9/17(sut)木端微塵





クラブイベント「木端微塵」
2005年9月17日(土曜日)
吉祥寺 STAR PINE'S CAFE(スターパインズカフェ)




「先進国に生まれて本当に良かった」と感謝する際、


・よほどじゃないと餓死しない
・食い物が美味い
・夜中に戒厳令が出ない
・好きな本が読める
・好きな音楽が聴ける
・過激な教義に行動を制限されない


上記の事柄を浮かべ、ああ、ラッキーだなぁ、とつくづく思う。


特に本邦が日常的に戒厳令が発令されるような国でなくて心底良かった。「夜中に出歩く→射殺」は無茶苦茶である。何を考えているのか全然分からない。


夜中に歩き回ってもオッケー、そんな平和な環境だからこそ満喫できることのひとつに、「真夜中に集い、好きな音楽を密閉スペースで好きなようにかけ、好きなように踊る」がある。ダンスである、レイヴである、フィーバーである。


同盟国では野外レイヴが国家権力により襲撃されるという事件も発生しているが、集会→機銃掃射であったり、集会→戦車といったダイナミックな国もあることを考えると、本邦は多幸に過ぎるのではないだろうか。


僕は本来、無類の自宅好きで植物のような人生を目指しており、週末などあまり外出するたちでは無いのだが、それでも踊りたくなったり大勢とハッピーな時間を共有したくなったりすることもある。おずおずと照れながら輪の中に入ろうとすることもある。去年の夏、行われた『木端微塵』は、僕のような、一歩、あらゆるものに距離を置いてしまう人間にとって、大変居心地の良いものだった。押し付けがましく無く、快適であり、楽しいものだった。


インターネット発のイベントは、潤沢な予算も、充分な時間も無い場合がほとんどだ。木端微塵だって、その内実に差ほど変わりは無いだろう。その中でデリケートに、サイトを通じてイベントのスタンスや骨子、雰囲気を作り上げていくスタッフの精神には頭が下がる。僕のような内に篭もりがちな人間にも、快楽を貪欲に満喫しようとする旺盛な人間にも、「楽しそう」と思ってもらえるイベントはそうそう無い。繊細に織り上げられたこのイベントが、当日、どのような爆発を起こすか、秋の夜長に観に来るのも悪くは無いのではないだろうか。お待ちしております。

又吉イエス先生率いる『世界経済共同体党』のマニフェストが全て発表される。




「戦後最大の投票率か」と目される2005年衆議院総選挙の公示が昨日行われ、1132名の立候補者達が各地でしのぎを削る選挙戦がついに始まった。そんな中、先日無理解な官憲に連行された又吉イエス先生が率いる『世界経済共同体党』のマニフェストが追加され、全ての政策が発表された。マニフェストは以下の通りだ。




世界経済共同体党、公式サイト



マニフェスト


1. 年金問題・医療・介護・財政破綻の根っこはひとつ
2. 郵政民営化は絶対不可
3. 全失業者の救済
4. 憲法九条改悪不可
5. 首相小泉純一郎靖国参拝不可
6. イラクは世界で守る所
7. 普天間基地移設は本土へ
8. 拉致問題について
9. 人権擁護法案不可
10. 外国人参政権不可
11. 大人そして子供たちの罪・犯罪を失くする社会
12. ミニスカートとそれに類するものの廃止





さて、どうだろうか。又吉先生を笑いの種にする人間は多いが、これを読めば、「12」はともかく、又吉先生の真面目な政治理念が理解できると思う。特に「9」は序文に

「”人権擁護法案不可” 人権侵害・差別・いじめ等は戦ってはねのけるのが本質。相手の高慢・汚さ等をつぶし、自らが強くなるためにである。 」



とあることからも、「12」はともかくとして、又吉先生が自らの人間哲学より政策を生み出していることがうかがい知れるだろう。至言である。「12」はともかく、これは、利権・権勢を得るために出馬している凡百の立候補者とは完全に一線を画するものだ。「12」はともかく、「9」「10」について私は完全に同意見である。

小泉純一郎腹を切って死ぬべきである。のみならず、唯一神又吉イエスは彼を地獄の火の中に投げ込むものである。」



など、多少過激な言動が目立つ又吉先生だが、それも理想を貫かんとする志士の英気がさせるものであり、「12」はともかく、政策自体は極めて真剣に考えているのだ。面白半分で応援する輩は地獄の火の中に投げ込まれるであろう。




