現実と虚構の狭間で

GW中はどこに出かけることもなく、友人と酒を酌み交わすこともなく、けっこうひたすらに「たまった録画や未見のTVerの番組を消化する」に費やしていました。それは「例年通り」とも言うのですが。

 

連休中にこっち(北海道)では地上波放送されていませんけども「イシナガキクエを探しています」という番組がテレ東で放送されました。これを書いている時点で初回はまだTVerで見ることができます。

tver.jp

テレ東は有望なディレクターがここんとこ退社続きではあるんだけども、その中で気を吐くプロデューサー大森時生が手掛けるモキュメンタリーの新作である。

 

モキュメンタリー、別名フェイクドキュメンタリーと呼ばれるジャンル。ドキュメンタリー、あるいは他の番組の様相を見せておいて、その中に仕組まれている「何か」を見せられる番組。ミステリーやホラーと相性がよい。自分も熱狂的にハマったフジの「放送禁止」シリーズがこれにあたる。

 

大森プロデューサーが手掛けた作品は「Aマッソの頑張れ奥様ッソ」「テレビ放送開始69年 このテープ持ってないですか?」「SIX HACK」「祓除」と、どれもがモキュメンタリーである。最初の「奥様ッソ」はBSテレ東で年末にこそっと放送され、見た目普通のバラエティに見せておいて、中身がちょっとずつ不穏。「放送禁止2」の大家族を彷彿とさせる出来で話題になったのである。以降の作品は「奥様ッソ」ほど分かりやすくなくなり、少しずつ「不穏」の要素が強くなっていく。「SIX HACK」あたりは10代で何も知らずに見てたらガチで小便ちびりそうな衝撃がある。大人でよかったとつくづく思う。

 

そんな大森Pが仕掛けるモキュメンタリーの新作「イシナガキクエ」を見るにあたり、TVerでおおよそ見ることができるこれらのシリーズをGW中にあらかた見ました。なんかモキュメンタリーばかり見ていると気持ち悪くなってくるので、それこそ普通のバラエティとかドラマとかをはさみながら、である。で、これを書こうとしたら麒麟川島がtwitterで「見てる」というつぶやきをしていて、便乗したみたいで恥ずかしすぎるという事態に。まあ書くんですけど。

 

「イシナガキクエ」の初回は自分も大好きだった「TVのチカラ」的な「公開捜索番組」のていで始まる。取り上げるはずだった「イシナガキクエ」さんを探しているという老人は、今年の最初に亡くなってしまったのだという。それでもこの「イシナガキクエ」が誰なのか、実在するのかを番組が募集し、少し情報が集まった時点で番組は終了する。まあ見てもらうのが早いので、先ほどのリンクからどうぞ。初回の放送だけでは何が不穏でどういう仕掛けなのかまだ正直よく分からない。連作だから当然といえば当然か。だからこそ「先に楽しみがある」というのは、5月病になりかねないこの時期にはありがたい。これのために5月頑張れる。

 

モキュメンタリーは地上波と相性の悪い番組でありながら、地上波でやってこそ最大限の効果があるような気もしている。テレビでの先駆けとなった「放送禁止」シリーズは、ここ最近放送されていない。後期の作品では「この物語はフィクションです」が頻繁にテロップで出るようになり、何も知らずに見た人が勘違いしないようにという配慮が足されるようになった。本当なら「何も知らずに見てしまった」のが一番美味しいモキュメンタリーなのだが、多くの人が目にしてしまう可能性があるメディアであるが故に、その美味しさを損なうような事態になってしまった。致し方ないことではあると思うが、そこに「なんかよく分からないけどゾクゾクする」という原体験は得られないのがつくづく惜しい。最近は「世界でいちばん怖い答え」シリーズが後継番組として放送されているが、多少の物足りなさはある。

 

じゃあこういうのは「好きな人が見る」ネットでやればいいのかと言われれば、そうでもない。ネットはまだまだ「胡散臭い」ものが混在するメディアなので、それが本当っぽく見せてあっても、やっぱりまだ「ニセモノだよな」になってしまう。それがテレビ、とりわけ地上波という「万人が見て差し支えないもの」の中に混じるとやっぱり面白い。実際大森Pがそう述べている。自分の意見のように書いてしまって申し訳ないが、ちゃんと作っている側がそれを認識している。実に頼もしい。

