昧爽起床。風雨強し。
朝食に昨日買ってきたドーナツを食う。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトピアノ三重奏曲第二番 K.498 で、演奏はサバディ、オンツァイ、グヤーシュ(NMLCD)。実直で地味な、これで充分な演奏。自分(たち)は才能ある演奏家なんだぞ、みたいな衒いがまったくなく、気持ちがよい。いわゆる「ケーゲルシュタット・トリオ」で、もともとクラリネットヴィオラ、ピアノという特殊な編成だが、ここではクラリネットの代わりにヴァイオリンで演奏されている。
ブラームス交響曲第四番 op.98 で、指揮はリッカルド・ムーティフィラデルフィア管弦楽団NMLCD)。マジメで、ダサく、古くさく、田舎くさいブラームスが大好きだ。また、ムーティの演奏がとってもいい。でもね、古くさいっていったって、ご存知のとおり、シェーンベルクに「進歩主義ブラームス」って論文があるし、晩年の武満さんも、ブラームスを認めていたんだぜ。まあ、ブラームスの「新しさ」を強調するつもりはなくて、ブラームスはそこからいろんな方向へ行ける十字路なのであり、バッハやベートーヴェンの方へ行ってもいいし、現代音楽、人文学、あるいはアニメへすら行けるんだと、わたしは思う。
ベートーヴェン交響曲第三番 op.55 「英雄」で、指揮はチャールズ・マッケラススコットランド室内管弦楽団NMLCD)。マッケラスという天才を聴け。
 
 
昼。雨あがる。
ウチの桜開花。残念ながら、コンデジのピントがうまく合わず撮れない。去年の開花は 3.19 なので、他でもいわれているように、今年はだいぶ遅い。
 
松田聖子/一千一秒物語 | YouTube
先日その一部が頭に浮かんで、いったいなんだっけってなった曲。詞をよく吟味して(?)曲名を思い出した。1981年のリリース、わたしは中学生か(松田聖子のたぶん最初の4枚のアルバム、カセットテープでもっていた筈である。いまなら高く売れたかも)、若い頃の記憶力はすごいな。詞は松本隆、曲は大瀧詠一で、もちろんイナガキタルホをイメージしているわけである、高級ですな。なんたって「空にペイパームーン/銀のお月様」ですよ。
 
 
いい天気で外気21℃と、車内は陽射しで暑いくらい。珈琲工房ひぐち北一色店にて、種村季弘訳のシェーアバルト『小遊星物語』の続きを読む。承前。いい季節になって、コーヒーを飲みながら読書していると、眠くなってくる。あまり集中できず、70ページほど読んで切り上げる。外は青い空に白い雲、になってきた、もう春も闌(たけなわ)だ。
 

光の方向が変わって、開花した桜をなんとか撮れた。

まだオトメツバキ。

李琴峰『肉を脱ぐ』

未明起床。曇。
 
昼寝。
 
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。家族の分 6個と、わたしのはエンゼルクリーム+ブレンドコーヒー。祇園辻利とのコラボのせいだろう、列が出来てめっちゃ並んでいた。わたしも家族の分のうち 4個はそのコラボ商品。
 全部でドーナツ 7個買ったわけだが、店の人が「8点ですね」というので、アレ、7点じゃないのというと、コーヒーの分もですと返されて、ああ、ごめんなさいと納得笑。
 図書館から借りてきた、李琴峰さんの『肉を脱ぐ』(2023)を一気に読み切る。じつに不愉快の詰まった長篇(いや、中篇かな?)で、おもしろかったというのは変かも知れないが、でも、おもしろかった。
 いままで読んだ李琴峰さんの小説とはちがい、ネガティブな話。主人公はレズビアンで、SMショーを実体験してみたりという描写はあるが、それは(いままでとちがい)本作ではあまり重要ではないと思う。主人公は会社勤めをしながら小説を書いているという設定だが、なにより自分の肉体性が不愉快な人として描かれている。肉体は魂の牢獄、という感じで、反出生主義的なところもあり、とにかく生きるのが不愉快でしかたがない。
 駆け出しの(売れない)小説家として、エゴサをして不愉快になったり、他人が評価してくれなくて不愉快になったり、他人と自分を比較して不愉快になったり、果ては SNS でトラブルになる。ラストの描写はちょっとわかりにくいが、バッドエンドであることは確かだろう。
 なんでこんな陰気な小説がおもしろいのか、よくわからないが、読ませる筆力のせいもある。しかし、著者はマイノリティ(の苦しみ)を描きながら、基本的にポジティブな人、いや、ポジティブな小説を書く人だと思ってきたので、そこはちょっと気にならないでもなかった。主人公は、これまで生きてきて、シンプルに楽しかったことが何もなかったかのように、読める。容姿も凡庸、能力も凡庸。そして、他人と自分を比較して苦しんで、嫉妬したり、そうやってネガティブ・スパイラルに陥っていく。確かに、いまのネット時代、これは我々に避けられないことなのかも知れない。わたしも、この負のスパイラルから、どうやって脱出したらよいのか、よくわからないのだ。その意味で、現代的な小説といっていいのだと思う。

