先週買ったCD #186:2024/05/13-2024/05/19

 
2024/05/13: tower.jp
Emahoy Tsege-Mariam Gebru 「Souvenirs」 \2750
 
2024/05/13: ヤフオク
St. Christopher 「Lost At Sea」 \4200
 
2024/05/13: diskunion.net
赤い公園 「The Last Live 「The Park」」 \22250
Gabor Szabo 「Jazz Raga」 \1500
 
2024/05/14: ヤフオク
The Railway Children 「The Radio One Evening Show Sessions」 \1800
 
2024/05/15: www.amazon.co.jp
The Killers 「Hot Fuss」 \364
 
2024/05/16: diskunion.net
The Killers 「Sawdust」 \480
Iron Maiden 「Killers」 \1600
The Cult 「Sonic Temple」 \3850
Bob Merley & The Wailers 「Burnin +17」 \1500
 
2024/05/16: www.amazon.co.jp
羊毛とおはな 「Live In Living 13」 \1899
 
2024/05/17: www.amazon.co.jp
Action Painting! 「Trial Cuts (1989-95) \704
 
2024/05/18: www.amazon.co.jp
Jeanette 「Porque Te Vas」 \1537
 
2024/05/18: DiskUnion 神保町店
Clarence Carter 「The Dynamic」 \680
(V.A.) 「Return Of Jazz Funk: Killer Jazz Funk From Groove Merchant Vault」 \580
 
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St. Christopher 「Lost At Sea」
 
St. Christoper のことを知ったのは学生時代だった。
「There And Back Again Lane」というコンピのCDを
たぶん、国立の DiskUnion で見かけてジャケ写買い。
ヨーロッパかどこかの山奥、吊り橋をモチーフにした美しいジャケットだった。
『Sarah Records』というイギリスのインディー・レーベルのコンピレーションだった。
主にネオアコ系、ギターポップ系かな。
 
収録アーティストの中にはレーベルを代表する
The Field Mice / Heavenly / Blueboy / The Hit Parade といった名前があった。
Sarah Records は1980年代後半に立ち上げて1990年代半ばまでの運営となるため、
Aztec Camera や Orange Juice といった初期ネオアコとは少し雰囲気が異なる。
ひたむきな開放感のある、手作りのシンプルさのあるレーベルというイメージが僕の中にある。
「There And Back Again Lane」は1995年の発表。
おそらく、レーベルを閉じるにあたっての総括的な意味合いがあったのだろう。
 
その中で2曲、忘れられないものがあった。
The Orchids ”Peaches”
St. Christopher ”All Of A Tremble”
 
The Orchids はその後すぐ、
「Epicurean (A Soundtrack)」というベストアルバムを見つけることができた。
Sarah Records には
「Lyceum」(1989)
「Unholy Soul」(1991)※上記の”Peaches”を収録
「Striving for the Lazy Perfection」(1993)
という3枚のアルバムを残した。どちらも名盤。
ネオアコから出発して、後にダンスビートに接近した。
 
St. Christopher はなかなか他の作品を見つけることができなかった。
Sarah Records を出てからの「Ce Soir」(1995)をたまたまどこかで見つけただけ。
 
10年ぶりぐらいに思い出して、また聞きたくなって調べてみたら
Sarah Records の音源を集めたアルバムが出ていることを知った。
「Lost At Sea」
2007年、ペルー出身でマイアミ在住のオーナーによるインディーレーベルだという。
こういうリリースはほんとありがたい。
 
シングル曲は全て網羅しているのであろう。
”You Deserve More Than A Maybe”
”All Of A Tremble”
”Antoinette”
”Say Yes To Everything”
そして Sarah Records から唯一発表されたアルバム「Bacharach」(1990)
バート・バカラックへの憧れからつけられたタイトルだろう。
(その後彼らは Vinyl Japan などのレーベルで発表している)
 
”All Of A Tremble”が名曲だとして、やはり他の曲もいい。
空間のつくり方がよい。
どこか神秘的で、彼らは音楽を通じた先にある異世界を知っている。
単なるネオアコ、単なるギターポップではない。
その音から見える風景に僕は
ピーター・ウィアー監督の『ピクニック at ハンギング・ロック』を思い出した。
少女たちの、幻想的な、罪悪と、ためらいと。
 
