もうだまってられへん! みんなで行動

 今日の日曜日は,朝から地元の神園公園の掃除に参加した.7時半に20人近くの人が集まり,およそ1時間,公園とその周りの掃除をする.こういう地域のとりくみはほんとうに大切だ.

 それから戻って一休みして昨日のことを整理し,これを書いている.

 昨日は第一土曜日で梅田解放区はなかった.その代わりというわけではないが, ZENKO兵庫西宮ピースネット,そして9条改憲NO! 西宮芦屋市民アクション が主催する もうだまってられへん! みんなで行動 が阪急西宮北口アクタ通路であり,これに参加してきた.
 こちらがとっている日刊紙は「しんぶん赤旗」であるが,折り込みのビラ「西宮革新懇短信」にこの日の行動のことが出ていたので,この行動のことを知り,参加した次第である.

 いつも梅田解放区で一緒になる神戸の人も来ておられた.アソシエ・トモ2 に書いてくれている.また 平和と福祉のまち西宮をつくる会 も参加しておられた.   

 

 昨日の行動は,阪神西宮駅阪神甲子園駅,阪急西宮北口アクタ通路と3駅で同時宣伝として行われた.

  大軍拡・万博・IR やめて福祉と被災地に回せ!
  岸田政権はガザ虐殺するイスラエルを試演するな!
  武器輸出するな!
  裏金徹底究明!
  自民党政治NO!

と声をあげる.

 難しい時代になってきた.これまでとは異なる新しい歴史の段階,ということなのかも知れない.
 しかし,時代を動かすのが人びとの直接行動である,ということは変わらない.
 このような行動には,これからも参加し,できることをしてゆきたい.

 春になった.神園公園の桜,夙川公園の桜,震災記念碑公園の桜など,満開である.

 これは4日に撮影した震災記念碑公園の桜である.

 地元の神園公園では自治会の花見会をやってきたのだが,コロナが流行ってからはやれていない.
 でも昨日の土曜日に犬を連れての散歩の途中に公園によってみると,若いお母さんたちが花見会をしていた.
 来年からは,みなの意見を聞いて,自治会の花見も再開できればと思う.


 神園公園の桜も美しい.公園を守ってきた人らの思いを受け継ぎ,地域の繋がりをたいせつにしてゆきたい.

土地の日に

 3月30日は「土地の日」である.「毎日新聞」は次のように伝える.

 土地の日は、1976年3月30日に土地没収を巡りイスラエル側との衝突によってパレスチナ住民6人が死亡した事件を悼み、毎年3月30日に設定されており、世界的に抗議活動が行われている。 

 総がかり行動実行員会の呼びかけ に応えた,この土地の日に連帯する ガザ緊急アクションよる行動 が大阪でもあり,参加してきた.地下を通る京阪電車天満橋駅を上に出たところで,12時から13時まで,交差点の四方の角にパレスチナの旗を掲げておこなわれた.およそ200人の参加であった.
 パレスチナの人も参加していた.

 日本においては,アベ,スガ,キシダと続くこの十年,立て前として掲げられてきた戦後の民主主義政治から,隠されてきた本音としての軍国主義への転換が露わになった.3月26日には、次期戦闘機輸出を閣議決定した.こうして,日本は名実とも「死の商人国家」となった。
 政府は安全保障としての軍備拡大などというが,歴史の現実は軍拡の先に戦争があった.それがわれわれがふまえねばならない歴史の教訓である.
 しかし,アメリカの支配の下に,日本は露骨に軍拡の道をたどり始めた.
 これに対抗する人々の闘いはまだまだ小さい.この軍拡政治の現実を前に対して,人々のあいだにあるさまざまの小異をひとまずは横において,団結して闘わなければならない.
 憲法9条はそのことをも訴えている.戦争放棄憲法にもつことの意義がいま問われている.

 30日はいつも梅田でいっしょになる人らもたくさん参加していた.村上薫さん「土地の日に連帯しました」,たたかうあるみさんはブログでも「イスラエルの万博参加を許すな!」を書いてくれている.Akihiko Manabe さんはいつものようにギターを弾き,Swig Masa さんもサックスを弾く.

 私はこの日これに参加して,それから神戸に向かい,食事をして夕方から授業をしてきた.

