MAKERS―21世紀の産業革​命が始まる に出てくる企業をまとめてみた(一部)

MAKERS―21世紀の産業革​命

米誌「ワイアード」「元」編集長でベストセラー『ロングテール』『フリー』で知られるクリス・アンダーソンの著作。
2012年11月、彼は長年務めたWIREDの編集長を辞任し、3Dロボティクスという自らが立ち上げた無人飛行機制作会社のCEOに専念すると発表した。
そんな彼が描く未来のモノづくりとは。

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

読んだ感想は、すげー楽しそう。
内容は

  • 技術が進歩し、個人が簡単にしかも安価に少量のモノづくりをビジネスとして行える基盤が整っている。
  • 今までは、発明家は起業家になりえなかったが、これからは発明家が起業家になる時代なのだ。
  • 大企業が作れないスキマ商品を個人が作ることで、世の中がもっと素晴らしくなる。
  • そしてアメリカがChinaから製造業の雇用を取り戻す方法がこれなんだよ。
  • モノづくりを個人のもとへ、そしてアメリカのもとに取り戻す時が来たのだ、諸君。

ということが書いてあるわけなのだが、なにせ本人がその渦中のまっただ中にいるわけで興奮がビンビン伝わってくる。

この本で取り上げられた企業を以下にほんの一部だけあげてみた。

第1章 発明革命

Yコンビネーターが投資してきたベンチャー企業 p.14, 15

この6年のあいだに、Yコンビネーターは300社に資金を提供してきた。
例えばループト[Loopt]、ウーフー[Wufoo]、ゾブニ[Xobni]、ヘロク[Heroku]、ヘイザップ[Heyzap]、そしてバンプ[Bump]といったベンチャーだ。
驚くべきことに、その中の数社(ドロップボックス[Dropbox]やエアビーアンドビー[Airbnb])には、いまや数十億ドルの企業価値がある。
僕の務めるコンデストも、その内の一社を買収した。
それが月に20億ページビューを超えるサイト、レディット[reddit]で、三代目となる経営チームは20代そこそこの切れ者たちだ。

Yコンビネーター
2005年にポール・グレアムらが立ち上げたスタートアップ企業向けのベンチャーキャピタル。投資金額が少額であり、外部からの資金調達を可能にすべくコンサルティングを行うのが特徴。

ループト [Loopt]
モバイル向け位置情報サービスを提供。グルーポンと組んでクーポンサービスも行なっている。
近くにいる「友人」がマップ上に表示され「繋がる」ことができるらしい。
これ「友人」が上司と部下とかだったらとても微妙な感じがしますね。
やはり、「友人」はよく選ばないと気まずいことになりそう。

ウーフー [Wufoo]
Web上でアンケートなどのフォームを簡単に作成できるサービスを提供。
これは便利そうなので個人的に覚えておこう。

ゾブニ [Xobnio]
Outlookやモバイル向けにメールのソーシャル化プラグイン/アプリケーションを提供。
連絡先に登録している人とユーザの関係をグラフィカルに表示してくれたりするらしい。
余計なお世話だって思ったりはしないのだろうか。
ビル・ゲイツがえらく気に入って2000万ドルで買収しようとしたけど、失敗したとwikipediに書いてあった。

ヘロク [Herokuo]
Webアプリ開発向けのクラウドプラットフォームを提供。
Railsアプリをつくる→ヘロクでデプロイするというのが、手っ取り早くウェブアプリを公開できる手法として日本でも広まってきている。

ヘイザップ [Heyzapo]
ソーシャルゲーム向けプラットフォームを提供。

バンプ [Bumpo]
スマートフォン向け連絡先交換アプリ「Bump」を提供。
端末同士をぶつけることで連絡先が交換できるというリア充御用達アプリ。

解説ページ
http://andronavi.com/2010/07/29996

ドロップボックス [Dropboxo]
ご存知ドロップボックス。
クラウド上にファイルをアップすることで、ファイルの共有や同期を可能にするサービスを提供。
この章で挙がっている企業の中で唯一サービスを知っていたのがこれ。
でも、会社名もDropboxってのは知らなかったぜ。