——インターネット発のコンテンツと比較した場合、テレビ放送についてはどう考えていますか。

大森:自分の選択でクリックして見るのと、テレビをつけたらたまたま遭遇したというのでは、やっぱり出会いの質が違いますし、偶然に出会ったものに惹かれるほうが、より強く響くんじゃないかなとは思っています。あと、ネットはそもそもカオスなものとして認識されていますよね。非公式もイリーガルも有象無象が混在している。なので、歪なものに出会ったとしても、そんなには驚かない。でもテレビは、カオスとは程遠い、整然としたメディアなので、ちょっとした異物が混入しただけでも驚きがあるし、バグが起きた時のインパクトも大きい。

——テレビは日常であり安心感のあるメディアだからこそ、「日常を侵食するような怖さ」を演出しやすいと。

大森:わかりやすいことが前提になっているので、わかりにくいことが放送されると、それだけで怖さも増幅されます。そこを利用して、テレビだからこそ、わかりにくいことを意図的に流したいなと思っているんです。

tokion.jp

もはやモキュメンタリーの名手と知られてしまった大森Pが、今度は「イシナガキクエ」において、どのような形で視聴者の意識をぶん殴ってくるのか。自分の興味はここに尽きる。考察も謎解きもキレイな伏線回収なんていらないくらいの「不穏な何か」でもってゾクっとさせてほしい。

 

そんなことを考えながら、空いた時間で自分はこちらも多少話題になっている少年更生施設に関する何らかの謎も追いかけていました。まだ全部終わってません。自分はもはや現実と虚構の狭間から戻ってこれないような気がしています。興味のある方は「イシナガキクエ」も「愛宝学園」も、是非。戻ってこれなくても知らな

kagamino-jrep.net

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jsdhidhuaudakklcp

お姉さん、トレンディだね

NHK大河「光る君へ」見てますか。見てますよね。吉高由里子最高だもんね。

 

平安時代のことなんて誰も実際に見聞きしてないんだから、紫式部藤原道長と付き合ってたかもしれんと想像したっていいじゃない、の精神で話が進んでいきます。いまや話が激重たい(らしい、見てないけど)でお馴染み月9なんかよりもよっぽどトレンディしているのが今の大河。藤原道長が倒れそうなまひろ(紫式部)を偶然抱きかかえちゃって寝ずの看病までしちゃうとは、もうこれトレンディですよ。

 

そんなことより(というのはアレなんだけども)、この大河のオープニング、めっちゃ面白くないですか。こんなアホな感想を「今」書いているのは自分だけだと思うのですが。

 

タイトルの「光る君へ」と出てくるときに、まひろがなんか爪のにおい嗅いでるみたいな仕草するんですよね。爪の間になんか臭うものとかはさまってしまったときに、臭いとわかっていてもなんか嗅いでしまう、みたいな感じに見えてしまうのです。実際そういう仕草なんだろうか。調べりゃ分かるのかもしれないけど、こういうのを「敢えて知らないまま放置しておくとずっと楽しい」ことを知っているので、誰も教えてくれなくていいです。

 

それはともかく、最初にオープニングを見たときからそう思っていて、1か月もすれば慣れるかなと思っていたんだけど、4月の今になってもまだ新鮮に面白いので、そろそろ皆さんにお伝えしたほうがいいかなと思いまして。動画はこちらの最初のほう「タイトルバック」から見られますので、見たことない人はどうか是非。最初から全部見てほしいですが、該当シーンは2分18秒くらいから。

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なんか140字で収まる内容だった気もするんだけど、ブログリハビリというわけでこっちに書いてみました。

 

ナイスエイジング

あけましておめでとうございます。今年ブログは初更新なので。

 

 

NHK朝ドラ「虎に翼」見てますか。見てますね。面白いですもんね。

 

 

日本初の女性弁護士となる猪爪寅子(ともこ)の奮闘を描く物語。朝ドラ定番の子役時代が存在せず、初回から寅子を演じる伊藤沙莉が登場することの安定感ときたらない。旧民法における女性の社会的地位の低さに対する違和感と、そこを飲み込んで法曹界に飛び込んでいく女性というテーマをあまり重たくならずに描けているのは、ひとえに伊藤沙莉の賜物。

 

とまあ朝ドラが面白いことを語るのは自分じゃなくて全然いいので、この辺にしておく。本当に語りたいのは「本当に平岩紙はいいババアになっているな」という話。

 

自分は紙ちゃんこと平岩紙さんが好きなのです。もう15年も前にこんなこと書いているんですよね。

nageyarism.hatenablog.com

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これ以外にも「今週の平岩紙」と題して、当時紙ちゃんがレギュラーで出演していた「タイノッチ」の感想を毎週書くなど、おおよそどうかしている活動をしていました。興味のある方は過去ログでも読んでみてください。