まあ、刺激というもののほとんどない田舎で家族とだけ暮らすわたしには、関係ないような東京の小説だが、それでもおもしろかったのは不思議だな。なんか、活を入れられるような感じもする。李琴峰さんはもっと読むつもり。
 
帰り、雨になる。肉屋、ガソリンスタンドに寄る。
 
世の中、かわいくてエロい女の子に満ちていて、男はバカだからそういうのが好きだが、それが多くの女性を苦しめている。これって、誰が悪いの? 我々バカな男が悪いの? フェミニズムはそれを「ルッキズム」と名付けて、差別だと糾弾する。わたしのようなバカな男にも、それがわからないことはない。で、どーすんのさ。むずかしすぎて、わたしなどはどうしていいかわからない。
 

 
夜。雨強し。
【主題歌解禁】TVアニメ『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』本予告/2024.04.01 25:30~ ON AIR | YouTube
うーん、『狼と香辛料』リメイク版、観るかどうか微妙だなー。ホロは萌えキャラじゃないんですけど。3期作ってくれれば、よかったのに。海外でたいへんに人気のある作品だから、それを当てこんでいるんだろうけど。
 
『葬送のフリーレン』第11話まで観る。うん、うろ覚えでああこんなだったかと思い出すけれど、原作よりいいな。魔族との初めての本格的な戦闘がおもしろかった。中二病的なのじゃなくって、地味で大袈裟でないのがこの作品らしい。でも、タイトル回収のところは震えたね。これ、いい作品。YOASOBI の OP曲も毎回楽しみ。

タラの芽はうまいが、何がうまいのかわからない

晴。
よく寝た。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトピアノ三重奏曲第一番 K.496 で、ヴァイオリンはヴィルモーシュ・サバディ、チェロはチャバ・オンツァイ、ピアノはマルタ・グヤーシュ(NML)。三日前にピリス、デュメイ、ワンで聴いたせいで、この曲が頭に残っていた。過不足ない、ごくふつーの演奏で、これに至るまで NML を結構探した。ハンガリーの堅実な音楽家たちという感じで、この中ではマルタ・グヤーシュ(ハンガリー人なので、グヤーシュ・マルタの順に表記すべきかも知れないが、いちおう NML のそれに従った)がピアノ教師としてわりと検索に引っ掛かる。たぶん、有名な演奏でも何でもないと思うが、よかった。

 
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番|メナヘム・プレスラー、パーヴォ・ヤルヴィ、パリ管弦楽団 | YouTube
メナヘム・プレスラー(1923-2023)、全然知らないおじいさんだ、指もちょっと回っていないところがある。でも、絶品モーツァルトだ、高評価1万超えも納得。たぶん、現代音楽とか、あまり弾いたことがないんじゃないか、オーソドックスで、自分の芸術を大切に磨いてきて、玲瓏玉のごとくなった、というすばらしい例である。若い人は、こういうのを退屈っていっちゃあ、いけないんですよ。
 パーヴォ・ヤルヴィは現代の人気指揮者の中で、わたしは好感をもっている。ここでもきちんとモーツァルトが振れていて、プレスラーを温かく包んでいるのが好ましい。2012.10.17 のライブ録音。
 そうか、メナヘム・プレスラーさんはボザール・トリオの設立者か。じゃあ、全然知らないわけじゃなかったな。99歳まで長生きされた。庄司紗矢香とのデュオ・アルバムがあるんだな、NML には入っていないが。
 