エアビーアンドビー [Airbnbo]
空いている部屋を一泊から貸し出せる、ルームシェアのホテル版みたいなサービスを提供しています。
実際に使ってみた方のレビューはこんな感じ。
知らない人の家に泊める、知らない人の家に泊まるってのは抵抗ありそうな感じなんだけど

日本人の感覚としては、見知らぬ他人を家に泊めるのは、どうしても抵抗がないでしょうか。
しかしこちらは、もともと家にゲスト用のベッドルームがあったり、学生のルームシェア
多かったり、留学生のホームステイを受け入れているお宅も多いですから、抵抗は低そうです。
http://mtl.recruit.co.jp/blog/2012/03/airbnb.html

なんだそうです。
ただやっぱりトラブルはつきもののようで
アパートをAirbnb経由で貸したら売春に利用された–たまたま警察の急襲で発覚
http://jp.techcrunch.com/archives/20120814police-bust-prostitues-using-airbnb-apartment-in-stockhom/
なんてことも起こっているようです。

Airbnbはこのところ、自分の成功の犠牲者だった。なにしろ、一日の貸し借り成約件数が60000件である。

ということを考えればこういうトラブルはごくごく一部なのかもしれないけど。

レディット [reddito]
オンラインコミュニティ。いわゆる2ちゃんねる的サービス。
誰かが投稿したリンクに対して議論したり投票したりできる。
有用なリンクは↑が投票され表示順序が上がり、注目度の低いリンクは↓が投票され表示順序が下がっていき最終的に表示されなくなる。
英語の勉強になるかも。

サイトのデザインが洗練されていないところに交換が持てる。
たぶん、スマホのアプリでみるといいのかな。

解説してあるページがあったのでこちらを参考に。
http://clavis.info/wiki/what_is_reddit

第2章 新産業革命

イカースペース、メイカーのための市場 p.28-30

コピー・印刷チェーンのキンコーズの元経営幹部が始め、キンコーズのようにどこでもだれでもが使えるような工房を目指しているテックショップ[TechShop]だ。
また、手作り品の職人(Makers)のためのウェブ市場、エッツィー[Etsy]の盛り上がりを考えてみてほしい。

テックショップ[TechShop]
そういえば、キンコーズ最近あまり見かけない気がしますね。

で、TechShopは個人向けにものづくりの工房スペースを提供している企業だ。
この形態の企業は増えているし、実際業績も伸びているようだ。
TechShopとは直接関係ないけど以下の記事が参考になった。

TechShopなどのMakerスペースがフルセットの高速プロトタイピングツールを提供したおかげで、ガレージを作業場にしていた人たちにできることが大きく広がり、Makerビジネスにはガレージにプラスしたスペースが与えられた。問題は広さだ。一部のMakerスペースは土地の確保で苦労をしている。たとえば、サンフランシスコのTechShopでは、資材などを保管できる50〜100平方フィートの「ケージ」(区画された倉庫スペース)が小数あるのだが、空きを待つ人が大勢いる。
中略
個々のMakerエリアは、テープで区画されているか、パーティションで区切られている。小さな区画は50平方フィート(約1.4坪)から、大きな区画は250平方フィート(約7坪)ある。ここでは、オートバイを組み立てている隣の区画でファッションデザイナーがモデルに布をあてがっていたり、生物学者が苔を栽培している隣で木工職人がボウルを彫っているなんていうことが珍しくない。あらゆるタイプのMakerがそこにいる。
Kickstarted - スペースの問題(とMakerスペースの作り方)
http://jp.makezine.com/blog/2012/11/kickstarted-finding-space-and-making-a-makerspace.html