なお、スーパーコンピューターFM-TOWNS)を使い、「世界経済共同体党、政権奪取後」をシミュレートしてみた。その図を発表し、筆を置くことにする。まったく先が見えない選挙戦ではあるが、日本の行く末を心配する一人として、注視していきたい。










〜 先生が日本国総理大臣になったら 〜


自民党
「2. 郵政民営化は絶対不可 」に反するため、全員地獄の火の中に投げ込まれる。


民主党
「9. 人権擁護法案不可 」「10. 外国人参政権不可」に反するため全員地獄の火の中に投げ込まれる。


公明党
「9. 人権擁護法案不可 」に反するため全員地獄の火の中に投げ込まれる。


社会党
民主党と同理由で全員地獄の火の中に投げ込まれる。


共産党
社会党と同理由で全員地獄の火の中に投げ込まれる。


新党日本
田中康夫党首のキモさに激怒、全員地獄の火の中に投げ込まれる。


国民新党
4コマに激怒、全員地獄の火の中に投げ込まれる。








又吉内閣予想


防衛庁長官矢追純一氏(宙自(宇宙自衛隊)の創設を宣言。同時に地球外生命体の存在を政府公式見解として独断で発表)


文部科学大臣ドクター中松氏(特許庁長官と兼任)(DNDドクター中松ディフェンス)の日本全土への設置を宣言)


総務大臣タモリ氏(その絶妙な調整能力を、個性的な面々が揃う又吉内閣をまとめるために遺憾なく発揮)


金融大臣:青木雄二氏(霊)(カバチタレの人の体を借りて施政)


警察庁長官:金八の警官氏(警察庁本庁と警視庁本庁を土手に移転することを公約)


農林水産大臣:赤兜氏(その圧倒的な力により日本の山林、河川、湖、海とその生態系を支配)


厚生労働大臣管直人氏(食中毒対応のプロフェッショナルとして抜擢)


経済産業大臣;岸辺シロー氏(保証人→破産問題のスペシャリストとして招聘)


財務大臣貴乃花親方(光通信株破産、借金問題の重鎮として任命)


内閣官房長官ヘイポー氏(威風堂々とした風貌と態度を買われ就任)


宮内庁長官ゾマホン氏(「清廉潔白であるべき宮内庁長官には、逆に黒い人のほうがいいかもね(笑)」とのブラックジョークを真に受けた又吉先生による総理大臣命令により入閣)


大阪府知事羽柴秀吉氏太田房江大阪府知事が土俵から転落死したため急遽、特例で起用)


外務大臣蛭子能収氏(表敬訪問した国が次から次へと何故かとんでもない不幸に見舞われることから「死神大臣」との異名を取る)

公式ルール紹介



桃太郎電鉄12




米大統領選やコンクラーベローマ法王選挙)が、選挙結果は建前で、最終的にはこの闇桃鉄で決定されていることは広く知られていますが、その詳しいルールや正式な手続きについては認知度が低いのが現状です。世界の趨勢を決めると言っても決して過言では無い闇桃鉄についてより深く知ることは、衆議院総選挙を間近に控えた今、有意義なのではと思い、ここに紹介します。








桃鉄世界統一ルール


一、全員の携帯電話の電源をオフにする。


二、行われる家の時計、PCなど、時間が分かるものを全て隠す。


三、カーテンを締め切り、日光や夜の闇による時間感覚を消す(日光の差し込まない部屋で行うのがベスト)


四、朝刊、夕刊などは予めドアの前に「今日は新聞要りません、入れないでください」と張り紙をしておく。


五、家主はインターホンが鳴っても断固として出ない覚悟を決める。


六、目覚まし時計、あるいは携帯電話の電源を、任意の時間にセットする(これがプレイ時間となる)


七、プレイ時間をセットした時計を伏せ、時間が分からないようにする。


八、鬼と会えば鬼を切り、仏と会えば仏を切る覚悟を決め、一切の性善説に寄り添う感情を捨て、ゲーム機の電源を入れ、桃鉄を挿入する。


九、一度目のベルが鳴った年から数えて3年目の決算をもって、終了とする(25年目の七月にベルが鳴ったとすれば、27年目で終了するようゲーム設定を変更する)








