真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

成瀬

人気があるっぽいので『成瀬は天下を取りに行く』を読んでみた。なんで人気なのかは良く分からなかった

たまにこの手の小説を読むと、細かい発見を見つけられて学びにはなる。少し前に『推し燃ゆ』を読んだときもそうだった。もう少し、個人的にしっかり「ハッ」とした重たい小説群といえばカズオ・イシグロの数作品。ストーリー云々とは別に「自分には書けないな」と思う一見細かい、本質的な違いみたいのを見いだせた気がする。本作品でも描写についてはそういうのはある。

一方で、どうにもピンと来ない部分の方が多かった。

ピンと来る、というか個人的に良いなと(唯一?)思ったことを先に書いておくと、この本の最後の成瀬パートで「あー、こいつ、思ったよりずっと平凡じゃん」という発見を伴いそうな展開が、強いて言うならこの作品の頂上なんだろうと感じた。多少の近寄りがたさが親近感に変化するギミックがある。

「こいつ、涼宮ハルヒじゃないんだな」と。若干超常的さを感じる特長と、にも関わらず(というか固有すぎる故か)、周囲の普通の人より感性が強すぎて空転する部分が個人的には気に入った。そして、変な試みを途中で「やーめた」しちゃうあたりを突っ込まれて動揺するのもまた、「天才をフィーチャする作品によくある類の天才性」に対するパロディみたいな感じで好感を持てた。その観点で、成瀬は超常的に見せかけてなんだかんだ実は凡庸の枠のキャラという着地に持っていきたい印象を受けた。天下取りに行くのもなんかどっかでスパッとやめんだろ。

小説においては作者の個性そのものを食うところもあって、その意味で学びゼロというのは普通はない。

とはいえ、全体としてはこの小説について「……面白いと本当に思うんかなぁ。これ読んだ他の人」と思うところの方が多かった。

多分よくあるのだろうが、時事ネタをそのままストレートに埋め込んでくるのが(『推し燃ゆ』もそういうところあるんだが)そんなにピンとこない。ある一時期の、自分にも馴染みがある風景をベースに、作者がその時期の時事ネタに感じたことを軸に、主体者の感想が作中の事実に束ねられる……。親近感を上げるうえでは良いが、悪意に捉えると「もう古いよ」という水準にこの作品ももうなりはじめているように見える。

日々の生活圏の発見を越せるような体験、固有味が小説の舞台装置にない。コロナをネタにされてもコロナはコロナだ。私も経験しているが小説に書かれている内容が新鮮とも面白いとも思うわけではない。体験から得たい根幹部分としては力が圧倒的に足りない。そういう舞台装置を何度も言及するもんじゃない……白けるじゃん。そんな感じ

火星でのじゃがいも栽培とか、人に旗を振らせて回路を実現する、とか、そういうSFのトンデモを期待しすぎなのだろうか。あるいは「完璧なオムレツ」の描写に謎の納得感を得るのが小説の愉しみとして歪んでるんだろうか。

『推し燃ゆ』であれば、どこかポンコツ過ぎて自然に読んでいけないところが作品の真骨頂なのだが、「Twitterの作業報告読みに来たんじゃねーんだけどな」みたいな悪いひっかかりが、日常描写があまりに具体に入りすぎているがゆえに感じ取れてしまう。「みなが尊敬していた聖人が、死んだら普通に腐り始めたんすよ」というような、カラマーゾフの兄弟の普遍的であかん感じにはたどり着かない。

多分、大衆小説というのを私があんまり求めてないということとセットなんだと思う。『騎士団長殺し』も『クララとおひさま』も狂気とダンスっちまっているところがあり、私はそういうのを「小説」の基本フォーマットだと勝手に思っているのかもしれないが、もしかすると大衆小説の標準ではないんかも。

うーん、いやでもさ、『少年の海』だって謎のおにぎり信仰と成長中の同級生のおむねにドキドキとかあったんだよ。『成瀬』には、そういう「ひっかかり」がない。あるいは「ひっかかり」がすごく小さい。天下を取りに行く女子の話かと思ったら京大目指す女子かよ。

私自身の現実で出会う「違和」の方が全般的に大きすぎて、主人公と周囲の文脈をそこまで固有のものとして愛でられない。年齢や経験がゆえなんだろうか。でもこれ賞をたくさん取ってるよな?

