v.o.c - column vol.13

Vapor On Curry - column vol.13

 

Vapor On Curry不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十三回

 

〜 イノベーションとは言うものの 〜

 

 以前このコラムでパンクやヒップホップ、ポップについて触れてきたが、これらについて結論めいた思索が浮かび上がってきたので記しておきたい。

 

最初になぜパンクとヒップホップだったのかという問題があるんだけど、たまたま若い時にそういうサウンドに興味をもって、その後も聞き続けているっていう単に世代的なものなのかもしれなくて、でも深く聞いていくうちにその音楽の成り立ちに独特なものを感じて今もことあるごとにそこに立ち返るってことをしている。

 

考えてみると、パンクっていう価値観が新たに音楽市場とミュージシャン業界に供給されたから自分も自然にそういう音楽を耳にすることができるようになったんじゃないかなと思って、それってヒップホップもまさにそういうことだよなと思った。ただ、その新たな価値観っていうのが従来のミュージシャンにしてみれば、そんなのでお金取れるのか?という脱力するようなものだった。でも大衆に選ばれたことで、従来の音楽市場の中に新しい市場も生まれた。「高い演奏力を必要としないミュージシャン」という職業も生まれた。後は市場のシェアをどう維持していったらいいだろうか?と考えたとすれば、これを音楽業界のイノベーションと呼ばずに一体何をイノベーションと呼んだらいいのかわからない。

 

文化というのは時間の経過とともに残ってきたものだから、基本的に積みあがっていくものだと思う。技術や技法といったものも市場においての成功例の蓄積であって、ある程度後になってみないとはっきりしたことはわからない世界だと思う。何が言いたいのかというと、わかっているということは、経験上わかっているから、わかっているのであって、わかっていることをするということは、時系列でいうと古いことを再現しようとしているということになる。だから、パンクを例にすると、曲をもっと良くしようと思えば、経験的にいくらでも良くすることは可能なわけで、だけどそれによって出来上がったものは従来の価値観に染まってしまったものであって、パンクの要素はあるけれど従来のポップスとどこが違うんだっていうことが起きてしまう。ということは、イノベーションが起きたとしても、それを良くしようとしてしまうと過去の繰り返しになってしまう。新しいテクノロジーが一般に利用されたときに往々にして、「なんか懐かしい……」ってことが起こるのはそれが原因だと思う。

 

「パンクは終わった」

「ヒップホップは終わった」

確かに新しい産業が増えました、ということでパンクもヒップホップも音楽市場にとっては使命を果たし終了したといえる。しかし、それと同じ意味で終わっている音楽は他にもたくさんあるにもかかわらず、なぜかパンクとヒップホップに限って槍玉に挙げられがちなのは、パンクとヒップホップが誕生した背景からいってこれらはイノベーションと切っても切れない関係性にあるからだと思われる。

 

でも考えてみるとイノベーションを占める多くの部分って、誰にでも出来る(あるいは、そうするしかなかった)という意外と残念な結果の方なんじゃないかなと思った。つまり、パンクやヒップホップはどちらかといえばもっと「ダメ」(というか適当というか……)な方向に進んだ方がイノベーションという意味では合ってる。だから、細かい決まりごとがだんだんと増えて、「あれは違う、これは違う」っていうようなことになると「もう終わったな……」ってことになるんじゃないかな?

 

ミュージシャンだったら生理的に良いものを目指してしまうところですが、個人的に音楽を作るとしたらいわゆる「ダメ」なサウンドを開拓せざるを得ないんだと思う。過去には「ウータン・クラン」とか「ギターウルフ」を筆頭に、音が悪いという方向に道を切り開いたあり方というのもあって、そういう「ダメ」な方に一歩踏み外す気概っていうのがこれらのジャンルの本質だったような気がするんだよな。ポップスの歴史自体にそういう側面はあったわけだし。

  

今回はコラム用の写真が送られてきませんでした。)

 
 
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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

