夏の終わり

今回の台風はやばい、って誰もが言うもんだから、土曜日は早起きしてご近所のパン屋さんでパンを仕入れ、スーパーで二日分の食料を買い込む。金曜日にちょっと会社で落ち込むことがあり、もう、飲むしかないじゃないか、と思って金曜の夜も土曜の夜もほぼワイン1本を開けてしまい、やや反省。これではアル中まっしぐらかも。

最近になってようやく笙野頼子『幽界森娘異聞』(講談社文芸文庫)を読む。読んだら森茉莉をまたもや読み直したくなり、特にドッキリチャンネルを全部読みたくなってしまったので、これまで高くて手を出す勇気がなかった全集をエイッとばかりネット古書店に注文してしまう。でも届いた本を見て感激。ほぼ新品状態の状態の良さ。今日からしばらくはこれで生きていけるわ。

ドラマ『dele』で好きになった山田孝之の過去作品をCATVで少しずつ見ているけど、『山田孝之の東京北区赤羽』は面白かったし、ますます山田孝之に対する興味が高まった。9月27日のEテレの植物番組は見逃してしまったので、再放送を見ないと。

今日は雨も降ったりやんだり。窓を開けると金木犀の香りが室内まで入ってくる。庭木にしているご近所さんが意外と多いのだ。金木犀が香ると夏もとうとう終わったな、としみじみする。「もうシーズンも終わります」と言われて昨日買ったトウモロコシ入りのパンを食べながら夏の終わりを感じた。

雷が鳴る前に

morinori2018-09-02

8月27日は矢野顕子 & Will Lee & Chris Parkerのトリオを聴きにBlue Note東京へ。今年のオリジナルカクテルは『今日ね、うれしいことがあったの。』というなんともキュートな名前。白桃をベースにラズベリーが添えてあって、さわやかな夏の味。さらにオリジナルメニューであるシマアジをマリネした一皿がおいしくて、これでワイン2杯いける。演奏はもちろん安定のパワフルさ。素晴らしい〜。今年もBlue Noteに来られて本当によかったです。

開演前の夕立はうまく避けられたのでラッキーと思っていたら、終演後、外に出たらいきなりの雷雨。あわてて近くのビルで30分雨宿りする。自宅のほうも雷で一時停電したらしく、帰宅したら旦那さんがラジオや家電のタイマーをセッティングしなおしていた。

今週はほぼ毎日のように雷雨だったけど、今日は雷雨というより台風がもたらす雨で朝から涼しい。CATVで録画していたアルモドバル監督映画『KIKA』を観て、『フラナリー・オコナー全短編 上』(ちくま文庫)から「善人はなかなかいない」「河」「生きのこるために」「不意打ちの幸運」を読んだ。

毎日が夏休み、まだまだ

暑い。仕事のメールを見てちょっぴりウツになる。

お盆休み中はほとんど家にこもりっきりで、読書したり映画見たり。ようやく金井美恵子の『『スタア誕生』』を読むことができたのでその間は幸福な読書時間でした。NHKBSで3日連続でやっていた市川崑の横溝シリーズ『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』も堪能し、ときどきは栃木の日帰り温泉に行ったりして、だらだらしながらも楽しい夏休み。その気分がまだこの週末も続いていて、今日もだらだらする。最近ハマっているのが金曜ナイトドラマ『dele』。高橋源一郎が出演した第3話をみたら、これが面白くて、1話と2話を有料で(!)見てしまう。その後、最新の第5話で山田孝之がすごく好きになった。昔の彼女に会うのにおめかしして、それを菅田将暉に指摘されるときの表情がいい。柴咲コウに「こんな扱いづらい男じゃなくてもっとほかにいただろう」というところも。もともと声は好きだったんだけど。ドラマの今後が楽しみ。

暑くて何もできないから本と映画と

猛暑に突入するころになってようやく4月からの環境の変化にも慣れてペースがつかめてきた。環境の変化、といっても、職場が変わったわけではなく職場に数人新しい人が入ってきてその人たちとチームを組むことになり、それと同時に少し慣れない仕事が加わったという程度なので、たぶん他人にとってはたいした環境の変化でもないだろうが私にとっては慣れるのに時間がかかることなのである。自分で言うのもなんだが仕事は早いのですぐにこなせるようになるんだけど、気持ちが慣れていかないんですよ。この辺り、自分の難しいところです。

日経夕刊の新刊紹介コーナーでは陣野俊史氏が推しているものが気になる。森内俊雄『道の向こうの道』(新潮社)について、「文学の記憶と人物の配置が絶妙にブレンドされて、頁を捲る手が止まらない」と書いていたので、思わずアマゾンで注文した。しかしなかなか読めず、先日ようやく頁を開くと、面白くて一気に読んでしまう。1950年代後半の学生生活。詩の一遍をすらすらと出したり、夜行列車で読んだ本の感想を早く伝えたくてそのまま友人宅に駆け込んだり、当時の文学の熱度の高さに憧憬すら感じる。いいものを読んだ。