なかなかカオスな光景ですね〜。
やっぱり、DIYの国アメリカなだけにMaker人口も多そう。

エッツィー[Etsy]
ここで出品できるものは手作りのものだけ、というこだわりサイト。

オープンハードウェア p.29

いまでは、数百万ドルの売上規模を持つオープンハードウェア企業が数多く存在する(僕の会社3Dロボティクス[3D Robotics]もそのうちの一社だ)。
中にはアルドゥイーノ[Arduino]のマイコンボードのように、数百万個以上も売れている製品もある。

3Dロボティクス[3D Robotics]
アルドゥイーノ[Arduino]

クラウドファインディングサイト p.29

何千というメイカーたちは、キックスターター[Kickstartar]をはじめとする「クラウドファンディング」サイトを通して、プロジェクトの資金を調達している。
2011年だけでも、キックスターター3Dプリンタを製造するオープンハードウェア会社のメイカーボット[MakerBot]、そして3D印刷サービスのシェイプウェイズ[Shapeways]にそれぞれ100万ドルを、さらに別のメイカー向けプラットフォーム、クァーキー[Quirky]には2300万ドルを投資している。

キックスターター[Kickstarter]
いわゆるクラウドファンディングサイト。
仕組みは、出資者が目標金額を設定し、期間までに目標金額を集められれば事業開始となる。
目標金額に届かなければ、そのお金は出資者のもとに返されてしまう。
というもの。
第10章メイカーズの資金調達にキックスターターで予想以上の資金を獲得するエピソードが語られている。

立ち上げから3年後の2012年5月までに、キックスターター上で47,000のプロジェクトがスタートし、そのうち4割を超えるプロジェクトに合計で1億7500万ドルの資金が寄せられた。
さらにその中の10,000プロジェクト以上が目標額を達成し、6000万ドルがクリエーターに渡されている。
第10章 p226

イカーボット[MakerBot]

イカーボットはもっともシンプルな3Dプリンタのひとつだ。
モーターは四個だけ。
X軸、Y軸、Z軸上を動かすモーターに加えて、四個目のモーターはABS樹脂を熱で溶かし、作業用トレーまで運ぶためのものだ。
イカーボットの外枠は、レーザーカッターで切った合板を合わせたもので、プラスチック製の歯車の一部は別のメイカーボットのプリンタで作られている。
内部の電子機器には、アルドゥイーノ基盤が使われている。

また、無駄にLEDがたくさん付いているのも、メイカーボットの特徴だ。
なぜかと聞かないでほしい。
イカーボットはただの道具ではないのだ。
それは遊びのためのもの。
革命的な作品。動く彫刻。政治的声明。
それは、どきどきするほどかっこいい。

第6章 変革のツール p122

イカーボットはこんな形。
どことなくなつかしい感じがする。

シェイプウェイズ[Shapeways]
後述するポノコと同様に、ユーザがデザインを描いたファイルをアップすれば、好きな素材で製品にしてくれるサービスを提供している。

イカーズ市場へ進出する大手企業 p.29

オートデスク[Autodesk]、PTC、3Dシステムズといった業界大手は、アマチュア向けや子供向けのデザインソフトを無料で公開し、消費者がアップロードしたデザインを3Dプリンタで出力するか、レーザーカッターで整形するサービス部門を立ち上げている。

オートデスク[Autodesk]
PTC
3Dシステムズ

デスクトップ上から製造ラインへ注文できるCADソフト p.38

ポノコ[Ponoko]のような企業は、すでにこのサービスをオンラインで提供し、デスクトップのツールとグローバルな製造ラインを結ぶウェブリンクの役割を果たしている。その行き着く先は、ユーザーが「作成」ボタンを押せば、なんでも作れるようになるプログラムだ。

ポノコ[Ponoko]
クリス・アンダーソンが顧問を務めているポノコはユーザファイルをアップすれば品物を受け取れるサービスを提供している。
CADさえ使えれば、モノづくりの機械はもたなくてもいいということだ。