 

あれから15年(きみまろ口調)、これを書いている人間は相変わらずなのですが、紙ちゃんはだんだんと女優として名前が知られるようになり、結婚もして出産もしました。とても良いことです。

 

そんな紙ちゃん、「虎に翼」にも出ている。朝ドラは「とと姉ちゃん」以来だけどもうこれで4作。立派な女優だ。今回は主人公寅子の同級生だけど弁護士の妻で年上で3人の子持ちである大庭梅子役。まあまあ目立ついい役だ。で、この紙ちゃんが、いい感じにババアなんですよね。

 

もちろん紙ちゃんが役に合わせてババアみを出している、というのは間違いないのですが(だってそれができる女優だから)、それにしても紙ちゃん、見た目もいい歳の取り方をしていると思いませんか。どうですか。画像は公式より拝借したら怒られそうなのでリンク貼っておく。

 

https://www.nhk.jp/static/assets/images/newblogposting/ts/LG372WKPVV/LG372WKPVV-editor_6eee11eebefe94be3941651a49b70565.jpg?width=400&height=400

 

 

自分のような人間は紙ちゃんが紙ちゃんであればなんでもいいと思うレベルの人間なのですが、それでもこの歳の取り方は「素敵やん」としか言いようがない。女性心理としては、いや男だって「いつまでも若々しく美しく!」と願うもの。自分ですらそう思わないわけではない。しかし時としてその願望は「うーん、なんか、不自然」を呼ぶわけです。特に芸能人というのはその傾向がある。「いつまでも変わらないで素敵」もあるが「ちゃんと老けろよ」とも思ってしまう。じゃないと芸能界、役者、揃いも揃って「みんな無駄に若々しい」んだもの。何度も言うが悪いことじゃあない。けど、世の中そんな無駄に若々しいこともないのでね、という話。

 

その点紙ちゃんはきっちり老けている。しかもイヤな老け方じゃない。こうやって役者が熟成しないと、こういう役ができる役者が減ってしまうじゃない。

 

美容にとってアンチエイジングは大切なことかもしれないが、役者はエイジングも必要だと思うんだけどなあ。もちろんただ老ければいいってもんじゃないけど、若さだけじゃない、いい老け方をした役者には「ナイスジジイ・ナイスババア」の称号を贈って、もっと褒め称えるべきじゃないかと思う。

 

ちなみに紙ちゃんと対をなす存在であった夏帆ちゃんも、結構いい感じに老けてきている。もちろんまだまだババアという年齢ではないのだが、若い頃の可愛らしい感じから、20代後半あたりから「くたびれた」感を出すようになってきてから「ああ、いいババアになっていくな」と思う。

 

そんなことを思いながら、日がな朝ドラを眺めてはほくほくするクソジジイでした。一番自分がいい歳の取り方をしていない自覚はある。

 

船成金

M1グランプリ2023」を敗者復活から。

 

Aブロック

華山

劇場とかで見たら「面白かったなー」と満足するやつ。

 

ぎょうぶ

オジサンとしてはハナクソでじゅうぶん面白いんだけど、ハナクソじゃなくてもよかったのかも。

 

ロングコートダディ

爆発的にウケなくても前2組とは実力が違いすぎるな、と。

 

ニッポンの社長

敗者復活における音のファンタジスタ、って最初書いてたんだけど、某有名twitterお笑いアカウントの人が同じこと書いているのを見つけてしまって、超恥ずかしいけどこのままにしておく。

 

20世紀

オジサンは年のせいかうるさい漫才に疲れちゃうんだよ。昨年のTHEMANZAIのたけしの気分。でも生で見たら絶対面白いんだろうな、ってことは分かる。

 

ママタルト

麻婆豆腐を足で止めるの好き。

 

ヘンダーソン

気合は感じたんだけど、どこかで見たことあるようなないようなっていう。

 

ヘンダーソンが勝ち残り。会場ウケが大きかったので順当かなあと。

 

Bブロック

豪快キャプテン

まだまだ若い。

 

鬼としみちゃむ

見た目のインパクトもさることながら技巧系ツッコミ。要注目。

 

スタミナパン

うんちは強い。

 

トム・ブラウン

負けたのは仕方ないけど、こういうのが見たくてお笑いを見ている。最高。最高。北海道の誇り。

 

エバース

キワモノの流れをきっちり戻した。将来楽しみ。

 

ナイチンゲールダンス

もう決勝を見ているような。

 

オズワルド

面白いけど、ナイチンゲールダンスの後では勝負あった感。

 