 
すごくいい天気。ウラの紫の木蓮が蕾いっぱいで、少し咲き始めている。庭のムスカリもきれい、チューリップがにょきにょき立っている。庭や畑が花だらけになってきた。
スーパー。近くの早い桜(エドヒガンか?)、咲く。
ツバメ来る。毎年いちばん早い場所で見かけた。うれしい。少しずつ、季節が進んでいく。
 
昼。
県営プール。日野の岐阜環状線から鵜飼い大橋を渡り、長良川沿いに下るルート、好天ですばらしい景色。眼で撮影できたらなと思う。

上は岐阜メモリアルセンター駐車場脇の通路から。外気18℃、泳いでいていい気持ち。
 プールから出てポカリスエットを買おうと自販機のボタンを押したら、伊藤園の特濃コーンポタージュが落ちてきた。まちがったのを押したかと思わず見返したが、そもそもこの商品はここで売っていないのである。まあ、なんだか知らないけど、当たりだと思おう。ポカリスエットを買い直す。
 
75分散歩。

ウチのムスカリ(青)とハナニラ(白)。

ウチの木蓮

畑の上の電線で一日中ぴいぴい鳴き続けるモズ。子どもらしい。

鷺(サギ)。

ナズナ。いわゆるペンペン草。

道路が通るとなくなる風景なので、いまのうちに目に収めておく。

ヒヨドリ

ムスカリ

タンポポ

オキザリス、らしい。


菜の花。


ネモフィラ

左奥の小高いのは前一色山。





世界が美しく、とてもカメラには入らない。
 
夜。
プールへ行った上に強風の中を散歩したので、花粉症がひどい。
 
夕飯に鱈(タラ)とタラの芽の天ぷらを食う。タラの木が庭に生えていて、その「芽」は旬の味。もちろんうまかったのだが、タラの芽の「うまさ」って何だろうねって話になる。例えば、甘いわけでも、旨味成分があるわけでもない。たぶん、子供にはわからないそれだろう。
 
早寝。

こともなし

昧爽起床。強い雨
 
昼前、妹一家来訪。
近くのスシローのテイクアウトで、皆んなで昼食にする。いろいろ喋る、上の甥っ子は就職、下のは大学が決まってめでたく、そんな話を。いや、子供たちが大きくなるのはあっという間だな。こちらが歳を取るのもあっという間。
三時頃にお茶にして、妹一家帰る。雨が上がっていた。
 
長時間、ごろごろぼーっとする。
 
夜。
「ガザに飢えはない」とイスラエル軍、病院には栄養不良の子供たち……ガザ北部への援助ルートを取材(BBC) - YouTube
イスラエルの極右勢力、ガザ地区への再入植を計画(BBC) - YouTube
内戦続くスーダンで相次ぐ性暴力被害、背景にはかつての民族紛争も(BBC) - YouTube
わたしたちには人間の存在に対する共感がない。
 
デイジーワールド Daisy world 細野晴臣 ゲスト 坂本龍一 前編 | YouTube
一時間かけて頑張って聴いた。2000年の放送。なんか細野さん、教授の『B-2 UNIT』に御執心だったな。「riot in Lagos」に打ちのめされたっていってたが、確かにこの曲、細野さんの音楽に似た感じがある。教授は左脳人間だけれど、あんまり右脳を爆発させないでくれって細野さん。かなわないから、って平気で細野さん、いうな。
 番組でいっぱい、坂本さんの曲を流している。『BTTB』の頃らしい。どうでもいいけれど、『ウラBTTB』ってミニアルバムがあって、妹が大昔に誕生日プレゼントとして贈ってくれたのだった。卒然と思い出した。
 坂本さん、菜食主義や断食とか、健康志向に目覚めた頃みたい。陰陽とかもいってる。もう、20年以上前のことだけれどな。

小澤征爾の繊細さ

未明起床。雨。
画期。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルト交響曲第四十番 K.550 で、指揮はチャールズ・マッケラススコットランド室内管弦楽団NMLCD)。飛び抜けている。■バッハの 二つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043 で、ヴァイオリンはヒラリー・ハーン、マーガレット・バーチャー、指揮はジェフリー・カヘイン、ロサンゼルス室内管弦楽団NML)。緩徐楽章がよかった。両端楽章は速めのテンポでちょっとせわしない。