この「Lost At Sea」のヤフオクで4,200円。
高いけど致し方なし。
他のアルバムも入手が難しいものと投げ売りされているものとで二分されているようだ。
時の流れに埋もれさせるのはもったいないバンドだと思う。
 
「Ce Soir」を聞き返す。真摯なライヴアルバムだった。
「There And Back Again Lane」も聞き返した。
Action Painting! というポストパンク的なバンドの ”Mustard Gas” という曲がよかった。
このバンドの Sarah Records の音源を集めた「Trial Cults(1989-95)」を取り寄せる。
なかなか、いい。
こうなってくると BlueBoy など他のバンドも聞いてみたくなってしまう。

身辺雑記:05/13-05/19

05/13(月)
 
明け方から雨で目を覚ます。
7時前起き。
クッション腹筋、エアロバイク。
オードリー、虎に翼、こころ旅は再放送の青森。
朝風呂、コーヒー、レモン酢。
妻の弁当を作る。卵焼き、ソーセージ。
 
朝、チーム内のミーティングがひとつだけ。
気楽に過ごす。
昼、妻の弁当と同じおかずで。
卵焼き、ソーセージ、きんぴらごぼう
頂き物のワサビ味噌を添える。
ライフに買い物。ずっと小雨が続く。
 
17時からこころ旅。
近畿地方のある場所について』を後半、一気に読む。
これは面白かった。
 
酒場放浪記。
夜はサラダと、北海道の店で買った、たらこご飯の素を使って。
バター風味でなかなかおいしい。
月曜から夜ふかしを見て寝る。
 
大学時代からの恩師から本が届く。
売るにはどうしたらいいかという相談と共に
 
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05/14(火)
 
7時前起き。晴れ。
オードリー、虎に翼、こころ旅は再放送の青森。
朝風呂、コーヒー、レモン酢。
午前中内部の打ち合わせをいくつか。
編集学校回りなどのメール。
 
13時を過ぎて家を出る。
仕事のつながりもあって、丸源ラーメンに行ってみる。
駅の南側、公園を行った先、さほど歩かないかなと思ったけど勘違いだった。
練馬春日町の駅に近く、かなり歩いた。
肉そばに味玉と野菜を追加。案外うまい。
 
社長賞の懇親会で豊洲出社。
大学の恩師からもらったロシアのルボークに関する本を読む。
札幌市案件の方たちに会うと、最優秀PJ賞だったと。びっくり。
それもあって懇親会で食べすぎ、飲みすぎた。
ワインをガブガブ飲んだ。
PJの打ち上げに移動しても飲み放題でハイボールを。
 
有楽町線で練馬乗り換えで帰ってくる。
帰りの記憶ほぼなし。
 
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05/15(水)
 
7時前起き。二日酔いで起き上がれず。
オードリー、虎に翼、こころ旅を見てまた布団へ。
10時から打ち合わせ。乗り切る。
終わってまたリビングのソファーで寝る。
昼はうどんを茹でて食べる。
午後、熱が出る。38.3℃
咳と鼻水も。
打ち合わせは後輩に任せる。
こころ旅、中井精也のてつたび。
妻がご飯を作ってくれて食べる。肉を焼く。
20時には布団に入った。
編集学校の師範会議があったが、欠席。
 
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05/16(木)
 
寝ていて何度も悪寒が。
布団と毛布と被って、しばらくして熱い、という繰り返し。
7時前起き。
熱は36.9℃。
オードリー、虎に翼、こころ旅。コーヒー、レモン酢。
10時から打ち合わせ。
この日はいくつか社内の打ち合わせ。
上期の目標設定面談など。
昼、ざるそば。
こころ旅。サラメシ。
夜は妻が買ってきてくれた西友かつ丼など。
22時には寝る。
 
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05/17(金)
 