 季節は春である.写真は 廣田神社 こばのみつばつつじ (小葉の三葉つつじ)である.27日に撮した.

 廣田神社まで歩いて20分.時間のあるときは犬を連れての散歩道である.

納税者一揆

 今日13日は,西宮市民会館で 納税者一揆 と名づけられた集会があった.主催は,実行委員会形式であったが,地元の年金者組合や民主商工会が担っていた.全国各地でも行われたようだ.

 このような行動は大切だと思い,いろいろ仕事をかかえているのだが,時間をとって参加してきた.集会のあと,市役所から西宮税務署までのデモもあった.
 この日の様子は 西宮民主商工会 が伝えてくれている.年金者組合やZENKO兵庫,そして関西学院大学の冨田宏治さんなどからあいさつがあった.

 ほんとうに,いまの日本は一揆を起こさねばならないところに来ている.
 江戸時代末の一揆,大正時代の米騒動,そして十五年戦争後の二・一ゼネスト,これらの歴史と,そこにいたる先人の苦闘を思い起こす.
 再びそのような時代になってきたのだ.一人の市民として,できることはしてゆくつもりである.

東京大空襲から79年,東北大地震から13年

 3月9日,10日のことを書き置く.

 3月9日土曜日の夕方は,定例の 梅田解放区 であった.いつものように十数人が集まり,
  戦争反対!
  岸田やめろ!
の横断幕を掲げて,東梅田界隈を通る人びとに訴える.

 この日のことは  たたかうあるみさん も報告してくれている.
 3 月10日は東京大空襲から79年の日であり,3月11日は東北大地震から13年の日である.

 1945年(昭和20年)3月10日  東京大空襲 がはじまった.この日,最も大規模な空襲が行われた.
 明日がそれから79年目の日ということで,この街頭から東京大空襲を語ってくれた人がいた.よく準備された素晴らしい語りであった.
 そして同じ戦争が,いままさにガザでおこなわれている.一昨日は東京で市民行動:ガザを殺すな! 3.8国会正面前行動 があった.
 あの十五年戦争を経験したこのクニのものは,それをふまえてガザの戦争を止めるべく立ちあがらなければならない.しかし,日本政府のやっていることは歴史の求めることと真逆である.
 それはこのクニに生きるものの責任が果たされていないことを意味する.十五年戦争の総括はこのクニではなされてはいない.
 それどころか,最近ではイスラエル製の攻撃型ドローンの導入を防衛省は検討している.軍需産業に貢ごうとしているのだ.

 さらに,日本はいまも原子力緊急事態宣言発令中である.そして数万人が避難している.だが岸田政権は原発の最大限活用などを決めている.原子力産業におもねている.こんなことは許されない.
 11日は2011年3月11日の東日本大震災とそれによる福島原発の核炉崩壊から13年の日である.青空学園ではこれまで「核炉崩壊以降」において,東電核惨事の意味を掘り下げて考えてきた.

 さて10日日曜日は,中之島公園の女神像の広場で行われた 関西アクション実行委員会の主催による さよなら原発 2024 関西アクション に参加してきた.人民新聞がその呼びかけ文を掲載してくれている.
 顔をあわせてあいさつもしたが,たたかうあるみ さんもブログで詳しく報告してくれている.司会をしてくれた 村上薫 さんも報告してくれている.いつも梅田解放区でいっしょになる Akihiko Manabe さんにもあいさつした.私の地元のKさんものぼりをもって来ておられた.たぬき御膳 さんの映像もある.
 茨木市議の 山下けいき さん,茨木市が選挙区で社民党大阪府連の代表である ながさき由美子 さん,豊中市議の 木村真 さんも参加されていた.
 700人ほどの人が参加していた.


 会場で尼崎の反戦タイガースさんは,11日に地元で行う集会への参加を呼びかけておられた.

 最初のアピールは,浪江町から関西に避難しておられ,原発賠償関西訴訟 原告である 菅野みずえ さんがされた.その一文の印刷物も配られたが,改めて心を動かされるものであった.
 そして,東電や国がこの核惨事を総括していないことも確認された.総括していないどころか,向きあおうともせず再稼働につき進んでいる.
 おしどりマコ・ケンさんが,芸能界で脱原発の立場を明らかにしてからのことをいろいろと語ってくれた.