ストラヴィンスキーの歌劇「結婚」(1923年版)で、指揮はシャルル・デュトワNML)。初めて聴く曲だが、混沌としたエネルギーの渦巻く、カオスな作品で、いわゆる「三大バレエ」に劣らない傑作ではないか。正直いって、聴いていないのが恥ずかしいレヴェルだった。歌劇(Wikipedia には「バレエ・カンタータ」とある)ということだから歌があるが、わたしには何語かわからないくらいだし(どうやらロシア語らしい)、話の筋みたいなのはほとんどどうでもよさそうである。デュトワの作る音楽は(知らない曲だけど、わかる範囲で)さすがというしかなく、渦巻くエネルギーをよく現前・統率し、感覚的な喜びも感じさせていた。モダンな音楽を探されている方にはおすすめかも知れない。

ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」で、指揮は小澤征爾ボストン交響楽団NML)。朝日新聞紙上でのインタヴューで、オザワのラヴェルベルリオーズは絶品だみたいなことをデュトワがいっていたが、なるほど、これをデュトワが絶品というのか。デュトワとはまた随分とちがうラヴェルだ。
 小澤征爾には爆発的なパワー、高い集中力、巨大な領土、躍動するリズムと共に、いわくいいがたい繊細さが常にあるように思える。小澤の音は、決して固くなく、いつもどこかやわらかだ。それを、日本的といって、まちがいではないのではないか。そういう(繊細なる)点で、小澤のフランスものを高く評価する人が多いのかも知れない。もっとも、「小澤はフランスもの」だけを強調するのは、固定観念であって、ドイツものも現代のもの(盟友だった、武満徹!)も、もちろんすばらしい。
 そして日本人に小澤征爾をけなす人がひどく多いのは、日本人に強い嫉妬気質だけでなく、その「日本的な」やわらかさ、繊細さを、よく知っているものと見くびるせいではないか、とわたしは思ったりする。小澤征爾には、まちがいなく(よい意味で)ナイーブなところがあった。朝日新聞吉田純子さんは、確か「泣き虫マエストロ」なんて、書いておられたように覚えている。
ラヴェル:ボレロ

ラヴェル:ボレロ

  • アーティスト:小澤征爾
  • ユニバーサル ミュージック
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モズの子だろうか、雨の中でしきりにぴいぴい鳴いている。餌をねだっているのだろうか。
 
昼。
ごろごろぼーっとする。
 
YOASOBI「祝福」Official Music Video (『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ) - YouTube
 
小雨の降る中、イオンモール各務原へ。何のせいだろう、フードコートはえらく混雑していて、かわいいおしゃれな制服を纏った中学生たちなんかが、やたら、目につく。このあたりの我々田舎者は、イオンモールへおしゃれして来るのだ(わたしは全然おしゃれでないが)。
 ミスドポン・デ・リング プレーン+ブレンドコーヒー451円。パウル・シェーアバルトの『小遊星物語』を読み始める。訳者は種村季弘さんで、平凡社ライブラリー所収だが、オンデマンド・ペーパーバック版というやつで、注文してから印刷・製本するというそれである。
 まったく存在の無用な小説で、種村さんの面目躍如という感じであり、どことなくイナガキタルホっぽい。ちょっとめんどうなことをいえば、ナンセンスなモダニズム小説、ということになろうか。太陽系の小遊星、パラスにおける、宇宙人たるパラス人の物語。彼らは全然、人型宇宙人ではないみたいだ。ジャンプして他の星へいったり、星に塔を建ててみたりする。
 フードコートはうるさいうるさい、全体でワーンという音のかたまりのよう。その中で、無用な小説を集中して読む快楽。第14章(184ページ)まで読む。
 広いイオンモール内を散歩したり。写真でも撮りたいような気がするが、館内は撮影禁止とあるので、おとなしく従う。
 いつもとちがう出口から出る。いまだ小雨。
 

