干支九星術のお話

望月治先生の広められた干支九星のあれこれを、沙門慶仁がお話しいたします。干支九星術 沙門室(月恩会)参照のこと。

世代の常識

 昔と今を比べても始まりませんし、意味のないことです。
 ですが、世代を超えておいでになる方には、その人に合った話をしなくてはなりません。
 自分の若い頃を考えても、年配の人の常識と自分たちは全く違う、いずれ自分たちが大人になったときには、自分たちが主流になると考えていたものでした。
 ですから、自分たちの常識と考えていることで世代の違った方々にお話しても通じません。
 若い人の考え方も、十分に考えなくては相談を受けたことにはなりません。
 その世代の常識を踏まえつつ、新しい知見を入れていかなくてはなりません。
 ということは、何歳になっても勉強が終わらないということになります。

九星の相生相剋

 干支を入れない鑑定の場合には、九星での相生相剋をみていたわけです。
  同会している星や、宮との相生相剋になります。
 ただその範囲は限定されてしまう傾向にあります。
 例えば1白でしたならば、必ず2黒などは剋になりますので、マイナスとして判断されます。
 また、必ず母親との剋の関係ともなります。
 それが昔の時代の相性判断である、1白と2黒は相性が悪いという、無茶苦茶な話になるわけです。
 そこで十二支が入ってきたために、判断の範囲が広くなりました。
 日破などは、十二支が入らなくては判断できないものです。
 そういうことを考えると、九星専門という方であっても、十二支を使用されているわけです。
 さらに十二支を回座させると、更に広がります。

情報を選ぶ

 ネットが流行りだした初期から言われていることですが、ネットは情報が過多ですので、そこから大切な情報か選ぶ能力が必要になります。
 たしかにネットには重要な情報や大切な情報もありますが、逆もまた多いはずです。
 特に占いは、最初が肝心ですので、おかしな先生が出した情報で勉強し始めたら大変です。
 あるとき、霊術でこんなのがありますと先生に話したら、「お前、何でそんなマの入った情報を入れるのか」と怒れらたことがあります。
 先生の鑑定は、ギリギリのことをされておられましたからこそ、間違ったものや、偽物には敏感でした。
 ですから、干支九星をする者は特に、知らないうちに汚れが自分(の知識と心)についていないか、常に自省する必要があるのです。

記録をつける

 鑑定をしたいとか、鑑定士になりたいと考えていない人であっても、この学問は面白いです。
 何事かが発生するのは、偶然で起こったことではないのです。
 インドでもインドラの網といって、すべての事柄は関連して起きていて、偶然に起こったことはないという思想があります。
 それを解明する方法の一つが、干支九星学です。
 そのためには、何事かが起こったときに、何日の何時何分かを記録しておくといいです。
 そして暦を開いて、干支九星盤を作成して、どうしてそうなったかを考えるのです。
 確かに最初、ある程度の視点は教えてもらう必要はあります。
 わからなければ、先輩に聞けば答えてくれるでしょう。
 その積み重ねをしていくと、世の中の事柄がわかるようになります。
 そして鑑定にも結び付いていきます。

天災の予測

 今年は年初から地震があり、大変な年として始まりました。
 それにしても思うのが、我々が仮に地震の予測ができたとして、それをどうしたらいいのかという問題があります。
 公表して外れましたでは、占術の価値を下げることになります。
 当然、次回からは信じてくれる人がいなくなります。
 また世間を惑わすことになります。
 親しい人ならば許してくれるということから、親しい人にだけ話をするということもあるでしょう。
 ですが本当に可能ならば、地震が起きないようにすることです。
 先生も地震に関しては、相当に配慮されておりまして、地震をなくす努力をされておりました。
 本当の易者は、そうあるべきだと信じます。

一番確実な開運法

 開運をするには、はやり宗教が早いです。
 宗教といっても、新興宗教ではなくて、今まであった既成の仏教と神社神道とを意味します。
 要するに、どうにかして突破しようとする気持ちと、それに感応していただけるものがあるかどうかです。
 大概の人は、信じなかったり、途中で挫折してしまう場合が多いのですが、ひたすら努力しますと道が開けます。
 いろいろと拝見しておりますと、既にある伝承の中で、開運方法は埋もれています。
 あとは工夫をすることと、不平を言わないことです。
 神仏を信じる純粋な心が必要なことは、言うまでもありません。

最初に戻る

 干支九星の鑑定にしても、考え方にしても、法則通りに解明するのは、そう難しいことではありません。
 実際にやってみれば、多くの場合には答えが出てきます。
 しかしながら難しかったり、込み入ったりしますと、答えを出すのが難しくなってきます。
 そこをどう乗り越えるかが、一つの目安です。
 これは先人たちが、自分の腕を磨き、新しい知見を作ってきた道すじでもあるのでしょう。
 そのためには、最初に戻る必要があるのです。
 そしてなぜかを考え工夫しますと、自然と鑑定力が付いてきます。
 秘伝を聞いただけで実力が付くと思っている人は、干支九星の習得は無理です。
 すぐお金に変えようと思う人は、まして無理です。