未来がある

もちろんここで挙げた企業が10年後、いや5年後にすべて残っているわけがない。
事業をたたむものもあれば、他の企業に吸収されてしまうものもあるだろう。
しかし、クリス・アンダーソンが何度も繰り返している「アトムとビットの融合」を止めることは誰にもできない。
そこには確かに何かがある。
そしてわくわくする未来がある。
未来を予測する最善の方法は、それを実現することなのだ。
ここにはそんな自分たちの手で未来を作ろうとする預言者で満ち溢れている世界なのだ。

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

WIRED VOL.6 GQ JAPAN.2012年12月号増刊

WIRED VOL.6 GQ JAPAN.2012年12月号増刊

今年の抱負どうなったのさ

今週のお題「夏休みの宿題」
年初に今週のお題「今年の抱負」というエントリーを書き以下の目標を打ち立てた。
今回はその途中経過というか進捗報告である。

  • MT4でインジケータ作成
  • 独自ドメインの取得
  • HTML,CSSが扱えるようになる
  • JavaScriptPHPあたりも勉強
  • Rで統計を視覚的に勉強
  • 経済物理学の勉強および経済学の復習
  • 英語をスラスラと読めるようになる
  • Javaの勉強

結構よくばりな目標を立てたなと思ってから、はや2011年も残り5ヶ月を切った。
これらの目標がどれだけ達成できたか、進捗状況はどうだろうか。
また、達成できなさそうな目標はあるか、現在目標達成の障害になっているものはないか。
もしあるならそれを取り除くことはできないか、できないのであればどうするのか。
目標を変更するのかそれとも障害とうまく折り合いをつけて目標へ進んでいくのか。
目標が達成できた後の展望は開けているか。
次の目標はあるか、それは上記に掲げた目標とつながっているか。
最終的なゴールは見えているのか、もう到達できるのか。

など諸々考えてみたが、
どれにも見事にほぼ手をつけてない
いやあここまでできてないとは自分でもびっくり。

なぜこうなったのか

//-------------------------ここから言い訳タイム------------------------------

  • やりたいことが何か明確でなかった

→そのため目標が漠然としすぎている。
 もっと具体的な目標が必要だったし、なぜそれを目標にするのかもっと明確にすべきだった。

ここで僕がやるべきことは何をやるべきで何をやるべきでないのかを目的から逆算することだ。
とりあえずやれそうなことからやる。
形にできそうなこと。それはAndroidアプリを作ることだ。
公開するまではちょっとあれかもしれないけど公開しよう。
人様の目に見てもらうことがなにより重要だ。
大体他人に見せられないようなアプリをつくってどうするというのだ、おまけにお前はAndroid端末を持っていないではないか。

んーじゃあどんなアプリを作ろうか。
将棋?RSSリーダーツイッタークライアント?家計簿?
うーん、手始めにじゃんけんアプリを公開しよう。
それと同時並行的にはてなAmazonAPIを使ったアプリもつくろう。
さていつまでに公開しよう。どうせなら「夏休み」とされる8月までに仕上げよう。
OK、じゃ目標は以下の通りだ。

夏休みの宿題が決まった

8月までにAndroidのアプリを2本作って公開する

以上

学校ってステキなカンヅメ演出所

いつの間にかゴールデンウィークも終わってしまいフレッシュなエントリー時期を完全に外してしまったのだが、僕も4月から学生になりました。
この1年間の間に学割使いまくってあれやらこれやら買いまくってやるぜ、ぐふふとやや浮き足立ってはいるものの無難なスタートを切れた。

さて私は大学を卒業し、5年間ほど社会人生活を過ごし再度学生という身分になったわけで。
やはりというか以前の学生時代には見えなかったものが見えたり、新しい発見がたくさんありました。
今日はそのひとつ。

