「含む日記」の利用度をデータを取って検証する話。
http://i.hatena.ne.jp/idea/401
id:naka64さんのアイディアの要諦は、「含む日記」の利用度をデータ化することによって、
- 賛成派の「必要かもしれないじゃないか!」という声と
- 削除派の「使ってる人なんて居やしないさ!」という声の
どちらに分があるかということをデータによって検証するという点にあると理解しました。
このポイントが定量化できないために客観的な議論が成り立たなくなっているという現状がありますから、それに対する対策としては正しい方向性といえるのかもしれません。
とはいうものの、実行するのは難しそうな気がしました。
その理由は、
- ビジター(非ユーザの閲覧者)の扱い
- ビジターの数をどう換算するのか。
- ビジターをビジターとして換算するとすれば、ログアウトしてビジターになり、アクセス数を稼ぐ人が出てくるはず。
- ビジターの数をどう換算するのか。
- 履歴をとられることを嫌うユーザの存在
- 履歴がとられると分かっていると、本当はリンクを踏みたくても踏むことをためらうようになるユーザが出てくるかもしれない。
- →こうした人たちはデータ数に反映されないため、データに頼ると真のニーズを見逃してしまうことつながる。
- 履歴がとられると分かっていると、本当はリンクを踏みたくても踏むことをためらうようになるユーザが出てくるかもしれない。
などです。
このアイディアを実行に移すよりは、むしろ「含む日記」から生じるリンク一件一件に対し「参考になりましたか(yesの数だけカウント)」ボタンを用意して投票を実行し閲覧者の協力を得ながらS/NにおけるSを浮かび上がらせていくほうが有効でしょう*1。
現在の誤爆議論における中心は、そのS/N比がひとつの指標となっているように感じます。現在のシステムでは玉石混交、つまり、玉と石が外見から判別できないために「含む日記」の有効活用が妨げられているという問題があるわけです。これを解決する方法としては、
- そもそもそうしたキーワードを作らせない
という方向性がありますが、
- 生じたリンクに対し、メタな意味づけをする
という方向性で対処する方が、閲覧者(not ユーザ)にとって有益といえるでしょう。
もちろん、そうした「含む日記」から生じるリンク一件一件に対し投票ができるということは、リンクスコアが正しい目的で用いられていないのと同様な問題が発生し得ます。しかしながら、そうしたデメリットを甘受しても、一閲覧者としての立場からはリンクに対し適切なウェイト付けが実行されているのは大変ありがたいと思うのです。>id:hatenadiary
追記。
上記の件は
ということだったそうです(4/30,18:30確認)。
それならば話はわたしの現状認識と大きく離れておりません。
あれだけ識者がいて上記(http://d.hatena.ne.jp/mitty/20050429#p1)のような訂正が入らずに話が流れているのはおかしいとは思ったのですが、さすがに誤植だとは思い至りませんでした。
キーワード削除ガイドラインの話。
「削除ガイドラインを削除派の人が作成していて、それに危機感を覚える」のくだりには違和感を覚えました。
- 削除の定義
- 削除する方法
- 削除の基準
- 削除時のマナー
- 理由をきちんと書くこと
- できるだけ話し合いで解決すること
といったことしか書かれていません。
したがって、内容はきわめて中立的であるといえます。特に、
- 規約・ヘルプに沿っていないことは削除事由になります。(ルールに基づく削除:強制力あり)
- ガイドラインに沿っていないことは削除事由になります。例えば、ミスヒット=誤爆が多いことは削除事由になり得ます。(慣習に基づく削除:強制力なし)
と「強制力」について言及している点は重要です。その強制力に対し言及する過程において、「誤爆」を理由にした削除には強制力がないことが特に例を挙げてまで明示されている点は注目に値します*1。
さらに、このガイドライン中において削除の基準を規定している部分は、規約・ヘルプ・キーワード作成ガイドラインといったキーワード削除ガイドラインの「外側」にあるので、現在の文面では削除ガイドラインを悪用することはできないはずです。