クッキークリッカー系のゲームに微妙にハマった結果パチンコ好きについてなんとも言えない感情を感じた話

Crush CrushというSteamのエッチ系のゲームをやってたんす。

内容としては、女の子が仲良くなってエッチな一枚絵をゲットしつつ下品な会話を楽しむ感じ。奥深さみたいのは皆無ですがキャラ数多いこと、そこそこボイスしっかりしてるし、キャラの会話も全く不毛という感じではないので、どっちかといえば良く作ってあるアドベンチャーゲーですね、という。

ただ、本質的には時間分待ってクリックするだけのゲームなんすよね。待つのが辛いので課金すれば待つ時間をセーブできる……わけですが、そもそもそれで得られるのってまじで大したご褒美じゃないっす。ちょっとしたえっちな絵です。uncensored買っても局部のモザイクがない、という海外事情を除くと、キャラ毎のグラビアレベル。

いや、すごーく悩ましい。何か深く考えるものもなんもなくて、作業にご褒美はあって、なんとはなしにクリックしたり課金したくなるんすよ。俺は猿かよ、という気持ちと、予算そんなかからない中、ガチャも使わない中でのズルズル課金させるという仕組みの巧妙さを学びました。課金しないとクリックしても1年かかるような設計にしとき、数USDで解禁すると例えば進行速度が1024倍違ったりする。おーう。

このゲーム10年とは言わないまでも5年は経っているので、国内でそこまでこういう路線が出てきていないのは不思議です。ガチャよりはたちが悪いですがお作法は良いです。法的な建付けと、言うても人間の脳みその報酬処理系のバグの突き方が組み合わせで提示されてます。途中で止めてもぜーんぜん問題ないんだけど、なぜか限定イベントを3日かけてクリアする代わりにそこで4USD払うわけです。これ、完全に馬鹿だよ。

「遠大な大義」より手前に気軽な何かに金をバンバカつっこんじゃうんですよ。ちょうどさっき、ホラーゲーで元気に叫ぼうと思っていたVTuberがよりにもよって3D酔いで配信止めてたときにスパチャしちゃった。せずにいられなかったんだよ畜生。理ではないのだよ人はー

でもビジネスはそういうもんなんす。そう、パチンコに何か生産的なものがるのか、あるいは身になるような修練を超える何かがあるのか、ない……そういうやつと類似している気がします。

いくら気晴らしっつーても限度あるやろ、みたいな非生産的な時間に、なぜかエネルギーを費やしてしまう、なんなら金も突っ込んでしまう。民主主義国家でこれは違法じゃないんですが、えーと、何かいやだな

数少ない良かったこと、身になったこととしては、下世話な英語表現にいくらか触れられたことかなと。なんかこう、会話はこうでなくちゃね、みたいな実に良い感じの雑な英語に触れられます。しかも本編はフルボイス。

 

RP2040 クリック機

前回のサボテンダーのゲーム(?)、一昔まえのクリックゲーっぽいんだけどクリック数がえげつない。こんなんクリックしてられるかー

というわけで今回はマイコンの出番。便利だなこの知識

tomosoft.jp

 

 

#include "Adafruit_TinyUSB.h"

/* This sketch demonstrates USB HID mouse
 * Press button pin will move
 * - mouse toward bottom right of monitor
 *
 * Depending on the board, the button pin
 * and its active state (when pressed) are different
 */
#if defined(ARDUINO_SAMD_CIRCUITPLAYGROUND_EXPRESS) || defined(ARDUINO_NRF52840_CIRCUITPLAY)
  const int pin = 4; // Left Button
  bool activeState = true;

#elif defined(ARDUINO_FUNHOUSE_ESP32S2)
  const int pin = BUTTON_DOWN;
  bool activeState = true;

#elif defined PIN_BUTTON1
  const int pin = PIN_BUTTON1;
  bool activeState = false;