明け方咳が止まらなくなって眠れない。
7時前起き。
昨日よりはだいぶ良くなったが、咳と鼻水が残る。風邪薬を飲む。
オードリー、虎に翼、こころ旅。コーヒー、レモン酢。
朝会。夕方に顧客との打ち合わせ。それに合わせて後輩の資料を確認。
昼、妻が作ってくれたピザトーストを焼く。
2枚。1枚は黒コショウ、1枚はタバスコで食べる。
夕方の打ち合わせもつつがなく終わって一週間終わり。
こころ旅。
3日ぶりに外出。ライフに買い物。
夜はドライカレーを作った。
新日本プロレス辻陽太後藤洋央紀、とてもよかった。
ツマミになる話を見て寝る。
52破の次の伝習座で使いそうと『別日本で、いい』を取り寄せて読み始める。
校長の本を読むの何年ぶりだろう。
 
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05/18(土)
 
7時起き。だいぶ咳もおさまった。席で寝れない、はなかった。
オードリーを見て荻窪の床屋へ。
四方田犬彦『日本映画110年史』を読み始める。
9時前に床屋に着いたらシャッターが下りていて、10時からだという。
駅前のドトールで時間をつぶして再度店に行く。
叔母さんが骨折して店に立てなくなったのだと。
 
終わってブックオフを覗いて、神保町。
12時に搬入。終わって2冊買う。
DiskUnion でGW中に財布を忘れて預けたままになった買取の査定を受け取る。
1,000円ぐらいかなと思いきや3,000円を超えた。ありがたい。
ソウルの中古CDを2枚買う。
まんてんでカツコロ。
半蔵門線で渋谷へ、乗り換えて自由が丘。
 
eavam展の選書に値札スリップを挟んで箱詰めする、
何者かからの手紙の売れたのを補充するなど。
編集学校の後輩が来てくれて山のように買ってくれた。
もう一人、閉店間際に。
横山さんの組み木が売れる日だった。
 
閉店後、PASSAGE棚主仲間の縁で Podcst 『独立後のリアル』にゲスト出演、
店の中で収録。一時間ほど話す。
終わって前から気になっていた餃子系居酒屋。安かった。餃子もうまい。
結局ハイボールと生ビールを飲んだ。
帰ってきて午前0時過ぎ。
シャワーを浴びて寝る。
 
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05/19(日)
 
7時半起き。
咳が残るのみ。今日もエアロバイクなど休み。
別院コンテンツの準備。来週の eavam展について。
今日はAT賞の締切。
イタリアの再放送、Lazy Sunday
クリーニング屋、やまや、ライフ。
昼はチキンラーメンのヤンニョム味に謎肉を追加。
 
新聞のクロスワードパズルを2週分解く。
四方田犬彦『日本映画110年史』の続きを読む。
ポツンと一軒家は先週の続きらしく、熊本市から1時間かかる山奥。
夜は麻婆豆腐を。
妻が見つけてきたレトルトでつくるのだが、かなり辛かった。その分うまい。
キラキラアフロを見る。
中川家のコント。
別院に eavam展の告知を出して、23時過ぎに寝る。

eavam展に参加します

青熊書店のイベントのご案内です。
 
イシス編集学校で出会った花岡さんは
今、チェンマイで「eavam」というブランドにて
オーガニックなスキンケア製品の製品開発、販売を行っています。
 
「eavam」では年に数回、日本国内での展示会を行うのですが、
今回のテーマが本ということで青熊書店も選書に協力することになりました。
「eavam書店」という架空の書店をギャラリーの空間に設営します。
 
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eavam展
 
会期:5月24日(金)~6月1日(土)
時間:12:30~19:00(最終日のみ17:00まで)
28日(火)はお休み)
会場:組む 東京
〒101-0031 東京都千代田区東神田1丁目13-16
 
以下の日時で花岡さんによるパフォーマンスもあり
25日土曜日 18:00-、26日日曜日 15:00-
――――――――――――――――――――――――――――――
 