※つまり、電気ガス水道以外の全てのインフラと時間間隔を遮断。「あと何時間で終了か」を分からないようにする。思考、世界観、常識、秩序などを闇桃鉄に委ね、闇桃鉄から全ての事象が始まる状態に置く。あらゆる思考の端緒を闇桃鉄に置く。


※闇桃鉄中の外出は一切認めない。食料の備蓄と体調の調整は事前に入念に済ませておく。


桃鉄はゲーム内経済成長率が設定してあり、プラスマイナスともに右肩上がりを続けていくため、基本的に年数が経てば経つほど、貧富の差が拡大していく傾向にある(勿論、どの地点からでも逆転は可能である)。そのため、レート設定には緻密な計算と細心の注意が必要である。経験から言えば、8時間プレイなら、ゲーム内では20〜30年が経過する。レートは、『「4着→1着」「3着→2着」の指し馬ルールで、ゲーム内金額1000万円差につき1円分こども銀行券』が妥当な額と思われる。これなら、大敗しても5000円分前後のこども銀行券で済むと思われる。なお、余談ではあるが、先日、「どれくらいのレートにすればいいのかよく分からない」まま『30年プレイ。ゲーム内金額1000万円差につき10円分こども銀行券レート』での勝負が行われ、最終的に7万円分こども銀行券という巨額が動いたとの報告もある。『1000万円差につき1円分こども銀行券レート』は、その場にいた人間の無残な首吊り死体や、レート設定に失敗し横死した累々たる屍たちの上に成り立っているのである。


※このルールは『天(福本伸行著・竹書房刊)』の『二人麻雀』編に強く影響を受けているため、原典に忠実に従い、時間計測にはデジタル目覚まし時計を使うのがベスト。


※故意、過失を問わず、ゲーム途中にリセットや電源OFFをした者は、その場で『携帯メモリ全消去の刑』あるいは『ロケット花火 DE 携帯電話飛ばしの刑 in 湘南海岸』を処するものとする。


※闇桃鉄会会員になるためには、「2兆円以上の資産」。または「ノーベル賞受賞程度の知名度」。または「年収100万円以下」のいずれかの条件を満たしている必要がある。


※ゲーム内の時間にして2〜3年ごとに発生する「プレステのコントローラーの線のねじれ」は超常現象でありムーやMMRでも原因が究明できない謎なので解決は諦める。


私見ではあるが、闇桃鉄の実力と麻雀の実力はほとんど比例しているように思える。データを取ってみたい。




文責・竹田(世界闇桃鉄協会公認8級審判)

『ランド・オブ・ザ・デッド』前夜祭“NIGHT OF THE ZOMBIES”詳細決定!



http://www.rr.iij4u.or.jp/~django/


id:animamundiさんより。


世界で一番恐ろしい存在とはゾンビであることに概ね異論は無いと思いますが、この前夜祭はその事実を大勢で再確認したり、恐怖したり、一方で歓喜したり、会場にて集団失禁したり、家に帰ってから怖くて眠れなくなったり、眠れない腹いせに通行人をゾンビと思い込みチェーンソーで攻撃し大惨事に発展したり、それでも不屈の精神でゾンビ映画が好きだったことを言い訳とし精神鑑定で見事に無罪を勝ち取ったりするためのものです。そしてロメロ監督への盛大な YES の合唱を送るための儀式でもあります。行けるかどうか全く分からないのですが、とりあえず望む望まないに関わらず、自分は生まれてきてしまい、この情報を知ってしまった以上、広く知らしめる義務があると判断、筆を執った次第です。それにしても当日、会場で大発売されることが決定したヨシキ所長謹製のゾンビアロハが本当に素晴らしい。

本邦は十年以内に三国時代に突入する。





あなたの名前は何だろうか? 僕の名前はいたって普通だ。26歳としては、ごくありふれた、どこにでもいる、普通の名前だ。あなたの名前もきっと”普通”で”常識的”な名前だろう。


思えば数年前、『的場浩司の娘の名前は”宝冠”(てぃあら)』と知り、芸能人頭おかしいわぁと絶句したものだったが、諸君はご存知だろうか? 既に我々の常識からはかけ離れたスペシャルな名前を授かった恐るべき子供達が日に日に増え、刻一刻と成長している現状を……。
まず、下記のURLを見てほしい。『一』は、ソースは不明だが、不特定多数の人間たちが調べた、出会った名前群だ。『二』は、若いママさんパパさんたちが自分の子供の名前を披露しあう掲示板だ。