カンヅメって素晴らしい

最初の数週間与えられたのは数冊の教科書とPC、あとは質問に答えてくれる先生。
じゃあ今から自分でプログラム打ち込んでいってわかんなかったら先生に聞いてね。

いきなり自習かよ!?とも思ったがこの環境が思っていたよりも素晴らしいとすぐに気づいた。

  • 教科書のプログラムを丸写しする→コンパイルする→エラー→自分で修正する→それでもわかんなかったら先生に聞く

ひたすら一日これ。
一番大きかったのはグーグル先生に聞けない、というメリット。
自分の頭で考えて、教科書は注意深く聞く。それでもダメならなぜダメなのか今まで自分がどうアプローチしてきたのかをまとめて先生に質問。
ひとりでやってきた頃よりも充実度がぜんぜん違う。
疑問があればすぐにググっていつの間にかAV女優のスリーサイズを調べていたというポルナレフ状態に陥ることがない。
最終手段に先生という疑問点をその場で聞ける人がいるという安心感もすごい。
独学だと些細なことでつまずいて放置というパターンに陥ることが多いがそれを防げるというだけでも学校に通う意味があるってものだ。

スタバなんかでおもむろにMacをひらいて「オシャレで仕事も出来る自分」を演出している彼らもおそらくプチカンヅメ状態を演出したかっただけのだ。
いままで誤解していてごめん。
家で仕事しようと思ってもエロサイトばかりみて仕事にならないよねー、いやあそうだったかあ。

投資家はいつ休むか

プールサイドで昼寝をしている時にちょっとだけメールを見たり、クリスマス休暇の途中でオフィスに立ち寄ったりしたくなるかもしれないが、その考えは正しくない。なぜなら、われわれは仕事から距離を感じるときに初めて、仕事に関して全く新しい方法で考えることができるようになるからだ。その結果として、不可能に見えていた問題、数カ月も苦労していた問題が、突然解決しうるものになる。休暇(ブレイク)を取っているときにこそ、ブレークスルーが可能になるのだ。
「距離」と創造性:休暇が大切な理由

投資に「休むも相場」という格言があります。

これは毎日相場に参加せず、客観的に市場や自分を見つめることで良い結果を生むことができるという意味です。
取引を繰り返していると冷静さをいつの間にか失ってしまい、過度なリスクを抱えてしまい損失を出してしまうケースが投資には多々あります。

投資家は、悪いボールに手を出しすぎるので、成績が悪くなる。
投資の場合、ストライクゾーンギリギリに決まるボールを三球
見逃してもアウトにはならない。
実績を上げるためには、絶好球がくるまで待たなくてはならない。

ウォーレン・バフェット

さすが世界最高の投資家バフェット氏に言われると目も当てられません。まったく仰るとおり、「選択と集中」です。大事です。

しかし、売買を繰り返していくうちに「機会損失*1」を過度に恐れ出したり*2、損失を「取り戻す」ためにいつもはしないようなトレードを行なってしまう。これは投資を実際に経験してみないとわからないことだが、本当に人間の意志というものは弱いものでいつの間にか気がつくといつの間にかそうなっている。
LTCMというノーベル経済学賞を受賞した教授たちがつくったファンドがあったが、これが破綻したのは"悪いボールに手を出しすぎ"たからです。

土日を除く24時間市場が開いている投資家に取っていつ休むかは難しい問題です。VPSで自動売買していると寝ている時でも休暇中でも、気が本当に休まるときはありません。この問題は投資家個々人によって対処方法は様々でしょう。ただ、自分の中でのマイルールを設定しそれを遵守するという原則は変わりません。ポンドを空売りして大儲けしたジョージ・ソロスはその間数億ドルは少なくとも市場にお金をつぎ込んでいたそうですが、枕を高くして眠れたそうです。
バフェットとソロス 勝利の投資学

よく思うのですが、投資家は市場に対峙しているのではなく自分自身に対峙しているのではなかろうかと考えます。実に禅問答的であり深奥な世界でありストレスフルな環境です。

市場が開かれていない土日に「考えないとはなにか」を考えていて、このようなエントリーを書いているわたしにブレークスルーが訪れる気配はまだありません…


10/1/24追記 
100人の20世紀 『ジョージ・ソロス』
つぎ込んだのは100億ドルでした。
D

*1:取引をしたことによる損失ではなく、取引をしなかったことによって逃した利益のこと

*2:機会損失に立ち向かえるのはBNF氏とかそのレベル http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E3%83%BBN%E3%83%BBF#.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89