ナイチンゲールダンスが勝ち残り。出番順も良かった。

 

Cブロック

ドーナツ・ピーナツ

あんまり覚えてないんだ…ごめん。

 

きしたかの

もっと高野さんを怒らせてほしい。

 

シシガシラ

ハゲネタは飛び道具なんだけど、ファンネルじゃねえかよ。強い。

 

ダイタク

ついにおすピーを超えた日本一面白い双子か(僅差でまだおすピーにしておく)。

 

ななまがり

ラストイヤーありがとう。好き。

 

バッテリィズ

本物のバカにはできない漫才ですよ。

 

フースーヤ

何事も極めれば唯一無二だなと思わせてくれる。素晴らしい!

 

シシガシラが4人抜きで勝ち残り。

 

敗者復活は審査員票4票を得たシシガシラ。

 

本戦

令和ロマン

出会い頭。トップバッターながら自分たちの空気に巻き込んでいく巧さときたらない。これが出番がもっと後なら爆発していただろうという惜しさもあったが、審査員たちにもさすがと言わざるを得ないトップバッターからの最終決戦進出は、それだけで誇れる称号。

 

シシガシラ

合コン。ハゲネタという武器一つでここまで戦うんだから恐ろしい。でもやっぱり敗者復活のネタが良すぎた。インパクトは十分。

 

さや香

ホームステイ。昨年爆発したネタを上手いことブラッシュアップしながらちゃんと面白い。個人的には昨年のインパクトが強すぎて今年はそこまでではなかったけども、まあ面白いことに疑いの余地はないわけで。

 

カベポスター

おまじない。最初のがドカンとハマればその後は面白いようにドッカンドッカン決まっていくタイプのネタなんだろうけども、最初にそこまで爆発しなかったのが最後まで来たのかなあと。

 

マユリカ

倦怠期。いやネタは面白かったと思うんだけど、ネタ前の煽りVTRでのキャッチフレーズ「ずっとキモダチ」を引きずるトークが面白すぎて、なんだかネタ覚えてないんだよなあ。ずっとキモダチはケツメイシの「トモダチ」で歌えるしMV作ってほしいわ。

 

ヤーレンズ

大家。テンポよく繰り出されるボケの連打はかつてのM1攻略法を思わせるんだけど、決してそういうことではなくて、ヤーレンズの面白さを突き詰めていったらああなった、という解釈のほうが正しいんだろうなあ。どこか必ずツボに入るボケがある、ってのは解説として素晴らしいなあと思ったけど誰が言ったか覚えてない。自分も「つまらないもの」としての北京原人がツボでした。

 

真空ジェシカ

映画館。相変わらずの真空ジェシカ劇場で満足。「派遣のニューウェーブ人材智則」レベルの一撃があればよかったんだけど、今年はそこまでクリティカルなものがなかったかなあ。「三谷幸喜高齢者」に対しての「ラジオネームか」はすげえ良かったんだけども。

 

ダンビラムーチョ

カラオケ。昨年の敗者復活でも森山直太朗を朗々と歌い上げるという漫才を披露していて、「そういうことだよね」という潔さはあるんだけど、やっぱり審査員は評価しないよなあ。これで勝つには審査員も点数を入れざるを得ない大爆笑しかないんだけど、やっぱりそこまでではなかったか。

 

くらげ

サーティーワン。くらげを最初に見たのは数年前の敗者復活だと思うんだけど、その時にやっていたネタと根っこでは変わっていなくて、上手いこと進化するもんだなあと。システムとしてはミルクボーイのそれに近いと言われてしまえばそれまでなんだろうけども、なんかもう一歩進化できる余地がありそうで、頑張ってほしいなあ。

 

モグライダー

空に太陽があるかぎり。ともしげが上手くできちゃ面白くないけど、漫才としては上手くならなければいけないという大ジレンマ。最後のトーク部分でともしげが緊張を浣腸と言い間違えたところで大爆笑が起きるというのが答えなんだろうなあ。あとジョンソンは松ちゃんからのエール。優しい。

 

最終決戦

令和ロマン

町工場のドラマ。ヤーレンズと比べれば決して多くない手数だったけども、決まったときの大爆笑は優勝をもぎ取る力強さ。強かったなあ。

 

ヤーレンズ

ラーメン屋。昨年の敗者復活でかけたネタ。2年連続で出井アフタートゥモローが聞けて、misonoも草場の陰で喜んでいるだろう。死んでない。

 