#else
  const int pin = 12;
  bool activeState = false;
#endif


// HID report descriptor using TinyUSB's template
// Single Report (no ID) descriptor
uint8_t const desc_hid_report[] =
{
  TUD_HID_REPORT_DESC_MOUSE()
};

// USB HID object. For ESP32 these values cannot be changed after this declaration
// desc report, desc len, protocol, interval, use out endpoint
Adafruit_USBD_HID usb_hid(desc_hid_report, sizeof(desc_hid_report), HID_ITF_PROTOCOL_MOUSE, 2, false);

// the setup function runs once when you press reset or power the board
void setup()
{
#if defined(ARDUINO_ARCH_MBED) && defined(ARDUINO_ARCH_RP2040)
  // Manual begin() is required on core without built-in support for TinyUSB such as mbed rp2040
  TinyUSB_Device_Init(0);
#endif

  // Set up button, pullup opposite to active state
  pinMode(pin, activeState ? INPUT_PULLDOWN : INPUT_PULLUP);

  // Notes: following commented-out functions has no affect on ESP32
  // usb_hid.setBootProtocol(HID_ITF_PROTOCOL_MOUSE);
  // usb_hid.setPollInterval(2);
  // usb_hid.setReportDescriptor(desc_hid_report, sizeof(desc_hid_report));
  // usb_hid.setStringDescriptor("TinyUSB Mouse");

  usb_hid.begin();

  Serial.begin(115200);

  // wait until device mounted
  while( !TinyUSBDevice.mounted() ) delay(1);

  Serial.println("Adafruit TinyUSB HID Mouse example");
}

void loop()
{
  // poll gpio once each 10 ms
  delay(10);

  // Whether button is pressed
  bool btn_pressed = (digitalRead(pin) == activeState);

  // nothing to do if button is not pressed
  if (!btn_pressed) return;

  // Remote wakeup
  if ( TinyUSBDevice.suspended() )
  {
    // Wake up host if we are in suspend mode
    // and REMOTE_WAKEUP feature is enabled by host
    TinyUSBDevice.remoteWakeup();
  }

  if ( usb_hid.ready() )
  {
    usb_hid.mouseButtonPress(0, MOUSE_BUTTON_LEFT);
    delay(10);
    usb_hid.mouseButtonRelease(0);
    // uint8_t const report_id = 0; // no ID
    // int8_t const delta = 5;
    // usb_hid.mouseMove(report_id, delta, delta); // right + down
  }
}

(うわはてなクソめんどくさ)

ファームウェアとしてのArduino方面の知識がイマイチ足りてない気はする。それはともかく、コードは自動生成されたものがほとんどで、配線はごくごくシンプルに以下の通り。

10万クリックも辛くないね

サボテンダーの英訳

要はエッチゲーなんだけどこれ、このキャラ好きだわww

「cactuarってなんだ???」とか思って調べたら吹いた。

あえて和訳するとこうか……

エアリスがサボテンダーとか言っているわけじゃないのよ。ただ、ティファのほうがすっごいじゃない。ほら、アレが!

出会いもそうだしスマブラとか色々言ってくるしめっちゃオタク女子。

ゲーム感は00年代くらいの安いギャルゲーなんだけど課金方式とかは「あー、あー」ってなる。こういうゲームが平然と国内で出ずに旧態依然としたギャルゲーのままなのがあかんのだろうなぁ……

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エンターテイメント周りの「正しい」生産消費とはなにか

ここではゲームをやって感想を述べたり自慢したりするサイクルを生産消費(生産=状況を外部に共有する、消費=ゲームで時間を浪費する)と呼んでいるだけで、要はいつものアレで「正しい」ってなんだろうな、と思ったということです。

直近 (2024-04) のネタで言えば神域リーグでまた千羽黒乃師匠が選ばれませんでした。半分なんとなく予想がついちゃった話でもあります。

実は去年あたりに「神域は茶番だなぁ」と白けたところがあって、多分その路線が今後も続くし、ある意味では上級系VTuberは誰かは呼ばれるけど誰かは呼ばれないのです。それはほんとうの意味でのガチなドラフトということでもなく、良くも悪くも談合でテンションが設定されている、そういう企画なのだ、という割り切りの帰結でありましょう。だって公式もガチイベントだとは称していないし。ガチイベントじゃないのにドラフトってなんなんだってなるんですけどね