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:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。続けて2019年夏にはクミン・ウェイヴでトラッピーなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバム『Vapor On Curry』(通称:プリン盤)を発表した。部屋の整理がついたら新しいアルバム作業を再開するつもり。

https://www.youtube.com/watch?v=zsG0p2V5maY
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c - column vol.12

Vapor On Curry - column vol.12

 

Vapor On Curry不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十二回

 

〜 好きなのか嫌いなのか、なんなのか。 〜

 

かつて憧れていたというか、ほとんど執着していたミュージシャン、アーティストへの関心が薄れてしまうのはなぜだろう。それは決して自分の成長とは関係なく、自分勝手なことなのだが、聞き飽きたということで説明できない理由があると思う。

 

好き/面白い、嫌い/つまらない、は同じことで、好きの反対は無関心だと言うのもわかるし、好き/面白い、嫌い/つまらない、の反転を繰り返しながら自分の認知が変わっていくのか?それともそのつど別の角度から関心を持って見ているだけなのか?また、「面白い」は一体何に反応しているのだろうか?

 

わかるから面白いというのも、わかるようでピンとこないところもあり、わからないから興味が湧くこともあるが、わからないからどうでもいいこともあり、自分には手も足も出ないことは、どうでもいいと思わないことには無限に興味が湧いてしまいそうだ。しかし、自分に手も足も出なくても、どうでもよくないことが確かにあって、そこであがける人で、私はありたい。

 

きっと持続していて、どのくらいの距離感で測るかによって、いろいろ興味が持続していく。文字で考えるから、思考の流れとしてこういうことになってしまうのだが、単に疲れているとか、放漫になってしまって、畏怖の念が薄れてきているのが大きいのかもしれない。

 

そもそも(つい「そもそも」を持ち出す悪い癖)、自分の好き/面白いが誰かの影響で、自分が感じる好き/面白いとはなんの関係も無いということは、よくある。自分の記憶が実は別人の記憶だったみたいなSFだけでなく、モテたくてとか。

 

しかし、せっかく興味を持ったのなら、それを生活に取り入れない手はない。もし、関心がなくなってしまっても、それが日常にあることによって、なぜ関心を持ったのかという問いに思いを馳せること、反省することも含め、時間の一部だから。

 

執着するほど好きになるとか、多分に依存的な性格が影響しているんじゃないかと思い当たるふしもあり、諦めるしかない。例えば、 自分が凄いと思っているものが、他人から見たらつまらないものだとしても、それはそれで理想的なんじゃないのかと思う。

  

f:id:nami_to_kami:20200131080300j:plain 散歩道。

p.s.  Vapor On Curryのアルバム(新しい方)は直したい箇所が出てきてしまったので廃盤にしました!リニューアルして出しなおす予定で、今作ってます。京都の喫茶ゆすらご、金沢のKapo給湯室でのライブのときの音の方がクミンウェーブだったのではないかと思う今日この頃です。

 
 
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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

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:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。続けて2019年夏にはクミン・ウェイヴでトラッピーなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバム『Vapor On Curry』(通称:プリン盤)を発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=zsG0p2V5maY
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c now

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2020年1月18日、おしゃべりアートの1st.アルバム発売記念ライブにVapor On Curryが出演!ゲストはPhew

 

おしゃべりアート 1st.アルバム発売記念企画「Techno Odyssey」

 1月18日(土)松本 Give me little more.(長野県松本市中央3-11-7)

出演:おしゃべりアート、Phew、Vapor On Curry

開場 19:00/開演 19:30

料金 3,300円(前売り)/3,800円(当日)*ドリンク代別

予約:会場(give.melittlemore@gmail.com

 

詳細はコチラ→ (http://givemelittlemore.blogspot.com/2019/12/20201181sttechno-odyssey-guest-phew.html

 

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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

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:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。さらに今夏にはクミン・ウェイヴなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバムも発表したばかり。

 

Vapor On Curry - Live in Give me little more.