さや香

見せ算。こういうネタは爆発すると手が付けられないんだけど、着火点がなかったのが惜しい。令和ロマン、ヤーレンズバチバチのネタの後だったのがなあ。こういうのを美しいと称賛するファンは必ず出てくると思うんだけど、自分は単に失敗しただけだと思う。

 

最終投票でヤーレンズ山田邦子)、令和ロマン(博多大吉)、ヤーレンズサンドウィッチマン富澤)、令和ロマン(ナイツ塙)、ヤーレンズ海原ともこ)、令和ロマン(中川家・礼二)と交互に来ての令和ロマン(松本人志)という最高に美しく興奮する発表。それにしてもトップバッターからの優勝は素晴らしすぎる。

 

令和ロマンは今年「面白いなあ」と思ったものが二つあって、ひとつは「nobrockTV」での100ボケ100ツッコミチャレンジ。もう一つは「令和ロマンのANNX」でした。ANNXで一番好きだったのは、高比良の「どうだ明るくなったろうみたいになっちゃう」という発言に対して「船成金な、お札を燃やしてる」と返す松井、そして「ふなはいらないよ、ふなは」とさらに返す高比良。自分はこれに悶絶しました。

 

「漫才では高比良のボケに対して割としっかり間を取って突っ込む松井なんだけど、上記のふたつはどちらも高比良のボケに対して超絶スピードで正確無比なツッコミを量産しまくるという「強さ」を見せつけていたのです。だから決勝に進んだときは「勝てばいいのになあ」と思っていました。

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さも自分が面白かった人を見つけた手柄のように書いてますけども、令和ロマンはもともとNSC主席卒業(当時はコンビ名「魔人無骨」)のお笑い超絶エリートなのです。いつか売れる人たちでしたが、ただM-1がそこにブーストをかけただけでした。でも自分が面白いと思えた人が何か売れる瞬間を目の当たりにするってのは、やっぱり楽しいことではありますよね。

 

霜降り明星のときも思いましたが、やっぱりこの大会は若い人が勝ったほうが面白いなあと改めて思いました。中堅が実力を発揮してもぎ取る面白さもあるんだけども、そこを勢いのある若手が搔っ攫っていく痛快さが間違いなくある。ただ令和ロマン落ち着きすぎていてあんまりそんな感じはしないんだけどね。

 

何はともあれ、面白かった。自分はこの後上記のnobrockTVをもう一度見てからAV見て寝ます。メリークリスマス。

 

 

 

 

あとどうでもいい話ですが、はてなブログがAIで記事タイトル名を考えてくれるというnote丸出しな機能が実装されたので考えてもらいましたが、正直めちゃショボかったので、オジサンの脳みそがひねり出したタイトルで書いてます。

 

続・さよならだけがじんせいだ

高城れに、離婚。

 

一昨日は和牛解散、昨日はラフラフ林未梨活動休止、そして今日の高城れに離婚ときたもんだ。毎日毎日仕事終わりでまあまあ衝撃度の高い情報ぶっこんでこないでくれと思うよ本当に。けど当人たちも真剣だから仕方ない。

 

ももクロの紫こと高城れにプロ野球選手宇佐見真吾と結婚したのが今から1年ほど前のこと。それまで結婚はおろか交際の情報すら一切出てこなかった高城の結婚は、自分も含め驚きはしたものの、よく調教されたモノノフにとっては祝福の対象でしかなかった。ほとんど批判的な意見は見なかったように思える。それは高城の年齢が当時29歳であり結婚しても全然不思議じゃないということも大きかっただろう。当時の感想は昨年書いた文章を読んでいただきたい。

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そこから「人妻・高城れに」としてももクロでも相変わらず活動していたのだが、新婚とは思えないほどにそこには「今まで通りの高城れに」がいた。それは旦那が当時日ハムの選手で宇佐見は北海道、高城は東京(実家は横浜)という別居生活を送っていたせいも大きいだろう。シーズン半ばで宇佐見は日ハムから中日に移籍し、住まいが北海道から名古屋に変わったわけだ。北海道よりは物理的にも近づいたけども、相変わらず別居生活は続いていた。すれ違いと言ってしまえば可哀想だけども、物理的な距離が精神的にも距離を生んでしまったということは十分に考えられる。

 

そして高城はももクロとしてただもう忙しい日々を送っていたし、宇佐見は日ハムから中日への移籍もあり、来年もプロ野球選手として活動できるか分からないような状態で日々必死だったと思う(中日に来てからは日ハム時代よりも活躍はしていたものの)。一昨日の和牛、昨日の林同様に、何があったのかは当人同士にしか知るところではないので余計な詮索はしないけれども、何かしらうまくいかないことがあったのだろう。