「ゆとりでも分かるFXがお勧めできない理由」の不遜さに我慢がならなかった

ゆとりでも分かるFXがお勧めできない理由という記事を読みました。

まずはてブ数に驚きました。メディアリテラシーの高いはてブでこれだけのブクマ数を集めている記事です。
よほど為になる内容に違いない、うん間違いない。
これを読み終わる頃には明日からトレード画面とにらめっこしながらMT4のインジケータをいじくる日々に別れをつげ遊んで暮らせる悠々自適の生活が待っているのだ、FXなんかせずに○○をしろという神の啓示がそこにあるのだと期待に胸を踊らせました。
ところが何回読んでも悠々自適の生活が訪れるような気配はありません。
それどころか何かわたしの中に怒りのようなものが湧いてきました。
なぜこのような記事を書くのだろう、たしかに間違っていない部分もあるがこれじゃ前途有望な若者を思考停止に陥らせるために書かれたとしか思えない。
ハッキリ言うとこのブログ主は証券会社の回し者か、幻想に囚われて思考停止に陥った可哀相な人のどちらかです。

以下に自分なりの上記エントリの要約を記します。

FXは基本ゼロサム*1だから平均以下の能力しかないお前らがやったって手数料をむしりとられて結果的にお金をドブに捨てるのと同じだ。
だから、悪いことはいわないFXにお金をつぎ込むのはやめて確実にプラスになる株式に投資しとけ
なぜなら株式はゼロサムではないからな。
あ、日本は例外ってことで。

ていうかね好奇心旺盛な若者に対して、FXはゼロサムダメ絶対てのはどうなのよ。
老婆心からのエントリーなのかもしれないけど若者を馬鹿にしてるんじゃないのかな。

FXはゼロサムだから損失をだすわけじゃないのよ。

FXで損失を出すたったひとつの理由

それは簡単、リスク管理しないから。
FXは株と違って預けたお金の最大50倍の資産の取引ができます*2
そのため市場が大きく動けば自分の預けたお金以上に損をするなんてこともあります。
ただ、その分自分の資産を2倍、10倍、いや100倍にすることだって可能です。
もちろんそんなことはできない。猿にマクベスでも書かせてたほうがましだ。

考えてもみてほしい、金利10%の金融商品があるよと友人から勧められたとしてあなたはその商品を迷わず購入するだろうか。
おそらく、大多数の人が"怪しい"と疑うはずだ。
10%というと自分の資産のたったの0.1倍だ。

10%の収益を生む金融商品を疑う同じ人間が自分の資産を100倍にもできると想像してしまうのだ。
興味があれば2ちゃんの市況2板を覗いてみるといい。
このような間違った想像を抱き○百万失ったというレスをすぐにみることができるだろうから。

ていうか素人がなんで偉そうなの?

さらに以下の引用を読んで、この人は為替取引というものを本格的にしたことがないのだなということが分かってしまいました。

通貨はマクロ環境に連動します。ということは、たとえば日本円と米ドルを扱うのであれば、双方の国のマクロ環境、たとえばGDP成長率とか失業率の動向とか株価とかインフレ率とか中央銀行の金融政策とか銀行の信頼性とか、もう数限りない指標に絶えず目を配っていなければ通貨の変動の背景事情は分からないということです*2。
残念ながら大多数のFXトレーダーはこれらの指標をそんなに大事だとは考えていません。
これらの指標がよかろうが悪かろうがどちらでもかまわいなのです、ただ上がるのか下がるのかそれだけがトレーダーに取って重要なことなのです。

たとえば株式などは、トータルでみれば成長率と連動して価格が上昇していきますので、ゼロサムではありません。日本みたいに長い間名目成長率が低迷している国はともかく、世の中の大半の国は、名目成長率はプラスで推移しています。
海外に投資しろというなら、なおさら為替が重要になってくると思うのですが。

