よい医療への思いは皆同じはずなのに。

2006/04/18 (火)
あの驚きやら怒りやら悲しさや絶望などさまざまの思いを湧き上がらせた福島産婦人科医逮捕事件への熱い思いがさめつつある中、再び活を入れる報道がなされた。

(途中まで略)・・・重大事件を解決した警察署などへの表彰があり、 富岡署が県立大野病院の医師を逮捕した事件で、県警本部長賞を受賞した。

連帯感の希薄だった勤務医をあれほど怒らせた逮捕劇を、あろうことか県警にとっては表彰するほど価値のある行為だったというのですか???


私の中で新たな噴火が起こってしまった。いままで以上に、より強く。
馬鹿にすんじゃねえっ・・・て感じ。


医療界と認識の隔たりに途方にくれてしまう。勤務先は居住地の中心警察署に近いので警察官の受診が多い。自分の患者である警察官にこのことについて意見を聞いてみたいものだ。(外来している間は当面の出来事への対処で手一杯で問いかけることすら思い浮かばないのだけど)どこかに警官の立場で、福島事件やこれに類する(医療側から見てやむをえない事故を医療ミスとされていること)事件への思いを書かれたサイトはないだろうか?


一部には警察関係者や司法関係者の医療は拒否せよという過激な意見も見られるが、医者としてもちろんそのような行為は決してできない。皆が信頼しあう世界〜患者さんは安心して治療を受け、医療側は責任と誇りをもってしり込みせずに医療を行える、それを誰もが願っているはずなのに!
疑心暗鬼と責任回避の思惑の中で、良い医療を受けること・よい医療を行うことがかき回されている。悲しい・・・。


※疑心暗鬼ってぎしんあんき、と読むんですね。ずっとぎしんあんぎだと思っていました。とんでもない間違いをしてきたものです、この数十年。