 
一日経つの、ほんとに速いな。あっという間だ。
羽海野チカ3月のライオン』第17巻を読む。
 
夜。
『葬送のフリーレン』(2023)第6話、シュタルクのパーティ参加まで観た。わたしとしては原作の方を先に読んでいるというのはめずらしいのだが、原作よりおもしろいかも。原作の坦々としたところもよく出ているし。いきなり第1話からボロ泣きさせられてどうなることかと思った。
 YOASOBI が OP曲を手掛けるなど、話題になったな。「勇者」はさすがの曲、聴かせる。覇権狙いは YOASOBI って、そんな流れにすらなりつつある。全28話の長丁場。

こともなし

日曜日。曇。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトのディヴェルティメント 変ロ長調 K.254、ピアノ三重奏曲第一番 K.496 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、チェロはジャン・ワン、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNMLCD)。名手たちの肩の凝らないモーツァルトを、音量を絞って聴く。特にピリスはいわば凡庸の(女)王だな。超一流としての凡庸。もちろん凡庸といったって、めったにできるものではない、というか、彼女以外に可能でない。わたしはピリスをずっと聴いてきたし、これからもたぶん聴くだろう。
 
八十年代は精神の商品化、コンテンツ消費の濫觴だな。って、別にめずらしい考え方でも何でもないけれど。
 
グリーグのヴァイオリン・ソナタ第一番 op.8 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNML)。

シューマン交響曲第三番 op.97 で、指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。1971年の録音。熊倉優+N響の同曲を昨日聴いたので、なんとなく他に誰かの演奏で聴いてみたかった。いやー、かつての日本の批評家がカラヤンを理解しなかったって非難されるけれど、ムリもないよね。だってカラヤン、あまりにも巨大で中身が詰まってるんだもん。たぶん彼らは、非常識的な音楽を聴いて、あたまがくらくらしちゃったんじゃないかな。でも、いまだって事情は大差ないよねって、わたしは思う。
シューマン:交響曲全集

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昼。時雨れるというか、冷たい雨。
図書館。
コメダ珈琲店各務原那加住吉店にて昼食。いつものミックストースト+ブレンドコーヒー1160円。ホッとするな。おいしい。
 
長時間ぼーっとする。
 
モーツァルト/ピアノ協奏曲 第24番|北村朋幹 - 熊倉優 - NHK交響楽団 | YouTube
昨日シューマンがよかった熊倉優の指揮する K.491 の動画を見つけたので、聴いてみた。シューマンのときも思ったが、この人の棒でN響から目の覚めるような、フレッシュな音が出てくる。解釈とか何とかいうよりも、それがとても印象的で、すばらしい。
 北村朋幹(わたしはまったく知らない)のピアノは、才能を感じないことはないが、とにかくモーツァルトに合っていない。カデンツァや、付けている装飾音から、ロマンティックな音楽を得意としていると推測できるが(K.491 はモーツァルトの中では確かにロマンティックにも演奏できそうである)、特に第一楽章がひどかった。演奏会なら直ちに席を立つレヴェルである(実際にそんなことはしないが笑)。(第二、三楽章はそれなりに聴けた。)実際、アンコールのリスト「ワレンシュタットの湖で」(「巡礼の年 第一年 スイス」から)は悪くなかった。ただ、もし世界を目指しているというのなら、この程度のピアニストは掃いて捨てるほどいると思う。がんばってほしい。
 追記。北村朋幹(1991-)、はてなブログタグでも、Google検索でも結構引っ掛かる。なるほど、日本で期待されているピアニストなのだな。まだまだ先は長いよ。
 
夜。
備忘録。マウリツィオ・ポリーニ死去。享年八十二。
とうとうポリーニも死んだか。浅田さんが若い頃、「最後のピアニスト」と呼んだポリーニグレン・グールドと共に、わたしの出発点のひとつだった。ポリーニはいつ頃からか、壊れてしまい、豊かな晩年を送ることはできなかった。これで、わたしの音楽家というべき人は、ほぼすべて死んでしまったな。残るは細野さんくらいか。

阿部和重『Deluxe Edition』

昧爽起床。雨。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルト交響曲第四十一番 K.551 で、指揮はチャールズ・マッケラススコットランド室内管弦楽団NMLCD)。すごい、唖然。終楽章でボロ泣きした。
 
