300. 足蹴にしている
■例文 西部邁
逆にいうと、そうした知恵を足蹴(あしげ)にしているような民衆の意見はたまさかの思いつきであるかもしれず、その欲望は落ち着きのない衝動の発露であるかもしれず、そしてその行動もマスコミの風潮に迎合したことの結果であるかもしれない
逆にいうと、そうした知恵を唾棄しているような民衆の意見はたまさかの思いつきであるかもしれず、その欲望は落ち着きのない衝動の発露であるかもしれず、そしてその行動もマスコミの風潮に迎合したことの結果であるかもしれない
◇深い森の格闘技
■違い
「足蹴にしている」のほうが、強く突き放している。
ぼくは、大学一年のころにこの例文をみて、語彙を集め始めた。
298. より大きく立ち上がる
■例文 ブータン王国国王ジグミ・ケサル陛下
いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではない。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がることのできる国が一つあるとすれば、それは日本と日本国民である
いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではない。しかし仮にこのような不幸からより強く、大復興を成し遂げることのできる国が一つあるとすれば、それは日本と日本国民である
◇タイ国王陛下と王妃陛下
■違い
「より大きく立ち上がる」のほうが、華麗。
「より大きく」という副詞をつけるだけでずいぶん違う。
294. 言葉を点じて
■例文 夏目漱石 「それから」
令嬢はただ簡単に、必要な言葉だけを点じては逃げた
令嬢はただ簡単に、必要な言葉だけを話しては逃げた
◇高い信号機
■違い
「言葉を点じる」のほうが、ランプがポッとついたみたいな感じで、やさしい感じがする。