また同じくらいのタイミングで、今度は陰蜂のノーコンテニュークリアというのがありました。こちら、縦スクロールSTG筋での正真正銘の快挙だと思います。というかまだやっている人がいたんだ……。パチパチ

ただ、一方で有名VTuberの兎田ぺこらのママが配信に参加するだけで多分数千万以上のお金が動きますし、スイカとか8番出口でわーきゃー言うほうが市場が動き、皆は楽しいと思うのです。

単純に言えば「すべてを一緒くたにするな」ということなんですが、これらは世間の時間を取り合うという意味では正しくエンタメだし、私の周囲で平然と混在するイベント群でもあります。そしてバラバラそうなんだけど、何か関係しているところもあるように思います。ここは私が大嫌いなサブカル系の論評にトーンを近づけるのも辞さずにあえて考えてみたいのです。

まず、この中で一番「本来」の評価を得るべきは千羽黒乃さんだと思います。投入時間の桁がおそらく違います。しかしずいぶん冷や飯食らってますね。次が陰蜂。難易度だけでいうとおそらく陰蜂のほうがすごいと思うんですが、対人でないものはパターンの累積の部分があると私は思っていて、収束はすると思うのです。収束に向けて資力、時間、他の愉しみが仮にあるならそれを捨てる覚悟、それ以外の将来をある意味では捨てるのです。

「捨てる」覚悟なのに、たまにエンタメ枠でお金を儲けられる瞬間があります。麻雀は多分アベマあたりが焚き付けたあたりからこの枠が急速に成長しました。雀魂も追い風です。ただ、これは努力をした側の人は狙えるものではない。

言い換えると、千羽と陰蜂(プレイヤーの名前使えよ、というのはさておき)はどちらもある種のエンタメ極める人の枠で、一方は儲けと注目を得て、一方はちょっとした界隈が拍手をして終焉するやつです。生活を担えるものでは決してないでしょう。

私の感覚でいうと、消費の性質はどちらも類似しているんですが、生産の帰結が丸々違う点が興味の対象です。言い換えると外部から見た際の「扱い」について、麻雀には麻雀業界自体の勢いがあって、結果として同じ消費がより儲かる生産につながっているのが千羽、あまりに時間が経ちすぎていて消費としては極めて高度なのに何も経済的に跳ね返らないであろうのが陰蜂です。

そこで千羽さんですが、しかし彼女、麻雀業界の「ガチ」枠に近いのにMリーグには入れません。あれ、オフライン前提で顔出し前提だと思います。そこを直しに行くとは今のところは思えませんし、いまの現状での分析に終止することにします(個人的にはどこかでMリーグ的なガチ枠がVを招致する未来もなくはないと思いますが、麻雀業界は結局はバブルの中でのアレなので……)。

言い換えると、ガチ的な文脈では程度の差はあれ千羽さんは別のレイヤで限界に達している。陰蜂よりもこの件でもにょるのは、人気が出ている段階だからですね。話題にもなりやすい。本人が完成されています。相当地道な方です。

陰蜂が「生産方面では周囲3cmに満足されれば幸せなガチプレイヤー」であり、千羽さんは「生産方面でも完成されているガチプレイヤー(だって生活に関わるじゃん)」です。

実は筋の良さだと前者だと私は思いはじめました。「顔を出していないこと」「本性を明かさないこと」に市場がデバフをかける瞬間があるようす。

Vという性質がここで入ってきます。アイドルに近いんですよ。つまり真のガチとしての一本評価の前にキャラ立ちが先です。真のガチがネタに入るのはみんな喜びますが、真のガチが先です。千羽さんはVが先です。実のところホラーゲーで叫んでいる方が自然の態には近いんです。吉田沙保里選手がおもしろ企画に行くのと方向が逆です。女性雀士が容姿でわーきゃーも順序が基本逆です。

Vが先なんだけど、真のガチの人と等格か、下手すると一部と比較するとそれ以上でしょう。麻雀は一部運ゲーであるため正確な評価はしないしさせないですが、Mリーグにいても普通に打てるのでは?と思わせる基礎の実力です。後は顔出し配信であり、その場の雰囲気の話があると思いますが、千羽さんの中の人はリアル麻雀側の人ですし大丈夫な可能性が高い。