一、http://akid.s17.xrea.com/urlcache.php?file=http://jt05.hp.infoseek.co.jp/a1/name.html
二、http://mamastar.jp/bbs/onamae/




ご覧頂いただろうか? いやあ、もう、何が何だかである。ただし、世代差による常識の違いやスダンダードの相違などは当たり前であり、一年生まれが違えば根底にある価値観の源流は別物と思って差し支えないだろう。ましてや四半世紀生まれが違う人間の名前だ。我々の世代の常識のみを物差しとして、子供を指し、「ハム太郎m9(^Д^)プギャー」というのは早計・軽率と言うべきであろう。


しかしながら、親は別である。一体どうなってんだ。お前ら子供がずっと子供のままで大きくならないって思ってないか。名前負けの確率考えろ。子供の名前に託す意味や志が自分の好きなブランド名やキャラクター名で本当にいいのか。何食って育ってきたんだ。プリオンか。


というようなことを、もうこういう名前を堂々とつける親に言っても馬耳東風であり逆に「俺(あたし(「私」では無く「あたし」なのが重要)の先端的な感性が分からないなんて…可哀想…」とこちらが前時代的な悲惨な感覚の持ち主と認定されてしまうのが関の山である。


つまり我々に出来るのは、友人・知人・親戚などに赤子が生まれた際に、そうした”異常”の他に形容できない名前がつけられないよう監視の目を絶やさないことくらいなのだ。発見したら、それとなく遠大に周囲を抱き込み包囲網を形成し、心変わりを起こすよう画策することくらいなのだ。


さて、ここで文題の「[予言]本邦は十年以内に三国時代に突入する。」の説明に入ろう。我々がどんなに頑張って「辻モニ(つじもに)ちゃん」「光宇宙(ぴかちゅう)ちゃん」などの何が何だか分からない命名の流れを止めようと思っても、それは恐らく無理である。これは既に一つの巨大な潮流であり、多分、今の時点での普通の名前群は残念ながら影を潜めていくだろう。


そこに代わって勃興するのが、上のURLで散々見ることが出来る『DQNネーム王朝』『オタクネーム帝国』だ……。『(現時点で)普通の名前国』はいずれ地方の一軍閥に転落するだろう……。


正直なところ、このようなことを高言している僕でさえも『DQNネーム』と『オタクネーム』の区分、選別は難しく苦心しているのだが、まぁそこは親の顔を見て偏見で判断してください。まだサンプルが足りない。そして彼ら彼女らがまだまだ子供に過ぎない。というのも、近い将来、そう、彼ら彼女らが学校にあがり物心つきある程度知識をつけてからが、本当の三国時代到来の幕開けだからだ。


ある暑い夏の日、健一郎と名づけられた少年は気づくだろう。「えっ! あいつの名前、”十字(クロス) ”!? 軍じゃん!!」と。


そして十字(クロス)君は「あらら、健一郎?地味すぎwwwwww。そして向こうのあの異常な化粧と日焼けのブスは”紗音瑠(しゃねる)”とな? 親の顔が浮かびますなぁ」と。


そして紗音瑠(しゃねる)ちゃんは「十字(クロス)すっげーキモいんだけど。同じ空気吸いたくないし。名前オタくさいし。見た目まんまだし」と。


つまり、名前の意味と、漢字の意味と、名前と外見の相互関係と、名前と性格気質の相互関係が解かる瞬間が訪れたとき、子供達は自分の所属を知り、勢力を形成、三国時代が始まるのだ。名前によるクラスヒエラルキーが現れるのだ。


大抵、子は親に精神的にも肉体的にも似るものである。暴力・直接的な恫喝能力・身体能力に長けたDQN名群は魏として当然、密集しクラスを支配するだろう。時代はまだまだオタクには厳しいので、オタク名群はDQNたちにいいようにあざ笑われ、金銭物品を奪われ、名前をからかわれ(DQNは自分の名前は当然棚上げ)北斗の拳の農民状態になることは想像に難くない。しかしながら人数の多さと突発的で陰惨な復讐の効果により、呉を確保するだろう。そして普通名群は、本文では三国時代云々と散々言っているが、実際のところ蜀どころか公孫恭とか姉小路家とかああいう悲惨な扱いを受け、空気として扱われるだろう。最後に穴痕打(あなこんだ・女)ちゃんや振門体(ふるもんてぃ・女)ちゃんといった、御両親が完全にお壊れになられているとしか思えない人たちだが、触らぬ神に祟り無しとばかりにアンタッチャブルとして意外と平和に暮らしていくだろう。