とはいうものの、ガイドラインに好きに文言を追加できるようになるとすれば、挙げられている懸念はあてはまるでしょう*2。また、キーワード削除ガイドラインという名前自体に何らかの「権威」が感じられてしまう点が「削除ガイドラインを削除派の人が作成していて、それに危機感を覚える」といった懸念を生むのでしょう。さらに言えば、百歩譲って内容は妥当だと認めるとしても、それを一般ユーザ有志が作りそれに対し運営サイドからの追認が与えられていない点にひっかかりを覚えるひとも多いはずです。
そこで、運営サイドは
べきであります。それができない場合は、
必要があるでしょう。>id:hatenadiary
*1:もちろんこの点は「誤爆を理由にして削除しても良いのだ!(強制力はないけれども)」という風にも読めますから問題があるのでしょう。しかしながら、誤爆の是非について運営サイドからの公式な意思表示がない以上それ以外に書きようがないのです。つまり、現在の情勢ではどちらにも一定の理があるということです。
*2:実際にガイドラインそのものを書き換えてしまうという荒業がかつて実行されたことがあります。しかしながら、その際には書き換えに気がついた人がその悪用を防いでくれました。現在のシステムでは書き換えたときに必ず「上がり」ますから、大多数の不利になるような形へとこっそり書き変えられてしまう可能性は殆どゼロでしょう。
サンジョルディの日にトラックバックで本を贈ろう(tribute to http://d.hatena.ne.jp/mutronix/20050416/sendmeabook)
id:n_kakkaさんへ(卒業&就職お祝いとして)
今回取り挙げます『カラフル』(ISBN:4652071639)は現代の正統派児童文学。本当に課題図書だったこともあるはずです。
なぜか魂として世をさまよっていた主人公君はきまぐれ神様の試練により生まれ変わりのチャンスを与えられることになりました。その試練とは、「ある男の子の体にホームステイ」すること。
「ホームステイ」は決まったものの、試練、というだけあって、その男の子「小林真」君はかなりぱっとしないらしいということがわかります。だけど、「ホームステイ」なんだし、ということで主人公君は「小林真」君ならしなかったようなことをやってみたりします。その結果として、いままでの「小林真」君では踏み込めなかった一歩が踏み出せるようになったことで、「小林真」君のまわりの状況は好転して行きます。
活字の量としてはかなり少ないですが、一言ひとことに籠められた意味はすごく大きい、ということがひしひしと感じ取れる名作です。世界はいろいろな色に満ちているのでした。
どちらかといえば苦境に立たされているときに読むべき本といえます。そうすると何かつかめるかもしれません。
内容スコアの話。
運営サイド案のような形で内容スコアと編集者の評価をリンクさせると、内容スコアが低いキーワードは編集されにくくなり内容が不十分なまま取り残されてしまうことになります。内容が不十分なキーワードほど「編集を待っている」わけですから、そういうキーワードに対する編集を奨励するような仕組みにしないと、内容は改善されていかないような気がします。
つまり、内容スコアの「改善度」をもって編集者の評価とするようにしないと、隅のほうにゴミ溜めができていくようなシステムになってしまうのではないでしょうか。>id:hatenadiary
参考:
『はてなの本』近藤さんインタビュー「キーワードを生かすためのシステム」p.28今後のキーワードシステム像
(http://d.hatena.ne.jp/mitty/comment?date=20040821#cより孫引き)「あれは放っておこう」というゾーンができないようにすること。つまり、「なんか変なキーワードがあるけど、僕は全部オフにしているから気にしない」ということになって、隅の方にゴミ溜めができていくようなものにはしたくないんです。フレッシュに、ちゃんとしたキーワードが常に溢れていて、それ以外のゴミのようなものはない状況にしたいわけですよ。
(中略)
つまり、コントロール権の部分と、「これは消しますよ」っていうラインをみんなで判断できるっていう明確さと、その二つの条件が必要なんじゃないですかね。