生産消費の性質が「半端」だということになってきます。片側はVの性質で、こちらが主にならざるをえません。そのうえで麻雀。麻雀のガチといえるプロ雀士の協会としてはガチを先に出す人を優先したいでしょう。自分たちのルールがあります。顔を出せ。

「神域」とかはガチとカニバらせない方向に振ったものだと去年思ったわけです。すると、千羽黒乃さんなりにゅうにゅうなりは非常に変なところにいるのでやりづらい。ある意味では相手のラインを攻めてこないもこもこさんやにいなさんのほうがポジション的にはポジティブでしょう。

ガチの協会からすると、イカゲーや8番出口や、そして麻雀に興味を持つガチ側に隣接しないVのほうが使いでがあります。お金と注目も持ってきます。

これ、「消費」の性質が「生産」における事情にひっかかる展開になっていると思います。「消費」の練度が抜群に高いから「生産」の方も好調になるとは限りません。「生産」を先に考えている界隈から逆算して「消費」するという順序が常に維持されるのでしょう。「消費」を優先するなら、どこかで確実に同じ界隈で「生産」中心の考え方を維持している人たちに道を譲らざるを得ない。

千羽さんについて言えば「麻雀」と「V」を「消費」することを通じて「生産」活動をやっています。この練度はかなり高いと思います。努力もしている。ただし順序が根底で間違っている、とも言えます。

「麻雀」を「生産」中心に考えるのがMリーガー。「V」を「生産」中心に考えるのは誰かというと、これは企業系Vもそうですし、そもそも生計立てることありきでキャラをバックフィルする系統の「V」です。中身の人が出張らすぎないこと、そのうえでvirtual 実質的であること。

「生産」を軸に考えて最終的にマミーを出す、その上で過度に危険な「消費」にしないバランスを確立していたのがぺこーら陣営です。どこまでも計算が逆方向で走ります。

Vとしての「消費」(つまり演じること)が正しくなるかは最後の話でしょう。割とそこまでいけずにリタイヤする人は多そうです。仕事だからね

エンターテイメントにおいては「消費」がたまたま「生産」に繋がることと「生産」に直結する「消費」を行うことは根本的に異なる活動なのかもしれないです。

もちろん「消費」が始まりで(外部の要因でたまたま)「生産」が順調というケースはなくはないでしょう。プロゲーマーというのは概して私はそういうところがあるように思います。そのゲームジャンルがたまたま盛り上がるということが必要。それでも、1億の賞金を奪う大会があるジャンルでも、そんなに儲かっている感じはしないです。

歴史やらなんやらでバフがもりもりの将棋とかはわからんでもないのですが、話に聞く奨励会の事情などを考えれば、あれは「生産」が先にくる覚悟を持っている人々ですね。そういう「生産」者としての資質ありきの人員を配置する生産サイドの文化そのものが母体です。

タイトルの話に収束させるとすると、「正しい」生産消費というのは

  • 儲けを安定させるなら「生産」を先に考えよ
  • 「消費」を「生産」に結びつけるなら「せいぜい小遣い」くらいを最頻値と考えて上を目指しすぎるな。「生産」を先に考えている人々にいずれ喰われる

という性質をきちんと認識したうえでやる、ということでしょう。

9割以上のエンタメの消費者は生産についてこの感覚を全く疑わないと思います。要はXで絵をポストする際に儲かると思ってないはずです。ただ、今はたまに広告案件とかがくることもあるようです。その際に、それを生計を立てるための主要な戦略に転換させるのは上記の検討をしてからにしよう、ということでしょう。「生産」をつきつめて考える、ということです。

どういう業界でも、生活を行えるということは「生産」を主体的に考える人々がいます。自分がその最初の最初にいるのでなければ(典型的にはプラットフォーマー)、「消費」のロジックを突き詰めて「生産」の量を増やそうと思ったりしないほうがよさそうです。むしろ、下手くそ麻雀初心者Vの如く狡猾にやることです。麻雀にほんとに興味あるんか?ないでしょうね。あの人々はVとしての「生産」のロジックの中で麻雀をポートフォリオの一つに組み込みたいというだけです。

