東京六本木のシューゴアーツ六本木で森村泰昌展「楽しい五重人格」が開かれている(6月1日まで)。
森村が今回扮しているのは、甲斐庄楠音描く花魁、ダヴィッドのナポレオン像、ミロの抽象画を森村が顔を使って再現。カフカの肖像写真は成人の姿と5歳の時の姿を再現している。
よくできていると思う。見事な扮装だ。しかし、これは何だろう。
村上隆がアニメや漫画を美術に取り込んで「スーパーフラット」を作り出したというなら、森村はさしずめ「コスプレアート」を作り出したといえるだろう。夏と冬に東京ビッグサイトで行われるコミケのコスプレを高機能にしたものだ。高機能コスプレアートと言ってみたい。コミケのコスプレより本格的だしお金もかかっている。
しかし、シンディ・シャーマンの二番煎じにしか見えないし、森村には批判性が欠けていると言わざるを得ない。総じてあまり評価できないというのが感想だ。
・
森村泰昌展「楽しい五重人格」
2024年4月19日(金)―6月1日(土)
11:00-18:00(日曜・月曜・祝日休廊)
・
シューゴアーツ六本木
東京都港区六本木6-5-24 コンプレックス665 2階
電話03-6447-2234