https://youtu.be/zsG0p2V5maY
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c - column vol.11

Vapor On Curry (v.o.c) - column vol.11

 

Vapor On Curry (v.o.c) 不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十一回

 

〜 POPの定義 〜

 

トレンドとかヒットであるとか、とりたててインパクトの無い流行が続いているように感じる。そう思ってしまうのは、ただ単に自分が歳をとったからという理由で一向に構わないのだが、そんな中でPOPというカテゴリーもまた年々影が薄くなっているように感じる。それというのも、結局今までなんでもかんでもPOPと形容してきたせいで、すっかり意味のわからないものになってしまったからなのではないかと思う次第である。しかしPOPといわれて思い浮かべるイメージが、まったくのアメーバのようになってしまったわけでもないと思うので、ここで自分なりにPOPのイメージに近づくことができれば、それなりに意味のあることなのかもしれない。

 

結論からいってしまうと、まずイケてるというようなことを現すHIPという言葉があった。そしてPOPとはHIPと同意であるのだが、HIPに認定される前段階のもの、次にHIPになるものであり、次々と中身が入れ替え可能なものがPOPなのではないだろうか。日本文化でいうと、「顔ちっちゃい」は不動のHIP認定であるが、「茶髪」はPOPといったところか。といってしまうとHIPの定義が必要になってしまうが、歴代のHIPを例に考えてみると、キリスト教支配の強い地域における禅思想のように、ある文脈においてOUTなものが日常の中に入り込んだときに新奇に見えるというのがひとつの基準であるように思う。だから必然的にひんしゅくを買うものであり、好奇の目で歓迎されるものであるといえる。

 

そこで現在のPOPに立ち返ってみると、もっぱら歓迎を現す意で用いられているように思えるPOPという言い方であるが、今一度ひんしゅくの濃度に目を向けてみると、どれだけPOPであるか歓迎の度合いが立ち上がってくるのではないだろうか。POPの本質的な部分とはひんしゅくの方にあるのだと思う。

 

f:id:nami_to_kami:20190815170600j:plain おやつの時間です。

 
 
 
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2019年9月15日、メルボルンのLONG HOURSの来日松本公演にVapor On Curryが出演!

 

LONG HOURS JAPAN TOUR 2019 松本公演

 9月15日(日)松本 Give me little more.(長野県松本市中央3-11-7)

出演:LONG HOURS(from Australia)、Vapor On Curry、LOCAL REFRESH、おしゃべりアート

開場 5:30pm/開演 6:00pm

料金 2,000円(予約/当日とも)*ドリンク代別

予約:会場(give.melittlemore@gmail.com

 

詳細はコチラ→ (http://givemelittlemore.blogspot.com/2019/08/2019915long-hours-japan-tour-2019.html

 

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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

f:id:nami_to_kami:20190713165123j:plain

:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。さらに今夏にはクミン・ウェイヴなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバムも発表したばかり。

https://soundcloud.com/fourleafmusic/sa-1   (v.o.c - track for casiotone compilation vol.3)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c - column vol.10

Vapor On Curry (v.o.c) - column vol.10

 

Vapor On Curry (v.o.c) 不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十回

 

〜 ビートメイクを考える 〜


以前雑誌「DOLL」のことを書いたが、今回は「FRONT」である。なぜかというとビートメイクに煮詰まっているからだが、これがまた毎度のことであるため、この際ヒップホップについて何か書き留めておくのが精神的にもいいのではないかと思った。壁にぶち当たったときには基本に帰ってみるのがいいと思って、オールドスクール期に何が起きていたのかを確認するために「FRONT」を読み返しているというわけだ。

 