 集会は,
  アピール: 菅野みずえ
  脱原発トークライブ:おしどりマコ・ケン
  アピール:松下照幸
  うた:増田俊道
  メッセージ:浅石紘爾
と続き,3時半にデモが出発,梅田へ向かった.

 子どもたちが先頭に立つ横断幕も,今までにない新しい動きを教えてくれた.

 平安時代の末期には天変地異が続いた.それによって貴族政治では対応できないことが誰の目にも明らかとなり,武家の時代をひらいていった.
 江戸時代の終わりもやはり大地震などが続き,人びとをして新しい世を求めさせ,その地盤のうえに江戸から明治への維新がおこった.
 3.11の地震原発事故,能登半島地震,今回は偶然避けられたが志賀原発の事故.これらはまさに平安時代末期,江戸時代末期を彷彿とさせる.

 いまは,もっと歴史に対して自覚的に,人びとが立ちあがらなくてはならない.梅田解放区の取り組みにその息吹を感じ,私も参加している.
 次の梅田解放区の23日は,地元自治会の区長会があり私はとりまとめをする会長なので参加できない.いつも横断幕を一緒にもつ人に伝えておいた.

 最近いろいろ考えさせられることが多い.それを掘り下げ,身近なところから今の時代とその歴史,そして人の生きるべき道を 青空学園日本語科 で考えてゆきたい.

3.2ラファに手を出すな! 全国連帯デモ

 3.2ラファに手を出すな! 全国連帯デモ の大阪での街頭行動が, 関西ガザ緊急アクション の主催で,午後5時半からおよそ1時間,JR大阪駅東南側バス停の道をはさんだ向かいのところで行われた.

 防衛省によるイスラエル製武器購入案等、ますます日本の加担が明らかになってきている今、声を上げ可視化させる事が大切です。
 ラファ攻撃やめろ全国一斉行動 に連帯し、JR大阪で行います。

 主催者はこのように呼びかけている.世界の各地でこの日,行動が行われた.これに参加してきた.

 およそ200人が集まり,「パレスチナに自由を!」と書かれた横断幕をかかげ,大阪駅の東南の駅前通路の両側に立つ.呼びかけた人や,いつもの梅田解放区の人らを中心に声をあげ,2人がサックスを吹き,また1人が弦楽器を弾いてくれる.
 初めてこういう場でスピーチするという若い女性が喋ってくれる.虐殺がとまらない現実に,何かをしなければおれないというおもいからここに出てきた,と話す.その気持ちが伝わる.

 たぬき御膳さんが録画をしてくれている.そのなかで 村上薫 さん,たたかうあるみ さんも報告してくれている.村上さんが,語りの締めの所で「われわれの責任としてパレスチナ解放に向けて闘ってゆこう」と呼びかけている.
 まさにそうなのだ.いまを生きるものの責任なのであり,歴史に対する責任であるのだ.   
 こうして,パレスチナの人々をおもい,日本で声をあげる.

 一方,この日本というクニはいま人類が経験したことのない速さで没落に突き進んでいるのではないか.
 統計的にも,昨年(2023年)の出生数は75万8631人であった.76万人を割るのは2035年と推計されていたが,予測を12年も上回る早さで減っている.婚姻数は戦後初めて20万組を割り込んだ.
 経済的にも,このクニでは,働く意欲と能力があっても食っていけない.若い人にとって,結婚し,子どもを産み育てる人生は大変難しい.それが今の日本である.
 万博なんてやってる場合ではない.
 思想的にも,考えが違い立場も違う者が,それでも議論できるような,共通の土台がない.近代の枠組というものがない.
 その結果として,このクニには,没落から立ち上がる土台がない.
 これが,私が前から言っている,根なし草近代のなれの果てのあり様である.

 非西洋にあって最初に資本主義となったこの日本の没落の経験は,人類の歴史の経験として深く掘り下げ,総括しなければならない.
 その没落の底から、もういちど人の世を生み出してゆく.その土台を作るための準備が, 青空学園日本語科  の試みであった.しかしその途は遠く険しい.
 自治会の役員もしているので,いろいろ時間はとられるが,それはそれで大切なことだ.そのうえで,私は,この問題について,残された時間に,できるところまでやる.

戦争反対 !