 

自分はももクロが信仰の対象であるので、宇佐見のことはどうでもよく(というのは本当に失礼な話ではあるが)やっぱり高城のことが気になる。少なからず精神的ダメージは大きいのだろうなあ、とかは思うけど、あんまり心配はしていない。変な言い方ではあるが「なんだか高城れにっぽい」んだもの。世間的にはスピード離婚という「まあまあやっちまった」感がある出来事でも、そこに高城れにというパーソナリティが乗っかることで「まあ、れにちゃんだからな」でお終いなのだ。モノノフ以外には分かりにくい感情かもしれないが、そんな感じ。少なくとも自分はそれで問題ないと思っているし、そのくらいの信頼はしている。スピード離婚バツイチ三十路。最高の肩書じゃないか。

 

もしかしたら今後再婚だってありうるかもしれないし、またそうはならないかもしれない。どっちにしても高城れに高城れになのだ。人妻でもバツイチでもどっちでもinなのである。さかともえりなのだ。40代以上しかわかんないな。

 

スピード離婚バツイチアイドル、という肩書が傷心の今は厳しいなら名乗るべきじゃないけど、川上マネージャーがtwitterで漏らしていたように自己紹介でバツイチを名乗ることは案外収まりがよいわけで、それでもいいんじゃないかなあと思う。今のご時世結婚アイドルはちらほら見かけるようになってきたが、ここまでメジャーな現役アイドルでバツイチは高城れにただひとり。まさにオンリーワン。新たな武器だよ。

 

今後時間が経つにつれ、結婚していたこともバツイチであることも人々の記憶からうっすら消えていくのだろう。再婚したらなおさらである。しかし自分は「高城れにがかつて結婚していたことの産物」として、そして三十路前の豊満なボディを残しておきたい(あるいは子供ができる前のスタイルを残しておきたい、だったのかもしれないな)という高城の願望の集大成としての水着写真集を見るたびに「離婚したけど宇佐見ありがとう」って思うんだろうな。

 

よし、次行こう、次。って気分でいいんじゃないっすかね。

 

ラフ×ラフの現在地はどこだ

興味ある人少ないと思うのですが、アイドル「ラフ×ラフ」をちゃんと追いかけています。現場には行ったことないですけど。この時点で大したファンじゃないのですが、まあ、それでも書きます。

 

ラフ×ラフとは佐久間宣行プロデュースのアイドル。結成の過程となるオーディションが全てYouTubeで配信されている。結成してからようやく1年くらいか。相変わらずYouTubeでドキュメントだったりバラエティ的なものが配信されている。毎回楽しみながら見ている。

 

そんな中発表されたのが最年少メンバー林未梨の活動休止。以前からちょくちょく学業優先で活動をセーブしていたのだが、ここにきてイベントなどの不参加ではなく、アイドル活動を休止することが発表された。昨日の和牛解散からの今日の林未梨活動休止。仕事を終えてtwitterのタイムライン見て二日連続で「ええぇ」と声が出てしまった。なんなら今日のほうが衝撃が大きい。

 

実際のところ、林がちょくちょくいないことにファンはもう既に慣れていたはずだ。ここ最近のイベントにはめっきり顔を出していない。ただ新曲「考える時間をください」のMVには参加していたし、直近に発表された歌番組「プレミアMelodiX」の出演は9人だったので、やはり高校生はタイミング的に忙しいんだろうなあくらいの気構えではあったのだ。少なくとも自分は。にも関わらず、ここにきて正式な活動休止のお知らせ。「ああやっぱりダメなのか」という後ろ向きな言葉が頭をよぎる。

 

高校生なのだから「学業優先」することに何の問題もない。しかしこの時期に優先させる学業ってなんだろうということになる。誰しも口に出さないけども、それが方便だということは皆分かっている。だとしたら、この後活動が再開されることはあるのだろうか。戻れる場所は残しておくが、そこに本人が戻ってくるかどうかはまた別の話だ。

 

林本人に何があったのかを詮索するつもりはない。本当に学業とアイドル活動でいっぱいいっぱいになってしまったのかもしれないし、何かアイドル活動に心が動かなくなることがあったのかもしれない。1年前は本気だったものも、1年経てば気持ちは変わる。それが10代の若さというものだ。たとえ心変わりがあったにせよ、責める気にはなれない。活動休止に際しても本人からのコメントはない。

 