感覚的にはここ1年で千羽さんは最強とかそういうのではなく「コーチ役」のスタンスにシフトするのかなと思います。ある意味では「生産」的です。基底の強さを否定するひとはいないでしょうから、それでええんじゃないか、とも思います。ただし見ている側としては、頂点極めたフラグもない「コーチ」をそんなに応援したいかな、というのもあります。

 

麻雀界隈

「麻雀」については、だいぶまえ(あれ、もう2年くらい前?)に自分の中で区切りついたので、プレイしたり勉強したりという機会から遠くなってる。んだけど、一方で麻雀をダシにした芸能界系の世界であるところの「麻雀界隈」については今でも散発的には話題を目にしていて、そっちはいい感じに経年劣化というか、こなれたダサいエンタメになっている感があって若干白けている、という話を今から書く。

特に去年の神域リーグあたりから、個人的に違和感というか「あー、この界隈は毒されとるな」と思いはじめており、今年も同じ印象を持った。具体的には「界隈」の素人起用の仕方。V系の事務所から金でも流れてるのか、あるいは話題作りなのか、強い弱いではなくて話題性に振ったイベントの水増しばかりでうんざりする。まずは一定の枠を大手が抑えているという印象が拭えない。

「麻雀」について言うなら、まずは数千という単位で半荘プレイして平均で強さが判断されるゲームで、イベントの勝敗でわかるのはその一部。プロの名判断は名判断とわかるときもあるけど、結局は「たまには役満に振り込む」イベント性が込み。

そこを利用してか「麻雀界隈」では初心者やイレギュラーを引き込むことを通じて一定の話題を確保する。究極的には「たまには素人も勝つ」ので、なんとなく褒めて引き込めていけば、なんとなく絵面になる。

また、センスがイマイチな人でもある意味愛嬌があればなんやかんやでその場に留まらせる理由はある。

いやもう、いくらプレイしても全然上手くならないけど界隈の顔みたいなのも成立するんだから、偉大っちゃぁ偉大なのよ、「麻雀」自体は。

厳しい系統の市場ってのはまずそういう舞台にあがる前に厳しいハードルを課すのよ。まぁつまりどっちかといえばMリーグはそっちの演出にはなっている。V周りはその意味ではままごとのイベント化になっちゃっていて、その中にプロに伍する人が混じっているために逆差別がキツめ。

一時期48系の人が愛嬌ベースでゴロゴロそこらへんに跋扈したのを連想することもあって少し……どころではなくて白けるところはあるなーと感じる。

多分、その界隈としてはお金儲けチャーンスの空前のブームみたいなところだし、そもそも私は「界隈」にそこまで大きな関心もないので(利害もないので)、大声で「これが問題だと思いまーす」とは言わない。

この件、私は「解決するべき問題」というよりは「白けるネタ」として見ているだけで、別に白けるネタがたくさん世の中にはあるので、いちいち全部真正面から捉えて打ち返さなくても人生は廻るでしょうとは思う。ただ、白けの蓄積って周辺の人々の人生を空疎にするかな、なんて思う部分はやっぱりあるので、そういう現象を眺める事自体をサブカル的な消費をするのは、なんていうかな、悪くないのだ。

根底には、場を提供しているメディアが儲かる構図があって、そのうちのいくらかが実は外資であって、結果的には外にお金が流れていって、エンターテイメントを通じて楽しく貧しくなるサイクルに見えないこともない。そういう「寂しさ」みたいのもある。

ブームで相対的に注目を浴びやすくなってチヤホヤされることでニコニコする人がいる一方で、真正面から否定のしようのないエネルギーをそこに投入している人が歪んだ動機によって思った通りに舞台に上がれないというある種の劇場が成立している。これ自体を皮肉めいたエンタメと捉えてしまうところが自分の中には実はある。