朝、CATVをつけたら『スタンド・バイ・ミー』がやっていたのでそのまま観る。お昼過ぎ、暑くて何もできないので、そのまま録画済みのなかから『イル・ポスティーノ』を観る。夜、twitterのきょうの140字ごはんさんのレシピから「えのきとオクラのマヨ和え」「焼き茄子の酢醤油」などを作る。メインは豚ソテー。ビタミンB1を取り入れて夏バテを解消しないと。

桜をたのしむ

風が吹くとはらはらと散ります

3月の最終日に休暇を取って地元の桜並木を堪能した。田んぼと畑が広がる地帯に延々と続く桜並木で、駅から遠いのはもちろんバス停からも少し歩くため、観光地化されておらず静かでよいのだ。朝起きて、おむすびとお茶とおやつのチョコレートをバッグに詰めて、数キロを歩き半日のんびり。あれから2週間たったが、いま、満開の桜を楽しんだあの幸せな半日が心の支えとなっている。(今後、主に仕事方面で嵐がやってくる予感。)

早稲田文学2018年春号『金井美恵子なんかこわくない』(余談だが特別付録として綴じられている全表紙カラー掲載の金井美恵子著作1968〜2018年に誤りがあり、早稲田文学編集室に連絡して差し替え版を郵送してもらった。裏表紙も"傑作長編「噂の娘」"と書くべきところ「噂の女」とタイトルを誤っている)を読んでいたら猛烈に金井作品が読み返したくなり、この2週間は『目白雑録』シリーズが通勤本となっている。同時に『金井美恵子エッセイ・コレクション[1964-2013]1 夜になっても遊びつづけろ』(平凡社)を食卓に常備し、主に夕食時にパラパラ読んでいる。『『スタア誕生』』(文藝春秋)も読みたいのだけれど、読みだすとまとまって読みたくなるし、集中したいので、もう少し我慢。嵐がやってくるような不穏な空気の中(心の中がなんとなく波立っている状態)ではあまり読みたくないのだ。

とはいえこの1週間、映画館で『ペンダゴン・ペーパーズ 最高機密文書』を観て、ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』と黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』をCATVで観た。どれもよかった。『ロブスター』はかなり好みなので、この監督の新作『聖なる鹿殺し』も見に行きたい。

久住兄弟のユニットQ.B.B.による『古本屋台』(集英社)、すごーくいい。いやな夢を見ない予防薬として、就寝前に読む本に決定した。

蜜柑

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』を観る。原題は3 Generations。エル・ファニングが女として生まれたけど男になりたいというトランスジェンダーの役を演じていたのはすごくよかったのだが、ナオミ・ワッツ演じる母親の悩みなど、全体的に悩みがとっ散らかっているようで焦点がぼやけた感じ。祖母役のスーザン・サランドンとの3世代で住むNYの家がなかなかよかっただけにちょっと残念だ。

本屋さんに寄って堀江敏幸の新刊『坂を見あげて』を買う。鮮やかオレンジ色がスピンと表紙と中扉に使われていて目に眩しい。堀江さんの本でオレンジ系の色を使うのはかなり珍しいのではないかなあ。グレーの冬空の下にたわわになる蜜柑を連想してちょっぴりウキウキ。

庭にくる鳥 2018

1月22日の月曜に大雪が降って以来、雪に覆われていた庭も、昨日の暖かさのおかげでだいぶ地面が見えてきた。ここのところ、朝、庭に来る鳥のために縁側にアーモンドとカシューナッツを砕いておいておく。以前、旦那さんが知り合いのイラン人から大量のアーモンドとカシューナッツをもらってきたのだが、食べきれないまましけってしまった。もったいないので、鳥にあげようと縁側に撒くようになったら、一羽のジョウビタキはすっかり常連となり、私たちが用意する時間になると庭にやってくるようになった。人懐っこくてかわいい。食べに来るのはほかに、シジュウカラメジロヒヨドリも来るが、ヒヨドリはあまり好きじゃないので、やってきても嬉しくない。今日は節分の豆まきであまった煎り大豆も加わって3種のミックスナッツとなった。さらに週末の特別として、牛脂も。だいたいお昼には完食となり、餌台(といっても不要となったお盆を縁側に置いただけ)はすっかりきれいになる。隣の家の屋根は近所の野良猫の遊び場でもあるのだけど、猫たちがときどき、鳥が集っている我が家の庭を凝視しているのが面白い。隣家の屋根から我が家の庭にジャンプするには少し距離があるので、興味深そうに眺めているだけなんだけど、それでも遠慮しているのか、猫たちが降りて縁側の餌台のところまでやってこないのがちょっと不思議。鳥と猫と、その様子をみているだけで時間がたってしまう。

友人が「早口で何言っているのか聞き取れない」と言っていた『シン・ゴジラ』をCATVでようやく見る。面白い。配役も悪くないし、設定に嘘くささが少ない。一番の早口は市川実日子。抜群の存在感を発揮していた。