人間は未知のものに名前をつけることによってその存在を規定し、あらゆる怪力乱神を踏破してきた。しかしその命名という発明を自分たちに向けることにより、過度な所属意識と、個人の責任を共同体に転嫁するというウルテクを生み出した。そして、そのウルテクは無数の災厄を招いてきたことは歴史が語る通りだ。21世紀初頭の日本では、個人名に対する価値観の絶望的な相違により、膨大な数の悲劇・残劇が産み出されることだろう。ナンマンダブ、ナンマンダブ……くわばらくわばら……。

茨城やばい




従兄弟(オレンジレンジ十字軍の熱狂的ファン)の挙式披露宴のため北関東は茨城県まで足を運んできたのだが、茨城は本当にアシッドだった。


まず本屋に本が無い。


早く着きすぎてしまい、披露宴会場のある駅で一時間半ほど空いてしまったので駅ビルに擬態した藁ぶき小屋で本でも買って読もう、と画策し実行したのだが、何がどうなっているのか本が本屋に無いのだ。漫画と雑誌しか売ってないのだ。「そんな馬鹿な」と僕は狼狽し、ここは都にはよくある漫画専門店かと思ったのだが、よくよく見ると隅っこのほうに僅かながら『半島を出よ』や左翼の人の書いた本が置いてあるのが分かった。その隣にNANAが平積みになっていた。


全く意味が分からず困り果てた僕は仕方なく店員に高圧的に命じスティール・ボール・ラン最新刊を梱包させ、うろたえながらロッテリアに入り、金銭を支払い、げんなりする味のハンバーガーを頬張ったのだった。本来なら現在のような猛暑最中にジャンク・フードは避けたいのだが、駅前にはジャンク・フード店とサラリーローン店舗しかなかった。ジャンク・フード店に入る前にコンビニで産経新聞を買おうと思ったらスポーツ新聞しか置いてないかった。駅前には野暮ったい若者が二人、ギターを持ち、何かの冗談かと思う下手さでゆずのカバーを鳴らしていた。


高架になっている駅のホームから目視できたのは、パチンコ屋、スロット屋、サラ金、大型デパート、ゲームセンター、カラオケ屋だった。時間をもてあまし入った大型デパートの中では親子連れがジャンクフードを美味しそうに食べ、本屋は駅前の店と似たような状況で、B@BOYファッションが中心に売られていた。あまりこういう言葉を使い、こうした姿勢は取りたくないのだけれど、『程度』について考えてみろ、と突きつけられたようだった。


こういう下手に東京が近く、開放的であると錯覚を持ってしまうが実のところ極度に閉鎖的な土地で育ったら、なるほど勉強もスポーツも造形も抜きん出ることが出来なかったような、スクール・ヒエラルキーの上部に入れなかった少年少女は、B☆BOY軸を採用するか、反動としてマイナーやサブカルやオタクに走りそれに自己を押し付け周囲のB$BOYを内心見下しながら生きていくか、引きこもるしかないのだろうなあ、と思うと空恐ろしくなった。


ここに住んでいる少年少女は、各々の性質と好嫌に従い、渋谷に、原宿に、お台場に、高円寺に、下北沢に、六本木ヒルズに、秋葉原に行くことは出来るが、実際のところ外には出ていないのだ。景勝旅行と同じだ。ぶどう狩りツアーと同じだ。出かけているだけなのだ。別にそのような半強制的な住み分けは日本全国どこにでもあるのだけれど、北関東のような下妻物語を地で行ってる風土では、それが非常にくっきりとし、あんまりなまでに鮮明だった(実際、下妻の近くだった)。あの映画は別に面白いとも何とも思わなかったけれど、馬鹿げてる住み分けを、ある部分はダイレクトに、ある部分はオブラートに穏便に、ある部分は巧妙にひた隠しにし、表してるところは感心した。