僕はもともとビートメイク=作曲というものだと思っていたが、最近サンプリングでビートを作っていて、サンプルを使うか使わないかでビートメイクに対するアプローチに差があることに気が付いた。最終的にはビートの仕上がりに影響することなのだが、自分で感じるところではサンプリングビートの方が出来がいいし、楽曲としてもブレイクスルーしている感じだ。理由はサンプリング元のサウンドがすでに完成されている分下駄を履かせてもらっているからなのだが、シンセでゼロから作曲することとの違いはそれだけではない。一番はメロディーに対するアプローチで、ゼロから作っていく場合は自由に弾けばいいけど、サンプリングする場合は制約のあるなかでなんとかするということになる。しかし、結果としてはメロディーだけを取り出してもサンプリングビートの方が満足出来るものが出来上がるのだから不思議だ。

 

結果論でいえばサンプルを使った場合はもっぱら音を聴くことと選ぶ作業に集中しているので、自分の個性を出せる部分は選んだ結果というところにしか現れないことになるが、ゼロから鍵盤に向かうときは、もっと漠然とした状態の中を手探りで始めるので、完成度を突き詰める手前で力尽きてしまうということはあると思った。(全ては選択にすぎないという言葉を何かの芸術関係の本で読んだことがある。)

 

次にサウンド面について。サンプリングした場合、たしかにお金を払ってサウンドを使わせもらうことで、お客さんに受ける曲、斬新な曲等を作ることが可能になるのだが、別の問題としてオールドスクール期に発見されたブレイクビーツという方法を発展させていけばそれでいいのかという、ヒップホップをフォローしてきた世代ゆえの課題がある。

 

そして、その課題に対しての答えの一つにTR-808(ヤオヤ)リバイバルがあると思うが、方法論としてはアフリカバムバータが「プラネット・ロック」でやっていたことの延長線上にあり、課題に対しての答えになっているかについて疑問符が残るとはいえ、いいとこ突いてくるなとは思った(クランクからの流れもあるのかも)。ビートメイクのフォーマットの更新とは、ビートメイカーにとっての課題であるが、ブレイクビーツという方法論を発展させる方向がいままでの本流だったことに対し、方法論を発展ではなく転用した例はあまりない。

 

そんな訳で、ビートメイクに関しての自分の見解は、Vapor On Curryの音源で結果を発表していきたい。ビートメイクがいわゆる打ち込み、EDM・ポップ・R&Bの範疇に収まってしまうのは少しさみしいと思うからだ。

 

しかし、ここまで書いてみてなんだが、こうして自分の考えを整理してみると、自分のビートメイクについてのこだわりが緩くなっていくことに気が付く。かといって、自分はあっさりとポップなことが出来る人ではないと思うが。

 

f:id:nami_to_kami:20190530074000j:plain 連載 rotten apple dwellers は必読

 
 
 
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2019年7月13日、地元長野県ではなんと8年振り?となるライブ出演が決定!

 

『shibata & asuna/MOON FACE BOYS  Release Party』

 7月13日(土)松本 Give me little more.(長野県松本市中央3-11-7)

出演:Vapor On Curry、MOON FACE BOYS、shibata & asuna

開場 5:30pm/開演 6:00pm

料金 2,000円(予約/当日とも)*ドリンク代別

予約:会場(give.melittlemore@gmail.com

 

詳細はコチラ→ (http://www.sweetdreamspress.com/2019/06/moon-face-boysshibata-asuna-shibata.html

 

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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリースした。

https://soundcloud.com/fourleafmusic/sa-1   (v.o.c - track for casiotone compilation vol.3)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c - column vol.9

Vapor On Curry (v.o.c) - column vol.9

 

Vapor On Curry (v.o.c) 不定期コラム「長野ぶらぶら節」第九回

 

〜 MDポータブルレコーダー MT831A (SHARP) 〜


90年代後半から、レコーディング機器はデジタル録音がスタンダードとなっていきましたが、その頃一般的にはまだまだカセットテープの現役感も残っていたように思います。個人的にはラジカセのカセット・プレイヤーの故障をきっかけにして、MD(ミニ・ディスク)を導入したのかなと今となっては推測します。というのも、買った動機が全く思い出せないからです。ごめんよ、ミニ・ディスク。

 

