Aprhyme
ぺしゃんこのモノラル 腕にていねいにまきまき
フロートが跳ねて削るヴェール ゆりかご
二階建てのシグナル 肌をさすようなざわめき
甘く酔うモネの角砂糖 波の輪
土がなめらかにたわむ 絹のブーツ 草のヴィオラ
とろりとするシュシュの弧 星のハサミ 影の黄桃
ひとめ見てもわからない 意味が熟れて弦をはじく
しみこむように寝かせて さがる意識 砂のアイピロー
ブルクミュラーを教えて ビンタンリマを淹れるよ
幽霊にふられても 偏光をかけてきっと探すよ
目の奧で降るルビー 海のリンゴ ことばの群れ
乗り遅れたブリッグ 胸をすくう苦い偽薬
グラノーラバーみたい 身を任せて きみはコート
ほぐすように覚えるよ 気化する耳 擦れるチャコール
Caketag
うちの耐震が不安 フロアで丸くなり猫を増やす声
服にまみれる 音もなく糊のきいた襟元の食べかす
たれて染みてく むこうでも枕元の手を握る見通しを
長々と続く それだって駅に行くふりでジャムパンを掴むの
酔ゐを冷ます霧 泡のミシン 刺繍は撫でて過ごせるレベル
もうなんて普通 苦みみたいにPernodをふりそそごう
珊瑚礁のように息の価値を変えたいの うわべは好きだよ
少し振りきれる 夜更かしはモルヒネ 続けば続くほど
もしも寝ぼけてたら塩とコショウをふるって夢を引き締めて
目もとのおくまでほころびがじわりとにじんでまつり縫いしてくの
針は弓なりによりそってタイム 匂いだけは甘く
柄にもないのにライン際をせめるシニスターのまねごと
荒さにこだわるそんな振る舞いも南部訛りもお大事に
そうと決めたならおかしさを舐めてカクタスを抱きよせて
Crapetyle
またたくドロワ わずかなルーニー 理由はかわく がちゃがちゃと
くしけずる絹 ずるいメロディー 繋ぎとめるように ささやいて
ブレて増えないようにみせてバトンを渡すとろけたとき
向けたカメラが描く裂けた楕円
リールをまいて醒めていく夢 樹脂がかわいて幕をおろす
小さな口でかじるペンネ 亜鉛のかすかな味
アンテナは手 ヘッドドレスは見えない 骨につたわる はらはらと
たわむプディング しびれるタブ せめてリーガルにつれてって
ぎゅっとおさえる 錆びてるけど折れてきててもささえるよ
爪をけずりとるような無垢と甘さ
頬にじわりとつたわる熱 文字の青みも汽笛のよう
ルールを曲げてはじく弦と消失点 飴色の指
Propellerhead Reason 7
ここ数年は完全に楽曲公開情報用ウェブログとしてしてしか使っていなかったので(しかも情報が遅い)、たまには普通の日記なども。それでも音楽制作がらみですが。
ずっと楽曲制作用に愛用しているReasonというソフトですが、今回のバージョンアップで様々な機能追加とともにUSBドングルが名実ともに不要になったため*1、ひさしぶりに最新版へ新調しました。
Recycleの機能とノウハウをほぼ移植したオーディオスライスにより実現した柔軟なタイムストレッチは、他社のソフトをあまり使ったことのない私には正直優劣を判断できるものではありませんが、使い慣れたReasonにそんな機能までついてしまったことが私的にはかなりニュースな出来事でした。そもそもヴォーカルを含むオーディオはいままでサンプラーのみで処理していたので、録音した波形がそのまま柔軟に扱えること自体に時代遅れながらすごくわくわくしているのです。
波形を扱えるのはDAWの最低条件でありながら、それが意味するのは、英語のように他者と相互理解可能な共通言語を得たこと、すなわちコラボレーションの可能性です。ギターやベースを自分以外の誰かに弾いてもらうこともできるようになったし、他のひとの曲のマスタリングだって可能になりました(うまくできるかはまた別の問題になりますが)。
今回のバージョンアップで私と同じ感慨を得ているひとはおそらくいないのでしょうが、私にとっては、そういうものです。