 2月24日はロシアがウクライナに侵攻して2年になる日である.そして,イスラエルのガザへの軍事侵攻から約半年となる日でもある.
 今このときも,それぞれの地で戦争が続いている.
 第2次世界大戦が終わって80年になろうという時代に,このような戦争が再び起こるとはどういうことなのだ.
 思い起こせば,2003年のイラク戦争も,テロを逆手にとってアメリカが起こしたものだ.イラク戦争については「イラク戦争反対! 叡智を集めアメリカ問題からの活路を見いだそう」に書いている.この一文の最後に

アメリカの良心
 ジャズサックス奏者MASAさんが伝える黒人ミュージシャンの言葉。
   よく見ていなさい。いまにアメリカはつぶれる。

と書いている.Swing MASA さんとは2003年のイラク戦争反対の集会で言葉を交わしたような記憶があるが,梅田解放区でまた一緒になるとは思いもよらなかった.

 人びとの行動が,歴史を動かす.できることはやろうと,昨夕は定例の 梅田解放区 に参加してきた.10数人があつまり,声をあげる.いつものように たたかうあるみさん も写真をあげてくれている.

  ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
  イスラエルはラファ攻撃をやめろ!
  戦争反対! 停戦! 岸田やめろ!

 下の写真で、マイクを持って語っているのが Swing MASA さんである.

 皆で,道ゆく人びとに訴える.

 パレスチナの旗を背にまとった女性と,男性の2人組が, 路の向こう側でわれわれの前に立ち,こちらを見つめる.「岸田やめろ!」の旗の下にパレスチナの旗を掲げているから,こちらの立場は伝わったのだ.
 声をかけると,女性の方が横断幕の前に来て話してくれた.私にはわからない言葉であったが,その口調に心うたれるものがあった.男性の方は向こうで右手をつきあげる.
 彼女がパレスチナの人なのかどうかまでたずねることはできなかった.それでも,日本の街頭で行動するわれわれに,彼女が連帯して話してくれたことは,意味深いことだ.
 
 終わってから「 サンキュー」と声をかけたら,にっこりうなずいてくれた.
 言葉を超えたこういう出会いに励まされる.

 さて,日本の日経平均の株価が史上最高値をつけた.しかし,一般市民の犠牲のうえに,企業利益の拡大が生じ,そこから利益を得る外国資本の日本株買いの,その結果としての株価上昇にすぎない.
 田中龍作さんが『株価最高値の現実は「炊き出しに並ぶ長蛇の列」』で伝えるように,この日本は,外国資本と一体のごく一部のものが支配し,経済的利益を独占するクニである.
 政府が正しい経済政策を実行し,経済状態と株が対応がすれば,株価は下がる.ところが日本政府の経済政策は,株高を演出するものでしかなく,その結果として株価が上昇している.

 一方,2023年の実質賃金は2.5%減となり,2年連続して減少している.そして,実質賃金は1990年以降で最低水準となった.
 資本は史上最高の利益を得て,働く者はますます苦しくなる.これが日本経済の実態である.

 根なし草近代の日本は,限りなく没落してゆく.
 しかしまた,非西洋における近代資本主義として,根なし草であることには普遍性があり,根なし草を越えるという歴史の課題にも普遍性がある.
 そのための試論が『根のある変革』であり,青空学園数学科,青空学園日本語科は,それぞれの分野で,根のある営みをできるところから実践してきた.

 現代とはいったいどのような時代なのか.ロシアとウクライナの戦争,イスラエルによるパレスチナ侵略など,目の前にくりひろげられる戦争の本質は何なのか.
 十七世紀から二十世紀は,階級矛楯とそれによる階級闘争が歴史を規定し動かしてきた.そのうえに,いくつかの世界大戦があった.そうではないだろうか.
 もとより歴史をえぐることは難しいことだ.現代もまたそうなのか.あるいはその次の段階に入っているのか.この時代を規定することは何なのか.
 これを考え続けたい.

ラファに手を出すな!

 今日18日,日曜日の午後1時から,関西ガザ緊急アクション が主催する 2.18 ラファに手を出すな! 全国連帯デモ  の大阪梅田での行動に参加してきた.
 各地の取り組みは,「虐殺やめろ」「ラファに手を出すな」イスラエルのパレスチナ侵攻に抗議のデモ、全国で一斉開催 などで知ることができる.