少し前から林がいない状態での活動が続いてはいるので、ここで一人抜けたとしても、活動そのものにそこまで影響が出ることはないだろう。しかし、ここがラフ×ラフにとっての初めての正念場となるんじゃないだろうか。佐久間Pプロデュースという小さくない看板の下、爆発的ではないにしろ順調に活動を行ってきていた彼女たちにとって乗り越えるべき場面だ。「林がいなくなるかもしれない」というこの宙ぶらりんをどう乗り越えるのか。もし林が去ったとするなら、この先どういう道を辿るのか。増やすのかそのままなのか、はたまた他のメンバーのモチベーションはどうなるのか。

 

林の活動休止はおそらくもっと早い段階で決まっていたはずだ。メンバーも知っていただろうし、ワンマンライブを控えた状態で、どこで発表するかのタイミングを探っていたのだろう。本当はライブのチケットを売り出す前に林の欠場を伝えたほうが誠実ではあるのだが、なかなかそうもいかない事情があったのだろう。

 

メンバーはこぞってtwitterで林に対するメッセージを書いている。そりゃあ用意はしてただろうな。そこにあっていつも林に対して熱い思いを表現してくれる夏目だけが、発表当日になんのリアクションもなかった。高校生組のtwitter運用は22時までという制約もありはするのだが、いつも何か言う夏目が何も言わない。こういうのが切ない*1

 

ラフ×ラフのアイドルとしての現在地はどこなのか。3月に自分が書いたメンバーに対する覚書をここで更新しておくことにする。3月に書いたものはこちらから。

nageyarism.hatenablog.com

 

齋藤有紗

お笑いに対して異様に前向きという姿勢を崩さないラフ×ラフのリーダー。単独で舞台にも出演していました。先日の動画では滝に打たれてもいました。美人だしもっとポテンシャルを発揮できそうな場所がありそうなんだけど、まだその場所も、そして世間にも見つかってない感じです。

 

佐々木楓菜

1年でビジュアルが強くなった。身長も高く見映えがする。動画編集や自撮りなどの才能があり、アイドルとして「魅せる」意識が強く、真っ当に売れる気配がする。

 

高梨結

安定感はもちろんのこと、夏にプレイボーイで水着グラビアになったあたりで単純に武器が増えたという感じ。ぶりっ子苦手というのも面白い。まだまだ引き出し増えるんじゃないか。高梨が売れることがラフ×ラフにとっての最大の広報だ。

 

永松波留

ラフ×ラフのセンターを担う存在。ラフ×ラフが売れるとするなら、それは永松が世間に見つかったときだという認識は変わっていない。動画ではたびたび怯えたり泣いたりする姿を目撃するのだが、オジサンはもっと笑ってほしい。怯え顔も魅力ではあるのだが。

 

夏目涼風

オーディション時からずっと変わらない「希望」を与えてくれる人。夏目が頑張っている限りこのグループは大丈夫だと思っている。林の不在時に夏目が「ラフラフは9人だ」と言い切ってくれたことがどんなに心強いものだったかを自分は知っている。だからこそ今回何も言えなかった夏目を今度は助けてあげなきゃいけないんだという気はしている。

 

林未梨

活動休止にはなってしまったが、これで全てが終わったわけじゃない。グループ活動当初に見せたあの華やかで力強い振る舞いを自分は忘れてはいない。これで終わりだなんて寂しすぎるだろ?

 

日比野芽奈

個人でラジオ・テレビとレギュラーを持ち順調も順調。芸歴の為せる技。「負け顔シンデレラ」なるフレーズも拝命し、いまんところは文句なしのMVP。個人が売れればグループも売れる。頑張れ。

 

藤崎未来

ラフラフのトリックスター。ヒステリック藤崎とも呼ばれる。向上心は強く、twitterで対外的に一番ちゃんと宣伝できているのが藤崎。声優オーディションで主役に抜擢されたりするし二次元にも強い。アイドルらしからぬ発言や表情を見せるし、見ていて飽きない。今個人的に一番面白いのが藤崎。

 

吉村萌南

二十歳のちびっこ。横浜LOVEアイドルとしての活動も。大人っぽい表情を見せたと思ったらどこのお子様だよと思うことも。そうかと思えばカクテル好きだったりして、本当に大人なんだか子供なんだか分からん人。この魅力がもっと伝わってほしいんご*2

 

大喜利ができる」ということ以外は、佐久間Pプロデュースという色もそれほどついておらず(「100億点」MVぐらいか)、ここからまだまだどうにでもなる人たち。自分の人生はもう楽しいことはないが、彼女たちには自分たちが楽しいと思えるアイドルにはなってほしいなと思います。こんな文章を全力で書くくらいには応援しています(これ3月にも同じこと書いた)。

 

いつでも戻ってこい!