その現役時代の短さ故に顧みられる事も無いMDですが、バンドのリハスタやライブ録音に大活躍してくれました。ヒスノイズの無さや、再生時のスタート・ポイントのマーキングの手軽さ等カセット・テープと比べると格段に使い勝手の優れたメディアであるにもかかわらず、ラジカセにはあった音のマジック、24bitなのになんだか物足りない音質と、アンダー・レイトされている感は否めません。人間と音の記憶のつながりってとても繊細なものなんですね。

 

しかしこのMD、今でもDVDから音を録音してオリジナル・サントラを作ったりと、なにげに存在感を発揮しています。タイム・フリーなネット時代においても、サウンドの再録込みの容易さと編集の簡単さにおいては、カセット・テープ譲りの外に開かれている感覚がこの時代の機材には残っています。

 

f:id:nami_to_kami:20190228125100j:plain

お気に入りのステッカー(上から、 BURNING SPIRITS、BUDDHA BRANDRHYMESTER、NEXTLEVEL、URBAN TERROR)でカスタムしたMDプレイヤー
 
 
 
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2019年7月13日、地元長野県ではなんと8年振り?となるライブ出演が決定!

 

『shibata & asuna/MOON FACE BOYS  Release Party』

 7月13日(土)松本 Give me little more.(長野県松本市中央3-11-7)

出演:Vapor On Curry、MOON FACE BOYS、shibata & asuna

開場 5:30pm/開演 6:00pm

料金 2,000円(予約/当日とも)*ドリンク代別

予約:会場(give.melittlemore@gmail.com

 

詳細はコチラ→ (http://www.sweetdreamspress.com/2019/06/moon-face-boysshibata-asuna-shibata.html

 

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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリースした。

https://soundcloud.com/fourleafmusic/sa-1  (v.o.c - track for casiotone compilation vol.3)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

v.o.c - column vol.8

v.o.c (Vapor On Curry)不定期コラム「長野ぶらぶら節」第八回



 曽我井環(そがいたまき)さん


いま僕は訳あって節約モードなのですが、まあまあ退屈せず、日々が安上がりに過ぎていきます。例えばラジオを聴いていて、何気にあなどれないネタを耳が掴むことがあったり、図書館を利用して読書をしたり、はまると気が済むまで芋づる式に貪れます。

その図書館に僕が行くとき、いつも居るその人の存在感たるや。

一応説明しておきますと僕は現在失業中の身で、行こうと思えば図書館にいつでも行くことが出来、失業した当初は気が向いたときに図書館に行っていたのですが、その人は僕がまったくランダムに図書館に行ってもいつもそこに居ました。世代も雰囲気も何か僕に似ているその人のことを、僕は仮に曽我井環さんと名付けることにしましょう。

仕事が無いことになんとなく負い目を感じている僕は、まず図書館に行く曜日を金曜日又は土日祝日の内のどれかと決めることにしました。週に休みが二日ある設定です。また、図書館に長居はしません。借りたい本を検索してから棚をチェックして借りるか、即目的の本棚に直行、ときにはリクエストを用紙に記入して申し込み、そしてサッと帰り忙しい自分を演出。帰り際に周囲を見回すと曽我井環さんが本を読んでいます。今日は居ないのかと思うと駐車場に居る。

ある平日の午前中、メンズデーだったので映画館に行きました。映画が終わるとちょうど昼飯時、昼食を終えたサラリーマンがちらほらと目に付くアーケードを歩いていると、その中に曽我井環さん。黒地に水玉のワンピースを着た老女の姿です。

多くの人々が外に繰り出す週末、ふと部屋に気配を感じる。「一人も良いと思いますけどね、だって一見楽しそうな家族連れやカップル、本当はこいつとは一緒に居たくないなって思ってる人、絶対居るでしょう。」と曽我井さん。「さすが曽我井さん、確かにそういうこともあり得ますね。」と僕。気が付くと曽我井さんは消えているのでした。




飛び出すな坊やの女の子ver.を発見





























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