僕はどうしても物事のダウナー面、ネガティブ面に眼が行ってしまうので、上述のように僅かしか選択軸が無く、それに外れると他の軸から完全に見事に排除され、どうしようもなくなることの恐怖が蔓延しているこの土地に、ただ怯えるばかりだった。


僕の育った土地も似たようなものだったけれど、僕は幸いにして物事に滅多に執着しない性質に育てたため、うんざりするような面倒で苦痛そのものな居場所作りに周囲ほど頓着しないですんだ。みんなは大変そうだった。


ここに住んでいる少年少女たちは、勿論のこと人によって、ドライであったり、DQNであったり、厭世的であったり、ジョッグスであったり、トレンチコートマフィアであったりするのだろうけど、いずれにしても凄まじい不自由の中で大変な目に遭っているのだ。多分。それは結局のところ社会に出ても構造としては全く変わらない。僕はそうした苦しんでいる、うんざりしている人を見るのは好きではない。そこで、早いところこの国を脱出し、イノキアイランドかさだまさし島に移住、彼の地で『蝿の王』か『女王の教室』みたいな空間・環境を作り出し君臨しながら暮らしたいです!(2006年の目標)

デヴィッド・リンチ監督、瞑想教団設立騒動・続報



前回 http://d.hatena.ne.jp/naph/20050726



http://www.eiga.com/buzz/050517/07.shtml
デヴィッド・リンチ「映画は撮ってるけんのう」




なんだか新作映画は撮ってるようで、映画監督業と教団は両立してやっていくつもりなのかな。今後の展開予想ですが、「私の以前の作品は暗黒波動に満ち満ちているため二度とプレスしない」などと小沢健二よろしく言い出しても何らおかしくないので、とりあえず今のうちにツイン・ピークスDVD-BOXを入手しておこうと思います。


原宿くんも危惧している通り、ミュージシャンなどが「自然保護」「世界平和」などを特に当事者でも無いのに(重要)言い出すようになったら既にデッド・ゾーンに片足突っ込んでると判断して問題無いと思います。「同じ地球に生きている以上、私も当事者である」というようなことを言い出したら、まぁ、優しい態度を取ってあげましょう。


そうした言わば『世界平和病』にかかった人間は、唐突に「自然保護」を標榜しJ-POPシーンをキョトンとさせた AIR9.11以降、「非戦」を多少他人には理解しづらい言葉でもって語りだした坂本龍一氏。スタジオ入りしたミュージシャンが皮ベルトをしていたという理由で『サー』の身分から怒鳴り散らし追い返しあまつさえクビにしたポール・マッカートニー卿など、枚挙に暇がありません。


彼らに共通しているのは、全面的にマジである、ということです。全力で本気なのです。24時間テレビなどの利権があからさまに匂いたってくる分かりやすい偽善とは一線を画しています。(※ただし、当サイトでは「AIRはポーズ説」を採用しております)


さて、リンチ監督の今回の「瞑想DE世界平和宣言」は、前述の方々が患った病と似てはいますが、まぁ別物だろう、と僕は考えています。というのも、今回リンチ監督がぶち上げた構想の規模が、巨大すぎる、からです。前述のミュージシャンたちは、ライブのMCで動物保護を訴えかける、謎の非戦特集に出演する、そうした団体に寄付をする、など、具体的ではあっても実効性に乏しいと思わざるを得ない行動しかとっていないからです。サーの潤沢極まる財布からの寄付は効果的かもしれませんが、AIRがライブで動物保護を訴えかけてもねぇ……。


と、ここで「対し、リンチ監督の手法は具体的かつ実効性があり……」と繋げようとしたのですが、『8000人が瞑想→世界平和達成』の一体どこに実効性があるのでしょうか! 文章の体裁を整えることを急ぐあまり、とんでもない破綻をきたしてしまいました! 危うく、『竹田=カルト』の烙印を押されてしまうところでした。あぶNE〜。


まぁ結論として、リンチ監督は、その壮大な計画の正否真贋はともかくとして、具体的な方策を練り、組織の枠を構築し、現実的に(?)世界平和を達成しようとなさってあたり凡百の世界平和病患者どもとは圧倒的に違うステージにおられるので、是非とも頑張ってほしいなぁ! ってことです。日本版PRビデオの監督は是非とも天久聖一氏の抜擢を! 鰻食ってきます。