そして、全体を均して、平均的に言えば、トータルではお金自体はマイナス。ジリ貧を自分たちで持ち込んでしまうのがエンタメの宿命なのかもしれないねぇ。

こんなこと言っちゃうとディズニーランドからしてそうなので、そこまで偏屈な解釈を持ち込む必要など「あんまり」どころか「一切」ないのかもしれないけど、とかく「麻雀」自体の性質が曖昧模糊としている中で興味深い現象だなぁと。ジーパン売りが勝つのだ。

仕事の対象には断じてしたくねぇななんて。なにせ上手くても見栄えのために晴れ舞台から切られるようなエンタメの事情がありそうだし。強くても局所で冷や飯を食わされて裏で別のバーター発生してそうな悪い妄想(陰謀論!)から心が自由になれないんだよね。

相対的に切られないムーブに成功しているもこもこしている人は配信見ているとそのあたり気づいている気がしていて、正直何か言いたいんだと思うんだけど、優遇されちゃっている立場を捨てたいとも断じて思っていないはずで、芸能人としてはそれを吐露もできなそうなので、私にはそこが最高のエンタメに見えているし、そういう動きに白けつつもつきあうかー、ってなってる感じの人もいる気がしていて、それもエンタメになっている。まぁつまり、相対的にはかなり偏屈な意味では良いエンタメになる。一般的な芸能界と比べると個人がまだ個人として生身が見える部分があるのでよし。ただ、徐々に消えるやつやね。事務所とか個人勢でもこなれてくれば、演出してこれちゃうところだ。界隈が大衆化・陳腐化する前の花火をまた見ている。楽しいもぐもぐ

ポラリコやってもないのに書く

2日連続でほぼ開店ダッシュで行ってみましたがポラリコプレイヤーを一人もみませんでした。いや、一回何か音楽聞こえてたので、一人はいたかも。総じてDDR、SDVX、IIDXに完敗です。聖地枠のゲーセンですのでそういう経緯(開店後に張り付くキモいのがいる傾向)はあるんだと思いますが。やーいキモいやつ、俺の友達(σ・∀・)σ

配備されて思ったのは「ここに来るだけのインセンティブ音ゲー上級者にもV好きにもないのだろうな」ということです。

まずV好きの方の方。「来て何を抱えて帰れるのか」を私が語れないので憶測度合いがものすごく大きい前提でいいますけど、直接推す以上のなんかあんの……と思いました。なにせ本体はネットのほうでしょ。「ゲーセンに行く」という壮大な面倒を越えてネットにない、ゲーセンで得られる成分がないと来ないでしょう。

ましてや音ゲーフロアってプライズゲーと比べても別格クラスで入りづらいと思います。最近のタバコ禁止の流れでもなお、おそらく感覚的にはパチスロと同列ではないかな。そこに行ってまでして特別な何かを抱えて逃げて返ってくるイメージになるはずです。そこまでのハードルがもともとあの場所にはあると思います。

さて音ゲー上級者については、ええと言うまでもないな。難しくもなくインセンティブもなければやらないです。解禁でくっそ面倒な巡回をやらかしがちなコンマイだからちょっと嫌な感じはしますが、正直解禁無視ればええです。ここ最近の解禁は半分無視ってます。それでもやれるものは大量にあります。3y3sは取りましたけど。

構造的には上の二枠を別扱いで議論するのが大不正解には思います。上級者は語らないし、初心者は上級者が怖いです。イヤイヤでもいいので、一緒にやるインセンティブがあってよかった。入口はネットじゃないでしょうか。それこそVが「みんなでこのゲーセンで一緒にやりましょう(私はディスプレイ越しだけど)」とかやって、上級音ゲーマーが初心者をアシストする機能(そんなんを作らないとまずできません)とか作って、みんなでゲーセンのその場で盛り上がる。「人が集まるのって良いよね」感がそこまで感極まってないとそもそもV好きが孤独に一人でゲーセンに来ないですよ。エクスクルーシブネスが要ります。

現場で見てはじめて上のようなことを思いました。試すのは良いことですが、おそらくポラリコは崩壊で終わりでしょう。上の話はもし起きたら私は革命だと思いますが、キャラ実装が間に合ってないのにできるわけがありません。

(上の「崩壊」予測が外れることを祈っています。その方が展開として面白いので)