これはダウ平均株価とドル円が過去5年間でどれだけ上昇・下落したかという図です。
ダウは10%上昇しているのに対して、ドルは円に対して30%も下落しているのがわかります。
これでは100円で買った株が77円になってしまいました*3
いくら名目成長率がプラスの国に投資したとしてもプラスになるとは限りません。
海外に投資するのであれば為替リスクを考慮するのは最低条件ですし、GDP成長率やら失業率の動向とか引用部分で挙げた指標を目を通すべきです。

それとも新興国に投資すべきと言いたかったのでしょうか。
であれば、なおさら投資対象の国や上場株をリサーチする必要があるのではないでしょうか。
たしかに新興国の株式は上昇を続けています。
だからといって何も考えずに投資するというのは投資において最も愚かな行為のはずです。
このブロガーの方は新興株で儲けて大切な事を忘れてしまったのでしょうか。

まとめ

  • FXで資産を100倍にすることは不可能
  • FXがゼロサムであることがFXの危険性の本質ではない
  • 株式に無条件に投資するのは愚かな行為
  • 考えることが大事

なぜこのようなエントリーになってしまったのか自分でも反省している。
ただ、冒頭でも書いたが怒りがこみ上げてきたのだ。
自分が大して知りもしないことを一方的にやってはいけないと言い、自分の思考停止を棚に上げて他人にアドバイスする不遜さに我慢がならなかった。
ゆとり世代の若者もおっさんも団塊も考え続けることは止めてはいけない。
人間は考えるなんちゃらであるとパスカルも言っていた。
ゼロサムダメ絶対で終わるのではなく常に考える姿勢を失わないようにしたいものである。

最後に

もし、あなたがFXをやってみたいのという物好きであれば以下の忠告を守ってほしい。
一回のトレードでどれだけの損失が許容できるか必ず考えろ、と。
まあ、大多数が守れないからFXはやるなというのは結果的に正しいのだけど。

もう一つ最後に

よく「FXは市場に取ってなんの役にも立たない」という批判があるがこれは間違っている。
FXは資本主義にとってもっとも重要な機能を果たしているのだ。
それは資本集約機能である。

大部分が損失をだし、極一部が莫大な収益をあげることができるFXはこの上ない資本集約機構である。
もし資本集約機能をあなたが否定するのであれば資本主義を否定することに他ならない。

*1:参加者全員の損得を足し合わせるとゼロになる

*2:2011年1月現在国内の場合。海外だと400倍とかもある、キチガイ

*3:もちろん手数料だって取られる

*1294499173*今週のお題「今年の抱負」

今年は自分にとって20代最後の年である。
にもかかわらず、未だに自分というのがあやふやなままだ。
というか自分の人生に"一本芯の通った何か"というものがないままこんな年齢まで生きてしまったというのが正直なところだ。
そろそろちゃんとした達成感というかそういうものを味わわないといけないのではなかろうかと漠然としながらも行動できないでいたのだが、ようやく腰をあげることとする。

さて今年の目標は以下の通り。

  • MT4でインジケータ作成
  • 独自ドメインの取得
  • HTML,CSSが扱えるようになる
  • JavaScriptPHPあたりも勉強
  • Rで統計を視覚的に勉強
  • 経済物理学の勉強および経済学の復習
  • 英語をスラスラと読めるようになる
  • Javaの勉強

MT4でインジケータ作成

MT4というのはMetaTrader4というシステムトレード(自動売買)を行うためのソフトのことです。
こいつがあれば自動で売買してくれるので何もしなくてもお金が儲かる*1夢のようなツールです。