花岡さんとは、編集学校の20守、6離でご一緒しました。
それから10数年。
青熊書店を立ち上げ、PASSAGEに棚を持ち、創の実にリアル店舗を持つ。
そして今回このような形で eavam展に関わらせてもらうことになるとは。
縁とは不思議なものです。
青熊書店は選書に関わることになりました。
とても素晴らしい空間になっていると思います。
興味のある方はぜひ足を運んでください。
 
僕も25日、花岡さんのパフォーマンスに合わせて伺おうと思います。
 
 
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青熊書店
 
神保町「PASSAGE」
 
自由が丘「創の実」(2024年12月まで)

Podcastの収録

ここ数日の風邪。
熱はおさまったものの、昨日まで咳が止まらず。
今日なんとかこれなら外出してもいいかな、というぐらいに軽くなった。
荻窪の床屋、神保町PASSAGEの搬入、自由が丘の店で夕方Podcastの収録
という予定。全て崩れたら大変なことになるところだった。
 
四方田犬彦『日本映画110年史』を読み始める。
増補前の100年史の方を10数年前に読んだことがある。
 
まずは荻窪の床屋へ。
9時前に着いたが、店が開いていない。
貼り紙を見たら10時からだという。
マスターかなり高齢だし、これから規模を縮小して営業するのか。
とりあえず駅前のドトールで時間をつぶして10時前に戻って来る。
一番に切ってもらう。
一緒に店に立っていた奥さんが骨折でしばらく店に出られなくなったという。
買い物も行けないから自分で、などなどあって生活のリズムを立て直すのが難しく、
当面は10時営業となった。
今後ずっと、ではないようなのでよかった。
 
ゴンチチのラジオを聞きながら切ってもらい、咳が出そうになるのをこらえる。
終わってすぐ神保町へ。
12時の初回の搬入に間に合う。
開店早々、棚に置いていたナンシー関の本を3冊まとめて買われた方がいた。
棚主仲間のシークレットブックを1冊(誕生日にちなんだもので山羊座のを)、
カーネーションの40周年記念本を買う。
 
昼はまんてんに並ぶ。10人ほどですぐだった。
いつものカツコロ一緒。
 
半蔵門線で渋谷。
乗り換えて東横線
すぐ来る特急だと座れないかもと、1本待って各駅停車。
 
月末のイベント参加の準備など。
編集学校の後輩が来てくれてたくさん買ってくれた。ありがたい。
閉店まですぐだった。
 
18:30より、PASSAGE棚主仲間によるPodcast「独立後のリアル」の収録。
店の中に長机を入れて、マイクを4本立てて1時間話す。
PASSAGE に棚を借りるまで、創の実にリアル店舗を持つまで。そしてこれから。
店長である妻が主に話して、僕はところどころ補足を。
なかなか楽しい時間となった。放送ではどうなるか。
 
店を片付けて、前から気になっていた餃子系の大衆酒場へ。
2時間弱いたことになるか。
餃子を何皿も頼んだのに一人3000円もしなかった。いい店だった。
マルケンという名前だったか。
 
22時半まで飲んでて、電車に乗って帰る。

表現の自由と多様性

いわずもがなだが。
現代において、優れた芸術作品が「表現の自由」を問われることはない。
作者が主張することはない。
あるとしたら、それまで誰も想像しえなかった新しい価値観を提示したときだけだろう。
 
なんだかなー、と思う安易な作品ほど「表現の自由」を声高に主張する。
展覧会にてまた性器をモチーフにした作品でもめるのか、とか。
表現の自由を語るに足るだけの芸術作品の高みがあるとして、
その下側からやっかんで引き下げようとしている行為としか思えない。
 
「多様性」という言葉も同様で。
俺が何やっても自由だろ? って意味になったのはいつからだろ。
まあネットの村社会ができてからだけど。
「水は低きに流れる」ってその通りだなと思う。
 
ネット内の民主主義とリアルな世界の民主主義とは相いれない、
同時に成立しえない、ということが分からない人が一定数いるのだと思う。
だから正義の名のもと前者が後者を侵食して、大多数の人が不快に感じる。
自分の今いる場所を客観視できず、主観でしか見ないからそうなるのか。
 

