アキバの事件

人生に疲れ果てて殺人を犯した人がいて、その人がゲームやアニメ好きだったとする。この場合、彼はゲームやアニメに接している時だけは、いっとき、現実世界の辛さから逃れられていたんじゃないかな、と思うんだ。


犯人の掲示板への書込みを報道で見た。なんとなく、性格や気質が僕に似ていると感じた。ただ、僕は別に彼の犯罪が許されるとは思わないし、自分で起こそうなどとは夢にも思わない。彼と僕との違う点。それは単純に、精神的・経済的に追い詰められているかいないかの差だと思う。

殺人に快感を感じるような生粋の犯罪者など、そう多くない。精神的・経済的に追い詰められた結果犯罪者となってしまう人が、世の中にどのくらいいることだろう。

飛び抜けて幸せではなくっても、みんなが「そこそこ」幸せであるような。そんな社会を目指していけるのだろうか。

滝の音に 目覚めてみれば サーバ室


解説:
山里の新緑に包まれた滝の、流れ落ちる音の中眠っているつもりであったが、目覚めてみるとそこは職場であるサーバルームの中であった。滝の音と思っていたものは、サーバや空調の動作音であり、周りの先輩からの冷たい視線は彼に容赦なく突き刺さる。

のどかな風景でもある一方、劣悪な環境下で苛酷な労働を強いられている工員の悲哀が感じられる句でもある。

4月になれば

また、4月ですよ。
就職しちゃうと3月になろうが4月になろうが大差ないもんだね。寂しいことに。だんだん生活から、入学やら卒業やら夏休みのように、イベントごとに実感していた季節の移り変わりの感覚が失われてきているのを感じる。通勤途中の駅のホーム脇では、数本の桜が満開だったよ。でも、誰もそちらに顔を向けている人は居なかった。

寮内には新人さんの明るい奇声が響いてます。仲良くなるの早いね。ほんとに。
そういえば、2年前の自分は今よりちょっと余裕が無くて、周りから聞こえてくる同期の声におびえる毎日だった。あれからもう何時の間にか2年が過ぎたようだ。だいぶ慣れたのかな。溶け込めそうもなかった同期とはそれなりに仲よくなったし。

何がいいたいのかわからないけども、自分は、2年の間に何か変われたのだろうか。

リトル・ブラザーズ

東浩紀さんの「環境情報論」を読んでいる。

序盤部分は2002年あたりに雑誌掲載された文章だったりするので、少し現状と合っていない部分もある。個人情報転用に関する法的規制が無いとか。(個人情報保護法の公布は2003年)

ところで、僕の実名を入力してgoogleで検索すると、何年か前のニュース記事のURLが表示される。その記事の中では、僕と同姓同名の人物がつまらない犯罪を起こして逮捕されている。犯人の年齢は記事を見る限り恐らく僕と大差ない。名前と年齢層が同じであり、しかもそれほどありふれた名前ではない。
誰かが犯人=僕であると勘違いすることも考えられる。仮に勘違いしなかったとしても、第三者には犯人≠僕であることを立証する手段がない。検索結果から疑いを少しでも抱いたら、その疑いを払拭することはできない。

企業の採用試験を受ける際に、犯罪者の可能性がある人物を敢えて採用するだろうか?初めて会った人に犯罪者かもしれない、と警戒される可能性はないだろうか?

僕は検索エンジンで被った”イメージの悪化”という被害を立証することもできず、回避することもできそうにない。

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

・・・ごめん、実はあんまり気にしてはいないんだけど、この本読んでたらちょっと怖くなったわけで。

15歳の頃だっていろいろ大変だったのに、2X歳の自分はそんなことはすっかり忘れてしまっているので、無責任に「子供の頃は良かったなぁ」とボヤいているわけですよ。過去に頑張ってた自分を認めずに「今が一番大変だ」なんて、昔の自分に失礼だよね。



プラネテス小説版は、漫画原作中で木星往還船計画を阻止しようとしたテロリスト、ハキムが主人公。ハキムがどのような経緯でテロ行為を行うようになったのか、経緯がよくわかる。彼の行為には彼なりの理由があり、そしてその信念に至った多くの経験がある。。
普段、僕らは「XXXXで自爆テロ、YY人死傷」といった理不尽な暴力の結果でしか「テロ」を認識していない。テロリズムが当り前に起こる世の中では、そんなニュースは数十文字の文字列が画面に数秒表示されるだけだ。「テロリスト」の考え方にフォーカスがあたることはまずないし、ましてや自爆した一人の人間の考え方などに注意が払われることもない。
ただの小説ではあるのだけれど、読み終えるとハキムの行為を「テロ」という呼び名で呼ぶことに抵抗を感じてしまう。恐らく、それは全てのテロリストの行為に対して共通に感じうることなのかもしれない。

仮に共感できる部分があったとしても、被害者にはなりたくないんだけどさ。

推定少女 (ファミ通文庫)

推定少女 (ファミ通文庫)

家なき鳥、星をこえる プラネテス

家なき鳥、星をこえる プラネテス

ノーベル賞受賞者の精子バンク

知能が高ければ、その人は優れた遺伝子を持っている。そういえるだろうか。
そもそも、優れた遺伝子って何だろう?遺伝子という名前を持つ以上、遺伝させること・もしくは遺伝することが目的と推測はつく。そう考えると、人類全滅後もタフに生きてそうな昆虫とか微生物の方が人間より優れた遺伝子を持っていることになる。
ミミズは5億年の歴史を持っている生き物なそうだ。誕生間もなくして前途に暗雲が立ち込めてる人類より、はるかに優れた遺伝子を持っているのだろう。

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全ての遺伝子は等価値だと思う。
ある個体は力が弱く頭も弱いが、密かに特定の病気への耐性を持つ。また、ある個体は小さくていつもは虐げられているけれど、少ない食糧でも生き残ることができる。いろんな特徴の個体が集まって、その種の存続確率を高めている。そしていろんな種が集まって、生物自体が存続する可能性を高めている。

無宗教ではあるんだけど、たぶん僕が死んだら何かの宗派のやり方にしたがって火葬されて埋められる気がします。ということは、たぶん僕は無宗教じゃないんでしょうね。

TVのニュースでばかり見ていると、新しい宗教団体なんて危険な香りがするけれど、なんとなく、どこの宗教もそれほど悪い物じゃないように思えた。もしかしたら、今生まれたばかりの小さな宗教が、遠い未来で多くの人々を支えていく日が来るのかもしれないね。

関係ないけど、3大宗教の概要くらいは掴んでおきたいなぁ。教養として。