 1時に JR 大阪駅の東南にゆく.道路の両側に,およそ300人ほどの人が立つ.それに参加し,
  ラファ大虐殺をゆるすな!
  
日本政府は虐殺に加担するな!

と声をあげる.
  たぬき御膳 さんも報告してくれている.

 
 大阪の集会では,まず主催者が語り,そして若者が語る.そして,これまでデモ等に参加したことはなかったが,ガザの現状は見ていられないと,この日はじめて参加した女性が語る.
 いつも梅田解放区で会う Swing MASA さんがトランペットを演奏してくれた.村上薫 さんも参加し,語ってくれた.緑のニライカナイ さんや,私の地元の K さんも参加されていた.
 大阪市の北から豊中などの大阪府の北部,そして尼崎,西宮と,阪神間の人びとが集まってきていた.


 こうして,この1時間半ほどの集会に加わり,自宅に戻ってきてこれを書いている.

 それにしても,いまなぜこのような戦争なのか.ロシアとウクライナの戦争が始まって2年となる.イスラエルがガザへの戦争を始めたのも,この歴史のなかにあるのか.
 知りえない事実も多く,この歴史を解明することはいまはできていない.
 ただ,これらの戦争の背後にあるものが,国際的な軍需産業であり,それとつながる政治勢力であることはまちがいない.
 このように戦争が拡がることは,資本主義のもとでは避けられないのか.

 さて,昨年の GDP は日本がドイツに抜かれ4位に転落したことが報じられた.そして GDP を人口で割った,1人当たりGDPは世界44位である.G7 の中で最下位である.
 日本の近代資本主義は,内からのものではなく,すでに帝国主義化していた西洋の国家の外からの力によってはじまった.当時の国際的な軍需産業の力による開国であった.
 そのゆえに,近代日本は根なし草であり,それから150年,その根なし草近代の没落そのものが露わになっている.

 青空学園日本語科 の扉に

日本において近代と資本主義は一体であり、それは江戸時代の末期から明治維新に始まる。だが日本の近代は内からの力で生まれたものではなく、根なし草であり、そのゆえに差別と侵略の世が続いた。中国大陸と朝鮮半島東北アジア、南太平洋から東南アジア、そして琉球弧と、日本列島に住むものの祖先の地のすべてに兵を進め、非道のかぎりをつくし、そして敗残した。
鬼畜米英を撃てと扇動しておきながら、戦後は一転アメリカに隷属する。アメリカの核戦略のもと地震列島に原発をいくつも作り、ついに福島原発の核惨事に至る。近代における第二の敗戦であった。
それらは総括されることのないまま、いまに至る。そして世は大きく分裂し、深い没落の過程にある。これは、内からの力で世を革めることのできない根なし草近代の、その成れの果てそのものである。
この歴史に向きあえ。そして絶望の底に根をはり、そこから立ち上がることを模索しよう。
歴史はいま、経済を第一とする時代から人を第一とする新たな時代への大転換にあり、人々の協働の力にもとづく新しい世を求めている。これは困難な歴史の段階である。 人は資源ではない。固有の尊厳あるいのちである。
人をして人とする言葉を慈み、内からの転換を経て互いにつながり、世を動かそう。青空学園のこころざしはここにある。

と書いたが,このことは,いまますます明らかとなってきている.そして五年前,「分水嶺にある近代日本」において

東洋の島国日本は、資本主義に食い尽くされ、さらに核汚染にさらされ、人々は困窮してゆく。これは資本主義日本の世の衰退そのものであり、百五十年を経た今、このままではいわゆる失敗国家となってゆくことが避けがたい。

と書いたが,まさにいま現実の歴史の課題となっている.
 青空学園日本語科で積みあげてきたことは,失敗国家のそのなれの果てに生きるものが,そこからもういちど立ちあがるための,言葉の準備であった.
 近代日本語そのものが根なし草であり,この言葉のままではもういちど立ちあがることなどできはしないと,考えたうえでのことであった.
 心ある人らが横につながり,新しい世をつくってゆく.それが問われる時代となった.それを生みだしうる言葉を拓き耕す場としての青空学園日本語科であった.
 歴史の求めに対して,なしえてきたことはあまりに小さい.
 それでも動けるかぎりは街頭に出て,そこで考えて,言葉を紡ぎ,青空学園に残してゆきたい.