情熱の種火
システムエンジニア 生き残りの極意
もうかれこれ10日以上も燃え続けている山火事のようなコチラのコラム
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/minagawa/2010/04/post-ebc4.html
記事の内容が意味不明なのも問題なんですが、せっかく自分が35年定年説を余裕で乗り越えて生き延びている一流SEと思ってのんびり楽しく暮らしているお年寄りをみんなでよってたかって叩くのもいかがなものか、と思ったりします。
とはいえ自分に利害関係がある範囲にこんなキャラが出現したら全力で叩くか、自分が辞めるかすると思いますが…
このコラム全体のタイトルが
「システムエンジニア 生き残りの極意」
個別の記事の内容はともかく、過酷な状況に置かれることもままあるシステムエンジニアがどうやって生き残っていくか、は大事な問題だと思うので、思うところを書いてみたいと思います。
(そもそも僕自身が生き残っていけるのか、というところから既に怪しかったりするのですが)
仕事を好きになる
大げさな前振りしておいて恐縮なんですが、結論は単純かつありきたりで、
「仕事を好きになること」
システムを作る技術はとても不安定で、どんどん変わっていくので、われわれは常に勉強し続けることを宿命づけられています。要求仕様といっても雲をつかむような話で、自分たちがお客様のために何を作ったらよいのか?を定義するためには、様々な Social な能力が要求されます。
そういうことをただ大変だとかつらいとかだけ感じているようでは、とっても続きません。
3日で鬱になります。
大体、この厳しい世の中、好きでもないことをやって競争に勝っていけるほど世の中甘くはないです。
情熱の種火
これだけだとあんまりお粗末なので、仕事を好きになるにはどうしたら良いのかについてもうちょい掘り下げて考えてみます。
仕事を好きになるということは、ただ指示された事をやるだけでなく、自分で勉強して努力して、システムを作り上げるのに必要な能力を高めることに情熱を持つ、ということだとぼくは思っています。
この情熱さえあれば、たとえ自分の能力が足りなくて不遇をかこつことがあっても仕方がないとあきらめがつくし、それで簡単に潰れてしまうことはないです。
この情熱をどうやって獲得するかが、社会人1-3年目くらいの若いシステムエンジニアが抱えている課題なんだと思います。
ずっとコンピュータに興味があって、情報系の学部を出て、この業界に来ているひとはいいんです。
そういう人は既に情熱を持っている。
問題は何の前提知識もなしに、右も左もわからずこの業界に来た人々。昔の僕もそうでした。
ここでは、そういう人たちが、この業界で生き残っていくために必要な情熱の種火となり得ると僕が思っているものを2つ挙げたいと思います。
種火A: 憎い上司や先輩
あなたの周りに殺したいほど憎い上司や先輩はいませんか?
いたらチャンスです!
彼を凌駕する成果を上げ、見返してやりましょう!
とはいえ、あなたより経験で勝る敵と、同じ土俵で戦うのは得策ではない。
彼が不得意な分野を見つけ、知識とスキルを磨き、業務に生かして先輩を見返しましょう。
今みたいに技術の潮目が変わるタイミングは下克上のチャンスです。
そんな気力がわかない?それはあなたの憎み方がまだ足りないのです。
若いうちはネガティブな感情をモチベーションにするのも良い。
別に人を殺そうとか、法に触れることをやろうとしてる訳ではないので、遠慮なく憎みましょう。
くれぐれもあなたの憎しみを敵に気取られないように注意しましょう。
敵は社内であなたよりも力を持っていることを忘れずに。
小猾く立ち回って裏をかきましょう。
種火B: 尊敬できる上司や先輩
あなたの周りに知識と経験と人格を兼ね備えたすばらしい上司や先輩はいますか?
いたら、あなたは幸運です。その人のマネをしているだけで、システムエンジニアとしての良い習慣が身に付き、仕事の面白みがわかってくるでしょう。
彼が知識を手に入れるやり方に注目し、それをまねしましょう。
彼がくれた魚を食べるのではなく、彼が魚を釣るやり方に注目するのです。
彼と周囲の人々との間に築いている人間関係に着目し、自分も同じような関係を築くにはどうしたらよいか考えましょう。
第3のケース
あなたの先輩が、すばらしい知識と経験を持っていながら殺したいほど憎らしい奴だったとしたらどうしたらよいでしょう?残念ながら、ぼくはまだこのケースに対処する答えを持っていません。
ただ、経験上、そんなフリーザ的キャラクターの上司や先輩に遭遇するのはかなりレアであると思われます。もしあなたの周りにそんな人がいたら、ぜひ僕に教えてください。興味があります。
それでも火がつかない
残念ながら、この仕事には適性というものがあり、情熱をもって取り組める人は限られているというのが現実です。また、いまの教育と就職の仕組みでは、就職する業種に対する適性を正しく知る事は、学生自身にとっても人事にとっても極めて困難な事です。
だから、もし自分が仕事を好きになれなくても、何も恥じる必要はありません。
なるべく早く、人事に相談して職種を変えてもらうか、転職することをお勧めします。
人生は限られています。嫌なことを世間体のために無理に続けて消耗するよりは、何もしないほうがずっと良いです。
ぼく自身のこと
早いもので、ぼくも先輩よりも後輩の方が多い年齢になりました。
ぼく自身は、若い人たちにとって、情熱の種火たる存在でありたいと願っています。
あなたにとって僕が種火Aだった場合
どっからでもかかって来てください。全力で潰します。
あなたにとって僕が種火Bだった場合。
あなたの尊敬の念をあなたの心の中だけにしまっておく必要は全くありません。
周りの人にぼくがいかにすばらしいエンジニアであるか、について吹聴してまわりましょう。
…そんな小さい人間であるところのぼくが言う事なので、適当に聞き流しておいてもらえると幸いです。