シューマン/交響曲 第3番「ライン」|熊倉優 - NHK交響楽団 | YouTube
N響の弦セクションの澄み切った美しさが堪能できる好演。N響の弦、これだけで聴く価値のある、一流ですよ。全体として引き締まった演奏、わたしの能力ではわからないが、もしかしたらマーラー版かなと思う。
 特に第一楽章が、ちょっと鳥肌が立つレヴェルですばらしかった。第二、三、四楽章は、悪くないが、わたしの好みとしてはもっとたっぷりとした膨らみが欲しい感じだった。終楽章も悪くないんだけれど、これは若さなのかな?最後盛り上がるところは、それを意識してしまって明らかにギアを変え、雑になったのが残念、ここは流れのままにいって欲しかった。
 というように、100%肯定とはいかなかったが、とにかく深さがシューマンに到達しているだけで好印象。これは決して当たり前のことでない。熊倉優という人は全然知らないが、悪くなかった。2023.7.21 のライブ録音。
 
NHK+ で「クラシック音楽館 N響第2000回定期公演」を少しだけ視聴する。マーラー交響曲第八番で、指揮はファビオ・ルイージNHK交響楽団で、2000回定期という画期で話題になったもの。曲の冒頭の数分を聴いたが、特に新鮮さはない感じで、聴き続けられなかった。これまでファビオ・ルイージを聴いたことはないと思う。
 
モンポウの「歌と踊り」〜No.5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12 で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NMLCD)。ヤナーチェクで感心し、いまは少しずつモンポウを聴いているオレナ・クシュプラー。前にも書いたとおり、ほとんど無名のピアニストだと思う。彼女は真にマイナーなピアニストだ。その形容に貶下的なコノテーションはない。わたしなんかには彼女が一流ピアニストかはわからない。でも、わたしのごとき平凡なメジャー人間ばかりの世の中だったら、世界はとてつもなく退屈だろう。もっと世界にマイナーを!
 

 
強い雨の中、スーパー。五倍ポイントの日でめっちゃポイント付いた。外気4℃で冬並みに寒い。
帰ってきたら僕の部屋の外の引き込み線にモズ君が留まって、しっぽをピコピコ動かしていた。なんとなく愛嬌がある鳥だな。
 
昼。
U-NEXT で『フラッシュダンス』(1983)を観る。ダンサーを目指す独学少女のサクセスストーリー(の始まり)をドラマにするという、まあベタなエンタメで、下らないというほどでもないけれど、自分にはアニメの方がマシかな。僕の中学生のときの大ヒット映画で、名前は知っていたので観てみた。主題歌の「フラッシュダンス~ホワット・ア・フィーリング」(アイリーン・キャラ)も大ヒットしたもので、わたしでもよく覚えていた。
 いま観るといろいろ古くさく、ファッションもダサイが(って俺がいうかよ笑)、またわたしはフェミニストなどでないただの昭和のおっさんだけれど、性の扱いも、これは令和のいまならあり得ないだろうと思う。ただ、主人公の女の子を演じたジェニファー・ビールス(わたしはまったく知らない)に初々しい魅力があるのは確か。とにかく話はテンプレどおりというか、しょうもない。94分と短めなのは助かる。

 
なんか寒すぎる。熱いインスタントコーヒーを飲む。ポッキーの「冬のくちどけ」。
 
図書館から借りてきた、阿部和重『Deluxe Edition』(2013)読了。チープ極まりない強度マックスのゲンダイブンガク。こういうのは田舎者には疲れるなあ。 
 
夜。
【第1弾】「平山という男は、どこから来たのか」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー_『PERFECT DAYS』 | YouTube
【第2弾】「フィクションか、ドキュメンタリーか」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー_『PERFECT DAYS』 | YouTube
【第3弾】「物語が壊してしまうもの」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー『PERFECT DAYS』 | YouTube
【第4弾】「観客自身を、平山にする」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー『PERFECT DAYS』 | YouTube
【第5弾】「小津が、そこにいる」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー『PERFECT DAYS』 | YouTube
【第6弾】「どう撮ればいいのかわからない、それが理想」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー『PERFECT DAYS』 | YouTube
一時間あまりかけて全部観た。映画で平山が畳の上に濡れ新聞をちぎって撒いて箒で掃くシーンがあるが、あれ役所広司のアイデアだったのか。ヴェンダースは、あそこで何が起きるかまったくわからなかったといっているな。
『PERFECT DAYS』役所広司、演技を語る<ロングver> | YouTube