 

*1:翌朝ちゃんと更新されました

*2:吉村のtwitterはこんな感じです

実力があればなあ

和牛が来年3月をもって解散。

 

ちょっと前に「アキナ牛シュタイン」という3組(アキナ・和牛・アインシュタイン)からなるユニットの公演が中止になったというニュースがあり、「何かあったのでは」と少し話題になっていたが、どうやら和牛の解散が理由だったようだ。

 

和牛といえば、復活したM-1においてもっとも優勝に近づきながら優勝できなかったコンビ。その実力は誰もが認めるところであり、いうなれば「漫才やってる限り食いっぱぐれることはない」人たちだった。そんな人たちが解散というのは、にわかには信じがたいことだ。

 

解散の理由は本人たちのコメントによって語られている。水田の遅刻に端緒があるようだが、これもどこまで本当なのかは分からない。コメントを読めば、水田と川西の仕事、とりわけ漫才に関してのスタンスの違いが見えるが、これだってどこまでが本音なのだろうか。外野は想像でああだこうだ言うしかないわけだ。本当のところはどこまで行っても本人たちにしか分からないのだ。

 

だから和牛の解散において自分がこれ以上ここで書くことはない。ないのだ。しかし自分はこの解散を知って、なんだか深く考え込んでしまった。

 

生活のことを考えれば、お互いにある程度のことには目を瞑り、漫才を続けていく方法はいくらでもあったはずだ。前述したように漫才さえしっかりやっていれば食いっぱぐれることはない人たち。そんな状況を捨ててでも解散という道を選んだということは、お互いに譲れない何かがあり、安定した生活を捨ててでも解散という道を選ばなければいけない信念とか憎悪とかがあるんだろう。それでも、40歳前後でこの生活を捨てる。なかなかできる選択じゃあないと思う。

 

現に、自分が、そうだ。

 

ここ数年自分はずっと「仕事辞めたい」と言い続けている。現にこれを書いている今も辞めたい。先日も「なんかもう道理もへったくれもないな」という事態に直面して、完全に今やる気がない。たぶんちょいちょい仕事にそれが反映されている。2億くらい目の前にあったら、もうたぶんすぐ辞めている。

 

けど現に「辞められていない自分」がここにいるのだ。自分がまだ20代なら「次」があるのかもしれない。しかし悲しいかなもう40代。再就職しんどい。他業種に乗り換えられるほど潰しのきく仕事でもない。かといって同業他社に行ってもほぼ同じようなことになるのは目に見えている。今の会社には不満しかない。けど辞めたところで何の保証もない。自分に実力がないのがいけない。まあ人生にやる気がないのもいけないのだけど。どっちにせよ「辞めてやらあ」で辞められるほど人生甘くないことが数少ない人生経験で分かっているからこそ、辞められない。

 

けど自分の人生の残りもそう長くない。確実に折り返しはしたと思う。そんなことを考えたとき、このままさほどやりたくもない仕事にあと数十年従事し、その後残った人生を謳歌できるのか。できないな。じゃあ今すぐやりたいことやるべきじゃないのか、とか思うのだ。

 

オードリーの東京ドームライブに行きたいけど絶対無理、というのも、ここ最近よく考えることだ。

 

自分はリトルトゥースと言えるほどオードリーのラジオを聴きこんでいるわけではない。でもたまに聴くし、ラジオのいちイベントとして東京ドーム行きたいなあと素直に思ったのだ。しかし2月は仕事の繁忙期。普通に考えたら絶対無理。よしんば行けたとしても2月という天候に左右される季節に、東京北海道日帰りは無謀すぎる。諸々考えたら絶対無理。けど、こんな「行きたい!」と思えるものを、「仕事だから」の一言でスルーしていいのか。

 

そんなことを考えたら、今の仕事を続ける理由って「生きるための日銭を稼ぐため」くらいしかないんですよね。そうなった場合、他の手段で日銭が稼げればもはややってる理由などゼロに等しいのです。でも、他の手段がない。いや、本当はあるのかもしれないが、今の自分にそれができるのか。もう不安しかないですよ。

 

自分みたいな凡人はこんな風にクソみたいな現実を前にウダウダ言い続け、結局何もしないで終わるのです。最悪です。けど、和牛は違った。実力がある。今の生活を捨ててでも、先に進まなければいけない理由と覚悟があって、それができる実力があることがなによりも羨ましい。

 

何もできない自分が、惨めだ。