インジケータってのはMT4を動かすプログラムで、これを自分で作れるようになって収益を出すのが目標です。

何年も前からFXをやってきたのだけどMT4は今までやろうやろうとして手をつけてこなかったことなのでこれを機会にはじめてみようと思います。

FXメタトレーダー実践プログラミング

独自ドメインの取得

これは簡単ですね。お名前ドットコムあたりでドメインを取ればいいだけですから。
問題はドメイン取って何するのってことですが、経済やら市場のデータを集めて体系化したりいろいろしたいんですね。
でいろいろが何なのかがよくわかってないのでウェブやサーバ関連で何ができるのか、何をしたいのか掘り下げていければと思ってます。
なので独自ドメインはここに掲げた抱負がある程度消化してから取得するという流れなのでこいつが一番後回しになる予定です。

HTML,CSSが扱えるようになる

「テキトーにいじったらまあまあ表示がうまくいったのでよしとする」、という今の状態から脱却したいです。
firebugAptanaといったフリーで使える環境も整っていますのであとはやるだけです。

JavaScriptPHPあたりも勉強

このあたりが自由に使えればなにかと便利そうだなと常日頃から羨望のまなざしを向けていました。
今年こそはお世話になりたいと思ってます。
ここでもfirebugAptanaが役に立ちます。

Rで統計を視覚的に勉強

Rというのはフリーの統計ソフトです。
様々なパッケージが用意されていてアカデミックの世界を中心に利用者が数多くいます。

以前少しだけ触ったことがあるのですが、それからコンピュータの性能もずいぶんと進歩しましたし、パッケージの数もかなり増えているようです。
経済物理学の勉強がてら楽しみながらいろいろと弄ってみたいです。

経済物理学の勉強および経済学の復習

経済物理学というのはまだまだ聞きなれない人が多い分野だと思います。

経済学というのは現実の経済をモデル化し、モデルによって現実の経済を予測・描写するものです。
ただ、20世紀以降ずいぶんと進歩してきましたが、すべての経済事象を説明できるほど経済学は万能ではありません。
むしろ経済学は"陰鬱な科学"と言われるほど学問としては役に立たない存在として扱われてきました。
それでも1960年代以降コンピュータの発展などもあり、経済学は金融街を中心に注目を浴び華やかな世界に仲間入りしました。
いわゆる金融工学です。
しかし、その間にもノーベル経済学者が自分の設立したファンドで大損こいて破産するなど体をはった笑い話を提供してくれたりしていました。
最強ヘッジファンドLTCMの興亡


では、なぜ経済学は学問として不完全とされるのでしょうか。
それはモデルの立て方にありました。
モデルを構築する際に現実ではありえない仮定を置くために経済学は現実の世界を描写するには欠陥があるのです。
例えば人間は合理的に行動するという仮定は経済学では暗黙のルールとされてきました。
しかし、人間は常に合理的に行動する存在では残念ながらありません。
それでもコンピュータのない時代、煩雑なデータを処理し計算するにはできるだけ単純化する必要があったためにありえない仮定を置いていたのです。

20世紀後半からコンピュータの性能も大きく進歩してきました。
そこで注目されてきているのが大量のデータを処理し、より事象をありのままに記述しようとする経済物理学という分野です。

前置きが長くなりましたが、ここでは経済物理学の理論を経済や物理学のテキストで学んでいく形になると思います。

英語をスラスラと読めるようになる

英語が読めればWebの情報量は飛躍的に増大する、というのは分かっているのだが日本語→英語への切り替えが普段の生活の中では難しい。
なんとなくこんなことが書いてあるんだろうなあレベルから正確に意味を把握できるまで読解力を向上させるのが目標。

英語の勉強を継続する10のヒント

Javaの勉強

わかりやすいJava入門編という本を書店で手にとってあまりのわかりやすさに感動し購入したはいいものの手をつけてこなかった。
今年こそは。

まとめ

こうしてつらつらと書いてみると結構なボリュームがありますね…
具体的な分量というかゴールを設定してあげないと途中で投げ出すコースかもしれませんね。

でもせっかく今年の抱負を立てたのでこのブログで途中経過などを報告していこうと思います。
今日はこのへんで。

*1:うまく行けばの話