人々を震撼させた。その後、短期間で収束するであろうという大方の予想を裏切り、戦争は長期化している。西側諸国はロシアを非難し、ウクライナに武器供与、資金援助を行うなど支援を続けている。そうした戦時下にあって、日常生活を奪われた1千万人を超すウクライナ難民は、隣国ポーランドをはじめ外国へ避難することを余儀なくされている。より安全な地を求めたこうした移動のみならず、数十万人がロシア、ひいてはシベリアへ強制連行されるという衝撃的なニュースも伝えられた。
 戦時に限らず、国の政策、あるいは商業上・宗教上の要因などで、多くの人びとが国境を越える移動へと誘導されたり、あるいは他に生きる術がなく移住という手段を選んだりする事例は、世界史上枚挙にいとまない。先の大戦期における日本人の海外移住もその一例と言えよう。経済的繁栄を餌に多くの人々が満州や南方への移住へといざなわれた。また逆に、古代の日本には朝鮮半島から人々が渡来し、様々な技術や学問・宗教をもたらしたが、彼らの中には母国が滅びたが故に、政治的亡命という手段を取らざるを得なかった者も多く含まれていた。このように歴史を振り返れば、非日常の中で海を渡った人たちが数多くいたのである。
 世界各国が相互に交流するようになった現代では、自由意志による、国境を越えた移住・移動が可能であり、自ら進んで国外移住を選択する人も多い。交通手段やソーシャルネットワークの発達が、そうした移住への壁を低くしている面もあろう。しかし古代から現代に至るまで、半ば強制的に国外移住を強いられた人々、窮余の一策として国外へと移住した人々は、移住先に関する予備知識もさしてない中で、必然的に異文化の中に生きることを強いられ、苦境の中で自らの途を切り拓いてきたのである。ミクロ的視点で見れば一人ひとりに異なるドラマもあろう。現代では想像し難い厳しい環境下で生きた人々の体験から、我々が学ぶことも多々あると考えられる。
 そこで本シンポジウムでは、古代から近現代に至る歴史の中で、何らかの必要に迫られた、あるいは強制された国外移住・移動の事例を共通テーマとして議論を展開してゆきたい。一口に移住・移動と言っても時代によりその実態は変化し、それにより研究手法や使用する史料の性質も異なる。時代を跨いだ多彩な研究を一同に提示することで、今後この領域における研究の多様化に資するところがあるだろう。


 柿沼亮介氏による報告は、古代の西海道の辺境島嶼での人々の交流に着目し、対馬壱岐をはじめとする島嶼部に対する支配と、そこで行われた自由な人々の交流について検討する。柿沼氏は本報告で、朝廷への朝貢を行う服属する存在としての側面だけでなく、島嶼を拠点とした新羅、中央の貴族との交易、あるいは生業によって自由に越境することができた存在としての側面を打ち出す。この研究は、従来の律令国家のイメージとは異なる実態が古代に展開されていたことを示すだけでなく、中世へとつながる国境の認識について言及している点で、古代の対外交流の実態を考える上での一助となるであろう。
 近世史では、徳川政権の海禁政策期以前に大規模な民衆の国外移動・移住を発生させた対外戦争、「文禄・慶長の役(壬辰・丁酉倭乱)」に着目したい。1950年代以降「太閤検地論争」の影響を受け、同戦争の原因や経過に関する議論が深まる中で、日本に強制連行された朝鮮人被擄人の研究が進展した。先行研究では陶工や儒学者等、文化的側面には蓄積がある一方で、自ら記録を残さず、日本国内外に散在した数多の被擄人の実態についてはいまだ研究途上にある。これらの解明は、戦争が民衆にもたらす被害の普遍的問題性を考えるにあたっても、今まさに重要な取り組みであろう。
 近世史の長森美信報告は、徳川政権の海禁政策期以前に大規模な民衆の国外移動・移住を発生させた対外戦争である、壬辰戦争(文禄・慶長の役/壬辰・丁酉倭乱)をテーマとする。1950年代以降「太閤検地論争」が繰り広げられる中で、日本に強制連行された「朝鮮被擄人」や、朝鮮軍に投降した日本軍兵士「降倭」に関する研究が進展した。ただし、自ら記録を残しにくい彼/彼女らについてはいまだ不明な点が多く残る。長森報告では、朝鮮被擄人と降倭それぞれの実態解明や比較検討を通じて、日朝双方の視点から、壬辰戦争と民衆の関係や、近世東アジアにおける移動・移住や「外国人」の扱いをめぐる問題について考察を深めていく。
 近現代における国家間移動としては、人口問題解決のためなどによる移住と、侵略的植民に大別できる。戦前の研究では移民・植民を一括して捉える場合が多く、戦後は別物として捉えられたが、その後農業・商業などを含む統合的な研究が進展した。1990年代以降はグローバル化の流れの中で移民・植民研究の相互乗り入れが進み、近年では移民・植民のアジア太平洋地域の政治秩序への影響にも研究が及んでいる。その中で今回は、日本人が幕末から何度も移住を試み、さらにロシアとの国境も問題視されてきた樺太に焦点を当て、境界変動等について検討したい。
 近現代における国家間移動に関しては、近年、移民・植民研究の垣根を超え、産業を絡めた総合的研究や、政治秩序への影響など新たな研究が進展している。報告者中山大将氏は日露関係の変化により翻弄されてきた樺太に焦点を当て、従来の「開拓史観」の虚構性を明らかにするとともに、第二次大戦後に樺太に残された民衆についても調査を重ねてきた。それら研究成果を踏まえ、本報告では樺太からのある引揚者の「覚書」を素材とし、単なる「語り手」とは一線を画す、自ら「問い」考える「主体」である引揚者の存在を示すことを通じ、境界地域をめぐる「生」の有り様について論じる。「歴史を語り継ぐ」という問題に関しても、新たな視点を与えてくれるであろう。


 各時代に共通するのは、その時々の権力下、その他の制約の中で、移住先でしたたかに生業を営む人びとの姿である。その舞台が日本であれ外地であれ、該地の政情、周辺諸国との境界、異文化接触、といった複雑な要素の中に、民衆の適応努力や生命力を問いたい。

『民衆史研究』第103号

『民衆史研究』第103号を発行いたしました。

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103号 目次

【特集一】

・民衆史研究会委員会「危機のなかの都市政治と民衆――特集にあたって――」

・寺澤優「ダンスホール営業許可取消をめぐる抵抗と救済工作」

・杉本弘幸「「無産」という政治文化」

 

【特集二 (102号の続き)】

・亀谷弘明「古代史研究における民衆史研究の軌跡」

藤野裕子「方法としての「民衆史」――サバルタン研究と「交差性」概念を手がかりに」

 

【書評】

・吉永隆記「榎原雅治著『地図で考える中世 ―交通と社会―』」

・熊谷光子「渡辺尚志著『相給村落からみた近世社会・続』」

鈴木淳世「朴炳道著『近世日本の災害と宗教 呪術・終末・慰霊・象徴』」

・関千賀子「高木まどか著『近世の遊郭と客 ―遊女評判記にみる作法と慣習―』」

 

【新刊紹介・その他】

・大谷万由子「舟隆之・馬場基編『古代の食を再現する みえてきた食事と生活習慣病』」

・木下開智「岩本馨著『明暦の大火 「都市改造」という神話』」

・宮内啓太「菅豊著『鷹将軍と鶴の味噌汁 ―江戸の鳥の美食学(ガストロノミー)―』」

・民衆史研究会委員会「会務記録2021年度総会の記録」