二日酔いと発熱

14日火曜が、社長賞の懇親会で午後豊洲へ。
最優秀PJ賞だったと聞いてびっくり。
この会社に25年いることになるが、初めてのこと。
それもあって懇親会で飲みすぎて、その後のPJの打ち上げでも飲みすぎた。
帰宅途中から記憶なし。
 
昨日の朝起きて思いっきり二日酔い。
起き上がれず。結局打ち合わせのある10時までほとんど布団で寝てた。
終わってから疲れ切ってまたリビングのソファーで寝て過ごす。
昼はうどんを茹でて食べる。
 
午後になって熱っぽい。測ってみたら38.3℃!?
咳や鼻水も出てきた。
コロナ? とも思ったが、これまでにも何度か二日酔いから体調を崩している。
たぶん今回もそれだろう。
それになぜか右足の膝の裏がねんざのような。ひねると痛い。
昨晩歩いていてグキッとなったのだろうか。
 
夕方、顧客との打ち合わせは後輩に進行を任せて聞くだけにする。
ソファーに横になって17時にこころ旅、18時に中井精也のてつたびを見る。
19時に妻が帰ってきて夕ご飯をつくってもらう。
ご飯を炊いて、味噌汁をつくって、肉を焼く。
吐き気や下痢はない。普通に食べた。
 
20時を過ぎてさっさと寝ることにする。
布団を敷いて寝る。
みみたが横にいる。
布団をかぶっていると熱い、と毛布を出すと今度は寒い、
寒気がして目が覚めて毛布と布団をかぶる、その繰り返し。
1時間に1回は目が覚めたと思う。
 
そのうちに雨が降り出す。その音を聞きながら寝る。
なぜかサンドイッチをつくらなければ、という夢ばかり見ていた。
ずっとみみたが横で寝ていた。
姿勢を変えたり、場所を少しずつ変えながら。
僕が弱っているのがわかるのだろう、噛みついて起こしたりしなかった。
 
いつも通り7時前に起きる。
熱を測ったら36.9℃と下がったが、まだふらふらする。
仕事はまあボチボチで行こうかと。
 
二日酔いから風邪、発熱って
僕も年を取ったものだ。

『近畿地方のある場所について』

近畿地方のある場所について』
まだ5月半ばだけど、今年上半期一番面白かった本はこちらになると思う。
 
昨年から通ってる整体の方が怪談・ホラー好きで
腰や背中をもんでもらいながら「なんか面白いのありました?」と話す。
前回、読み終えたからともらったのが
最近話題の『変な家』と『近畿地方のある場所について』
 
『変な家』は、まあぼちぼち。
ホラーというより謎解きですね。
状況の説明してるところまでは面白かったけど、後半は謎解き一直線。
正直、そこそこ。
小説としての面白さは皆無。
版元が飛鳥新社なので『磯野家の謎』に立ち位置が似ていると思う。
 
近畿地方のある場所について』
ある地方という共通点以外に一見互いに無関係そうな怪談話
(雑誌記事、WEBのコメント、原稿前のインタビューなど)
が乱反射してどこに向かうのか皆目見当もつかない。
 
人間何が怖いって、不安定なこと、不安なことが続く、
それがどこに向かうか全くわからずに続くこと、だと思う。
そもそも悪夢というものがそう。
異様なものが突然現れるから怖い、追いかけてくるから怖い、
ではなく、本当に怖い夢は不安な状態のまま何も起きず、
何かが起こりそうなまま、ただふらふらと続くことだと思う。
 
それとあと、怖い話がどう流布するか、どう記録されるのか、
というのをたぶんかなり正確にトレースしたこと。
そこのところ、ほんとこれはうまいなーと感心した。
 
ネタばれ的な話になるけど、
後半4/5に入ってからの真相・核心への肉薄部分をごっそり削ぎ落して、
結局何もわからない、この世は理不尽なものだ、で終わっていたら
これは僕にとって生涯ベスト10の本に入ったと思う。そこが残念。
でも、ホラー好きならば十分面白い。
新耳袋』4巻のあの山の話が好きな人ならば、ぜひ。